俺はブランドよりコスパを重視するタイプだからAndroidをメインマシンとして使い続けてきたんだけど、2019年に発売されたiPhone11はそんじょそこらのAndroidスマホを凌駕するほどコスパが高い。iPhoneなのに(倒置法)
ということでiPhone11を購入して検証しながら乗り換えるか悩みに悩んだんだけど、皮一枚でMate 20 Proの続投を決定した。
今回は10年ぶりに購入したiPhone11をレビューしつつ惜しくも俺のメインスマホになれなかった理由を解説する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
iPhone11の特長
iPhone11の特長は下記。
- A13チップの高すぎる処理能力
- IP68耐水
- おサイフ対応
- 高画質カメラ・動画
- SIMフリー
- 8万円(税込)
iPhone11はスマホ市場の隙間をうまく突いた製品で、業界トップクラスの処理能力を誇りながら多くのライトユーザーがスマホを選ぶ基準としている機能をほぼ網羅している。
それでいてSIMフリー版のお値段がたった8万円(税込)で購入できるコスパの高さが魅力だ。
ライトユーザーが求める機能
iPhone11はライトユーザーが求める下記4つの機能に対応する数少ないスマホだったりする。
- 高性能
- おサイフ
- 耐水
- SIMフリー
なんとAndroid込みでもこの4つの機能を搭載するスマホの中ではiPhone11が最も安い選択肢になる。iPhone11はイメージに反してコスパが高い。
iPhone11のコスパの高さを力説した記事は下記。
-
iPhone11がAndroidよりコスパが高い理由を比較解説
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iPhone11シリーズのスペック
iPhone11シリーズのスペックは下記。この中でもiPhone11は処理能力が上位モデルと同じなのに税込み8万円と最も安くコスパが飛びぬけている。
機種名 | iPhone11 | iPhone11Pro | iPhone11Pro MAX |
ディスプレイ | 6.1(液晶) | 5.8(有機EL) | 6.5(有機EL) |
解像度 | 1792x828 | 2436x1125 | 2688x1242 |
CPU | Apple A13 | Apple A13 | Apple A13 |
メモリ | 4 | 4 | 4 |
ストレージ | 64/128/256 | 64/256/512 | 64/256/512 |
カメラ | 標準・広角 | 望遠・標準・広角 | 望遠・標準・広角 |
バッテリー | 10時間(公称値) | 11時間(公称値) | 12時間(公称値) |
セキュリティ | 顔 | 顔 | 顔 |
おサイフ | ○ | ○ | ○ |
防水 | IP68 | IP68 | IP68 |
重量 | 194 | 188 | 226 |
サイズ | 75.7x150.9x8.3 | 71.4x144x8.1 | 77.8x158x8.1 |
価格 | 74,800円~ | 106,800円~ | 119,800円~ |
iPhone11とProシリーズの主な違いは、
- 画面解像度
- パネルの種類
- 望遠レンズ有無
の3点。
カメラを常用する人ならわかると思うんだけど、使いやすいのは広角レンズと標準レンズで、望遠レンズは全然使わない。
そう思うとiPhone11はProシリーズと使用感がほぼ変わらない。それなのに価格だけ異様に安い。ということで俺はiPhone11を購入した。
A13チップ/4ギガメモリ
iPhone11シリーズはその全てでA13チップと4ギガメモリを搭載する。処理能力は現在のAndroid最高CPUのSnapdragon855+にも劣らない。
iPhone11は現時点ではスマホ業界で最高ランクの処理能力を誇る。
Antutuスコア約51万点
iOSとAndroidのAntutuスコアは厳密には比較できないから参考程度になるんだけど、iPhone11のAntutuスコアは508410点と超高い。
過去のガジェマガでの計測結果と比較すると下記。
- iPhone11 508410(Apple A13)
- ROG Phone 2 487983(Snapdragon855+)
- Mi 9 431470(Snapdragon855)
- Mate 20 Pro 355915(Kirin980)
- Mi Note 10 254844(Snapdragon730G)
- Mi 9T 254457(Snapdragon730)
- OPPO Reno A 192793(Snapdragon710)
iPhone11はSnapdragon855+を搭載するROG Phone IIを超える超絶スコアを叩きだす。
とはいえ実際のゲームプレイで比較した感じはROG Phone IIの方が若干滑らかだった。やっぱりAntutuは参考程度なんだと思う。
ROG Phone IIとiPhone11を比較した動画は下記。
あとiPhone11は2度目のAntutuテストでスコアが3万点も落ちた。iPhone11は瞬間最大風速はあるけど持久力は低いことを添えておく。
25時間バッテリー?/194グラム
iPhone11はAndroidと違ってバッテリーを計測するアプリが無いから正確な数値はわからないんだけど、輝度50%、音量50%でYoutube動画を再生したときの電池消費は2時間でたったの8%だった。
iPhone11は単純計算で25時間もバッテリーが持つ計算になる。
過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- iPhone11 25時間?
