半導体不足での影響が懸念されていたiPhone13シリーズが9月15日に無事発表された。
Appleは毎回発表から発売が早いんだけど、iPhone13も例に漏れず発表から9日後の24日に発売する予定。このスピード感は相変わらず凄い。
ということで俺も急ぎどのiPhoneを検証用に購入するかを検討する。
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iPhone13シリーズは4モデル
iPhone13シリーズの展開はiPhone12シリーズ全く同じ。mini、13の無印モデルと、Pro、Pro Maxの4モデルをラインナップする。それぞれのスペックは下記。
iPhone13mini / iPhone13 | iPhon13Pro / ProMax | |
ディスプレイ | 5.4 / 6.1(有機EL) | 6.1/6.7(120Hz有機EL) |
解像度 | 2340x1080 mini 2532x1080 13 |
2532x1080 Pro 2778x1284 ProMax |
CPU | A15 | A15 |
ストレージ | 128/256/512 | 128/256/512/1T |
セキュリティ | 顔 | 顔 |
おサイフ | 〇 | 〇 |
防水 | IP68 | IP68 |
デュアルSIM | △(eSIM) | △(eSIM) |
重量 | 140(mini)173(13) | 203(Pro)238(ProMax) |
サイズ | 73,5 x 159,2 x 8 | 71.5 x 146.7 x 7.65 |
価格 | 86.800円~(mini) 98,800円~(13) |
122,800円~(Pro) 134,800円~(Pro Max) |
基本的な違いは画面サイズのみで性能の違いはない。無印モデルとProモデルの違いは望遠カメラとかの機能的なモノになる。これもiPhone12と同じ。
iPhone12で不人気だったminiはiPhone13でも続投となるのが意外だった。mini本体のデザインは変わっていないから、使い回すことでiPhone12 miniへの投資分を回収しようとしているんだと思う。
iPhone13の全モデル共通進化点
iPhone13が買いかどうか、どのモデルを買うかを判断するにはまずiPhone12からの進化点を抑える必要があるということでさらっとまとめる。
まず全モデル共通のiPhone12からの進化点は下記。
- A15チップ(処理能力向上)
- ノッチが20%縮小
- バッテリー向上
- カメラが暗所に強くなった
- 広角カメラのセンサーが1/1.7型化
- 広角カメラに手振れ補正が追加
- デュアルeSIMに対応
- シネマティックモード(フォーカス可変)
A15チップ(処理能力向上)
毎年恒例ではあるけどiPhone13になることで搭載するCPUも改善。
これによって処理能力が更に上がったらしい。ただ、iPhoneは既にモンスター級の処理能力で使い道がないから、処理能力より省電力性能がどれくらい向上しているかに注目したい。
バッテリー向上
iPhone13はiPhone12よりもバッテリー容量が微妙に増えているらしい。とはいえ処理能力も向上しているからどこまでバッテリー持ちが改善しているかは不明。実際に検証して確認したい。
ノッチが20%縮小
今まで画面上部を独占していたノッチが20%縮小した。そこに新たな通知を表示するのかどうかは不明。画面領域が大きくはなるけど通知バーだから使用感に違いは無し。
カメラが暗所に強くなった
毎年おなじみではあるけどカメラが進化したらしい。具体的にはより暗所に強くなったんだとか。
iPhoneは11の段階から既にカメラ画質は綺麗で、それが12になったことで微妙に改善していたから、13でのさらなる改善に期待したい。この辺りは実際に購入してから撮影テストを行う予定。
広角カメラが改善、物理手振れ補正にも対応
カメラ周りでは広角カメラのセンサーサイズが1/1.7サイズに大型化。伴ってカメラ周りの配置が上下から斜めに変更された。
