日本製スマホはゴミ。この悲しい事実はもはや我々日本人にとっても常識で、10年前は数多あった日本スマホメーカーはそのほとんどが撤退し、生き残りも虫の息の状態なんだ。
のはずだったんだけどなにやら新しく出たAQUOSシリーズの新型、「AQUOS sense 8」が凄いらしいと風の噂で聞いた。
そんな馬鹿な。あの、ゴミスマホのsense 4を出したシャープがまさか。という事実を確認すべく購入したからレビューする。
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AQUOS sense 8の特徴
AQUOS sesnse 8の特徴は下記。
- 6.1インチ有機EL90Hz
- Snapdragon 6 Gen 1でそれなりの性能
- オサイフ防水防塵対応
- MIL規格16項目に準拠(耐久性が高い)
- 標準、超広角のデュアルカメラ搭載
- 5000mAh大容量バッテリー
- 55,000円
AQUOS sense 8は全体的に手堅いつくりのミドルハイエンドスマホという感じで全てが中堅。特筆すべき点は無いけどバランスはよく、防水防塵オサイフ対応でありつつ丈夫。
贅沢なカメラと性能、無線充電以外の全てを搭載する。
それでいて55,000円と最近のスマホとしては比較的お求めやすい値段で人にお勧めしやすいカタログスペックのスマホなんだ。
AQUOS sense 8の詳細なスペック
AQUOS sense 8の詳細なスペックは下記。参考にライバル機になるであろうPixel 7aと比較する。
AQUOS sense 8 | Pixel 7a | |
ディスプレイ | 6.1(90Hz有機EL) | 6.1(90Hz有機EL) |
解像度 | 2432x1080 | 2400x1080 |
CPU | Snapdragon 6 Gen 1 | Tensor G2 |
メモリ | 6 | 8 |
ストレージ | 128 | 128 |
バッテリー | 5000 | 4385(Qi) |
セキュリティ | 指紋/顔 | 指紋/顔 |
おサイフ | 〇 | 〇 |
防水 | IP58 | IP67 |
デュアルSIM | 〇(eSIM) | 〇(eSIM) |
重量 | 159 | 193 |
サイズ | 71x153x8.4 | 72.9x152x9 |
価格(税込) | 55,000円 | 69,300円 |
サイズ感は最も多くのユーザーに受け入れやすい6.1インチで、全ての性能が過剰ではなくほどほど。バランスよく多くの性能を詰め込んで、55,000円。14,000円上乗せしてハイスペックと最強カメラが手に入るPixel 7aとどう差別化するかが課題になる。
Antutuベンチマーク43万点
AQUOS sense 8のAntutuベンチマーク計測結果は43万点だった(V9.4.4)。過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- Zenfone 9 1053021(Snapdragon8+ Gen 1)
- iPhone 14 Pro 911807(A16)
- iPhone 13 Pro 796452(A15)
- Zenfone 8 793557(Snapdragon888)
- Pixel 7 Pro 788900(TensorG2)
- Pixel 7a 709686(TensorG2)
- Find X3 Pro 747175(Snapdragon888)
- Pixel 6a 731622(Tensor)
- iPhone 12 707452(A14)
- Pixel 6 Pro 701148(Tensor)← 過剰性能ライン
- Mi 11T Pro 693369(Snapdragon888)
- moto g100 664795(Snapdragon870)
- Galaxy Note20 Ultra 644423(Snapdragon865+)
- Galaxy S20 630889(Snapdragon865)
- Nothing Phone 583647(Snapdragon778G+)
- Galaxy S20 582949(Snapdragon865省電力モード)
- Xiaomi Pad 5 576689(Snapdragon860)← 必要十分ライン
- realme GT Master Edition 539784(Snapdragon778G)
- Mi 11 Lite 5G 519539(Snapdragon780G)
- Mi 9 500624(Snapdragon855)← 人権ライン
- AQUOS sense 8 434710(Snapdragon 6 Gen 1)
- Reno 5A 376881(Snapdragon765G)
