α7Riiを購入して一ヶ月ほどが経ったから感想を書いていきたい。レビューも書きたい気はするんだけど、カメラは疎い分野だし、そもそも発売してから一年以上経ったカメラのレビューに需要はない。
だからα7Riiというよりは、ミラーレス一眼を持ってない人向けにミラーレス一眼がこんなもんですよっていう感想を書いておきたい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
5年間お世話になったPNETAX K-5
α7Riiについて書く前に今までの環境を説明しておきたい。今まで使っていたはPENTAXのK-5でこれは2010年にエントリー機の上位モデルとして発売された一眼だ。
センサーのサイズはAPSCで、防水防塵、1秒間に7連射でバッテリー持ちも良い。何より気に入っていたのはAPSC一眼の中では強い高感度耐性で、ISO3200までならなんとかなる心強い相棒だった。スマホじゃ撮れないけど、K-5ならなんとかなるシーンが多数あったし、そこがK-5最大の魅力だった。
他の機能としては、一応動画撮影機能は付いたり、ファインダーを覗き込むんじゃなくて背面のディスプレイに映像を映し出すライブビュー機能が付いていたりした。ただ、K-5発売当時はまだ一眼に動画機能が付き始めたくらいで、動画は撮れるものの本当におまけ程度で実際は使い物にならない。背面の液晶を見ながら撮影するライブビュー機能も一応付いているんだけどかなり動きがもっさりしている。
きっかけは旅行の計画
K-5からフルサイズ一眼に買い替えたいと思ったタイミングは多々あったんだけどそのたびに思いとどまってきた。自分の腕が悪いだけ。光が足りないだけ。いい写真が撮れない理由は色々ある。カメラのせいにしちゃいけないってのが俺の考えだった。
それでも今回買い換えに至ったのは海外旅行を検討したからで、海外旅行に行くのであれば絶対にフルサイズ一眼を使いたいと思ったからだ。
その最大の理由はフルサイズなら失敗写真が減るからだ。失敗写真が減るのか検討した過程は別記事にしているので確認して欲しいんだけど、APSC一眼と比較してISO感度を2段階上げれるだけのノイズ耐性がある。
つまり同じ品質の写真を4倍のシャッター速度で撮影できるから、必然的にブレが減って失敗写真が減る。
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失敗写真を減らしたい
ガジェマガのために家で物撮りをするなら何度でも撮り直しが効く。K-5でも光源を変えて、シャッター速度を遅くして、って試行錯誤しながら何枚も撮ればなんとかなる。
ただ、海外旅行はその場限りだし一発勝負だ。失敗写真にあとから気づいてももう現場に戻ることはできないし、特にISO3200までが限界のK-5だと夜の撮影は手ブレ写真だらけになる。それに、何度もフルサイズ一眼の購入を検討したように、ガジェマガの写真のクオリティも上げたいと思っていた。今までに溜まりに溜まっていたフルサイズへの思いが海外旅行で爆発しての購入だった。
α7Riiのいいところ
手ブレしにくい
一ヶ月使ってみて、やっぱり失敗写真が大幅に減った。今回購入したフルサイズ一眼はミラーレス一眼のソニーα7Riiなんだけど、事前情報で常用ISO感度12800というのは掴んでいて、ISO6400はかなり綺麗だと聞いていたんだけど本当にそのとおりで、K-5のISO1600ぐらいの感覚でISO6400を使えるところにフルサイズセンサーの余裕を感じる。ISO感度の幅がかなり広がったおかげで、シャッター速度を確保しやすくなって圧倒的に手ブレが減った。
露出がわかりやすい
失敗写真が減った理由はこれだけじゃなかった。ミラーレス一眼のα7Riiはファインダーを除くことを前提としていない。背面ディスプレイに写された映像を見ながらシャッターボタンを押して撮影するのが正当な撮影方法で、常にK-5のライブビューモードを使える感覚だった。
もちろん背面のディスプレイの使用が前提だから、ライブビューモードでの動きもキビキビしていて使いやすい。これのすごいところは露出を変更するとそのままディスプレイに表示されている映像の明るさも変わるところだ。
今まで使っていたK-5の場合は露出を設定して、テスト撮影して、少し暗すぎるなと思えば露出を上げてまた撮影して、を繰り返す感じで、本気で物撮りしようとすると必ず一枚は失敗写真が出た。ライブビューが前提のα7Riiの場合は背面のディスプレイを見ながら露出を変更して、この明るさになりますよー!ハイどーぞ!と事前にディスプレイで確認していた通りの写真を提供してくれる。これは想定外だったんだけどものすごく楽だった。
構図に集中できるようになった
手ブレが減るし、露出での失敗写真も減る。この2つのサポートがあるおかげで失敗写真が大幅に減ったし、写真撮影に集中できるようになった。
露出と手ブレを気にしなくなったおかげで、構図に集中できるようになった。
ソフトウェア色調整も優秀
あとは全体的に不自然な色合いが無くなった。K-5だと白い光の中で黒いものを撮影すると青っぽく写ってしまうのが悩みだったんだけど、α7Riiだとそれが無い。デジタルカメラってセンサーのサイズもそうだけど、センサーで受け取った画像を処理するソフトウェアも重要で、α7Riiは後発なだけあってそれもしっかり進化してた。
