バイクで日本一周しながら動画編集をするために購入した高性能ノートパソコンを使って半年が経った。
このノートパソコンがあったおかげで2019年の5月から7月に日本一周しながら動画編集できたのは最高だったんだけど、果たして24万円もする高性能ノートパソコンは日常利用ではどうなのかというリアルな感想をまとめる。
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Spectre X360 15を半年使用中
ガジェマガでは何度も書いてるんだけど、俺が今現在使っている高性能ノートパソコンはSpectre X360 15というやつ。お値段は24万円とマジで高い。俺もブロガーじゃなかったら絶対に買ってない。
このパソコンの詳細についてはレビュー記事を見てもらいたいんだけど、
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簡単に解説すると対性能価格のコスパは最高で、最新の35万MacBook Pro 16にも性能で引けを取らない。
MacBook Pro 16と比較検討した記事は下記。
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【MacBook Pro 16が欲しい】今のWindowsノートと比較検討
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ただ、24万円もするくせにスピーカーの音が割れたりタッチパッドがクソだったりと絶妙に欠点もある。
クセは強いけど性能とボディの質感は本物。
とはいえ今回はこのノートパソコンに限った話ではなくて、高性能ノートパソコンを購入した一般論として感じたメリットとデメリットを解説していく。
【デメリット】高性能ノートは値段が超高い
最初から出鼻をくじくことになるけど、高性能ノートパソコンは売れてない。なぜならスペックに対して価格が高すぎるから。
おいおい上でSpectre X360 15は対性能価格のコスパが高いと言ったじゃないかと思うかもしれないけど、それは他の高性能ノートパソコンと比較した話。
高性能ノートパソコンはデスクトップパソコンと比較するとコスパが悪い。
デスクトップとは約9万円の価格差
実際俺の24万もしたSpectre X360 15と同じスペックをデスクトップで揃えると10万円で手に入ってしまう(例:IdeaCentre T540 Gaming)
スペックを比較すると下記。悲しいかな10万円のデスクトップパソコンの方が既に処理能力が高い。
Spectre X360 15 | IdeaCentre T540 | |
液晶サイズ | 15.6 インチ | なし |
解像度 | 3840x2160 | なし |
CPU | Core i7-8750H | Core i7 9700 |
GPU | GTX 1050Ti Max-Q | GTX 1660 |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ(GB) | SSD512GB | SSD512GB |
駆動時間 | 13時間45分 | バッテリーなし |
重量(kg) | 2.17 kg | 6.2 |
USB-A(フルサイズ) | 1 | 8 |
USB-C | 2 | 1 |
HDMI出力 | 1 | 1 |
MicroSDスロット | 1 | 0 |
当然デスクトップだとディスプレイは無いから別途購入する必要があるんだけど、5万円も出せば4Kディスプレイを購入できる。
Spectre X360 15の方が9万円は高いことになる。
高性能を持ち出す理由が必要
つまり、敢えて高性能を持ち出したい特殊な事情が無い限り高性能ノートパソコンを選ぶ必要が無い。
高性能ノートパソコンを購入する理由があるとすれば下記。
・外出先で負荷の高い作業をしたい
・作業環境を素早く移行したい(引っ越し、帰省など)
・デスクトップパソコンの配線が嫌い
つまりパソコンでの作業を生業にしているか、綺麗好きかの2択になる。
高性能ノートパソコンを購入するハードルは思っているより高い。
高性能でオールインワン
確かに高性能ノートパソコンの値段が高いのは間違いないんだけど、晴れて購入に踏み切ればその先にはオールインワンの楽園が待っているのも事実。
ノートパソコンというだけあって全ての機能が一台に集約されている、しかも高いだけあって各部の品質は高いし動作も速い。
お墨付きの高性能
あらゆるデバイスの性能に関して、必要条件と十分条件の争いが絶えないんだけど、それは入手コストを加味した話。
入手コストを度外視すれば性能は高ければ高いほど良い。
高性能ノートパソコンは名前の通りデスクトップパソコンに迫るくらいの高い処理能力を有するから、あらゆる動作がサックサク。
今使っているパソコンでも十分と思っていたはずが、一度買い替えてしまうと二度と前の機種に戻れないパワーと魅力を備える。
高性能ノートはディスプレイも高品質
もちろんノートパソコンということでディスプレイもオールインワンなんだけど、高性能ノートパソコンはディスプレイの品質が高いのも嬉しい。
