既にスマホが成熟してしまっていて新製品にワクワクしなくなって久しいんだけど、ならスマホの進化はいつ止まったのか。それはSnapdragon865スマホが発売された瞬間だと俺は思ってる。
という俺の持論が正しいのかを確認すべくGalaxy S20海外版を使い続けて既に3か月の使用感はまた別の記事で解説しようと思っているんだけど、今回はひとまず3年前に発売されたGalaxy S20海外版の実力がどんなものなのか、今さらながらのレビューをしたい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
Galaxy S20の特徴
Galaxy S20はスマホ売り上げ世界一位を誇るサムスンが毎年発売するAndroidのフラッグシップスマホというだけあって、その時々の最高を全て詰め込むのが恒例。
具体的な特徴は下記。
- 6.1インチ有機EL120Hzディスプレイ
- 無線充電、逆無線充電
- デュアルスピーカー
- デュアルSIM(海外版のみ)
- おサイフ対応(日本版のみ)
- IP68防水
- トリプルカメラ(標準、広角、望遠)
つまり毎年恒例のGalaxyという感じで、120Hzに対応した初のGalaxyスマホでもある。
ちなみに俺はデュアルSIMを使いたくて海外版を購入したけど、海外スマホの日本での利用は総務省への申請が必要。その場合でもSIMカードでの通信は違法になるため俺はWiFiでしか使用していない。
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Galaxy S20のスペック
Galaxy S20の詳細なスペックは下記。参考に最新のGalaxy S22と比較する。
Galaxy S20 | Galaxy S22 | |
ディスプレイ | 6.2(120Hz有機EL) | 6.1(120Hz有機EL) |
解像度 | 3200x1440 | 2340x1080 |
CPU | Snapdragon865 | Snapdragon8 Gen 1 |
メモリ | 12 | 8 |
ストレージ | 128 | 256 |
バッテリー | 4000 | 3700 |
セキュリティ | 指紋/顔 | 指紋/顔 |
おサイフ | 〇(日本のみ) | 〇(日本のみ) |
防水 | IP68 | IP68 |
デュアルSIM | 〇(海外のみ) | 〇(海外のみ) |
重量 | 163 | 168 |
サイズ | 69x152x9.2 | 71x146x7.6 |
価格(税込) | 60000 | 未発売 |
Galaxy S20はGalaxy S22と比較しても、メモリ、画面解像度は上。Galaxy S22ではスマホに必要ない過剰スペックが削減されている。
一方処理能力はSnapdragon8Gen1を搭載するGalaxy S22が上回っていて、最強が更に最強になった。その代わりにバッテリーは3700mAhと少なめ。発売のたびにバッテリー持ちが不評なGalaxyをどんな気持ちで開発してるのか聞いてみたい。
価格は俺が購入した海外版が現在AliExpressで6万円と付加価値もりもりのわりに手ごろなのが嬉しい。対してGalaxy S22のグローバル版はまだ発売していない。
Antutuベンチマーク63万点
Galaxy S20のAntutuベンチマークの計測結果は630889点だった。過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- iPhone 13 Pro 796452(A15)
- Zenfone 8 793557(Snapdragon888)
- Find X3 Pro 747175(Snapdragon888)
- Pixel 6a 731622(Tensor)
- iPhone 12 707452(A14)
- Pixel 6 Pro 701148(Tensor)
- Mi 11T Pro 693369(Snapdragon888)
- moto g100 664795(Snapdragon870)
- Galaxy Note20 Ultra 644423(Snapdragon865+)
- Galaxy S20 630889(Snapdragon865)
- Nothing Phone 583647(Snapdragon778G+)
- Galaxy S20 582949(Snapdragon865省電力モード)
- Xiaomi Pad 5 576689(Snapdragon860)
- realme GT Master Edition 539784(Snapdragon778G)