更に広角カメラが手振れ補正にも対応したらしい。広角カメラの動画撮影に関してはiPhone11の頃から神がかり的なソフトウェア手振れ補正を実現していたんだけど、ここに物理手振れ補正が加わることで更に安定する予定。
画質、手振れ補正で他の追随を許さない無敵の動画性能に期待。
デュアルeSIMに対応
地味にiPhone13シリーズはそのすべてがデュアルeSIMに対応した。物理SIMと合わせることで合計3つのSIMを管理できることになるけど、3番号が使えるのか、2番号までになるのかの詳細な仕様は不明。
個人的にはまだいまいち普及していないeSIMのデュアルに対応するよりも、普通に物理のデュアルSIMに対応してほしいんだけど望みはかなわなかった。eSIMはウェブ上での手続きが必要な分煩雑なのがデメリット。差し替えるだけで使える物理SIMの方が使いやすい。
あとiPhoneはデュアルSIMに対応してもデュアルアプリには対応していないから使い勝手が悪い。今後のOSのアップデートでLINEアカウントの複製に対応してくれることに期待したい。
シネマティック撮影に対応
iPhone13 Proのカメラは撮影後に被写界深度を調整できるシネマティック撮影に対応しているんだけど死ぬほどどうでもいい。
iPhone 13 Proモデル限定の進化点
次にProモデル限定の進化点をまとめる。Proモデルの進化点は下記。
- リフレッシュレート120Hz対応
- マクロ撮影対応(2センチ)
- 望遠カメラの倍率が2倍から3倍に変更
- 全カメラでナイトモードに対応
リフレッシュレート120Hzに対応
Androidのハイエンド機で当たり前になりつつあるリフレッシュレート120Hzに遂にiPhoneも対応することになった。これによって一秒間に画面が120回書き換わる滑らかな描写を実現する。
画面が滑らかになったところでなにが便利になるわけでもないんだけどその操作感は雲泥の差で全く違う。ただ、繰り返しになるけど何が便利になるわけでもないのが悩ましいところ。しかもバッテリー消費が爆増する。
マクロ撮影に対応(2センチ)
iPhone13のProモード限定で2センチまでのマクロ撮影に対応した。けど、接写はマジで使わないからどうでもいい。ないよりはマシ程度。一応マクロでの動画撮影も可能になるらしくて斬新。可能性は感じるけど多分使い道はない。
望遠カメラの倍率が2倍から3倍に変更
Proシリーズのみ望遠カメラに対応するのはiPhone11からの共通仕様なんだけど、その倍率が2倍から3倍になった。
これは良いチョイス。というのも最近は標準カメラの画質が向上しすぎて2倍望遠の画質が標準カメラの2倍切り抜きと代り映えしなくて存在意義を失いつつあったんだ。
3倍望遠であれば明確に標準カメラとも差が出るから使い分ける意義がある。しかも3倍なら盗撮も捗る。良い進化。
全カメラでナイトモードに対応
Proモデルのみ夜景をより鮮明写すナイトモードに対応しているんだけどiPhone13では望遠カメラを含む全てのカメラでナイトモードに対応した。良し悪しは不明。
iPhone13はゴミLightning端子が継続
その他呪われたLightning端子はiPhone13でも引き続き継続で糞。
既にiPadもMacBookもType-Cで統一されているのにiPhoneだけLightning端子なのは意味不明。いや、意味は分かる。金。
お陰でiPhoneのためだけに未だにLightningケーブルを捨てられない。しかもLightning端子はUSB2.0だから転送速度もクソでうんこ。iPhoneの検証動画をパソコンに転送するストレスが俺の肌荒れの原因になっている。いい加減にしてほしい。
iPhone13は指紋センサーなし
待望の指紋センサーは今回も非搭載。逆にAppleの頑なな姿勢を好きになりそう。
そもそもiPhoneSEだってiPadだって指紋センサーがついているんだし顔認証に拘る理由はないはず。それなのにiPhoneで指紋センサーを搭載しない理由がわからない。顔認証を継続するのは良いから指紋センサーを+αしてほしかった。
一応アップルウォッチをつけていれば連携してロックを解除できるようにはなるらしいんだけど、違う、そうじゃない。
120Hzというチキンレース