K-5が2010年発売で、α7Riiが2015年の発売なので、ソフトウェア面でも5年分の進化があるから当然といえば当然なんだけど、色味の調整がちょうどよくて、黒が多い場面でも明るくなりすぎないし、白が多い場面でも暗くなりすぎない。蓄積された調整が活きたソフトウェアだった。
シャッターブレもしにくい
写真を撮影する際のシャッターボタンも軽くてかなり押しやすい。α7RiiはK-5とほとんど同じ重さだけど、レンズが大きいことでK-5よりもずっしりと安定感がある。
シャッターの軽さも相まってシャッターを押す瞬間の手ブレが少ない。更に手ブレ補正機構を搭載しているから、70ミリで撮影しても息を殺して集中すればシャッター速度1/5ぐらいでも手持ちで撮影できる。
手ブレ補正機構を搭載していないα7Sと迷っていたときは、ISO感度上げれば手ブレなんて気にならなくなるしどうでもいいと思ってたんだけど、低ISOで少しでも画質のいい写真を撮るために、手ブレ補正は絶対あったほうが良い。無いよりあったほうがいいのは当たり前だけど、遅いシャッターでしっかり撮影できるたびに実感する。
操作性も自由自在に調整できる
新しいカメラになることで心配した操作感だけど、さすが高級機だけあった汎用性が高かった。本体にカスタムボタンが4つもついていて、そのボタンそれぞれに任意の操作を割り当てることができるから、今まで5年間お世話になったK-5と同じ操作方法に設定することができた。親指フォーカスも余裕だった。
質感が超いい
あと写真には関係ないことなんだけど、やっぱり本体の質感が超いい。
高い買い物したことを後悔させずに、満足感を感じさせてくれる細部の演出は重要だし、所有しているだけで喜びを感じさせてくれる。
α7Riiの良くないところ
電池が持たない
話には聞いていたんだけど、電池が無くなるのが死ぬほど早い。これには驚いた。
K-5が数日持っていたところが、α7Riiだと余裕で一日持たないどころか、背面ディスプレイで確認しながら撮影していると100枚も持たない。
これはα7Riiの小ささと軽さを実現するためのトレードオフで、重く大きくなるくらいならバッテリーを複数持ち歩いたほうが良いし納得はしてるけど予想以上だった。標準でバッテリーが2つついてくるわけだ。
画素数高すぎ
これも話に聞いてはいたんだけど4000万画素が重い。写真一枚がjpegで10メガ、圧縮RAWで40メガになったおかげで画像一枚一枚の移動も編集も重すぎる。
最近画像編集のためにLightroomを導入したんだけど、CPU使用率はずーっと100%だし、パソコンのファンが止まらない。かと言って4000万画素で良かったと思うことは今の所無い。高感度性能と価格で検討してα7Riiを購入したから、もともと画素に拘りは無かったんだけど何をするにも時間がかかるようになった。
これをきっかけにパソコンのグレードアップしないといけないんじゃないかと思ってるけど、それもなんだかなぁ。
標準レンズは寄れない
これはレンズが悪いんだけど、標準レンズが思ったより寄れなくて困った。K-5の標準レンズは超寄れるんだけど、α7Riiは全然寄れないからアップの写真が撮れない。
その分寄らないでも様になる構図を必死に考える楽しみはあるけど、できれば寄りたい。具体的にはこの写真ぐらいの寄りが限界だった。
標準レンズ使うのやめろよと言われるとそれまでなんだけど、フルサイズ一眼だとレンズの値段もバカにならない。
それでも買ってよかった
色々言ってきたけど失敗写真が減ったのは間違いなくて、それだけで買い替えた意味はあったなと思う。α7Riiは高感度に強くてノイズが少ないし、手ブレもしにくいし、明るさの調整で失敗することもない。
ノイズが少なくてブレてない写真があれば、あとはLightroomを使えばどうにでもなる。その意味でしっかりとした素材を生み出してくれるα7Riiは俺が思い描いていたフルサイズそのものだし、もうAPSC一眼には戻れない。
言い訳できない
特に自分への言い訳が無くなったのが大きい。今までは良い写真が撮れないのをカメラのせいにしそうになっては「いや違う、自分の腕が悪いんだ、K-5でももっと頑張れるはず」と思い直してたんだけど、今なら自分の腕が悪いと断言できる。だってカメラは良いんだから。
α7Riiを使って良い写真が撮れないなら間違いなく俺の腕が悪い。迷う余地がない。その意味でしっかりと自分と向き合える様になったし、カメラ雑誌を買ったり、人の写真を見るときに構図とかライティングを見るようになった。より自分の腕と真摯に向き合えるようになったメンタル面の変化は大きい。
これは悩みに悩んで高い買い物をしたからで、高いからこそ元を撮ろうと躍起になって感じられることだと思う。
「フルサイズ使っててこれ?」と言われないためのプレッシャーを胸に「さすがα7Riiを使っているだけのことはある」と思ってもらえる写真を撮れるようにα7Riiを使い込んでいきたい。
α7Riiは購入してからカメラケースを装着して、ディスプレイに液晶保護ガラスを貼る過程は記事にしているので、参考にして欲しい。
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