- Mi 11 Lite 5G 519539(Snapdragon780G)
- Mi 9 500624(Snapdragon855)
- Reno 5A 376881(Snapdragon765G)
- Redmi Note 10 Pro 343568(Snapdragon732G)
- AQUOS sense 4 282575(Snapdragon720G)
処理能力としてはSnapdraggon865+をわずかに下回る程度で順当。こう見るとNothingPhoneの処理能力が光っててやばい。
Galaxy S20は処理能力を下げてバッテリーを維持する省電力モードも搭載されていて、その際のAntutuベンチマークスコアは582949点とミドルスマホのNothingPhoneを下回った。時代の流れを感じる。
Galaxy S20は10時間バッテリー
Galaxy S20をバッテリー計測アプリPC Mark for Androidで計測したところ、100%から20%になるまでにかかった時間は8時間だった(明るさ50%、音量50%、120Hz)
つまり0%までは10時間持つ計算になる。過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- AQUOS sense 4 20時間58分バッテリー
- ZenFone 6 18時間20分
- moto g100 17時間59分(90Hz)
- Redmi Note 10 Pro 16時間57分(60Hz)
- Nothing Phone 15時間27分
- ROG Phone II 15時間21分(120Hz)
- Pixel 6a 14時間57分
- ZenFone 7 Pro 14時間31分(90Hz)
- Mi 9T 14時間27分
- Xiaomi Pad 5 14時間6分(120Hz)
- iPhone 13 Pro 13時間52分
- UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
- iQOO Neo 3 13時間9分(144Hz)
- Pixel 6 Pro 12時間58分(120Hz)
- Redmi Note 10 Pro 12時間12分(120Hz)
- Mi 11T Pro 12時間6分(120Hz)
- Mi 9 12時間3分
- Nothing Phone 11時間59分(120Hz)
- Mate 20 Pro 11時間21分
- Mi 11 Lite 5G 11時間19分(90Hz)
- realme GT Master Edition 11時間3分(120Hz)
- Galaxy S20 10時間44分
- Find X3 Pro 10時間31分(120Hz)
- OnePlus 8 Pro 10時間31分(120Hz)
- UMIDIGI S5 Pro 9時間45分
- Galaxy Note20 Ultra 9時間35分
- Mi 10 9時間29分
- iPhone12 8時間13分
- Galaxy S20 8時間(120Hz)
- ZenFone 8 6時間57分(120Hz)
- Alldcube M8 4時間47分
この数値はマジで酷い。歴代スマホと比較しても最下位クラスでゴミ。120Hzでは一日バッテリーですらきつくて実用的じゃない。一方60Hzだと20%まで10時間44分と3時間以上改善する。使うなら60Hzでの運用がおすすめ。
Galaxy S20は159グラム4000mAhバッテリー
Galaxy S20は4000mAhで死ぬほどバッテリーが持たない代わりに159グラムと本体は超軽量。iPhoneのProシリーズ並みの使用感で小さく軽いのが嬉しい。
ただやっぱりハイエンドスマホなら5000mAhバッテリーは欲しいところ。バッテリーと重量なら俺はバッテリーを取りたいが、そんな選択肢がAndroidにはない。辛い。
Galaxy S20の小さく無骨なボディ
そもそも6.2インチなんだから小さいのは当然なんだけど、Galaxy S20は3年前のスマホということもあってデザインはちょっと無骨。
俺が購入したのは海外版の赤なんだけど、カメラ部分が麻雀パイみたいでイケてないのがちょっと気になる。
この辺りGalaxy Note20 Ultraは色を変えることでスタイリッシュに仕上げてたんだけどGalaxy S20はあと一歩という感じ。
ガラスの背面は光をよく反射するカナブンタイプ。
無線充電にも対応していて
逆無線充電にも対応。めったにないけどイヤホン等を充電できるのが嬉しい。
