人生初の大型バイクを購入して早半年が経過して、走行距離も順調に6000キロを超えた。今回は中型バイクから大型バイクに乗り換えたことによる感想や乗り心地、維持費など様々な違いを解説する。
今現在大型バイクと中型バイクのどちらを購入するか悩んでいる人、中型バイクから大型バイクへの乗り換えを検討している人は参考にしてほしい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
250ccから1400ccに乗り換え
まず最初に、俺は250ccから1400ccの排気量に乗り換えた。
250㏄バイクはホーネット250で、大学時代から俺が東京に進出するまでの8年間足として役立ってくれた(写真右)
今は残念ながら奈良の実家で朽ちているんだけど、タイミングがあれば整備しなおして売却するなりしたい。
14年ぶりにバイクを購入
東京に来てからしばらくは自転車で生活していたんだけど、33歳になる直前にZZR1400を日本一周するためのお供として購入した。
数ある大型バイクの中でもZZR1400を選んだ理由は大学時代からZZR1400黒の見た目に憧れていたからで、他のバイクは全く眼中になかった。
ZZR1400のレビュー記事は下記。
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【ZZR1400購入レビュー】夢の大型バイク【実用性皆無】
独立して労働時間をコントロールできるようになったこともあって、おそらく今しかないと思ったから大型バイクを購入した。といっても突発的に購入したわけではなくて、去年の9月の段階から4月に独立して大型バイク ...
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今は憧れのバイクに乗れていて幸せ。
ZZR1400では5月から7月にかけて既に日本を半周していて、2020年の3月頃から残りの半周を進める予定。日々の走行はYoutubeで配信してるからチャンネル登録してほしい。前半のダイジェスト動画は下記。
大型バイクのメリットデメリット
俺が中型バイクから大型バイクに乗り換えて感じたメリットとデメリットは下記。
- 大型バイクは精神的な余裕ができる【メリット】
- 大型バイクは高速道路が楽【メリット】
- 大型バイクは安心して追い越しできる【メリット】
- 大型バイクの乗り味は普通。慣れる。
- 大型バイクは立ちごけのリスクが跳ね上がる【デメリット】
- 大型バイクはすり抜けの難易度が上がる【デメリット】
- 大型バイクの維持費は中型の約2倍【デメリット】
一つずつ解説していく。
【大型バイクのメリット】精神的な余裕ができる
大型バイクに乗るとそのマシンパワーが故に他者と競争する無意味さを悟って精神的な余裕ができる。意外にもこれが大型バイクに乗り換えて一番大きく感じる変化だった。
多くの人が知っている通り大型バイクはそのほとんどが最高時速200キロを優に超えるスペックモンスターで、公道をF1マシンが走る感覚に近い。
俺のZZR1400も例外ではなくて、最高時速300キロ、時速100キロになるまでに2.8秒しかかからない怪物だ。
とはいえ日本の道路は高速でも制限100キロだからそのエンジンパワーを発揮する機会は永遠に無いんだけど、エンジンパワーを発揮しなくてもこのパワーは精神的な余裕になる。
大型バイクに乗って道を譲る機会が増えた
具体的には道を譲る機会が増えたし、ホーネット250に乗っていた頃より断然飛ばさなくなった。
これにはもちろん年齢が上がって落ち着いたことも関係しているとは思うけど、ホーネット250は中途半端にエンジンパワーがあるが故にシフトチェンジとかのテクニックで必死に他者と張り合っていた。雑魚ほど粋がるのと同じ。
それに対してZZR1400に乗ってるときの俺はマジで仏。「そうです最強なんです。でもスピード出さないんでどうぞ先に行ってください」という感じ。
