大型バイク乗りといえば、公道で全く必要のないパワーとちびっ子が好きそうな虫っぽい見た目に食いつき、ランボルギーニとかフェラーリと違ってブランド力も女性モテもなく、孤独に道の駅に潜む悲しき怪物として有名ではあるけど、実はそんな俺も大型バイク乗りの一人。
今回は無駄で孤独な大型バイクを少しでも恰好良く乗るために新しい買ったヘルメット「SHOEI Z-8」をレビューする。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
大型バイクは見た目が全て
俺は19の頃から10年以上バイクに乗り続けていて地味にバイク歴は長いんだけど、この年になって思うのは大型バイクほど無駄な乗り物はないということなんだ。
例えば通勤通学のために原付とか中型バイクに乗るのはコスパのいい移動手段として理に適っているんだけど大型バイクは話が別。
300キロも出るパワーを活かす機会はどこにもないのに燃費は悪く、取り回しも悪い癖に維持費も高い。同じ金額を払うなら屋根付きで人も荷物も運べる車の方が100%快適。
だからそんな大型バイクに乗る理由は、自分の憧れでしかない。このかっこいいバイクに乗ってる俺を見て。ってこと。
つまり見た目がダサいなら大型バイクに乗る意味がない。自分なりの美学を追求する以外に脳がない乗り物。それが大型バイクなんだ。
俺が乗ってるZZR1400のレビュー記事は下記。
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GT-AIRヘルメットはスタイル悪すぎ
じゃあどうすればかっこよくなるのかは各々の中にしか正解がないんだけど、俺は俺なりに無駄なものを足さず、できる限りシンプルにバイクと一体化することでバイクという素材を最大限生かす努力をしているつもり。
そんなある日バイクに乗る自分が写った夜のショーウィンドウを見て俺思った。なんか頭でかくね?って。
というのも俺が日本一周でも使っていたSHOEIのGT-AIRはハイエンドモデルなだけあって機能が充実している分サイズが大きいのがネックだった。
とはいえバイクに乗る自分を見る機会なんてあまりないから今まで気づかなかったんだけど、現実を突きつけられたその日俺は愕然とした。
おかしい。バイクは格好いいのに俺が格好良くない。これじゃバイクが台無しだ。
ということで小顔によるスタイル改善と軽量化によるモトブログの快適化を目的としてヘルメットを買い替えることにした。
SHOEI Z-8 Mサイズを購入
サイズが小さく、できれば軽いヘルメットを色々と探した結果、2021年に発売されたばかりのZ-8というヘルメットが評判らしかった。
ということで早速バイク用品店に行って試着するとこれが実際に小さくて軽い。とはいえZ-8も世界のSHOEIのハイエンドヘルメットだからそのお値段は56,000円と驚くほど高かった。バイクヘルメットの相場は狂ってる。
今のGT-AIRでも別に不満ないよ?買い替えなくていいんじゃない?としばらく店の中で迷いまくったんだけど、ネット界の有名な格言
「買う理由が値段なら買うな、迷う理由が値段なら買え」
に従って購入することにした。
SHOEIフィッティングサービスあり
さて買うと決まれば問題はそのサイズなんだけど、Z-8はMサイズとLサイズでヘルメット外観の大きさが違う。
今回の買い替えの最大の目的はスタイルの改善だから少しでも小さいサイズを選びたい。とはいえ今まで使っていたGT-AIRのサイズは「L」。無理に小さいサイズを買って頭痛の原因になっては本末転倒。
そこで店員に聞いたところ、SHOEIのヘルメットはフィッティングサービスがあるとかで、丁寧に頭のサイズを測ってもらえるということだった。
その結果、
店員「Mサイズですねー」
ということで、今まではでかめのサイズを被ってたっぽい。やっぱプロの意見は聞くべきだわ。
頬のクッションを薄型に変更
ただ、Mサイズを被ると頬骨の圧迫がきつい。と店員さんに伝えると、購入時なら3,000円でクッションの変更も可能ということだったからお願いすることにした。購入時じゃないと6,000円するらしい。意味不明。
結局合計59,000円もかかった。ヘルメット市場はもっと価格競争するべきだと思う。いくらなんでも高すぎる。
Z-8はサイズが超コンパクト
この記事の頭からサイズ感の話しかしていない気がするけど、Z-8はサイズがマジでコンパクトで素晴らしいんだ。
以前のGT-AIRと比較するとこんな感じで、どの角度から見ても二回りぐらい小さい。
実際に被ってみてもサイズ感は雲泥の差。
かなりマッチ棒感が少なく、スタイルがよくなった。
Z-8は1.4キロの超軽量
本体サイズが小さいということは重量も軽い。実際に計測すると1.39キロしかない。
1.39は十分重いだろって思うかもしれないけど、ヘルメットの中ではかなり軽量で、以前使っていたGT-AIRは1.577キロと180グラムも重い。
モトブログを撮影するときのGoProが269グラムだからGoPro分の重量がなくなったというと言いすぎではあるけど、それなりのインパクトはある。
Z-8は走行時に更に差が出る
シンプルに180グラム程度の違いなら首の筋肉を鍛えればなんとかなる気はするし、実際俺はGT-AIRで日本一周をしているから何とかなっているんだけど、走行時のZ-8は重量以上に軽く感じる。
