今現在俺は人生最大の危機に直面している。1700万の築30年分譲マンションを買うか、7万円の賃貸を借りるか、遂に人生最大の決断を迫られる事態に陥ってしまった。
家庭用不動産決めるために奈良帰省中。どこ見てもジジババ。たまにガキと親。結婚適齢年齢がいなくて競争心が萎える。病院のマイナ受付は使用不可扱い。chocoザップができてた。駅前は不動産屋のみ。塾は多い。9時以降は光がない。ただただ量産した労働力を他県に送るだけ。それが奈良。俺もそうなる
— トーマス@ガジェマガ(バイク日本一周中) (@gadgetKaeru) December 18, 2023
そこで困ったとき恒例の記事化することで俺の頭の中を整理するべくこの記事を途中まで書いた結果、最終的に俺は賃貸を選んだ。
ということで危機に直面した俺がなぜ賃貸を選んだのかを書く。持ち家賃貸論争の一例として参考にしてほしい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
【極端な結論】絶対持ち家の方がお得
最初に結論から書いてしまうと持ち家の方が絶対お得なんだ。なぜなら賃貸の賃料には大家さんの取り分が含まれるから。非常にシンプル。
だから家代しか払わない持ち家の方が絶対お得になる。賃貸は持ち家には勝てない。
持ち家賃貸論争には不確定要素が多すぎる
とはいえこれはあくまで問題の無い物件に30年近く住む場合の極論で、実際にどちらが良いかを考えるにはここから更に居住年数とか先行きとか妥当性とかを検討する必要がある。
当然だけど4年しか住まないなら賃貸が良いし、価値が上がるなら持ち家が良いし、相場より高い物件は買わない方が良いという話。つまりケースバイケース。
と言ってしまうとマジで話が終わる。だから今回は現在の俺という具体的なケースで検討しつつ、なぜ俺が最終的に賃貸を選んだのかを解説する。
現在の総資産額は6,000万円強
ところでまず最初にだけど、俺は1700万の分譲マンションなら買おうと思えば買える。というのも現在の総資産は7,000万円弱程度あるんだ。
内訳はざっくり下記。
- 日本株3200万円
- 米国株1000万円
- 投資信託500万円
- 米ドル70万円
- 現金1500万円
- 小規模企業共済250万円
- 積み立て保険200万円
Youtuberの現実はこんなもん
なんだかんだブログとYoutubeが当たって人より少し月収がバグったことでそれなりの貯金はできた。とはいえ俺としては登録者40万人Youtuberなんて雲の上の存在の億万長者だと思ってたから、「え、これだけ頑張ってこれだけ?」ってのが正直な気持ち。
結局個人での頑張りなんてこんなもんで、本当に資産をバグらせたいなら人を雇うなり銀行の融資を受けるなりして他者の力を借りるしかないと思ったりした。
話は戻るけどいずれにせよ1700万円のマンションは全然買える。Yes we canって感じ。
買えると買いたいは違う
とはいえ買えるからといって納得できない物は買いたくないが当然の真理。誰もiPhoneを40万円では買いたくないのと同じ。
そしてこれこそが持ち家賃貸論争が終わらない原因でもあるんだ。不動産とひとくくりにして語るから妥当性を測れない。
逆にいえば、具体的な購入物件と賃貸物件に絞り込んでしまえばどちらがお得なのかを判断できるという話。
そして今回俺が悩むことになっているのが1700万円のマンションと7万円の賃貸なんだ。
一応持ち家も検討したりしなかったりしているんだけど今の最有力候補は分譲マンションと賃貸だから一旦除外する。
家はローンで購入する
ところで例え現金一括で買えたとしても家はローンで買う。予定。なぜなら利息が低い限り人の金を使うに越したことはないから。
金利1.5%程度なら全額借りて自分の金を4%で運用すれば2.5%得するという話。
そしてこれが不動産運営とか事業が強い理由でもある。人の金、人の労働力で商売できれば稼ぎがバグる。
現金残高は防御力
更にいうならお金を借りることで万が一の緊急事態に備えたい考え。手元に現金という名の防衛資金が無い状況が一番怖い。
というのは投資における基礎的な話だからこの辺にしておく。
【前提】物件選びは直近10年の子育てを想定
