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スマホ レビュー

【UMIDIGI S5 Proレビュー】大幅改善。あと一歩。

2020年9月3日

UMIDIGIと言えば価格が安い割りに品質もそれなりで、ガジェマガでは安さにつられて買っても後悔するだけだから買うなと主張し続けていて、Youtube検索もグーグル検索も俺の記事、動画が上位に表示されるせいでUMIDIGIに多大なるダメージを与えているんだけど、そんなUMIDIGIから最新スマホUMIDIGI S5 Proが発売された。

ここまでボロクソに言ってるんだからUMIDIGIが満を持して発売した最新スマホを公平に評価する義務がある。ということで購入したからレビューする。

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この記事の目次(クリックでジャンプ)

UMIDIGI S5 Proの特長

UMIDIGI S5 Proの特長は下記。

  • 30,000円以下
  • 6.39インチ有機ELフルディスプレイ
  • ポップアップフロントカメラ
  • リアクアッドカメラ(標準、広角)
  • Helio G90T
  • 256ストレージ
  • 4680mAhバッテリー

UMIDIGIシリーズ最大の強みである激安価格は踏襲しつつ、有機ELとかポップアップカメラ、256ギガストレージを贅沢な仕様を盛り込んできた。

カタログスペックは凄いけど中身ボロボロというのがUMIDIGIの歴史だからまだ油断はできないんだけど、ここまでは普通にすごい。

UMIDIGI S5 Proのスペック

ディスプレイ 6.39(有機EL)
解像度 2340x1080
CPU Helio G90T
メモリ 6
ストレージ 256
バッテリー 4680
セキュリティ 指紋
おサイフ ×
防水 ×
デュアルSIM ○(DSDV)
重量 202
サイズ 75.7x159.2x9.6

UMIDIGI S5 Proは無線充電、防水、おサイフ等の付加価値には対応しない代わりに、それ以外のスペックは高い。

Helio G90T/6ギガメモリ

UMIDIGI S5 ProはCPUに価格が安いHelio G90Tを搭載する。Helioシリーズと言えば品質のばらつきが多きイメージなんだけど、最近はあまり聞かないから改善されてるっぽい。

メモリはAndroidスマホとしては必要十分の6ギガを搭載する。

Antutu29万点

UMIDIGI S5 ProのAntutuベンチマークスコアは2回連続で計測しても29万点前後とこの価格帯にしてはかなりのハイスペック。

ガジェマガの過去の計測結果と比較すると下記。

  • iQOO Neo 3 595801(Snapdragon865)
  • OnePlus 8 Pro 575059(Snapdragon865)
  • Mi 10 574721(Snapdragon865)
  • iPhone11 508410(Apple A13)
  • ROG Phone 2 487983(Snapdragon855+)
  • Mi 9 431470(Snapdragon855)
  • iPhoneSE 430946(Apple A13)
  • Mate 20 Pro 355915(Kirin980)
  • UMIDIGI S5 Pro 291584(Helio G90T)
  • Mi Note 10 254844(Snapdragon730G)
  • Mi 9T 254457(Snapdragon730)
  • Redmi Note 9S 253459(Snapdragon720G)
  • OPPO Reno A 192793(Snapdragon710)

もはや俺のメインスマホMate 20 Proに肉薄しててヤバイ。2年前の10万円スペックが3万円で買えることを思うと感慨深い。

UMIDIGI S5 Proは12時間11分バッテリー

バッテリー計測アプリPC Mark for Androidで100%から20%になるまでの時間を計測した結果は9時間45分だった(※明るさ50%、音量50%)

つまり0%までは12時間11分使える計算になる。ちなみに、PC Mark for Androidは何度計測しても終了画面が一瞬で消えてスクショできてない。不安定さを何とかしてほしい。

過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記(PC Mark for Android結果)

  • Redmi Note 9S 22.8時間(Youtube計測)
  • iPhone11 20時間(Youtube計測)
  • ZenFone 6 18時間20分
  • ROG Phone II 15時間21分(120Hz)
  • Mi Note 10 14時間27分以上(Youtube計測)
  • Mi 9T 14時間27分
  • UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
  • iQOO Neo 3 13時間9分(144Hz)
  • OPPO Reno A 12時間3分以上(Youtube計測)
  • Mi 9 12時間3分
  • Mate 20 Pro 11時間21分
  • OnePlus 8 Pro 10時間31分(120Hz)
  • 新型iPhoneSE 10時間(Youtube計測)
  • UMIDIGI S5 Pro 9時間45分
  • Mi 10 9時間29分
  • Alldcube M8 4時間47分

