スマホの5Gプランが混迷を極めている。今5Gを提供しているのはドコモauソフトバンクの大手キャリア3社なんだけど、契約されたくないとすら思えるほどわかりにくい。
ということで今回は俺が消費者を騙すために作った大手キャリアの5Gプランの化けの皮を剥がす。相変わらず大手キャリアのプランはわかりにくすぎ。
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5Gプランの表記が意味不明すぎ
大手キャリアのウェブサイトをざっと眺めてもマジでノイローゼになるレベルで意味不明。失神しそう。
ぱっと見の表記は超安く書かれているんだけど、「※」の注釈が多過ぎてもはや別物。消費者に理解させる気ないだろこれ。
ドコモに5Gプランの看板価格は4,480円
まずはドコモの5Gプランの看板価格を見てほしい。
ぱっと見では4,480円で、人によっては1,980円でも使えちゃう的な表記が為されていて、5Gなのに超お買い得じゃんドコモも遂に反省したのねって思うかもしれないけど全くそんなことは無い。
というのも謎の注釈が多過ぎ。
その注釈がコレ。
多過ぎ。マジで文字を読まない奴を騙すためとしか思えない。確かに読まない奴が悪いんだけど、ここまでくると勘違いを誘ってると言わざるを得ないから同罪。
これは後程後述するけど、ドコモの1,980円という月額は達成不可能な難易度だし、4,480円に関しても
- 3回線契約したうちの1回線の価格
- 最初の半年は1,000円割引
- dカード支払い
- ドコモ光加入
という条件で、しかもドコモ光の料金はまた別途かかるという始末。やべぇ。なにがやばいってこの段階で結局いくらかかるのか全く理解できないことがヤバイ。
ソフトバンク5Gプランの看板価格は3,480円
次にソフトバンクが掲げている5Gプランの看板価格がこれ。
まず右側のミニフィットプランだけど、1,980円の値段を達成するには月のデータ使用量1ギガ未満という激ムズ条件が前提。電源入れたら即アウトなレベルで無理。
次にメインとなる左側のメリハリプラン3,480円の条件は下記。
- 4回線契約したうちの1回線
- 最初の半年は1,000円割引
- 最初の2年は1,000円割引
- ソフトバンク光加入
これもやっぱり4人で利用している場合の値段を書いていて超悪質。こんな悪質な表記に俺の大好きな松本さんの顔を使うのを辞めてほしい。
au5Gプランの看板価格は3,460円
最後にauの5Gプランの看板価格がこれ。
もちろんauも注釈の嵐。3,460円を達成するための条件は下記。
- 4回線契約したうちの1回線
- 最初の6か月は1,000円割引(スマホ購入が条件)
- 最初の2年は1,000円割引
- auのインターネット加入
auもソフトバンクと同じで4人家族で利用した場合の金額を記載していて悪質。日本の平均世帯人数は二人なのに(倒置法)
大手キャリアの看板価格比較
こんな感じでスマホの5Gプランはみんな違ってみんな悪い由々しき事態に陥っていた。3社を改めて比較すると下記。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
看板価格 | 4,480円 →半年後5,480円 |
3,480円 →半年後4,480円 |
3,460円 →半年後4,460円 |
半年割引条件 | なし | なし | スマホ購入 |
想定回線数 | 3 | 4 | 4 |
光回線 | 必須 | 必須 | 必須 |
その他条件 | dカード支払い | - | - |
こうやって3社を見比べるとドコモとソフトバンクは半年割引の条件にスマホ購入が伴わないから一番マシに見える。ただし一人当たりの価格はドコモが一番高い。
5Gの廉価プランは達成不可能
ところで各キャリアが一応用意している5Gの廉価プランに関してだけどこれは無視していい。なぜなら前提となるデータ通信量が月1ギガだから。あほか。
一応比較したものが下記。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
看板価格 | 1,980円 →半年後2,980円 |
1,980円 →半年後2,980円 |
1,980円 →半年後2,980円 |
半年割引条件 | なし | なし | スマホ購入 |
データ通信量 | 1ギガ | 1ギガ | 1ギガ |
想定回線数 | 3 | 4 | 4 |
光回線 | 必須 | 必須 | 必須 |
その他条件 | dカード支払い | - | - |
5Gライトプランの最安価格は1,980円と横並び。談合の臭いがする。
大手キャリアの割引の正体
大手キャリアは3社とも最初から割引後の金額を提示しているんだけど、まずはその割引の種類を把握すると全容を把握しやすくなる。
割引の種類は下記4つ。
- 家族割引
- 光回線割引
- スマホ購入割引
- 5G契約キャンペーン
①家族割引
家族割引は携帯キャリアが昔からやってる囲い込み施策。人数が増えるごとの割引額は下記。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