大型バイクはどうせアクセルを捻れば1速で時速100キロを超えるしその加速には誰もついてこれない。しかも粋がったところで凄いのはバイクであって乗ってる俺はただの人。粋がる無意味さを悟った。
【大型バイクのメリット】高速道路が楽
上で解説しているように大型バイクはその多くが最高時速200キロを上回る。つまり日本の高速道路の制限速度100キロだとエンジンパワーの半分も出ししていないことになる。
ホーネット250の時は80キロから100キロに加速するためにギアを4速か5速に落としていたけど、ZZR1400はマジで余裕。6速のままアクセルを捻ればぐんぐん加速するから流れに乗りやすくて安全。
【大型バイクのメリット】安心して追い越しできる
繰り返しになるけど大型バイクはとにかくエンジンパワーが大きいから加速力が大きい。
公道で最も緊張する瞬間といえば対向車線への車線変更を伴う追い越しだ。ダラダラしていると対向車と正面衝突するリスクがあるから加速力が命になる。
例えばホーネット250で時速50キロの車を追い越す場合、6速のままだと加速力が心もとないから、4速に落として加速力を確保したいんだけど、大型バイクならこれも余裕。6速のままアクセルを捻るだけで鬼のように加速する。例え前の車が100キロでも120キロでも余裕。やらないけど。
大型バイクのエンジンパワーを最高速度で活用する機会は無いけど、その加速力は意外と色んな場面で役に立つし、絶大な信頼を寄せられる。
大型バイクの乗り味は普通。慣れる。
少し心配なのが大型バイクの大きさ、重量による乗り味の変化なんだ。
俺が乗っていたホーネット250は中型バイクにしては少し重い140キロだったんだけど、鉄製のエンジン容量が増える大型バイクは200キロ前後。俺が乗っているZZR1400も乾燥重量220キロととにかく重い。
とは言えライダーはバイクを持つ側ではなく乗る側だから重量による影響は少ない。車体が重い分体重移動の感覚は変わるけど、乗り味はほぼ中型と変わらず慣れる。この辺は寧ろ中型と大型で分けている免許制度の方がおかしい。
【大型バイクのデメリット】立ちごけのリスクが跳ね上がる
中型バイクから大型バイクになって重量が増えても乗り味はほぼ変わらないんだけど、立ちごけは話が別。140キロのバイクと220キロのバイクでは起こす労力が全く違う。
実際俺は過去に一度だけZZR1400で立ちごけしているんだけど、一人でバイクを起こせなかった。
その時は通りすがりの郵便屋さんが助けてくれたから何とかなったけど、誰も来なかったら終わる。郵便屋さんありがとう。
大型バイクの立ちごけは体重70キロの男でも起こせない。とにかく立ちごけが怖い。
ちなみに、一人で大型バイクを立てるときは背中向きにバイクのハンドルとリアシートを持って後ろ向きに歩くと立てやすいらしい。次回立ちごけをしたときはこの方法を試してみたい。
【大型バイクのメリット】すり抜けの難易度が上がる
バイクの最大のメリットといえばすり抜けで渋滞を避けられることだ。
俺は信号待ちで車が止まっている時だけすり抜けするスタンスなんだけど、大型バイクは中型バイクより車体が大きいからすり抜けの難易度が高い。
ZZR1400の場合は最も横に飛び出ているミラー部分が手で折りたためる作りだから、
最悪ミラーを折りたためば横幅は中型バイクとほぼ同じになる。ZZR1400はホーネット250と比べてハンドル幅で3センチ長い程度。
とはいえネイキッドのホーネット250と比べてハンドル以外のカウルも大きいZZR1400はやっぱり気を遣う。
ちなみに、すり抜けは賛否あるけど、合法的なすり抜けは可能。その方法を解説した記事は下記。
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バイクのすり抜けがほぼ道路交通法違反なのに警察に検挙されない理由
道路を走行しているとすり抜けは毎日頻繁に見かける。そういえば車だと左側からの追い越しは違反になるけど、バイクだと適用されないの?信号待ち中のすり抜けは問題ないんだろうか。そもそも警察に捕まらないという ...
