2018年の6月に発売されたばかりのMatebook X Proを購入したので、ライバル機であるMacbookやSurfaceと比較しながらレビューする。
Matebook X Proの最大の魅力は3:2比率で画面占有率91%の3Kディスプレイだから、そこを中心にボディの質感からスペックまで網羅した。
今薄型ノートパソコンウルトラブックの購入、買い替えを検討している人は参考にしてほしい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
Huawei Matebook X Pro
Matebook X ProはHuaweiが販売するウルトラブック(薄型高性能ノートパソコン)で、持ち運びを想定した軽いボディながら高い処理能力、高い質感を誇るのノートパソコンだ。
Huaweiとは
P20Proなどのスマホが売れたことで一躍日本でも人気メーカーとなったHuaweiは、スマホ分野での世界シェア2位を誇る中国の大企業だ。
それもそのはずHuaweiは今でこそ民営化されているものの元々は中国の国営企業で、中国の後ろ盾を受ける開発力が強みだ。
元国営企業だけあって中国政府とはずぶずぶの関係で、データの読み取り疑惑が絶えないことからアメリカではHuaweiのスマホ販売が禁止されている。
Matebook X ProにもPCマネージャーという謎のソフトがインストールされているから俺は即アンインストールした。
Matebookとは
MatebookはHuaweiが販売するPCブランドだ。それまでのスマホ開発で培った技術を活かして2015年頃にタブレット型パソコンMatebookでパソコン市場に参入した。
その後2017年に初のラップトップ型となるMatebook Xを、2018年に今回紹介するMatebooke X Proを発売した。
スマホにもMateシリーズブランドがあるけど、Matebookはパソコンのブランドだ。
Matebook X Pro画面占有率91%
Matebook X Proを選びたくなる最大の理由は、開くとほぼ画面のスタイリッシュなボディだ。
その画面占有率は驚異の91%で、14インチクラスのノートパソコンで最大となる。
画面解像度も3K(3000ピクセル×2000ピクセル)と高く一般的なフルHD(1920×1080)と比較しても鮮明さが違う。
スマホ製造で培ったディスプレイ品質は最高クラスでムラも色の偏りも無く鮮明で明るい。デスクでMatebook X Proを開けば視界いっぱいに圧倒的な美しさのディスプレイが広がる。
ノートパソコン市場に新規参入したブランド力のないHuawei製のパソコンを購入したくなる最大の理由はこのディスプレイだ。
逆に言うとディスプレイに魅力を感じなければMatebook X Proを選ぶ理由はない。
Matebook X Proのディスプレイがどれだけ優れているかということを中心に、魅力を一つ一つ解説していきたい。
Matebook X Proのスペック
Matebook X Proには2つのモデルがある。
下位モデル | 上位モデル | |
液晶サイズ | 13.9 インチ | 13.9 インチ |
解像度 | 3000x2000 | 3000x2000 |
CPU | Core i5 8250U | Core i7 8550U |
ストレージ | SSD:256GB | SSD:512GB |
メモリ | 8GB | 16GB |
駆動時間 | 12時間 | 12時間 |
重量 | 1.33 kg | 1.33 kg |
USB-A(フルサイズ) | 1 | 1 |
USB-C | 2 | 2 |
上位モデル、下位モデルの違いは下記の5点だ。
下位モデル | 上位モデル | |
CPU | Core i5 8250U | Core i7 8550U |
ストレージ | SSD:256GB | SSD:512GB |
メモリ | 8GB | 16GB |
ビデオチップ | なし | GeForce MX150 |
俺が購入したのは下位のi5モデルだからこちらをベースにレビューしていく。
なぜcore i5モデルを選んだのか、その理由は下の記事でまとめているからまずはここから読んでほしい。
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Matebook X Proディスプレイの魅力
冒頭でも紹介したようにMatebook X Proの魅力はこのディスプレイに集約されている。
ベゼル幅4ミリ/13.9インチディスプレイ
Mtebook X Proの佇まいは無駄なベゼルがなくシンプルで美しい。
画面占有率91%のボディはスマホ開発で培った技術を詰め込んで、幅4ミリまでベゼルを抑えたことで実現した。
一般的な13.3インチノートと比較するとその差は歴然で、今まで使っていたZenBook Flipよりも画面が大きいのにボディは小さい。
そのサイズは304x14.6x217 mmで、A4用紙の297×210×mmと比較しても縦横1センチも変わらない。
厚みも14.7mmと学習ノート2冊分で、カバンの中でノートと一緒に入れてもほぼ違和感のない大きさだ。
Matebook X Pro 3Kディスプレイ
