今やiPhoneは品質の割に高すぎるというイメージが定着していて、iPhoneを買うのはブルジョアか馬鹿というレッテルがAndroid勢から貼られつつある。
確かにiPhoneXから本体価格が約12万円にまで跳ね上がっていて、ここからiPhoneに対するコスパイメージが悪化した感があるんだけど、実はiPhone11に関してはこの限りではない。
今回は根っからのAndroid勢である俺が、iPhone11はAndroidスマホと比較してもコスパが悪くないどころか寧ろ良いと思う理由を解説する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
iPhone11シリーズ
有名すぎるから詳細な説明は省くけど、iPhone11シリーズのラインナップは下記3種類。
機種名 | iPhone11 | iPhone11Pro | iPhone11Pro MAX |
ディスプレイ | 6.1 | 5.8 | 6.5 |
解像度 | 1792x828 | 2436x1125 | 2688x1242 |
Snapdragon 660 | Apple A13 | Apple A13 | Apple A13 |
メモリ | 4 | 4 | 4 |
ストレージ | 64/128/256 | 64/256/512 | 64/256/512 |
バッテリー | 10時間(公称値) | 11時間(公称値) | 12時間(公称値) |
セキュリティ | 顔 | 顔 | 顔 |
おサイフ | ○ | ○ | ○ |
防水 | IP68 | IP68 | IP68 |
重量 | 194 | 188 | 226 |
サイズ | 71.4x144x8.1 | 75.7x150.9x8.3 | 77.8x158x8.1 |
価格 | 74,800円~ | 106,800円~ | 119,800円~ |
iPhone11シリーズの共通仕様
iPhone11シリーズはそれぞれ画面の大きさとか解像度、カメラの数とか色々な違いがあるんだけど、逆にそれぞれの共通仕様に注目したものが下記。
- Apple A13/4ギガメモリの超ハイスペック
- 高品質な広角・標準レンズによる写真・ビデオ撮影
- おサイフケータイへの対応
- IP68防水
iPhone11シリーズは史上最強のAntutuスコア
iPhoneとAndroidはCPUの処理能力で熾烈な競争を繰り広げているんだけど、iPhone11発売時点ではApple A13チップが最も性能が高い。
おなじみのAntutuベンチマークでの計測結果は、現在のAndroidのSnapdragon855+が40万点なのに対して、Apple A13は42万点とAndroidを上回る。
この順位は近く発表されるSnapdragon865の登場によって入れ替わることになるとは思うけど、現状のスマホの最高性能はiPhone11シリーズのApple A13で間違いない。
広角・標準レンズによる写真・ビデオ撮影が高品質
iPhone11ProとPro Maxが望遠、広角、超広角のトリプルレンズを搭載しているのに対して、iPhone11は望遠を除いた広角と超広角レンズを搭載している。
iPhone11に望遠レンズは無いんだけど、広角レンズと超広角レンズの写真・動画の画質はiPhone11 Proと同じ。
俺はメインマシンでiPhone11 Proと同じく望遠、広角、超広角レンズを搭載するMate 20 Proを使い続けているんだけど、
広角レンズと超広角レンズが使いやすいのに対して、望遠レンズは使いどころを探すのが難しいというか正直盗撮くらいにしか使えないから無くても良いと思っている。
気になる人はMate 20 Proのトリプルレンズの使い勝手を比較した下記記事を読んでほしい。
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iPhone11は最も使いにくい望遠レンズを省いて広角レンズと超広角レンズだけを残しているから、実質のカメラの使い勝手はほぼ同じだと思っていい。
おサイフケータイ・IP68防水への対応
iPhoneは8以降日本独自規格のおサイフケータイに対応している。
多くのAndroidシムフリースマホがおサイフケータイに対応していない中、シムフリーでありながらおサイフにも対応しているのは大きなアドバンテージになる。
更にiPhoneは最高規格IP68の防水防塵にも対応している。厳密にはiPhone11Proが4メートルまでの浸水に耐えられるのに対して、iPhone11は2メートルまでという違いはあるんだけど、IP68防水であることに変わりはない。
スマホのコスパは相対的
今や聞かない日は無いくらいにコスパという言葉が使われているんだけど、スマホ市場でもそのコスパは重要視されている。
とはいえコスパは単純に価格で測れるものではなく、比較するためには明確な基準が必要になる。
つまり、それぞれがスマホに求める拘りポイントを洗い出した上でその条件を満たすライバル機と比較していくことが重要だ。
拘りポイントごとのコスパが高いスマホ(2019年10月時点)
2019年10月時点でのよくある拘りポイントごとのコスパに優れたスマホ例が下記。
- 処理能力に拘りたい ⇒ Xiaomi Mi 9
- カメラ画質に拘りたい ⇒ Galaxy Note 10+
- バッテリーに拘りたい ⇒ ZenFone 6
- ゲームプレイに拘りたい ⇒ ROG Phone 2
- 価格に拘りたい ⇒ OPPO Reno A
単純にコスパと言ってしまっても、それぞれが求める拘りポイントによって答えが異なる。コスパに絶対的な解は無い。
iPhone11のスマホ市場での立ち位置
それならiPhone11の強みはなんなのかという話になるんだけど、iPhone11のコスパを図るためには、iPhoneの強みを洗い出す必要がある。
スマホ市場におけるiPhone11の強みは下記。
・高い処理能力(Apple A13)
・おサイフ搭載
・高画質カメラ
・防水(IP68)