UMIDIGI S5 Proは丸一日程度なら余裕で使えるレベルではあるけど、スペックと4680mAhというバッテリー容量の割りにバッテリーの持ちは良くない。

UMIDIGI S5 Proは4680mAhバッテリー

バッテリーがみっちり詰まってることもあって重量は202グラムと6.4インチとしては最大級の重さ。

同じ画面サイズで5000mAhのZenFone 6が199グラムだからUMIDIGI S5 Proはかなり重い。

UMIDIGI S5 Proのシンプル無難な外観

UMIDIGI S5 Proの外観は無難にまとまっていて安っぽさは微塵も感じない。

背面にはクアッドカメラと

UMIDIGIのマークが刻印されている。

UMIDIGI S5 Proはフロントポップアップカメラ

上面にはポップアップカメラが搭載されていて

フロントカメラを起動したときだけカメラが飛び出す仕様。

顔認証には対応していないからUMIDIGI S5 Proを買う人は多分一生フロントカメラを使う機会はない。

右側面にはSIMスロットがあるのみ。

SIMスロットはデュアルに対応。

microSDカードとの排他式だけど内蔵ストレージ256ギガだからmicroSDが無くても十分耐えられるのが嬉しい。

底面にはマイク、Type-C充電端子、スピーカーを備える。

スピーカーは底面のみのシングル仕様で音は普通。

左側面には電源ボタンと音量ボタンを備える。

UMIDIGI S5 Proはフルディスプレイ

フロントカメラがポップアップ式なこともあってUMIDIGI S5 Proはフルディスプレイで超すっきり。

しかも有機ELだから発色も超綺麗。

画面の上には受話口があって

保護フィルムも最初から貼ってある親切設計。

画面内には指紋センサーを搭載していて

精度も超高い。当たり前だけど他の指だと弾かれるし、失敗することも無かった。

ただロック解除がちょっと遅い。指をかざして、失敗した?って思った瞬間に解除される感じ。

6.4インチのディスプレイを他のスマホと比較するとこんな感じ。左から6.1インチiPhone11、6.4インチUMIDIGI S5 Pro、6.4インチMi 9、6.78インチOnePlus 8 Pro。

UMIDIGI S5 Proは標準での明るさ自動調整が超明るい。とはいえ明るさを調整してやると以降は調整を記憶してくれるから実使用では問題ない。

ただ、最低輝度が明るすぎるのは結構気になる。

これは輝度調整ではどうにもならないから目が痛い。暗い環境での使用は控えた良さげ。

UMIDIGI S5 Proはジェスチャーにも対応

UMIDIGI S5 ProはAndroid10を搭載しているからジェスチャー機能にも標準で対応。

通知バーの設定も充実してるから本当に普通のスマホとして使えてしまう。

俺が求めていたゴミディジの姿はどこにもなくて正直肩透かし。

標準で付属するケースの質感は相変わらず安っぽくて安心する。

UMIDIGI S5 Proのおまけ程度のカメラ

ここまではUMIDIGI S5 Proは3万円ならアリかもと思えるスマホに仕上がってるんだけど、カメラは相変わらずのUMIDIGIという感じだった。

UMIDIGI S5 Proのクアッドカメラの内訳は下記。

  • 27ミリ標準
  • 16ミリ広角
  • マクロ(3センチ)
  • 深度計測

カメラ画質はいつも通り俺がカメラのためだけに未だにメインスマホとして使い続けているMate 20 Proと比較する。そろそろ乗り換える予定。

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撮影設定はAIアシストオンでカメラを向けてシャッターを押すだけの撮って出しで全てMate 20 Pro → UMIDIGI S5 Proの順番で掲載する。

標準カメラ晴天写真撮影比較

まずは標準レンズの晴天写真を比較する。

UMIDIGI S5 Proは右上の雲が白飛びしてるけどほぼ互角。カラスっぽいのが写ってるのはセンサーの問題っぽくてどうにもならないから放置。また当たり引いたっぽい。

UMIDIGI S5 Proの方がコントラスト高めで、草むらはより暗く、空はより明るく写ったけどほぼ同じ。

空。相変わらずカラスが写ってるけど色合い、明るさが微妙に違う程度でほぼ互角。

標準カメラ夜景写真比較

次に標準レンズの夜景写真を比較する。

UMIDIGI S5 Proは明暗差が大きくて、光は白飛びしていて、空と通路が暗い。Mate 20 ProはHDRが効いてるのか明暗差が少なく見やすい。

光量が少ないとUMIDIGI S5 Proは死ぬ。全体的に暗すぎて何が写ってるのかよくわからない。

暗い空の写真。UMIDIGI S5 Proは黒に寄せ過ぎて光源が白飛びしまくった。全体的にダイナミックレンジが狭く明暗を共存させるのが苦手。

広角カメラ晴天写真比較

次に広角カメラの晴天写真を比較する。

UMIDIGI S5 Proは空の明るさに引っ張られて地上が死んだ。

光量少なめの写真。Mate 20 Proも酷いけどUMIDIGI S5 Proはそれにも増して酷い。

空の写真。Mate 20 ProもUMIDIGI S5 Proも目で見たより暗い。更にUMIDIGI S5 Proは色合いも夕焼けっぽくなって変。

広角カメラ夜景写真比較

ここからは広角カメラの夜景写真を比較する。

光量が多い環境では意外にも互角。というかMate 20 Proは出たての頃の広角カメラを搭載しているから普通にショボい。

Galaxy Note20 Ultraとかの最新の広角カメラだとこれくらいの写りになる。

光量が少ない環境も互角。色合いが違う程度でどちらも酷い。

夜空の写真はソフトウェアの調整でMate 20 Proが勝つ。Mate 20 Proは白飛びが全くない。

UMIDIGI S5 Proカメラ総評

UMIDIGI S5 Proは標準カメラ、広角カメラ共にレベルが低い。昔のUMIDIGIと違って使えないほどのレベルではないけど、あらゆる環境でがっかり写真になる。