通常のウルトラブックがフルHD(1920ピクセル×1080ピクセル)なのに対して、Matebook X Proは3K(3000×2000)の解像度があり、その作業領域は約3倍にもなる。
つまり今まで解像度の関係で並べるのが難しかったウィンドウを画面分割表示して並べても余裕で表示できてしまう。
この作業領域の変化は作業効率に直結する。まるでモニタが1つから3つに増えたかのように快適に作業が進められる。
ただし、比較的大きな13.9インチとはいえ3K解像度だとまともに字が読めない。ここはWindowsのテキスト表示サイズを125%に調整することで実用的に使えるようになった。
テキスト表示を125%に変更したことで3K解像度は2400ピクセル×1600ピクセル相当になるんだけど、それでもブラウザを横並びにするには十分で使いやすい。
しかも写真や動画の確認では3Kのメリットを最大限享受できる。明らかに今までより鮮明に写真が見れる。発色も素晴らしい。
一般的なカメラで撮影する写真のアスペクト比は3:2が多いから、画面を最大限活かせるのもメリットだ。
このディスプレイは最大輝度の明るさもさることながら
最低輝度もこんなに低い(カメラ設定をマニュアルで固定)
Matebook X Pro3:2比率ディスプレイ
Matebook X Proはノートパソコン市場でも珍しい3:2比の比較的縦に長いディスプレイだ。
考えてほしい。ウェブサイトが縦に長いのにディスプレイが横に長い意味がない。解像度の違いも手伝って表示の範囲も縦に超広くて読みやすい。
縦半分に画面を分割するとタブレット端末2つを横並びにしてるかのようで、ウェブサイトが読みやすい。
実際に俺はMatebook X Proを購入することで今まで4つ使っていたディスプレイをMatebook X Pro一つに集約したし、体感での作業効率は変わっていない。
※以前の作業環境
Matebook X Pro一台に置き換えた作業環境は別の記事で詳細に解説している。ウルトラブックを購入しようとしている人は参考にしてほしい。
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指紋センサー内臓電源ボタンが最高
ディスプレイの次にすごいのがこれ。この電源ボタンは指紋センサーを内蔵している。
電源ボタンを押した瞬間に指紋を読み取って、ログインまで一直線にすすんでくれるから、10秒後にはデスクトップが表示されている。
電源オンからログインが快適すぎる。
Matebook X Pro質感の高いボディ
Matebook X Proの魅力はディスプレイに凝縮されているけど、ボディの質感も申し分ない。
Macbookのような外観
外観は完全にMacbookを意識している。Huaweiのマークを隠せば誰にも気付かれないから多分シール貼る。
アルミ削り出しボディの質感は高く、剛性も高い。旧機Matebook Xのボディがきしみやすく柔らかい点が不満だったけど、Proになることで改善された。
開いた感じもMacbookそっくりだ。
Macbookと同じように真ん中部分にくぼみがあるデザインで本体を開きやすい。
背面にファンはない。とてもすっきりしている。
背面左右のくぼみはスピーカーだ。
ファンはヒンジの裏側にある。普段目にすることがない配置がうれしい。
ファンが回転することは少ないけど、回転音はキーンというよりはサーという感じで耳障りではないのも高印象だった。
ディスプレイは130度ほど開く。
静かなキーボードと広いタッチパッド
キーボードも使いやすく音も静かだし、タッチパッドも広い。
ポップアップカメラ
特徴的なのはF6とF7の間にポップアップするカメラが配置されていることで、F7以降のキーが一つ右にずれているから、最初はF7を押すつもりでカメラをポップアップさせてしまう。
このレベルのウルトラブックでは当たり前だけどキーボードバックライトもある。
裏面に加えて、キーボードの左右にもスピーカーがある。背面の2つと合わせて合計4つ。
ドルビーアトモスを搭載しているだけあって音はかなりいい。とはいえ以前のZenbook Flipの方がよかった気はする。どちらも音質のレベルは高い。
Matebook X Proは拡張性の高さも魅力だ。本体右側にフルサイズのUSBを一つ搭載している。
左側にType- Cが2つとイヤホンジャックが一つ。
角はすべてダイヤモンドカットが施されていて光沢が美しい。
正直Huaweiブランドということ以外に不満がない。ボディの質感は死ぬほど高い。
しいて言うなら本来F7の位置にあるポップアップカメラが邪魔だったりはあるけど、些細すぎてどうでもいい。
Matebook X Proベンチマークテスト
ベンチマークといってもスペックの通り第8世代core i5と8ギガメモリだからその近似値になる。ただ、Matebook X Proは薄型なのもあって比較的熱を持ちやすく、長時間の重い作業によってパフォーマンスが低下する。
CrystalDiskMark
SSDの読み込み2737MB/秒で、書き込みは335MB/秒だった。
SSDのアクセスは1500/秒以上で高速な部類だから、Matebook X Proはむちゃくちゃ早い。これが電源を入れて10秒でデスクトップに辿り着く高速表示を実現している。
