そうだ!寝ながら天井に動画を投影しよう!と思い立ってモバイルプロジェクターCapsule IIを購入して2週間が経った。
そもそも俺はプロジェクターを買うのも初めてだし右も左もわからないから、とにかく評判が良いCapsule IIを適当に購入したんだけど、しばらく使ってみてザックリとどんなものかわかってきたからレビューする。
モバイルプロジェクターの購入を検討している人、そもそもプロジェクターで何ができるのかよくわからない人は参考にしてほしい。
購入時の気になる点をまとめた記事はこちら。
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【Capsule II】人生初購入のプロジェクターに期待すること
プロジェクター欲しいけどそもそも本当に必要かわからないし、どう違うのかもわからないし、なにを選べばいいのかわからない。 とはいえ買わない限り永遠にわからないままだから思い切ってやたら評判が良いAnke ...
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Capsule IIは劣化タブレット
どんな出だしだよって話だけど、「劣化タブレット」という言葉が最も完結にCapsule IIを説明できる気がする。
Capsule IIとプロジェクターとの違い
そもそもCapsule IIは名前の通りプロジェクターなんだけど、一般的なプロジェクターとは一味違う。その違いは下記。
- 持ち運べる(充電式)
- Android TV搭載
- Bluetoothスピーカー化可能
ざっくりとこの3点になる。
Android搭載プロジェクター
Capsule IIの最大の特長は世界初のAndroid TVを搭載したモバイルプロジェクターということなんだ。一般的なプロジェクターと違って、Capsule IIは単体でYoutubeとかアマゾンプライムとかの動画を再生できる。Capsule IIはスマホとプロジェクターが一緒になった製品だと考えてほしい。
ただこれだけだとなんだそれ最高の製品じゃねぇか!と思いがちなんだけど、スマホと比較した大きなデメリットもあってそれが下記。
- タッチ操作ができない
- 壁が無いと画面が見れない
つまりCapsule IIは世を席巻した革命的デバイスであるスマホから最大の売りとなる直感的な操作とディスプレイを奪った超ニッチな用途の製品なんだ。
プロジェクターとしての完成度は最強
Capsule IIはさすがAnker製品というだけあってモバイルプロジェクターとしての完成度は圧倒的なんだけど、あくまでもプロジェクターだから明確な使用目的が無いと面食らう。というか俺が面食らった。
確かにプロジェクターだから大画面は楽しめるんだけど、多くの人はCapsule IIよりタブレットを購入した方が幸せになれると思うから、この記事ではその理由を解説していく。
Capsule IIの外観
繰り返しになるけど、Capsule IIのモバイルプロジェクターとしての完成度は圧倒的なんだ。
ボディは350ml缶より少し大きい程度でプロジェクターにしては超コンパクトだし
重量もたったの769グラムと軽くは無いけど十分に持ち運びも可能な範囲。
しかもこのボディには高音質スピーカーもファンも内蔵されていて、本当にこれ一つでプロジェクターの機能が完結している!今の技術すごい!
Capsule IIのインターフェース
Capsule IIの本体は網の目模様でわかりにくいんだけど、正面にあるのは投影機のみで、Capsule IIのインターフェースは全て裏面に凝縮されている。
まず上部にうっすら見える空洞がファンの排気口で、その下に電源ボタン、スピーカー、各種インターフェースと並ぶ。
電源ボタンの上にはBluetoothスピーカー切り替えボタンがあって、これを押すことでCapsule IIをBluetoothスピーカーモードに切り替えられる。
スピーカーは音質も音量も十分。俺は満足。
インターフェースは左からLINE OUT、HDMI入力、USB、充電用Type-Cの4つ。
Capsule IIのバッテリー公称値は2時間30分なんだけど、もちろんType-C端子で充電しながらの利用も可能。
ゴッドファーザーの視聴にだって耐えられる。
上面には操作ボタンが並ぶから最悪付属のリモコンを使わなくても操作が可能になっていて、
下面は3脚取り付け用のネジ穴が用意されている。
3脚に取り付けることで高さを自由に変えられるし、天井投影だってできてしまうんだ。
プロジェクターとしてのCapsule II
プロジェクターを一度でも使ったことある人は、設置してからの歪みとかピント合わせの微調整に苦戦した記憶があると思うんだけど、Capsule IIは持ち運びを前提に作られているだけあって微調整が全自動でマジで楽。
