大手キャリアのプランがahamo、povo、Linemoで大幅に値下げしたのは記憶に新しいけど、実はその陰で格安SIMも値下げを余儀なくされていて、月額1000円を切るプランが多数登場している。
ということで今回は月額もスマホも安くて超おすすめな格安SIMである、IIJmio、OCNモバイルONE、BIGLOBEモバイルの詳細を解説する。新プラン多すぎてどれを選べばいいか迷っている人の参考にしてほしい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
格安SIMの値下げ競争が激化
元々格安SIMは価格が高い大手キャリアからの逃げ道として用意されていたんだけど、大手キャリアが軒並み20ギガ2,980円で5分かけ放題までついているプランを提供し始めてしまって格安SIMの存在意義が失われつつあったんだ。
もはや1,000円で1ギガの格安SIMを使うよりも3,000円で20ギガの大手キャリアを契約した方がお得という惨状。ということで格安SIM各社は更なる値下げを余儀なくされて4月から1,000円を切る新料金が多数登場するに至った。しかも今回紹介する格安SIMは月額料金が安いだけでなくセットで購入できるスマホまで安い始末。消費者としては選択肢が増えすぎてありがたいことこの上ない。
格安SIMの卸価格も低廉化
ところで格安SIMは大手キャリアから回線を借りているだけだから毎月大手キャリアへの支払いが必要になる。月額1,000円以下まで値下げしてしまって利益は出るの?って不安になるけど正直利益は出ない。実際LINEモバイルは新規受付を終了しているし、今後も薄利多売で苦しい戦いを強いられる格安SIM事業は撤退が進むはず。ただ、格安SIMが無くなるとそれはそれで競争が止まってまずい。
という事情を背景に4月1日から急遽格安SIM事業者への卸価格も値引きされていたりする。それが下記。
2020年に10Mbpsあたり35.1万円だったMVNOへの卸価格は2021年には29.8万円、2022年に26万円まで下がる予定だったところ、一年前倒して2021年に26万円まで下げられていて、一応の救済も行われているんだ。
ということで多数の契約を抱える大手は今後も事業を継続できる予定。参考までに2021年3月現在のMVNOシェアのランキングは下記。
ここに名前が出ている事業者ならとりあえず大丈夫だと思う。但し、今まで以上に薄利多売になっているのは間違いない。
1,000円以下の音声格安SIMが3社
ここからが本題。通信業界の競争激化に伴って2021年4月から税込1,000円以下の音声プランが登場した。提供している事業者はOCNモバイル、BIGLOBEモバイル、IIJmioの3社で詳細は下記。数値は全て税込み。
OCNモバイル | BIGLOBE | IIJmio | |
最安価格 | 770円 | 770円(1年) | 858円 |
音声通話 | 〇 | 〇 | 〇 |
データ通信量 | 1ギガ | 3ギガ | 2ギガ |
契約事務手数料 | 3300円 | 3300円 | 3300円 |
SIM発行手数料 | 433円 | 433円 | 433円 |
最低利用期間 | なし | 12か月 | 1ヶ月 |
違約金 | なし | 1,000円 | なし |
eSIM対応 | 非対応 | 非対応 | データのみ |
BIGLOBEモバイルのみ1,000円以下で使えるのは一年間の期間限定だから注意。あとそれぞれ契約事務手数料とSIM発行手数料は必須で最初だけ高い。eSIMを使えるのはIIJmioのデータ専用SIMのみなのは変わらず。
データ通信量はそれぞれ1ギガから3ギガと少ないけど、月額を上乗せして増やすことも可能。各社の詳細な料金プランは下記。
OCNモバイルONE
OCNモバイルONEはOCN光を契約していれば割引が入るけど200円とかなり微妙。プランが4つあるけど10ギガプランは1,600円と今となっては高い。1ギガプランか3ギガプランを選択するのがおすすめ。
BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルはプラン数が最小だけど3ギガプランのお得度は最強。契約するなら3ギガプラン一択。一年間770円のキャンペーンは今のところ4月5月限定ではあるけど、値上がりすると他社に勝てないから多分継続すると睨んでる。
IIJmio
IIJmioは2ギガプランの安さもさることながら20ギガプランの安さも凄い。大手キャリアなら税込みで3,000円を超えるところが2,068円と激安。2ギガプランか20ギガプランがおすすめ。
セットで購入できるスマホが安い
更にOCNモバイルONE、BIGLOBEモバイル、IIJmioが凄いのはセットで購入できるスマホの価格まで安くなっていることなんだ。月額が安いのに購入できるスマホまで安いのはやばすぎ。
定期的に行われているOCNモバイルONEのセール価格が激熱なのはガジェマガでは何度も解説している通りだけど、その他現在はIIJmioがMNP限定のスマホセールを行っていたり、BIGLOBEモバイルが20,000円相当のポイント還元を行っていたりとかで激安。普通にスマホを買うより回線と一緒に契約して一年使った方がお得に購入できてしまう。
実際俺もIIJmioのセールに乗じてAQUOS sense 4とRedmi Note10 Proを購入していて近々レビューする予定。
IIJで行われてるスマホキャンペーンの在庫が復活してたから共有。AQUOSsense4とRedmiNote10Proを購入した。スマホが1万円も安くなってるのに月額たった780円しか取れないIIJの薄利具合がやばい。損益分岐点が切実に気になるし、一年は寝かさないとブラックリスト入りする気がしてる。通信料安くなった pic.twitter.com/PUtEXDflsC