ちなみにHDDだと100から200程度なので読み込みの速度差は27倍ほどになる。
PassMarkTest
CPUが8641のスコアなので、Core i5-8250Uの平均よりも少し高い。
Lightroom現像時間(書き出し)
俺がパソコンを使う中での最も重い作業はLightroomのRAW現像だ。
今手元に3つのパソコンがあるから、それぞれのスペックでLightroomの現像時間を比較してみると、今まで5分以上かかっていたものが4分以下まで短縮された。
Core i7 6500U メモリ8ギガ | 5分22秒 |
Core i5 7200U メモリ8ギガ | 5分38秒 |
Core i5 8250U メモリ8ギガ | 3分47秒 |
※Adobe Photoshop Lightroom6で8000×5320ドットのRAW画像100枚を長辺1920ドット、画質80%、解像度240、プロファイル補正のみのJPEGファイルに出力するのにかかった時間(フィルター類適用なし)
Matebook X ProはLightroomの現像を実用的にこなせるくらいの性能で、普段使いでは全く不満を感じない。
Matebook X Proのよくないところ
フルパワーで利用しているとキーボードが温かい。厳密に計ってはいないけど指先が暖かいので、36℃は超えている。
俺はバッテリーを持たせるためにもCPUのクロックを60%から70%に抑えて運用してるから熱は感じないけど、今回のベンチマークをフルパワーで動かすと暖かい。
キーボードの温度を気にする人は気を付けたい。
Matebook X Proのコイル鳴き?
Matebook X Proのレビューを調べるとコイル鳴き(電子機器特有のキーンという音)がうるさいという悪評が2件見つかるけど、俺のMatebook X Proはコイル鳴きはなかった。
個体差があるのかもしれないけど、Matebook X Proの名誉のために書いておきたい。
というわけで俺がウルトラブックに求める条件をすべて満たしたレベルの高いウルトラブックだった。とてもいい買い物だったと思う。
ライバル機はSurface
見た目はマックブックに近いんだけど、スペックはSurfaceに近い。
Matebook X Proの最大の魅力は縦長(3:2比)の3Kディスプレイだけど、俺が知る限り同じディスプレイのノートパソコンはSurfaceしかない。
他にもMatebook X ProとSurfaceシリーズには共通点が多いから近い性能のモデルを比較する。
Matebook X Pro | Surface Laptop 2 | Surface Book 2 | |
i5モデル | i5モデル | i5モデル | |
液晶サイズ | 13.9 インチ | 13.5 インチ | 13.5 インチ |
解像度 | 3000x2000 | 2256x1504 | 3000x2000 |
CPU | Core i5 8250U | Core i5 8250U | Core i5 7300U |
ストレージ | SSD:256GB | SSD:256GB | SSD:256GB |
メモリ | 8GB | 8GB | 8GB |
駆動時間 | 12時間 | 14.5時間 | 17時間 |
重量 | 1.33 kg | 1.25 kg | 1.62 kg(キーボード込み) |
USB-A(フルサイズ) | 1 | 1 | 2 |
USB-C | 2 | 1 | 1 |
14万円 | 14.5万円 | 17万円 |
Surface Laptop 2と比較
価格で比べた場合はSurface Laptop 2が近い。ただ、Matebook X Proほうが画面が大きいこと、解像度が高いことから、Matebook X Proに軍配が上がった。
Surface Book 2と比較
Surface Book 2は画面比率と画面解像度が同じなんだけど、本体が重くて価格が高い。
この2機種と比較した結果、俺が求める条件を最も満たしているのがMatebook X Proだった。しかも価格は一番安い。
あとSurfaceは音が悪いと聞いていたから、そこも考慮した。
Matebook X Proを買ってはいけない人
Matebook X Proをおすすめしたい人
3K3:2ディスプレイの恩恵受けられる人。
プログラマーやライター、ブロガーなど。
Matebook X Proを買ってはいけない人
イラスト系の重い作業や動画のエンコード、3Dゲームをメインに考えている人はもっとスペックが高く、キーボードが熱くなりにくいマシンがおすすめ。
特にFPSなどのゲームは画面が横に長い方が有利だから、Matebook X Proはゲーマーには向いていない。
コスパ高いのでお勧めです
ブランド力がないとはいえ、このスペックでこの値段はほかにないし、外観が美しすぎる。
性能も十二分に高いマシンだから、一般的な使い方で不満を感じることはない。
ブランドにこだわらないのであれば、コスパ重視の最適解としておすすめだ。
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