- ZenFone 6 18時間20分
- ROG Phone II 15時間21分
- Mi Note 10 14時間27分以上
- Mi 9T 14時間27分
- UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
- OPPO Reno A 12時間3分以上
- Mi 9 12時間3分
- Mate 20 Pro 11時間21分
- Alldcube M8 4時間47分
もちろんこの数値は参考程度にしかならないんだけど、iPhone11に関してはバッテリーが持つという評判はよく耳にするから、一般的な使い方であれば丸二日くらいは余裕で持つと思ってよさそうだ。
iPhone11は長時間バッテリーなだけあって重量はド級。
俺の6.4インチスマホMate 20 Proの188グラムなのにiPhone11は6.1インチで194グラムもある。ケースを付けると余裕の220グラム越えでちょっと重すぎる。
iPhoneの伝統的な外観
iPhoneの外観は3GSの頃から完成されていて、iPhone11になってもそれはほとんど変わっていない。
俺が持つと小さく見えるけど実際は6.1インチとしっかり大きいから勘違いしないでほしい。指紋センサーは廃止されていてどこにも無い。
背面にはいつも通りのリンゴマークがしっかり刻印されている。信者歓喜。
iPhone11シリーズ最大の変化はカメラで、Proシリーズは3つ、無印の11でも標準・広角2つのカメラを搭載する。
カメラの隣の黒い点は動画撮影+ノイズキャンセリング用のマイクらしい。
無印11はカメラ周りが擦りガラスで背面全体は光沢ガラス加工になっている。Proシリーズとは逆。
側面はマット加工が施されたアルミ製。
上面は何もなくすっきり
右側面は電源ボタンとSIMカードスロットを搭載する。
下面はスピーカーとマイクと誰にも望まれていないLightning端子。
左側面は音量ボタンとマナーモードボタンを搭載する。
マナーモードボタンは「君まだいたの?」って感じでかなり時代錯誤だと思う。
前面はiPhoneシリーズでは既におなじみのノッチディスプレイを搭載する。
iPhone11はProシリーズと比較してベゼルが太いらしい。
確かに俺のMate 20 Proと比較するとちょっと大きいけど別に気にならない。スタイリッシュではないけど慣れる。
ノッチ部分にはフロントカメラ、受話口、ノイズキャンセリングマイクの他、顔認証のための多数のセンサー類を搭載する。
このセンサーのお陰で高い精度での顔認証を実現しているらしい。
iPhoneのノッチに搭載されているセンサー類を解説した記事は下記。
-
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ノッチに搭載されている受話口は補助スピーカーにもなる。音質は超絶良い。
iPhone11の高いレベルのカメラ
ここからはiPhone11のカメラ画質を検証する。iPhone11のカメラ構成は下記。
- 26ミリ標準レンズ
- 13ミリ広角レンズ
iPhone11Proは望遠、標準、広角の3つのレンズを搭載しているんだけど、iPhone11はそこから望遠だけを省いて、標準と広角レンズを搭載した。
繰り返しになるけどそもそも望遠レンズは使う機会がほとんどないから、常用するのは標準レンズと広角レンズの二つになる。
しかもiPhone11の標準レンズと広角レンズの画質はProシリーズと全く同じで超使いやすい。iPhone11にも広角レンズを残してくれたアップルの判断は賞賛したい。
おなじみではあるけどiPhone11のカメラは俺のメインスマホMate 20 Proと比較する。
Mate 20 Proは2018年末に発売されたスマホでありながら未だにスマホ業界では最高レベルのカメラ画質を誇るから、同じくカメラ画質が売りのiPhone11がどこまで健闘するかを検証する。
iPhone11メインレンズ比較
まずは最も常用されるメインレンズを比較する。写真は全て意図的なピント合わせもしてない構えて撮影するだけの撮って出し。Mate 20 ProのAIアシストはオン。
上からMate 20 Pro、iPhoneの順番で掲載する。
標準レンズ晴天写真比較
画質は互角。両者とも白飛び黒潰れも無くソフトウェアのレベルは高い。iPhone11の方が全体的に露出が高くて明るくて好印象。空の青さも良い。
Mate 20 Proはちょっと暗くてパッとしない。
これもiPhone11の方が露出は高め。とはいえどちらもレベルが高い。
この写真に関してはMate 20 Proの方がAIアシスト草木が効いていて彩度が高い好印象な写真に仕上がった。