— トーマス@ガジェマガ(バイク日本一周中) (@gadgetKaeru) May 6, 2021
1,000円以下格安SIMの便利な使い道
ところで1,000円以下の格安SIMは意外と活用方法が難しい。俺の場合はもはやスマホを安く購入するために契約してる節があるんだけど、とはいえ便利な使い道は一応いろいろある。ざっと考えられるのは下記。
- 光回線と併用してメイン回線化
- ソフトバンク系レンタルSIMとの併用
- 楽天UN-Limitとの併用
- 電話番号活用による複数アカウントの作成
光回線と併用してメイン回線化
自宅に光回線を引いていて、外でそれほど多く通信しないなら格安SIMをメイン回線にすることで月額通信量を最低770円まで抑えられる。
とはいえ外で1ヶ月に3ギガしか使えないのはかなり辛いから、少なくともIIJmioの8ギガ1,518円以上を契約したい。
電話料金がかさむのが不安なら、「誰とでも3分定額」を660円でつければOK。これでも合計2,178円と十分安い。
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ソフトバンク系レンタルSIMとの併用
今はずいぶん存在感が薄くなってしまったソフトバンク系のレンタルSIMはデータ通信量を月50ギガに縮小しつつも一応健在。ガジェマガでもChat WiFiを推しているんだけど
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ソフトバンク系レンタルSIMの欠点はデータ通信量が多い代わりに通話できないことなんだ。なら格安SIMで電話すればいい。デュアルSIMスマホを購入して格安SIMと組み合わせれば弱点を補いあえる。
この場合の月額はChat WiFiの3,278円とOCNモバイルONEまたはBIGLOBEモバイルの770円で合計4,048円。これで50ギガデータと音声通話が利用可能。
デュアルSIMスマホのおすすめは下記記事を参照。
楽天UN-Limitとの併用
2020年4月にサービスを開始した楽天UN-Limitはまだエリアが狭いものの、エリア内であれば爆速のデータ通信を無制限で利用可能。但しエリアがまだ不安定なのが欠点。
例えばビックロの3階とか地下が繋がりにくかったり地方は繋がらなかったりする。そんな緊急事態でもドコモ回線を使用する格安SIMがサブであれば安心できる。俺も楽天UN-Limitが繋がらないときはサブで契約しているワイモバイルに切り替えて事なきを得ることが多い。
2枚のSIMを切り替える場合はデュアルSIMスマホが便利ではあるけど、スマホケースの裏側にSIMピンと格安SIMを入れておくという運用もあり。楽天UN-Limitをメイン回線にするか迷っている人は選択肢として検討するのもあり。楽天UN-Limitの詳細は下記。
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電話番号活用による複数アカウントの作成
最後はトリッキーな使い方にはなるけど、電話番号が複数あれば多くのケースで複数のアカウントが作成可能。代表格はLINEだけど、その他にも様々なアプリでアカウントの作成に電話番号が必要。
LINEのアカウントをプライベートと仕事で分けたい人とかその他諸々色々な活用方法が想定できる。いざという事態に備えて格安SIMを1枚常備しておくのはあり。月770円だし。
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日本通信は20ギガ2,178円で70分通話付き
1,000円以下で使える格安SIMという今回の記事の趣旨からは外れるけど、一時期話題になった日本通信の20ギガプランもかなり安いから選択肢としてはあり。
20ギガ2,000円という水準はIIJmioの新プランと同じながら、日本通信の場合はそこに70分の無料通話が付くからマジでこれだけでメイン回線として活用できてしまう。
安い。とはいえこここまで来るとあと880円足してdocomoのahamoを選択してしまった方が回線の品質が良くなっていい気がする。難しい。
格安SIMの不安定な回線は健在
ところで格安SIM最大の欠点となる不安定な回線品質はかなり改善しつつあるらしいけど今も健在。帯域を借りている側である限り貸している側の大手キャリアには永遠にかなわない。
試しに俺が現在契約している楽天UN-Limit(MNO)、ワイモバイル(MNO)、OCNモバイルONE(MVNO)、IIJmio(MVNO)で平日のラッシュ時間帯となる20時に通信速度を計測した結果が下記。
左上が楽天UN-Limit、右上がワイモバイル、左下がOCNモバイルONEで右下がIIJmioだけど、やっぱりMNOと比べるとMVNOは明確に差が出る。
とはいえ約30Mbpsも出ていれば十分すぎるけどMVNOの品質はエリアにもよる。ということで自分の生活エリアがどれだけ低速になるのか、自分がどこまで許容できるのかの検証は必要。
消費者にとっては最高の環境
色々解説してきたけど2020年4月から提供を開始した1,000円以下のMVNOはとにかく安い。更に大手キャリアのahamo、povo、Linemoも安い。現在は優良な選択肢が多すぎて逆にどれを選べばいいかわからない嬉しい悲鳴状態なんだ。
中でも今回紹介した格安SIM3社の最大の魅力は月額料金というよりはセールしているスマホの値下げ幅で、安くスマホを購入するためにも積極的に狙っていきたい。
今現在はIIJmioとBIGLOBEモバイルがセール中で特にRedmi Note 10 Proのコスパが良くておすすめ。スマホの買い替えを検討していた人は今がチャンス。
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