海外版ということで日本のGalaxyには見られないSAMSUNGマークが刻印されている。
インターフェースは右側は何もなし。
下にはスピーカー、Type-C端子、マイクを備える。
左側は音量ボタンと電源ボタンを搭載し、
上側にはノイズキャンセリングマイクとSIMスロットを備える。
SIMスロットは海外版のみ物理のデュアルSIMに対応する。
正面は120Hzに対応した有機ELディスプレイを搭載する。
上部に気持ち程度のパンチホールディスプレイがあって、
その上に写真ではわかりにくいけど受話口兼サブのスピーカーを備える。
音質は普通にいいけどスマホの音にそんなに拘ることも無いから普通。悪くはないから安心してほしい。
ライバルのiPhone13Proと並べるとこんな感じで、0.1インチ大きいGalaxy S20の方が縦に長い分細くて持ちやすい。
どっちが良いかは好み。ただ、Galaxy S22からiPhoneと同じアスペクト比になった。
サイズ比較。左から6.9インチGalaxy Note20 Ultra、6.6インチNothingPhone、6.2インチGalaxy S20、6.1インチiPhone13Proの順番。
Galaxy S20は最も細く持ちやすい。
Galaxy S20のカメラ画質
ここからはGalaxy S20のカメラ画質を検証する。Galaxy S20のカメラ構成は下記。
- 1200万画素超広角カメラ
- 1200万画素標準カメラ
- 6400万画素望遠カメラ(1倍)
Galaxy S20の望遠カメラは高い解像度を活かして指定した倍率までクロップする独自仕様。光学ズームはしていない。6400万画素カメラの中心部分を使うことで1倍から最大30倍まで対応する。
3年前のスマホということもあって最近のスマホと比べるとカメラ部分の出っ張りは薄め。
これでどこまで最新スマホに対抗できるかが見どころ。
写真比較はいつも通りスマホ史上最高クラスのカメラ画質を誇るGalaxy Note20 Ultraと比較する。
標準カメラ晴天写真比較
Galaxy S20の方が若干アンダーより。色の傾向は同じ。
明暗差が大きい写真。Galaxy Note20 Ultraはレンズフレアに弱い。Galaxy S20はまだマシ。
緑の写真。Galaxy Note20 Ultraの方が緑が強め。Galaxy S20の方が着色が少ない。
花の写真。Galaxy S20が少しだけアンダーより。
超広角カメラ夜景写真比較
同じ。
同じ。Galaxy Note20 Ultraはレンズフレアが多い。
Galaxy Note20 Ultraは緑が生き生きしてて良い。Galaxy S20はアンダーより。
標準カメラ晴天写真比較
レンズフレア以外は同じ。
同じ。Galaxy S20の方がわずかにアンダーで空がしっかり黒い。
超暗所。同じ。
超広角カメラ夜景写真比較
やっと差が出た。Galaxy S20の超広角は夜景で明確にノイズが増えた。左上の信号機を見るとわかりやすい。
Galaxy S20の方がノイズが多い。左上のレイク、アコムの表示がにじんで見える。
超暗所。どちらも酷い。
望遠カメラ比較
望遠はGalaxy Note20 Ultraが光学5倍。Galaxy S20がクロップの3倍が標準だからもっと差が出ると思ったけど、5倍と3倍なら画質はほぼ同じだった。両方5倍で撮影すればよかったと後悔してるけど、どうせ望遠の画質はいまいちだからやらない。
Galaxy S20カメラ総評
流石に同じGalaxyどうしの、しかも1年以内に発売されたスマホということもあってほとんど差はない間違い探し状態だった。
メインカメラの画質はノイズも色合いもほぼ同じ。Galaxy S20は少しアンダーよりだけど許容範囲。逆にレンズフレアが少ないのが好印象で、ひとまずメインカメラに関してはGalaxy S20の段階で既に完成されていると言っていい仕上がりだった。
もちろん更にメインカメラのセンサーを大きくすれば画質を向上させることはできるんだけど、スマホカメラである以上スマホとしての厚みを保つために搭載できるセンサーのサイズは限られている。
1インチセンサーを搭載したところで誤差程度の違いにしかならないことを思えば、この辺りで打ち止めが妥当。
一方超広角カメラは明確に敗北していて、Galaxy Note20 Ultraと比較して夜景でのノイズが増えた。誤差の範囲と言えなくもないけどGalaxy Note20 Ultraよりは夜景は苦手。
つまり今後強化できることがあるとすれば超広角と望遠のセンサーを強化することぐらいだけど、そこにどれくらいのニーズと費用対効果があるのかは開発費と要相談。