- Redmi Note 10 Pro 343568(Snapdragon732G)
- AQUOS sense 4 282575(Snapdragon720G)
AQUOS sense 8はメモリ容量が6ギガと少ないせいかAntutuベンチマーク計測最初の川辺で楽器を演奏するパートが再生されなかったことは付け加えておきたい。
とはいえそれを加味しても性能は低く、俺がスマホの人権ラインとしている50万点に届いていない。
もちろん使えないレベルではないにせよ、ハイエンドスマホと比較するとアプリの起動時間に明らかな差が出る。重い3Dゲームも無理。AQUOS sense 8はあくまでもライト層向けの性能に絞られている。
AQUOS sense 8は17時間10分バッテリー
AQUOS sense 8をPC Mark for Androidでバッテリー計測した結果、100%から20%になるまでかかった時間は13時間44分だった(輝度110ルクス音量50%90Hzの計測結果)。つまり0%までは17時間10分使える計算になる。
過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- AQUOS sense 4 20時間58分バッテリー
- Zenfone 6 18時間20分
- moto g100 17時間59分(90Hz)
- Redmi Note 10 Pro 16時間57分(60Hz)
- Zenfone 9 15時間48分(60Hz)
- Nothing Phone 15時間27分
- ROG Phone II 15時間21分(120Hz)
- Pixel 7 Pro 15時間(60Hz)
- Pixel 6a 14時間57分
- Pixel 7a 14時間48分
- Zenfone 7 Pro 14時間31分(90Hz)
- Mi 9T 14時間27分
- Xiaomi Pad 5 14時間6分(120Hz)
- AQUOS sense 8 13時間44分(90Hz)
- iPhone 13 Pro 13時間52分
- UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
- iQOO Neo 3 13時間9分(144Hz)
- Pixel 7a 13時間8分(90Hz)
- Pixel 6 Pro 12時間58分(120Hz)
- Pixel 7 Pro 12時間58分(120Hz)
- Redmi Note 10 Pro 12時間12分(120Hz)
- Mi 11T Pro 12時間6分(120Hz)
- Mi 9 12時間3分
- iPhone 13 Pro 12時間1分(120Hz)
- Nothing Phone 11時間59分(120Hz)
- iPhone 14 Pro 11時間30分(120Hz)
- Mate 20 Pro 11時間21分
- Mi 11 Lite 5G 11時間19分(90Hz)
- Zenfone 9 11時間14分(120Hz)
- realme GT Master Edition 11時間3分(120Hz)
- Galaxy S20 10時間44分
- Find X3 Pro 10時間31分(120Hz)
- OnePlus 8 Pro 10時間31分(120Hz)← 最低ライン
- UMIDIGI S5 Pro 9時間45分
- Galaxy Note20 Ultra 9時間35分
- Mi 10 9時間29分
- iPhone12 8時間13分
- Galaxy S20 8時間(120Hz)
- Zenfone 8 6時間57分(120Hz)
- Alldcube M8 4時間47分
ゴミスペックで圧倒的長時間バッテリーを実現していたAQUOS sense 4とは打って変わってAQUOS sense 8のバッテリー持ちはかなり普通。というか最近のスマホとしては少し短いかもしれない。
これはバッテリー持ちを売りにし続けてきたAQUOSシリーズとしては意外な結果だった。
現状俺がメインスマホとして利用していることもあって60Hz時のバッテリー持ちはまだ計測できていないんだけど、将来的に計測が完了すればまたデータに加えたい。
AQUOS sense 8は5000mAh/159g
AQUOS sense 8は6.1インチという持ちやすいサイズに5000mAhもの大容量バッテリーを搭載しながらカタログ上はたったの159gで、ガラスフィルムを付けた状態でも170gに収まった。
最近のスマホとしてはかなり軽い部類。というかガラスフィルムが重すぎ。
AQUOS sense 8の外観はダサい
悲しいかなAQUOS sense 8は8世代も続いているにもかかわらず未だに安っぽいスマホのデザインから脱却できずにいる。この庶民感が良い、と言う人もいるかもしれないけど俺は嫌い。