この他にも細かいところだとiPhoneブランドとかMacOSとの連携とか色々あるけど、多くの人がスマホに求める最大公約数的な強みはこの4点になる。
iPhoneのコスパを図るのであればこの4点を満たしたスマホと比較したい。
iPhone11のライバルはPixel4のみ
さて上でiPhoneの強みは下記4点だと解説したんだけど
・高い処理能力(Apple A13)
・おサイフ搭載
・高画質カメラ
・防水(IP68)
この4つの条件を満たすライバルスマホはなんと現段階ではPixel4しか存在しない。
しかもPixel4の価格は89,980円からとiPhone11の74,800円を上回る。
なんてこった。iPhone11はスマホ市場の隙間をうまく突いたライバルほぼ不在のスマホだった。
しかもPixel4と比較してもiPhone11は下記2点で優れる。
iPhone11 | Pixel4 |
Apple A13 | Snapdragon855 |
広角・超広角カメラ | 広角・望遠カメラ |
あれだけコスパが悪いと評判だったiPhoneは下記4つの条件を満たすスマホの中では最も安い選択肢だった。
・高い処理能力(Apple A13)
・おサイフ搭載
・高画質カメラ
・防水(IP68)
しかもこの4つはiPhone11を優遇するために用意した出鱈目な項目ではない。実際に多くの人がスマホを選ぶ基準にしている普遍的な項目だ。
iPhone11の価格は処理能力基準でも妥当
更にiPhoneの性能が今現在の業界最高であることは紛れもない事実。
性能が高くて安いスマホといえば俺もサブ機で使用しているXiaomiのMi 9とかK20 Proが4万円強で購入できるんだけど、iPhone11はこれらのスマホをスペックで上回る。
4万円強で手に入るMi 9とかK20 Proが搭載しているSnapdragon855の性能は現在の業界3番手で、2番手がSnapdragon855+を搭載したOne Plus 7Tの6万円強だということを考えると、業界1番手のiPhone11の8万円という価格は処理能力だけを切り取っても妥当性がある。
iPhone11の弱点
ここまででiPhone11シリーズの中でもiPhone11は処理能力やライバル機と比較してコスパが高いことが分かってもらえたと思う。
ただ、そんなiPhone11にも弱点はある。
iPhone11は解像度がちょっと低い
iPhone11はiPhone11シリーズの中で最も解像度が低い。
機種名 | iPhone11 | iPhone11Pro | iPhone11Pro MAX |
ディスプレイ | 6.1 | 5.8(有機EL) | 6.5(有機EL) |
解像度 | 1792x828 | 2436x1125 | 2688x1242 |
これは敢えて比較しないとわからない程度の違いではあるんだけど、フルHD+(2340x1080)が主流の現在では気になる人は気になるかもしれない。
有機ELではない
iPhone11Proは次世代パネルである有機ELディスプレイを搭載しているのに対して、iPhone11は液晶を搭載している。
機種名 | iPhone11 | iPhone11Pro | iPhone11Pro MAX |
ディスプレイ | 6.1 | 5.8(有機EL) | 6.5(有機EL) |
解像度 | 1792x828 | 2436x1125 | 2688x1242 |
有機ELディスプレイは発光しないことで黒を表現する圧倒的な明暗差が魅力のディスプレイなんだけど、個人的にはあれば良い程度で無くても良いと思っている。
iPhone11はLightningケーブル
最大のネックはこれ。未だにiPhone11は誰も望んでいないLightningケーブルを採用しているから、充電やデータ通信に苦労する。iPadがType-Cに対応したんだからiPhoneもType-Cを採用してほしかった。
iPhone11は大きさの割りに重い
iPhone11シリーズはその全てがサイズ感の割りに重い。
機種名 | iPhone11 | iPhone11Pro | iPhone11Pro MAX |
ディスプレイ | 6.1 | 5.8 | 6.5 |
重量 | 194 | 188 | 226 |
サイズ | 71.4x144x8.1 | 75.7x150.9x8.3 | 77.8x158x8.1 |
これは本体にステンレスとかアルミとかガラスとかの高級素材を採用していることの弊害で、重量を犠牲に高級感を演出している。
正直ケースを付けて200グラムを超えてくるとかなり重く感じるから辛い。
iPhone11はDSDSに非対応
iPhoneは一つのスマホに二つのSIMカードを挿して2番号で運用するDSDSに対応していない。一応香港版マカオ版中国版では対応しているんだけど、入手コストが高い。
既にDSDSで運用している人にとってDSDS対応の有無は死活問題になる。俺がiPhoneに乗り換えない理由はこれ。
iPhone11はツインアプリに非対応
これはニッチな機能にはなるんだけど、Huawei、ASUS、XiaomiのスマホはLINEなどのSNSアプリを複製できるツインアプリ機能に対応しているのが強み。iPhoneはもちろんツインアプリに対応していないから、普段ツインアプリを使っている人はiPhoneに乗り換えられない。
iPhone11 Proと違ってiPhone11はコスパが良い
最後に色々とiPhone11の弱点は挙げたけど、それでもiPhone11にはデメリットを補って余りある魅力がある。もしDSDSに対応していたら俺もiPhone11を購入していたと思う。
逆に望遠レンズと有機ELディスプレイくらいしか大きな違いが無いのにそれだけで3万円以上も価格が上乗せされるiPhone11Proは高い。
ライバル機と比較した結果iPhone11Proのコスパは悪いけど、iPhone11のコスパは良いという結果になった。
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