ということでGalaxy S20はひとまずのゴールに辿り着いているスマホ史上最高に近い画質のカメラだった。
Galaxy S20はツインアプリ対応
毎度おなじみではあるけどGalaxyシリーズはツインアプリ機能に対応していて2つのLINEアカウントをサポートしている。更に海外版であればデュアルSIMにも対応するから
1台のスマホで2つの番号、SNSアカウントの管理が可能。
Galaxyは外部ディスプレイ出力対応
実はGalaxyは外部ディスプレイへの有線出力に対応する数少ないスマホで、外部ディスプレイと有線接続することでスマホ画面をそのまま表示したり、Dexモードによってパソコンのように使えたりもする。
マウスとキーボードをBluetoothで接続すればChromebookそのもの。スマホがパソコンにもなる夢の機能なんだ。
ただ、ディスプレイだけが存在しているシチュエーションがこの世になく、使い道がないのが問題。Galaxy S20を出力するためにモバイルモニタを持ち歩くならノートパソコンを持ち歩いた方がはるかに効率的なのが悲しい。
一応今のところ大画面でNetflixを1.5倍速で再生する唯一の方法でもあるから、ネトフリヘビーユーザーならありかもしれない。
Galaxy S20の弱点はバッテリーのみ
当初の予想通りではあるけどGalaxy S20の唯一最大の弱点はバッテリーだった。Galaxy S20はコンパクトボディに最高性能を全て詰め込んだ夢のデバイスではあるんだけど、この夢はGalaxy S20には重すぎた。
とにかくバッテリーが減る。高い処理能力、120Hzディスプレイの負担が重すぎる。
とはいえこれはGalaxy S20に限った話ではなく、全て最新スマホが共通して抱える未だ解決されていない問題でもある。
この性能で4000mAhは少なすぎ。重量と厚みを増してもいいから5000mAhあればどれだけよかったかと思うと惜しい。
この辺りiPhoneのプロシリーズは6.1インチで200グラムを上回ることで長時間バッテリーを優先した判断が優秀。GalaxyにもiPhoneを追従してほしい。
おサイフ非対応に注意
スペック表の通りではあるけど海外版Galaxy S20はおサイフには対応しない。最近はQRコード決済が世界標準になりつつあって、日本でもFelica無しで困らなくなりつつあるけど、唯一JR改札だけはどうにもならない。
スマホだけで改札を通る利便性はなにものにも代えがたい、という人は後悔することになるから購入してはいけない。
スマホが完成したスマホ
あ、ここだったんだな。スマホが完成した瞬間(倒置法)って思った。
Galaxy S20はAndroidスマホの完成系なんじゃないかという仮説は間違ってなかった。2022年の今振り返ってみて、改めて気づけた。
逆に言うと2019年以降ろくにスマホが進化していないということでもあるのが悲しい限りではあるんだけど、消費者目線としては良いものが安く使えると前向きに考えたい。
Galaxy S20は全付加価値に対応する
改めてGalaxy S20の魅力をまとめると下記。
- 高性能(Snapdragon865)
- 高画質トリプルカメラ
- 120Hz対応有機ELディスプレイ
- デュアルスピーカー
- デュアルSIM
- IP68防水
- 無線充電、逆無線充電
- 優秀なOS(ツインアプリ対応)
- テレビ出力対応
- デュアルオーディオ対応(Bluetooth2台同時接続)
Galaxy S20には全人類がスマホに求める機能から、それいる?って機能まで、サムスンが誇るフラッグシップの誇りにかけて全てが詰め込まれている。しかもGalaxyのOSはピュアアンドロイドと違って超使いやすい。
Galaxy S20の使用感は最新スマホと同じ
もちろん処理能力は今のスマホと比べれば劣るんだけど、生かせない処理能力なんて必要ない。通常利用もゲームもSnapdragon865があれば十分。
唯一不満があるとすればバッテリー持ちの悪さだけど、それは今の最新スマホも全く同じ。つまり、使い勝手は今の最高ランクのスマホとなんら変わらない。それがたったの6万円。これがGalaxy S20のやばさであり、今こそGalaxy S20を選択すべき理由なんだ。
ということで海外版スマホに抵抗のない人、曇りなき眼で法律を遵守していると言える人におすすめ。技適マークがないから日本で使用する際は総務省に申請の上、SIMカードでの通信はしないように注意したい。
Galaxy S20 ⇒ AliExpress(おサイフ非対応、技適無し)
Galaxy S20 ⇒ ahamo(デュアルSIM非対応、おサイフ対応)