Capsule IIは自動でピントを補正
Capsule IIは画面を投影したら画面中央部に青いマークが出てきて勝手にピントを合わせてくれる。
ピント合わせも一瞬で、意識する前に終わってる。
Capsule IIの歪み補正は縦方向のみ
Capsule IIは歪みの補正にも自動で対応してくれる。とはいえ横方向の歪みには対応できないんだけど、
縦方向ならこの通り完璧に補正してくれる。
これも自動。なんてこった。
Capsule IIは明るい部屋での利用はNG
ただし200ルーメンの明るさは日が差し込む部屋ではマジで無理。というか部屋の電気がついてるだけでもちょっときつい。
最悪でも間接照明にしないと映像を楽しめない。
その分部屋を真っ暗にすれば70インチくらいまではくっきりはっきりの映像を楽しめる。
Capsule IIは部屋を暗くしないと映像を楽しめないから
"ながら見"
には向いてなくて、気合を入れて見ないといけない分コンテンツを楽しむためのハードルが上がるのは難点だった。
Capsule IIはHDMI入力対応
繰り返しになるけどCapsule IIの背面には入力インターフェースとしてHDMIが搭載されていて、HDMIを接続すると優先的にHDMI入力に切り替わる。
使い勝手は一般的なディスプレイと全く同じ。違いは映像が壁に投影されることだけ。
Capsule IIとSwitchがあればいつでもどこでも大画面での対戦を楽しめる。友達がいる人羨ましい。
Capsule IIはAndroid TV機能
Capsule IIは世界初のAndroid TV搭載モバイルプロジェクターなんだ。
とはいえ俺はそもそもAndroid TVがなにかもよくわかってなかったんだけど、軽く調べたところ日本ではSONYの一部のテレビが搭載している程度で全然普及していないらしい。
Android TVとは
Android TVは要はAndroidOSをテレビ機能に特化させたもので、その実Android OSではあるんだけどインターフェースがテレビ向けに変更されている。
UIはどこかで見たことがあるような仕上がりだから違和感を感じることなく操作ができる。
Capsule IIはGooglePlay対応
Capsule IIはAndroid TV搭載だからGooglePlayストアにも対応している。もちろん各種アプリを自由にダウンロードできる。
ただ、ストアの品ぞろえはスマホとは全く違う。Google Playではあるけど、Android TVの専門ストアだった。
一応ベースがAndroidだからapkを使った外部アプリのインストールもできるんだけど、そもそもCapsule IIがタッチ操作に対応していないから意味がない。
幸い映像視聴アプリは
- Amazonプライムビデオ
- Netflix
- Hulu
- Youtube
- dTV
などなどその他もろもろで充実しているから、魔改造はせずに大人しく映像視聴用に使うのがおすすめ。
Capsule IIの操作方法
Capsule IIは本体上部のタッチ操作の他に付属のリモコンと
スマホの専用アプリでも操作可能。
一応リモコンにはグーグルアシスタントボタンも付いてて、
押せばCapsule IIをグーグルホームとして使えるんだけど、ボタンを押せば質問を受け付けるだけで「オッケーグーグル」には反応してくれないからマジで使いにくい。
スマホアプリもあるしこれならリモコンは付属しなくてもよかったと思う。
Capsule IIはChromeCast対応
Android TVは標準でChromeCastに対応しているらしく、Capsule IIも漏れなく対応している。
CharomeCastはスマホの映像をテレビに転送する機能で、スマホで視聴中のYoutubeとかHuluの映像を飛ばしつつスマホをリモコン替わりに操作できる機能だ。
ChromeCastはミラキャストと違ってスマホの映像が投影されるわけじゃないから、大画面で映像を楽しみつつスマホはそのまま普通に使えるのが魅力。
もちろんスマホの画面そのままを投影するミラキャストにも対応する。
USBでの映像も視聴可能
俺は試してないけどCapsule IIはUSB経由の動画再生にも対応していて、自分で撮影した動画とか画像を投影できるらしい。
そのニーズがどれくらいあるのかはわからないけど、一応できる。俺はやらない。
【デメリット】音声出力は有線限定
ここからはCapsule IIのデメリットについて。Capsule IIはBluetoothの音声出力に対応していない。