Mate 20 ProはAIが空と認識すると青味を加えるから青が際立つ。iPhone11はどの写真もバランスが良い。
花の写真の比較
この写真はMate 20 Proが少し暗い。iPhone11は全体的に露出がMate 20 Proより高いんだけど、かといって高すぎるということも無く絶妙。
Mate 20 ProはAIアシストが花を認識することで写真に赤みを加えるんだけど、そのせいで赤い花が毎回潰れ気味になる。iPhone11はしっかりと耐えていてバランスが良い。
標準レンズ夜景写真比較
ここからはセンサーサイズの差がもろに出る夜景写真で比較する。センサーサイズはMate 20 Proが1/1.7でiPhone11が1/2.3だからMate 20 Proの方が光を取り込みやすい。
Mate 20 Proは明暗のメリハリがありながら細部も細かく描写できている。特に右下のタイルがわかりやすい。
iPhone11はかなり食らい付いてるけど、若干ノイズがあってMate 20 Proと比較すると全体的にぼんやりした印象。
光量が少ない写真ではもろに差が出ていてMate 20 Proの圧勝だった。
とはいえiPhone11も健闘していて、Mate 20 Proほどメリハリは無いけど色味も明るさのバランスも良くて比較しなければ気にならないレベル。
多くのスマホが脱落する明暗差が大きすぎる構図。Mate 20 Proは見事。iPhone11はあと一歩という感じ。
あとiPhone11特有ではあるんだけど、暗い写真では明るい光源がゴーストとして出現してしまうからちょっと気になる。Mate 20 Proにもあるけどかなりマシ。
iPhone11広角レンズ比較
ここからはiPhone11の広角レンズを比較する。センサーサイズはどちらも1/2.3で互角。
ただしiPhone11が13ミリと画角がアクションカメラ並みに広いのに対して、Mate 20 Proは16ミリとiPhone11よりも画角が狭い。
iPhone11の方がダイナミックな写真を撮影できる。
広角レンズ晴天写真比較
Mate 20 Proが全体的にぼんやりしているのに対してiPhone11はメリハリが効いてて空が青くて好印象。ちょっと暗すぎる気もするけど悪くない。
引きの写真だとiPhone11の13ミリが活きる。同じ場所なのに迫力が全然違う。その分iPhoneは細部が潰れてる感あるけどMate 20 Proも微妙だからiPhone11の方が良い。
広角レンズ夜景写真比較
Mate 20 Proは見事。ソフトウェアの勝利。
どっちも微妙だけど、iPhone11は写す範囲が広いから墓穴を掘る格好になった。全体的に暗すぎるしノイズまみれ。iPhone11はMate 20 Pro以上に広角レンズでの夜景写真は厳しい。
iPhone11カメラ総評
iPhone11とMate 20 Proのカメラを比較した結果は下記。
- 標準レンズ晴天 iPhone11 ≧ Mate 20 Pro
- 標準レンズ花 iPhone11 ≧ Mate 20 Pro
- 標準レンズ夜景 Mate 20 Pro > iPhone11
- 広角レンズ晴天 iPhone11 ≧ Mate 20 Pro
- 広角レンズ夜景 Mate 20 Pro > iPhone11
写真に関してはMate 20 Proの方が使いやすい。
Mate 20 Proは相変わらず夜景での撮影は圧倒的だった。逆に明るい環境での写真ではほとんど差が無くて、iPhone11はMate 20 Proと比較しても劣っていないどころか上回る写真が多い印象。
iPhone11はAIアシストが無いから彩度は大人しいんだけど、明るい環境ではMate 20 Proより露出のバランスが良いし色味も悪くない。
夜景ではセンサーサイズの差で負けたけどそれでも調整は見事。さすが天下のアップルという感じだった。
【iPhone11のメリット】動画画質が圧倒的
iPhone11は写真画質でもMate 20 Proと善戦できる高いレベルにあるんだけど動画となると話は別。iPhone11の圧勝でMate 20 ProはiPhone11の足元にも及ばない。
これマジでスマホ?ってレベルの画質と手振れ補正でアクションカメラ顔負けの動画を撮影できる。
iPhone11の真骨頂は写真ではなく動画だった。これはまたYoutube動画で比較したい。
【iPhone11のメリット】ミ―文字が楽しい
iPhoneXから搭載されている機能ではあるけど、顔認証に使うセンサーで持ち主の顔を検出して同じ動きをしてくれるミー文字が楽しい。