2人 | ‐500円/人 | ‐500円/人 | ‐500円/人 |
3人 | ‐1,000円/人 | ‐1,500円/人 | ‐1,000円/人 |
4人 | ‐1,000円/人 | ‐2,000円/人 | ‐2,020円/人 |
ソフトバンクとauが3人から4人に増えることで割引額が増えているのに対して、ドコモは3人以上は変わらず。
つまりドコモは3人世帯を想定しているのに対してソフトバンクとauは4人世帯を想定したプラン作成を行っている。
あとauの3人から4人に増えた時の割引幅が大きすぎる。
②光回線割引
光回線割引も光回線取り扱い当初からある囲い込み施策。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
光回線加入 | ‐1,000円/人 | ‐1,000円/人 | ‐1,000円/人 |
割引額は3社横並びで1,000円。
③スマホ購入割引
スマホ購入割引は大手キャリアの契約期間縛りが無くなって新たに登場した割引。契約と同時にスマホを購入すると月額が割り引かれる。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
半年割引 | なし | なし | ‐1,000円/台 |
auは半年間1,000円割り引かれる。ドコモとソフトバンクは無し。
5G契約キャンペーン
5G契約キャンペーンは大手キャリアの契約期間縛りが無くなって新たに登場した5Gを少しでも長く使わせるための割引。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
半年割引 | ‐1,000円/台 | ‐1,000円/台 | - |
2年割引 | - | ‐1,000円/台 | ‐1,000円/台 |
5G無料キャンペーンはドコモが半年なのに対してauが2年で、ソフトバンクは最初は2,000円割り引かれて、半年と2年で1,000円ずつ値段が上がる仕組み。
キャリアの看板条件で5Gプランを比較
ここまで3大台キャリアのプラン料金の理解は困難を極めることが分かったんだけど、なによりやばいのは結局いくらかかるのかが未だにわからないことなんだ。
とはいえ人それぞれ環境の違いがあるから一概に言えるものでもない。ということで大手キャリアが想定している世帯人数に着目して合計金額で比較してみる。
各キャリアが想定している世帯人数は下記。
- ドコモ 3人
- ソフトバンク 4人
- au 4人
つまり3人世帯と4人世帯での最安価格を検討する。
3人世帯での合計通信料比較
まずはドコモが想定している3人世帯を前提に月の合計通信量を比較する。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
看板価格 | 4,480円 →半年後5,480円 |
3,980円 →半年後4,980円 |
4,480円 →半年後5,480円 |
半年割引条件 | なし | スマホ購入 | スマホ購入 |
3人通信量計 | 13,440円 →半年後17,440円 |
11,940円 →半年後14,940円 |
13,440円 →半年後17,440円 |
光回線 | 3,800円 (マンション) |
4,300円 (マンション) |
3,800円 (16戸以上) |
その他条件 | dカード支払い | - | - |
3人通信量計 | 17,240円 →半年後20,240円 |
16,240円 →半年後19,240円 |
17,240円 →半年後20,240円 |
まず注目してほしいのはソフトバンクとauの看板価格なんだけど、両社は4人利用時が最も安くなるように価格設定をしているから、3人利用の場合はソフトバンクなら500円、auなら1,000円通信料が上がる。auの値上がり幅えぐすぎ。
3人世帯はソフトバンクが最安
ドコモが想定している3人世帯に合わせた結果、最も通信量を安く抑えられるのはソフトバンクという意外な結果になった。スマホ購入による割引が終わる半年後でも光回線込みで18,740円はかなり安く感じる。
4人世帯での合計通信量比較
次にソフトバンクとauが想定している4人世帯を前提に月の合計通信量を比較してみる。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
看板価格 | 4,480円 →半年後5,480円 |
3,480円 →半年後4,480円 |
3,460円 →半年後4,460円 |
半年割引条件 | なし | スマホ購入 | スマホ購入 |
4人通信量計 | 17,920円円 →半年後21,920円 |
13,920円 →半年後18,920円 |
13,840円 →半年後17,840円 |
光回線 | 3,800円 (マンション) |
4,300円 (マンション) |
3,800円 (16戸以上) |
その他条件 | dカード支払い | - | - |
4人月額通信量計 | 21,720円 →半年後25,740円 |
18,220円 →半年後22,220円 |
17,640円 →半年後21,640円 |