多くの高性能ノートパソコンが3K以上の解像度で高い作業性を備えているし、一部はタッチパネルにも対応している。もちろん発色も良い。
とはいえタッチパネルは意外と使いどころが難しくて俺もほとんど使っていないんだけど、対応しているかしていないかなら対応している方がありがたい。
高性能ノートはスピーカーも高音質
Spectre X360 15に関しては高い癖に音割れする残念スピーカーではあるんだけど、それでも音は悪くない。
Spectre X360 15以外のMacBookとかZenBookとかならスピーカーの性能も高くて、それ一台でどこでも映画とかのメディアを大画面で楽しめるようになるのも魅力。
高性能ノートは顔認証・指紋認証が快適
これはノートパソコンならではなんだけど、持ち運びを前提として作られているノートパソコンはセキュリティロックの解除にも配慮されている。
具体的にSpectre X360 15に関しては指紋認証と顔認証の両方に対応しているし、精度も抜群に高い。
顔認証もAndroidスマホにありがちなフロントカメラを使ったものではなくて、赤外線カメラをしっかり搭載しているからセキュリティ性も高い。
デスクトップパソコンと違ってロック解除の度にパスコードを入力しなくていいのは便利。
パソコンを一台にまとめられる
これは地味な魅力なんだけど、高性能ノートパソコンを購入すればパソコンを完全に一台にまとめられるからパソコン間でデータを移行する作業を最小限にできる。
意味不明かもしれないけど、例えば高性能なデスクトップパソコンを保有していたとしても、外出用にサブのノートパソコンは欲しくなるもの。
デスクトップ+サブノートは非効率
そこで15万円でデスクトップパソコンと4Kディスプレイを揃えた上で、9万円のサブノートを購入するのも良いんだけど、それだと外での作業性が劇的に落ちる。
それに対して最初から24万円払って高性能ノートパソコンを購入すれば家でも外でも同じ作業環境を維持できるようになる。
画像編集・動画編集で元が取れる
上で値段を度外視すれば高性能は正義だと解説したんだけど、特に画像編集とか動画編集のクリエイティブアプリで高性能は真価を発揮する。
プロカメラマン御用達の写真編集アプリLightroomとか、動画編集アプリ、イラストレーターとかの動作速度は性能に思いっきり依存する。
もう24万円の元は取れた
実際にSpectre X360 15に買い替えたことで動画の書き出し時間は3分の1以下になったし、重くて待ち時間が多かった写真編集もサクサクになった。
時短できた時間を考えるととっくに24万円の元は取れている計算になる。
もし俺みたいにクリエイティブアプリでの作業を生業にしているのであれば性能に全てのお金をつぎ込む判断は正しい。
その意味でSpectre X360 15を購入したのは正解だったと心から思える。
【デメリット】持ち運ぶ気が失せる大きさ
高性能ノートパソコンはノートパソコンだから持ち運べるのが魅力の一つなんだけど、じゃあ実際持ち運ぶのかというとマジで持ち運ばない。
当然日本一周しているときはリュックサックにいれて持ち運んでいたし、実家に帰る時も持って帰ってはいるから持ち運べるメリットは活かせているんだけど、
近所のカフェに持っていくかというと全く無い。
そもそも俺の場合は光回線とデュアルディスプレイの自宅作業環境が快適過ぎて敢えて外で作業する意味を見出せないというのもあるんだけど、
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15.6インチ2.2キロはカフェに持っていくのもカフェで開くのもめんどくさい。
しかも高性能ノートパソコンは性能が高いせいで消費電力も大きいから、外出先でも電源を確保しないとバッテリーが心配。
外出先で毎回コンセントを探すのもめんどくさい。少なくとも前使ってたMatebook X Proみたいに気軽にカフェで作業って感じにはならない。
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まぁそこまでしてカフェで作業する意味も無いしじゃあ家で作業するか、と引きこもりが加速する。
やっぱり13.3インチと15.6インチには大きな機動性の差があった。
高性能ノートパソコンを買うべき人
ここまでつらつらと高性能ノートパソコンを購入して感じたメリットとデメリットを書いたんだけど、俺個人の結論としては本当に買ってよかったと思っている。
それはパソコンでの作業を生業にしているからで、俺と同じように自分のパソコンを仕事に使っている人なら購入するのはあり。
あとデスクトップパソコンとサブのノートを買うくらいなら最初から高性能ノート一台にまとめた方が色々快適なケースもある。
サブパソコンを買うくらいのギークだという自覚があるなら高性能ノートパソコンを買って一台にまとめるのはあり。合計額はほぼ同じになる。
ライトユーザーには無用の長物
逆に画像編集とか動画編集のアプリを使っていないのであれば高性能ノートを購入する必要は全くない。
ライトユーザーだと自覚しているなら無難に6万円で薄型ノートパソコンを購入しておけばいいと思う。
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