背面上部には5000万画素のメインカメラと800万画素の超広角カメラを搭載。
オサイフにも対応しているということで、カメラ部にはダサいフェリカマークもつく。
背面下部には嬉しくもなんともないAQUOSマークが印字されている。
AQUOS sense 8はインターフェースが充実
上面には指で取り出せるタイプのSIMスロットを備え
このご時世としては珍しくMicroSDスロットまで搭載する。
流石庶民の味方。
左側面には音量ボタンと電源ボタン兼指紋センサーがあり、
指紋センサーの精度も良好。
底面にはイヤホン、Type-C充電口、マイクにイヤホンジャックまで備える。流石庶民の味方。
ちなみにシングルスピーカーからの音は普通にうんこ。
別に期待もしていない。
右側面には何もなし。
6.1インチの普遍的なスマホ
正面には6.1インチの90Hz有機ELディスプレイを備える。
6.1インチはあのiPhoneシリーズやGalaxyシリーズも採用する大きさで極めて平均的。
但しベゼルは太くティアーノッチも大きめ。洗練はされていない。
とはいえ6.1インチは持ちやすく使いやすい最高のサイズだと思う。
AQUOS sense 8のカメラ画質
さてここまではいつものAQUOSでしかない。但しここからが違う。と聞いている。
というのも最近のAQUOSは上位モデルで1インチセンサーを搭載していたりでなにかとカメラに気合を入れている傾向なんだ。
そのノウハウは下位モデルにも受け継がれている、かもしれない。
ということでいつも通り俺が画質に絶大な信頼を置いているPixel 7 Proと比較していく。
晴天写真標準カメラ
青空の写真。AQUOS senee 8の方が空が青い。なかなかの加工具合。
逆光写真。見やすさはPixel 7 Proの方が若干上だけどAQUOS sense 8も十分耐えてる。左上の木の葉を見る限りPixel 7 Proの方がシャープネスが高くてより鮮明な写真に写っているように見える。
全体の色合いはPixel 7 ProもAQUOS sense 8も同じ。上の写真と同じくPixel 7 Proはより鮮明に仕上げるから葉がしっかり独立して見える。
緑の多い写真。
夜景写真標準カメラ
全体の露出のバランスはPixel 7 ProもAQUOS sense 8もほぼ変わらず。これはどう見てもゴミカメラではない。AQUOS sense 8頑張ってる。ただ、ノイズの多さと細部の粗さは値段分の差が明確に出ている。
夜の繁華街写真。ようやく差が出た。Pixel 7 Proはほぼ白飛びがないのに対してAQUOS sense 8はドン・キホーテ周辺が飛びすぎ。空を見る限り露出のバランスはミスってないからHDR補正でミスってるっぽい。Pixelやっぱりすごいわ。
超低照度撮影。肉眼ではほぼ見えない場所だけど、どちらも自動でナイトモードになるからそれなりに明るい写真が撮れる。Pixelが見たままの暗い写真を撮らなくなったことに地味な進化を感じた。
晴天写真超広角カメラ
超広角写真はしょっぱなから差が出る。AQUOS sense 8は周辺がブレまくり。まずレンズの質が悪い。
逆光も死。Pixel 7 Proは相変わらず超優秀。
AQUOS sense 8は全体にもやがかかっているように見える。昼でこれだとマジで使い物にならない。
夜景写真超広角カメラ
夜景になると更にノイズが加わる。使えない。
粗いしボケてるし白飛びしまくり。メインカメラとの差が激しすぎる。Pixelは神。
超低照度撮影は言わずもがな。
AQUOS sense 8カメラ総評
どうしてもワンランク落ちる。カメラに拘る人を満足させるカメラではない。それは値段の通り。55,000円のスマホのカメラに画質を求めるべきではない。
と言いたいところだけど、Pixel 7 Proと同等のカメラ画質を誇るPixel 7aが69,000円で控えているのが厄介。たった14,000円の上乗せでカメラも欲張れるスマホがある中でAQUOS sense 8を選ぶのは難しい。
AQUOS sense 8のメインカメラは使えなくはないけど昼用。それでも粗いっちゃ粗いし、夜は無理。となると記録用にしか使えない。
子供、ペット、旅とかの思い出を気軽に切り取りたいなら別のスマホを選ぶべき。
OS、使用感は純正Android13で不満なし
さて日本製スマホと言えばその操作感とゴミOSが懸念で、これが現在のAndroidスマホでGalaxyが一人勝ちしている理由でもあるとは思うんだけど、AQUOS sense 8に関してその心配は不要。
Androidも13になることでいよいよ成熟してしまい、よく言えば完成し、悪く言えば無個性になった。