4人世帯ではauが最安
ソフトバンクとauが想定している4人世帯に料金を合わせた結果はauが最安で、次いでソフトバンクが安かった。というかauは4人世帯の下げ幅が大きすぎて3人世帯の時と値段が変わらないのが恐ろしい。auはどうあがいても1世帯2万円は取りたいらしい。
3人世帯を想定していたドコモは順当に値段が上がって4人世帯では最下位だった。意外な結果。
もちろん光回線がマンションプランの一番安いやつであるとか、2年後の値上がりを無視してるとかはあるんだけど、2年後は他社に乗り換えれば良いから気にしない。
それ以上に5G契約4台分と光回線も含めて月21,640円で済むのは思っている以上に安い。これはキャリアに対する認識を改めざるを得ない。以外と大手キャリアも頑張ってるのね。
3大キャリア5Gスマホ価格比較
通信量はソフトバンクが安いとはいえスマホ価格が高いと話にならないから、ドコモ、ソフトバンク、auの一番安い5Gスマホの価格を比較してみる。
ドコモ最安スマホは102,960円
ドコモの最安スマホはGalaxy S20の102,960円。スペックはSnapdragon865で最強。
ソフトバンク最安は89,280円
ソフトバンクのスマホで最も安いのはZTE Axon 10 Pro 5Gで89,280円と比較的良心的。スペックはSnapdragon865で最強。
au最安スマホは117,480円
auの最安スマホはGalaxy S20の117,480円。スペックはSnapdragon865で最強。
5Gスマホはソフトバンクがリード
大手キャリアの5Gスマホを比較した結果、スマホ代もソフトバンク、ドコモ、auの順で安かった。
一人暮らし世帯で5Gプランを比較
プランもスマホもソフトバンクが優秀でした。めでたしめでたし。というわけにもいかない。なぜなら日本で最も多いのは3人世帯でも4人世帯でもなく単身世帯だから。
ということで最後に光回線を引いていない単身世帯を想定した5Gプランの月額通信料を比較する。
ドコモ | ソフトバンク | au | |
月額 | 6,480円 | 6,480円 | 6,480円 |
半年後 | 7,480円 | 7480円 | 7480円 |
2年後 | 7,480円 | 8,480円 | 8,480円 |
条件 | dカード支払い | なし | スマホ購入 |
一人暮らしかつ光回線が無くなると急に3社とも6,480円という横並びの価格が浮き彫りになった。そして最初の半年だけ1,000円割り引かれるのも同じ。談合の臭いがする。
唯一差が出るのは2年後で、ソフトバンクとauは5G無料キャンペーンが終了して1000円が上乗せされるのに対して、ドコモにはそれが無い。
単身世帯はドコモ一択
3人世帯4人世帯では優勢だったソフトバンクとauを単身世帯ではドコモが抜き去る形になった。単身世帯かつ光回線を引かないのであればドコモ一択という逆転現象が起こる。
大手キャリアの5Gデータ通信量比較
ここまでドコモ、ソフトバンク、auの5Gプランを一緒くたにして話を進めてはいるけど、もちろん各社の5Gプランの通信量とテザリングの可否にも微妙な違いがある。それが下記。
通信量 | テザリング | |
ドコモ 5Gギガホ |
100G(無制限キャンペーン中) | 可能(無制限キャンペーン中) |
au データMAX 5G |
データ無制限 | 可能(30ギガまで) |
ソフトバンク メリハリプラン(5G) |
50G | 有料(500円) |
ドコモとauは今のところはデータ通信量無制限で、ソフトバンクは50ギガの制限あり。
テザリングに関してはドコモは無制限、auは30ギガまで、ソフトバンクはスマホの通信量と同じと各社でそれぞれ違う。
パソコンでのデータ通信を重視したい人はドコモ一択になる。
大手キャリアは意外と高くない
2人暮らし世帯も検討するか迷ったけど、二人暮らし世帯は光回線を引くケースと引かないケースが様々あるから無視した。
とにかく大手キャリアのプランは地獄で、一番安い値段を餌に魚を釣り上げる姑息な手段が今でも横行している最悪の状態だった。
大手キャリアは4人家族なら意外と安い
とはいえ蓋を開けてみるとソフトバンクであれば4人世帯+光回線で22,220円と以外に安い良心的な一面も見えたから、家庭によっては普通に5Gスマホに乗り換えた方が安くなるケースもあるかもしれない。
5Gのスマホ代が高い
もちろん5Gスマホ4台で40万円の初期投資が必要だから馬鹿にならないんだけど、Snapdragon865搭載の5Gスマホにはその価値があるから否定しきれない。
というか寧ろ俺が一人世帯なのに光回線とスマホで月1万円も払っていて全然安くない気がした。今の通信業界は単身世帯には厳しい。
5Gスマホはまだいらない
結局新しいスマホを購入すると問答無用で5Gスマホになるんだけど、5Gはまだスタートしたばかりで実用性がないから、5Gのために5Gに変える必要は今のところ全くない。
5Gスマホがまだいらない理由は別で記事にしているから参考にしてほしい。
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