さてここからようやく本題だけど、今回俺が新たな家を検討しているのは第一子が誕生するからなんだ。とはいえ正直ガキの育成に大した環境は必要ない。猿にプライベートは不要だから一部屋に何人も詰め込めばOK。
大変なのは思春期と高校受験が視野に入る10年目辺りからで、その頃にはガキ一人一人に個室が必要になる。だからひとまず環境があまり変わらないであろう直近10年で検討する。
持ち家 vs 賃貸を検討する前提
俺が賃貸と分譲マンションを検討する前提は下記。
- 選択肢は月7万の賃貸と1700万のマンション
- マンションは築25年経過済み
- 最短で先10年の在住予定
- 住宅ローン金利は1%を想定
- 住宅ローン減税を10年間使用
- 10年後にローンを一括返済する
7万賃貸の10年総額は886万円
まずは多くの人が該当するであろう賃貸物件を借りるケースを想定する。今回俺が検討している物件の家賃は2LDKで共益費込みの月7万円。
ここに最長で10年間住むものと仮定する。かかる金額は下記(全て税込)。
- 初期費用総額 26万円
- 家賃 7万円
- 火災保険 2年2万円
- 保証料 2万(1年1万円)
- 更新料 0円
- 年間費用 86万円
- 10年総額 886万円
初期費用が26万円、火災保険は2年毎に20,000円、更新料は無し。この辺りは多くの人が支払っているから想像しやすいと思う。
以降毎月7万の家賃、2年2万の火災保険、1年1万の保証料に初期費用を足すと10年で886万円かかる。
そんなに高くない家賃も総額だととんでもない金額になる。生きるの辛い。
1700万円の分譲マンションの10年総額は1941万円
次に分譲マンションの購入ケースを検討する。想定している物件は賃貸と同じく2LDKで1700万円。
分譲マンションはローンとか管理費、固定資産税が絡んでくるから計算が超複雑になる。
かかる金額は下記(全て税込)。
ローン金利1%での支払い総額は2116万円
- 物件購入費用 1700万円
- 仲介手数料 63万円
- 登記手数料 22万円
- 初期費用合計 約1785万円
- 金利1%の想定返済額 2116万円(35年)
まず物件購入費用が1700万円に仲介手数料が63万円、登記手数料が22万円で総額1785万円がかかる。
これを金利1%の35年間で返済した場合の総額は2116万円になる予定。
直近10年間の返済総額は780万円
1700万円の35年ローン金利1%を返済するランニングコストは下記。
- 35年ローン返済額 月50,387円
- 管理費・修繕積立金 月20,000円
- 固定資産税 年5万円
- 住宅ローン減税 年間11万円(平均)
- 年間支払額 約78万円(月平均6.5万円)
- 10年間の支払総額 780万円
1785万円を35年ローン金利1%で借りた場合の月の返済額は50,387円。更にマンションの管理費・修繕積立金が毎月2万円。年間の固定資産税が5万円。
ここから10年使える住宅ローン減税の平均額となる年間11万円を差し引くと、年間支払い合計は784,644円で月平均は6.5万円。意外にも賃貸と分譲がほぼ横並びになる形になった。
つまり月7万円で物件を借りるくらいなら買う。というラインに合わせられてた。世の中よくできてる。
10年後の一括返済で総額1941万円
但し、住宅ローン減税を使えるのは10年間に限られる。だから10年後にローンを一括返済して分譲マンションを買いきるケースを検討する。
- 10年後のローン支払い済み額 604万円
- 10年後のローン残 1337万円
- 10年間の支払い総合計 1941万円
10年間で1941万円を支払うことで1700万円の分譲マンションを購入できる。
物件価格の1700万円よりも241万円も多く支払う計算。1%の利息と月2万円の管理費・修繕積立金の破壊力はやばい。
長く住むなら絶対持ち家がお得
さて計算の結果10年だと賃貸では886万円、分譲マンションでは10年目に買いきることで1941万円かかった。やっぱり圧倒的に賃貸の方がお得。なのは先10年での話。
というのも分譲マンションは以降年間29万円(管理費月2万円・固定資産税年5万円)で住めてしまうんだ。
だからそのまま20年30年と経過すると徐々に賃貸が追いつき30年後には逆転してしまうというからくり。
賃貸
- 10年 886万円