というのもAQUOS sense 8の使用感はPixel 7 Proと全く同じなんだ。純正Androidにほぼ手が加えられていない。だから悪くなりようがないという話。
唯一手が加えられているとすれば設定画面の一番上に現在の電話番号が表示されるようになっている程度。
でもこれは寧ろありがたい。
というかここに番号が表示されないPixel 7 Proは電話番号の確認が難解すぎ。急ぎ改善してほしい。
充電は遅いし無線充電非対応
俺は別にスマホなんて夜充電すればいいじゃん。ってずっと主張してたんだけど、25W充電のPixel 7 Proに慣れてしまうとそれ以下のスマホの充電が非常に遅く感じる。
一応AQUOS sense 8は18W PD充電に対応している、らしいんだけど全然遅い。信じられないくらい遅い。この辺りはインテリジェントチャージとかいう馬鹿な機能が関係しているのかもしれないけど不明。
もちろん無線充電にも対応しない。
そのくせ特別バッテリーが持つわけでもなく微妙。操作性が改善してAQUOSらしい糞さが無くなると同時に良さと個性も失った印象。
画面は焼き付きやすいかも
AQUOS sense 8で常時オンディスプレイを使用すると一瞬で時計部分が焼き付く。
そしてしばらくしたら焼き付きが消えるを毎日繰り返す。
これはスマホ界隈では有名らしいシャープ製有機ELの弱点らしく。明らかに他の多くのスマホに搭載されているサムスン製の有機ELより弱い。
この焼き付きがいつ取れなくなるかは不明。いつ改善されるかも不明。シャープ製スマホにシャープ製有機ELが使われ続ける限りこの問題はまだまだ解決しそうにない。
謎にディスプレイ出力対応
AQUOS sense 8はなぜか誰もが憧れ、そして使い道の無さに落胆するディスプレイオルタネートモードに対応する。
この機能は全iPhone及び上位のGalaxyとXperiaとかの高級機種しか対応しないはずの機能なのに、なぜか55,000円のAQUOS sense 8は対応している。
もちろん特に使い道は無い。都合よく使われていない画面なんて無いし、都合よく使われていないキーボードも存在しない。精々プレゼンで使う人がいる程度。だけど誰もこのスマホではやらない。謎。
一応これがネットフリックスを大画面で1.5倍速再生する唯一の方法ではあるから
Type-C - HDMIを買うことでスマホをテレビに出力してネトフリ1.5倍速再生ができたから報告。但しAndroid側も「DisplayPort Alternate Mode」規格への対応が必要らしく、Mi 9,Pixel6a,Nothingは全滅。Galaxyで事なきを得た。ハイエンド限定っぽい。ちなみにiPhoneは全対応。強いhttps://t.co/tRExyO869W https://t.co/8ETlNuJk0X pic.twitter.com/IC94WxlpkJ
— トーマス@ガジェマガ(バイク日本一周中) (@gadgetKaeru) September 21, 2022
それを実現したい人はやってもいいかもしれない。俺はお勧めしない。
意外に良い。Pixel 7aでも良い
AQUOS sense 8でAQUOSシリーズに対する俺のイメージは完全に覆された。AQUOSと言えばゴミ。のはずだった。
ところが俺は既に一か月もAQUOS sense 8を水没したPixel 7 Proの代わりに使い続けているし、不満はあるものの十分使えてしまっている。
ということでライトユーザーには十分お勧めできるし、購入して後悔するようなスマホでもない。日本スマホ市場の底辺を支え続けたAQUOSですらこんなに良い。これも含めてやっぱりスマホ市場は成熟してしまったんだと思う。
AQUOS sense 8に感じる不満
とはいえアプリの起動が若干遅い。少し前のアプリがメモリ不足で終了されやすい。カメラが信用できない。と俺にとってのメインスマホの基準は全然満たせてないから近い将来買い替える予定で、次はGalaxy S23かS24、Pixel 8a辺りを視野に入れている段階。
Pixelシリーズはバグと故障がネック
とはいえPixelシリーズの異様な故障率、バグ率の高さは嫌でも耳に入ってくるどころか遭遇しまくってるし、スマホで金を無駄にしたくないライトユーザーが堅牢制も兼ね備えるAQUOSシリーズに落ち着いてしまう気持ちもわからなくはない。
カタログスペックだけなら14,000円上乗せしてでも絶対Pixel 7aを選ぶべき。と言いたいんだけど、故障怖すぎ。となるとMIL規格16項目準拠の堅牢なAQUOSも視野に入る。という微妙なミドル帯2強の戦いだった。
俺なら両方選ばずに望遠カメラの画質も良いハイエンドスマホを買う。が結論。最近のスマホはマジで高すぎ。なんとかしてほしい。
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