標準カメラも広角カメラも夜景に弱いし、

ダイナミックレンジが狭い上に、広角カメラは色合いもおかしい。

唯一晴天時の標準カメラは使えるというレベルだった。ただし俺のセンサーはハズレだった。

カメラはあくまでもおまけ程度だと考えてほしい。

UMIDIGI S5 Proの動画は業界最低レベル

カメラが酷いというのは上で書いた通りなんだけど、UMIDIGI S5 Proの動画はもっと酷い。具体的には下記。

  • 手振れ補正なし
  • 60fps撮影不可
  • 広角カメラ動画撮影不可

このご時世に30fpsでしか撮影できないのはビビった。

UMIDIGI S5 Proの良い所と悪い所

ここまで良い所と悪い所を色々と書いてきたけど、まとめると下記。

UMIDIGI S5 Proの良い所

  • 価格が30,000円と安い
  • 処理能力が価格の割りに高い
  • 有機ELディスプレイ搭載
  • DSDS対応
  • ストレージ容量が多い

UMIDIGI S5 Proの最大の魅力は30,000円で買えるのにAntutu29万点の処理能力で、俺が知る限り30,000円以下スマホの処理能力としては最強。

更にディスプレイは有機ELで綺麗だし、内蔵ストレージも256ギガと多い。

3万円でDSDSにも対応しているから格安SIMが使いやすいのも嬉しい。

とにかく安くハイスペックなスマホが欲しいゲーマーのサブ機としての購入なら選択肢に入れてもいいかもしれない。

UMIDIGI S5 Proの悪い所

  • 写真も動画も超絶微妙
  • ディスプレイの最低輝度が明るい
  • ボディが重い
  • バッテリーが持ちが良くない

UMIDIGI S5 Proの最大の欠点は写真と動画がほぼ使い物にならないことで、25,000円で買えるRedmi Note 9Sより遥かに画質が悪い。

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更に細かい所でディスプレイの最低輝度が明るすぎるのも気になる。夜家の中にいる時は永遠に最低輝度で良いレベルで、電気を消してしまうと画面が眩しすぎる。

その他スマホが重めなのはまだ良いけどその割にバッテリーが一日程度しか持たない。

UMIDIGI S5 Proは普通に使う分には不満を感じないレベルに来ているのは間違いないけど、良い所と悪い所の差が大きすぎて扱いにくい。

ライバルと比較した強みが弱い

残念ながらUMIDIGI S5 Proが発売された2020年はミドルレンジスマホが超豊作で、今はXiaomiが日本に参入してRedmi Note 9SとかMi Note 10 Liteとかの激安スマホを発売してしまっているし、1万円を足せばPixel 4aとかiPhoneSEが射程に入ってしまう。

Antutu29万点と25万点は誤差

UMIDIGI S5 Proの最大の強みは30,000円でAnttuu29万点なんだけど、この強みがかなり微妙。というのも25,000円のRedmi Note 9Sも40,000円のMi Note 10 LiteもPixel 4aもAntutuは25万点程度。つまり実使用で差を感じることがほぼない。

これでUMIDIGIに弱点が無いなら最強だったんだけど、カメラとバッテリーと最低輝度は弱点として大きすぎる。

これがiQOO Neo 3みたいに4万円でAntutu60万点とかで飛びぬけていれば許せたけど、UMIDIGI S5 Proはライバルと比較してメリットが弱いわりにデメリットが大きい。

2020年はライバルが強すぎる

それなら多少性能が低くてもカメラが綺麗でバッテリーが持つスマホを選びたい。その意味でUMIDIGI S5 Proはメイン機としては弱く、かといってサブ機にするにも弱いという微妙過ぎる立ち位置にいる。UMIDIGI S5 Proを買うなら5,000円安いRedmi Note 9Sか1万円高いMi Note 10 Liteを買った方が総合的な満足度は高くなる。

今までのUMIDIGIとは全く違う

ただ、UMIDIGIがここまで改善してきたのは素直に賞賛したい。少なくとも買って大きく後悔するスマホじゃないし、ライバルと比較して戦えるレベルではある。俺が期待していたバグだらけのゴミディジの姿はもうどこにも無くて、これが1年前に発売されていたら大絶賛されるスマホだったのは間違いない。

とりあえずカメラを改善すれば大幅に印象が変わるはず。ということで次回作にこそ期待したい。

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