あと今回iPhone13 Proシリーズが遂に120Hzに対応することになったんだけど、Androidの歴史を見る限り120Hzはバッテリー消費がえぐい。ということでいよいよiPhoneもバッテリー消費のチキンレースに参戦することになった。俺は嬉しい。
一応iPhone13 Proのリフレッシュレートは10Hzから120Hzの可変で画面の動きに応じて変更することでバッテリーを節約するんだけどそれはAndroidスマホも同じ。
iPhoneだけが神がかり的な技術で謎の長時間バッテリーを実現してAndroidスマホに活を入れてくれることになるのか、それとも同じく沈むことになるのか先の展開から目が離せない。
iPhone13シリーズの価格設定は天才的
今回のiPhoneのラインナップはかなり悩ましい。去年まではProを買うやつはアホで済ませられたのに今年はそうはいかない。
というのもProモデルがそれなりに魅力的になってしまったんだ。リフレッシュレート120Hzは明確に使用感が変わるし、3倍望遠カメラも2倍と違って使い勝手がいい。無印モデルとの主な違いはこの2点ではあるんだけど、この2点が2年間続くのはマジでデカい。
iPhone13シリーズの価格
とはいえProモデルは当然価格も跳ね上がるのが悩み。それぞれの価格は下記。
- iPhone 13 mini 86,800円
- iPhone 13 98,800円
- iPhone 13 Pro 122,800円
- iPhone 13 Pro Max 134,800円
無印からProモデルで2.4万円も価格が上がる。ここが高い。悩む。
13かProかという葛藤
でも2.4万円を2年間で月割りするとたったの1,000円。これならありかなという気がしてくる。120Hzと3倍望遠のために月1,000円。これを払う価値は多分ある。
ProかPro Maxかという葛藤
よし、悔しいけどProを買おう。と思うと今度はPro Maxが射程に入ってくる。え、12,000円追加でProがMaxになるの?月換算で500円?じゃMaxの方が良くない?という感じ。
結果最初に健闘した無印モデルよりも36,000円高くなっているのに笑顔。段階を踏ませることで麻痺させられて価格差を受け入れてしまう。月換算の魔力怖い。
iPhone13かiPhone12かという葛藤
いや冷静になれ。贅沢はやめよう。そもそもiPhone12でもいいはず。そう、iPhone13の進化点は思っている以上に地味。iPhone12との体感できる違いはノッチのサイズのみ。このノッチのためにiPhone13を買うのは馬鹿らしい。丁度iPhone12が値下がりしたんだしそっちを買おう。ということで価格を比べると下記。
- iPhone 13 98,800円(128ギガ)
- iPhone 12 86,800円(64ギガ)
そして比較してiPhone13はストレージ容量が優れていることに気付く。7,000円足せばストレージが64ギガ増える。追加ストレージの64ギガは欲しいし、iPhone13が欲しくないわけでもない。ならiPhone13でいいかとなる。
アップルはマーケティングの天才
という感じ。アップルは消費者に言い訳を与えるのがうますぎた。悩みの過程で自然と上位モデルを選択させられてしまう。しかも無意識的に。怖い
これが世界を牛耳るGAFAの頭脳。iPhone13シリーズのラインナップにはアップルの天才的なマーケティングが集約されていた。
ということで俺はPro Maxを買う。非常に腹立たしい。
iPhone 13 Pro MaxかiPhone 11
いやPro Maxなんか高くて買えねぇよって人にはiPhone 11がおすすめ。iPhoneの無印モデルは11で完成されていて、13も11も大きく変わり映えしない。
だからiPhone 13 Pro Maxを妥協してiPhone 13を買うのはナンセンス。どうせ妥協するならiPhone 11まで妥協してしまえばいい。11ならahamoで5万円。アップルストアでも61,800円で購入できる。ここまで安いならiPhone 11を選ぶ価値はある。
もちろん13で劇的にカメラが改善していれば話は別。その辺りはレビュー記事を待ってほしい。相変わらずアップルはマーケティングの天才だった。悔しい。