というのも繰り返しになるけどZ-8は全体のサイズが小さいんだ。バイクに乗っていると左右確認で首を振る機会が多いんだけど、Z~8は全体のサイズが小さいから首が振られにくい。
軽さ+サイズの小ささのお陰で180グラム以上の差を感じられる。これは感動的に快適。ヘルメットを購入した帰り道で6万払って買ってよかったと思えた。
Z-8の静穏性はGT-AIRと同じ
ところでZ-8といえば軽く小さいことだけでなく静音性も売りだったりする。んだけどここはGT-AIRと差を感じなかった。
Z-8はシールドのフロントロック機構を採用していて、
カチッと音が鳴るまでシールドを下げることで密閉される作り。
これによって静音性を上げてるらしいんだけど、そもそもGT-AIRも静音性の高さが売りのヘルメットだったから、Z-8に乗り換えた違いは感じなかった。
とはいえ二回りもサイズが小さくなったのにGT-AIRと同じ静音性を保てていることがZ-8の凄さなんだと思う。
Z-8はベンチレーションがいい、らしい
あとSHOEIによるとZ-8はベンチレーションがよく涼しいらしいんだけど頭に風が当たったところで夏場のバイクが地獄であることには変わらず焼け石に水。
GT-AIRより風が当たる気はするけどそんなにありがたみは感じない。
Z-8はスピーカー収納スペース付き
最近のヘルメットは耳の位置にスピーカーの収納がついてる。これもGT-AIRと同じ。
そこに収まるサイズのスピーカーとかインカムならすっぽり入るという寸法。
俺もバイク屋にメンテナンスに持っていくときとかは自作したスピーカーでYoutube聞いてることが多い。
自作スピーカーの記事は下記。
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【バイク用ヘルメットスピーカー自作】たった5,000円。超簡単。
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Z-8の不満点5つ
Z-8は世界シェア1位のSHOEIが作る6万円もするヘルメットだから基本的な性能はヘルメット市場最高クラスではあるんだけど、不満点もあるにはある。それが下記。
- Z-8はヘルメットの入り口が狭い
- Z-8はヘルメット開閉機構が糞
- Z-8は赤のワンポイントが意味不明
- Z-8はSHOEIロゴがダサい
- Z-8はサンバイザーがない
Z-8はヘルメットの入り口が狭い
Z-8はその静音性を高めるために他のヘルメットと比べて入り口がかなり狭く作られてる。
GT-AIRと比較しても一目瞭然で被るたびに最初の圧迫感がすごい。被ってしまえばなんてことはないから別にいいんだけど、付け外しのたびにすげぇ顔が引き延ばされる。
Z-8はシールド開閉機構が糞
これは100人中100人が上げる不満点だから有名だけど、Z-8はシールドの開閉機構が超独特。
密閉性を高めるために爪がついていて、シールドを開けるときはボタンを押してロックを解除する必要がある。
しかもシールドの歪み防止とかで開閉機構が真ん中についていて超使いにくい。
更にいうならこの新機構のせいでシールドの規格が変わっていて過去のシールドを流用できない。だからラインナップが少なくて高い。
俺は苦肉の策でダークスモークを6,600円で購入したけどスモークが薄くてかなり微妙。また無駄な出費が必要になると思うとちょっと鬱。
Z-8は赤のワンポイントが意味不明
Z-8の全体的なデザインは気に入ってるんだけど、側頭部のこの赤のワンポイントは意味不明。
わざわざ黒一色のヘルメットを選んでいるのに赤の差し色が入るのは糞。この辺細部の詰めの甘さを感じる。
Z-8はSHOEIロゴがダサい
あとは毎度おなじみだけどでかでかと真ん中に鎮座するSHOEIのロゴがダサい。
ロゴのダサさもさることながら位置も最悪。全体的にバイク用品メーカーはどこも美的センスが絶望的。もうちょっとデザイン考えてほしい。
とはいえこのロゴはドライヤーで熱してから爪でひっかけば削り落とせる。
パーツクリーナーを使えば最初からダサいロゴなんかなかったかのように綺麗になるからおすすめ。
Z-8はサンバイザーがない
これは買う前からわかってたからいいんだけど、Z-8にはGT-AIRにあるサンバイザーがない。
ヘルメットはミラーシールドをつけていても夕日で視界が悪くなることが多く、そんな時にGT-AIRのサンバイザーは便利だった。
サンバイザー自体は贅沢な装備だから不満という不満ではないんだけど、あればありがたかった。
唯一無二の小型ヘルメット
という感じ。Z-8には不満点もあるし、バイク用品業界の体質に絶望したり値段が高すぎたりもあるけど、総合的には満足で素晴らしいヘルメットだと思う。
小さいからスタイルがよく見えるし、軽いから首への負担が少なく長距離ツーリングも楽。密閉性も遮音性も高い。
2014年発売の旧モデル「Z-7」をおすすめする人も多いけど、8年の歳月をかけたZ-8の進化は伊達じゃないはず。と信じてZ-8を購入した。
このヘルメットを買えば街中での誰も見ていないバイクドヤリングが更に捗ること間違いなし。思う存分自己満の世界に浸ってほしい。
フィッティングサービスがおすすめ
購入するときはフィッティングサービスが充実してるナップス、にりんかん、ライコランドとかの正規店がおすすめ。
価格は高いけど長く使うものだから快適性には代えられない。悔しい。
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