- 20年 1746万円
- 30年 2606万円
- 40年 3466万円
分譲マンション
- 10年 1941万円
- 20年 2231万円
- 30年 2521万円 ←逆転
- 40年 2911万円
だから賃貸渡り鳥は持ち家には絶対勝てないんだ。
賃貸だけを選び続ける限りいつか必ず持ち家に負けるし、屋根を確保する為の賃料を永遠に誰かに払い続けることになる。ジリ貧for ever。
持ち家なら選択肢を増やせる
もちろんこの分譲マンションには住み続けなくてもOK。10年住んで賃貸との差額1055万円で購入した分譲マンションは10年後でも恐らく1300万円の価値は残っているはず。築30年も40年も価値はそんなに変わらない。
つまり10年後以降に分譲マンションを売ればトントンだし、住んでも年間29万円だし、貸せば月6万円程度の家賃を取れる。分譲マンションなら選択肢を増やせるという話。
持ち家は環境変化に耐えられない
「購入する物件の価格が妥当であれば」という前提は必要だけど、長い目で見ると絶対に持ち家の方がお得になる。ここまでは間違いない。
ならなぜ俺は今回賃貸を選ぶのかという話だけど、それは各種のあらゆるリスクに備えたいからなんだ。
というのも俺の人生は今転換期を迎えている。月刊ガジェマガでも書いた通り、俺は近々子供という人生最大の足枷を取り付けられる予定。
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子育てという名の人生第二章
これは世間一般ではおめでたいと言われるんだけど同時に地獄への出発点でもある。
出産、子育てによって俺の時間は減り、俺の生活は激変する。そんななかパートナーともいつまでもうまくいくとも限らないし、離婚の可能性も十分ある。
35年ローンで分譲マンションを買って一年で離婚してしまっては目も当てられないんだ。
持ち家は欲しい時に買ってはいけない
これは俺がいたく感銘を受けたアパ社長の言葉
「家を買わないなんて大家さんの財布にお金を入れるために働いてるようなものよ。」
の記事に書いてあったアパ社長の持論だけど、アパ社長曰く、
「自分が欲しい時に家を買う限りお金は貯まらない」
ということだった。
持ち家を買うなら先1年は検討すべき
確かに今の俺は色々急ぎすぎている。結婚、出産、未来がわからないなか限られた選択肢から価格が妥当かもわからない分譲マンションを買おうとしている。どう見ても失敗の典型例でしかない。
長い目で見て納得できる家を買いたいのであれば、先1年は見つつ、何件も検討した上で失敗しない物件を買うべき。
人生最大の負債を背負わないためにも分譲マンションの購入を急ぐべきではない。
実家住まいという選択肢は無し
ところで実は今現在奈良の物件を探すために一週間ほどパートナーと実家に身を寄せていたりする。今のところ嫁姑の関係は良好。
だからわざわざ不動産を探さなくともこのまま実家にいた方が無駄な出費も無くて良いんじゃ?と思ったりもしたけど、人間関係は一度悪化するとそう簡単には修復できない。そして距離が近すぎれば遠くない未来に恐らく関係は悪化する。それは避けたい。
今関係が良好なら良好なまま距離を開けるべき。その方が将来的に気持ちよく姑に子供を預けられるから俺の利益にもなる。だから金ではなく良好な関係を優先すべき、と判断した。
距離が遠いほど人は優しくなれる、らしい。
不確定要素が多すぎる間は賃貸が無難
俺の結婚生活が問題なく続きそうなら、
二人目三人目が順調に産まれそうなら、
嫁姑の関係が上手くいきそうなら、
パートナーが奈良での生活に耐えられそうなら、
再度分譲マンションまたは持ち家を検討してもいいかもしれない。
つまり不確定要素だらけ。だからリスク回避のためにいつでも動ける体制を保つべき。ということで一旦は賃貸を選ぶことにした。
例え何も残らない賃貸に年100万消えるとしてもリスク管理策としては悪くない選択だと思う。最悪の事態に備えて最高の選択を検討する。これがCIAの鉄則。
その他不動産バブルとか金利とか災害とか戦争とか景気とか検討すべきことは山ほどある。
今回不動産購入についてはかつてないほど真剣に悩んだ。この経験は将来必ず活きるはず。投資は勝つことではなく、最後まで立ち続けることが重要。らしい。だからその鉄則に立ち返る。