Capsule II自体はBluetoothスピーカーになるし、Capsule IIにAUX端子があるから有線接続であれば別のスピーカーに出力できるんだけど、せっかくのモバイルプロジェクターなのにBluetoothスピーカーに音を出力できない謎仕様。
外ではCapsule IIの内蔵スピーカーで我慢しろってことらしい。
【デメリット】天井投影が安定しない
Capsule IIはその丸い形状のお陰で上向きの固定が難しくて天井投影が全然安定しない。
一応専用の三脚もAnkerから発売されてはいるんだけど、
三脚は三脚で場所を取るし、買うか迷ってるうちにそこまでして天井投影したいのかも謎になるから物理的にも心理的にもハードルが高い。
一応化粧箱のパーツを使うことで簡易的な天井投影は出来るんだけど、
これはこれで角度の調整が効かないから使いにくいし、化粧箱がCapsule IIのインターフェースを全て塞ぐから充電もできなくなる。
Capsule IIはモバイルという立ち位置が故に、帯に短したすきに長しな感じで扱いも難しい。
【デメリット】起動が超めんどくさい
プロジェクターを買って気付いた最大のデメリットは視聴するまでのめんどくささだった。
Capsule IIはAndroid TVを搭載しているからか起動がとにかく遅い。電源スイッチを入れてから操作可能になるまでの時間はなんと40秒だった。
しかもリモコンでの操作ももっさりでコンテンツを探す行程も微妙。ボタンを押して5秒で番組を楽しめるテレビのすごさを改めて痛感させられた。
Capsule IIの疑問と回答
俺がCapsule II購入記事で書いた
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【Capsule II】人生初購入のプロジェクターに期待すること
プロジェクター欲しいけどそもそも本当に必要かわからないし、どう違うのかもわからないし、なにを選べばいいのかわからない。 とはいえ買わない限り永遠にわからないままだから思い切ってやたら評判が良いAnke ...
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Capsule IIに対して抱いていた疑問とその回答をサクッとまとめると。
- テレビも見れる? ⇒ nasne購入で可能(単独不可)
- 昼でも見れる? ⇒ 微妙(無理め)
- 充電しながら使える? ⇒ 可能
- 操作方法は? ⇒ 専用リモコン+スマホ
- ChromeCastできる? ⇒ 内蔵
- Fire TV Stick繋げる? ⇒ 内蔵
- 騒音は気になる? ⇒ 静か
- スピーカー音は綺麗? ⇒ 綺麗
という結果だった。
プロジェクターはニッチで高尚な趣味
で、総評はどうなのって話なんだけど、残念ながら俺のCapsule IIはたった一回の利用でまた化粧箱に戻った。このレビュー記事を書くために久しぶりに出した。
プロジェクターは全てが手間
購入日に天井投影して見た映画は面白かったんだけど、それよりも天井投影する意味ないなというか、そもそも映像を投影する意味が無いなと思った。
そもそも俺の部屋にはテレビがあるし、タブレットもスマホもあってよりどりみどりなのに、わざわざ部屋を真っ暗にしてプロジェクターで見る必要があるだろうか、いやない(反語)。しかも起動も遅い。
プロジェクターは人を選ぶ
Capsule IIは確かに映画1本分のバッテリーは持ったし、微調整も全自動だし音も良いしファンも静かでプロジェクターとしての完成度は極まっているんだけど、そもそもプロジェクターというデバイスが俺には高尚すぎた。俺みたいな下民は寝ながら片手スマホ映画で十分満足できる。
そもそも情報爆発社会と化した現代の時間の流れにプロジェクターというデバイスがあってない。2時間暗い部屋で映画に集中して過ごすのは辛過ぎる。スマホが見たい。俺は依存症だ。
その意味で少なくとも俺の生活にはプロジェクターという商品自体があっていないし、今後も時間の流れが加速することで俺と同じようにプロジェクターを楽しめない人は増え続ける気がした。
プロジェクターが欲しい人にはおすすめ
少なくともCapsule IIは製品としては間違いないから、例えばテレビが無い寝室にプロジェクターを置きたいとか、キャンプで使いたいとか、明確な目的がある人には手放しでオススメできるんだけど、少なくとも俺の物で溢れた6畳の部屋にCapsule IIの居場所は無かった。
Capsule IIは高すぎる勉強代になった。
【動画で解説】CapsuleIIレビュー
天井プロジェクターpoppin Aladdin 2レビューも
ライト一体型プロジェクターのpoppin Aladdin 2のレビューもしているから参考にしてほしい。
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