これは一応Mate 20 Proでも使える機能ではあるんだけど、iPhone11の方が精度は圧倒的。但し使い道は特にない。
【iPhone11のメリット】LIVEフォトが楽しい
これはiPhone6sから搭載されている機能なんだけど、写真撮影の際に前後1秒の動画と音も収録してくれるLIVEフォト機能というものがある。
LIVEフォトで撮影した写真はフォトアプリで長押しすることで1秒の動画になるから撮影した瞬間の思い出がよりリアルに蘇る。
この機能は是非Androidスマホでも搭載してほしい。というか搭載しているスマホがあれば教えてほしい。
【iPhone11のメリット】顔認証が超やばい
iPhone11は顔認証のために4つもセンサーを使っているんだけど、そのお陰もあって顔認証の速度が爆速。
iPhone11を持ち上げた瞬間に自動的に画面が点灯してロックが解除される。ロック解除のスピードはもはや計測不能。早すぎ。
【iPhone11欠点】ロック解除がストレス
上で顔認証が超やばいと書いたとおり、iPhone11はロック解除は爆速なんだけど、逆にロック解除をしてからホーム画面に行くのが超めんどくさい。
具体的にはロックが解除されてからディスプレイの下から上にスライドさせることで初めて使えるようになるんだけど、このディスプレイのスライドが思っている以上に画面の下からしっかりとスライドしないといけないせいで、
ホーム画面に行けてなかったパターンが頻発する。
というか寧ろ顔認証が終わったら自動でホーム画面に行けよ。手間過ぎ。
【iPhone11欠点】外部ストレージ化不可能
昔からiPhoneはそうなんだけど、iPhone11も外部ストレージ化ができない。
パソコンと接続しても写真と動画を格納されているフォルダが表示されるだけ。
ダウンロードはできてもアップロードができないクソ仕様で使いにくい。
別途サードパーティー製ソフトをパソコンにインストールすることで外部ストレージとして活用できるようにはなるんだけど、出先のパソコンにそのソフトをインストールするわけにもいかず結局使えない。クソ。
【iPhone11欠点】Lightning端子がうんこ
既に世界中の誰にも望まれていない誰得端子。iPhone11は無線充電に対応しているのが唯一の救いだけど、出先での無線充電は現実的じゃないし、iPhoneのためだけにケーブルを持ち歩くのはめんどくさすぎ。
いい加減にやめろ。
予算8万円の最有力候補
なんだかんだここまでiPhone11に文句をつけたりしてきたんだけど、8万円という価格が許すのであればこれ以外の選択肢はないレベルで完成度が高い。さすがiPhoneだなぁという感じだった。
世間ではiPhone11のダメなポイントとして
- 画面解像度
- 有機EL
- 重さ
が上げられたりするんだけど、全然気にならない。
それよりも
- 超高性能
- 長時間バッテリー
- 超高画質標準・広角カメラ
- IP68耐水
- おサイフ
- SIMフリー
の恩恵が大きいし、悪い所として挙げた
- ロック解除のストレス
- ストレージ化不可能
も多くの人は気にならないはず。
唯一Lightningはクソだけど、それを除けばこれだけ詰め込んで本当に8万円でいいの?ってレベル。素晴らしい。
iPhone11に乗り換えなかった理由
それならどうしてiPhone11に乗り換えなかったの?っていう俺に限った理由だけ最後に解説する。
俺がiPhone11に乗り換えなかった理由は下記の3つ。
- DSDS非対応
- ツインアプリ非対応
- LINEのトーク履歴移行不可能
俺はもう長らくDSDS機能を活用して一つのスマホで2つの番号を管理しているし、仕事とプライベートでLINEを使い分けているからツインアプリ機能も必須。
更に、LINEのトーク履歴をAndroidからiOSに移行できない仕様が拍車をかけた。
カメラ画質はMate 20 Proより少し劣るものの及第点だし、圧倒的な動画画質を加味すればカメラの総合力はiPhone11が上。
この3つの条件をクリアできていたら普通に乗り換えたと思う。惜しい。
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iPhone11がAndroidよりコスパが高い理由を比較解説
今やiPhoneは品質の割に高すぎるというイメージが定着していて、iPhoneを買うのはブルジョアか馬鹿というレッテルがAndroid勢から貼られつつある。 確かにiPhoneXから本体価格が約12万 ...
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