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【大型バイクのメリット】維持費は中型の約2倍
中型バイクに乗っている人が一番気になるのは大型バイクの維持費だと思う。
俺もそうなんだけど、大学時代にバイクを足にしていた理由は維持費が安いからなんだ。バイクは楽しい時もあるけど、雨風に弱いし積載性も無いから、お金が許すなら車に乗りたいと思うのも事実。
ということでざっと俺が乗っていた中型バイクのホーネット250と大型バイクのZZR1400の維持費を比較してみる。比較は年1万キロ走行で2年間乗った場合で行う。
走行距離2万km・2年 | 中型バイク(ホーネット250) | 大型バイク(ZZR1400) |
ガソリン | 107,142円 (28km/L・150円/L) |
160,000円 (20km/L・160円/L) |
エンジンオイル | 15,333円 (2.3L/3000km・1,000円/L) |
26,000円 (3.9L/3000km・1,000円/L) |
車検 | 無し | 約100,000円/2年 |
自賠責保険 | 12,220円 | 車検に含む |
各種消耗品 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
任意保険 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
税金(重量税+軽自動車税) | 16,000円 (8,000円/年) |
16,000円 (8,000円/年) |
合計(2年) | 150,695円/2年 | 302,000円/2年 |
消耗品を交換しない最低の維持費でざっと比較したところ、中型バイクの維持費が150,695円に対して、大型バイクは302,000円で、2年維持費の差額は約2倍だった。
具体的な差額は151,305円で、月額にすると6,304円ほど。思っているほど大きくなかった。
車検の有無が最大の違い
金額差が一番大きいのは車検の有無で、大型バイクが車検で2年毎に10万円かかるのに対して、中型は自賠責のみなので2年でも12,200円しかかからない。
ただ、今回は250ccの中型バイクで比較したから車検を無しにしたけど、中型バイクでも400ccクラスは車検は必要になるから大型バイクとの差は縮まる。中型バイクのコストメリットを活かすのであれば車検の無い250cc以下を選択するのがおすすめ。
ガソリン代は約1.4倍
ガソリン代に直結する燃費は運転スタイルで大きく変わるんだけど、信号待ちで必ずエンジンをオフにする超燃費運転の俺の場合は、ホーネット250で28km/Lで、ZZR1400で20km/Lだった。しかも大型バイクはその多くがハイオクガソリンだから10円高い。
オイル代は約1.7倍
3,000kmごとのオイル交換代もエンジンが大きいZZR1400の方が大きい。とはいえ排気量ほどの差ではなく、必要なオイル量は約1.7倍ほど。オイル交換の回数が少ないおかげで大きな差にはならなかった。
税金は同じ
意外だったのは重量税と軽自動車税を合わせた税金で、これに関しては税制が変わったことでバイク全体が値上げされていて、中型バイクも大型バイクも全く同じだった。今のバイクはこんなに税金が高いのか…
消耗品費はほぼ同じ
バイクの主な消耗品といえばタイヤとチェーンとスプロケットなんだけど、ホーネット250の場合は大型バイクとほとんど値段が変わらない。
ホーネット250は中型バイクなのに大型バイクと同じタイヤを使っていることが売りで、タイヤ交換は前後で5万円ほどと大型バイクと同じ水準だった。
中型バイクでも比較的タイヤが小さいバリオスとかNINJA250とかならもう少し安くつくとは思うけど、消耗品自体は交換費用よりも乗り方の影響が大きい。急加速急ブレーキを繰り返せば消耗は早い。
大型バイクの維持費は月12,583円+α
ここまで色々と中型バイクと大型バイクを比較したけど、月々の差額は6,804円とそれほど大きくなかった。
とはいえこれは250㏄の中でも比較的燃費が悪く維持費も高いホーネット250とZZR1400で比較した場合の話で、実際はケースバイケースになる。同じ250ccでもVTRやFTRなら維持費はもっと安くなるし、中型でも車検があるCB400SFとかXJR400なら大型との差はほとんど無くなる。
好きなバイクに乗ればいい
こんなことを言ってしまうと元も子もないんだけど、中型バイクと大型バイクは制度上分かれているだけで、乗り物としては同じで大きな差は無い。
大型バイク最大クラスのZZR1400ですら2年間の維持費は302,000円で、月額にすると12,583円程度。夢を買う金額として大きくは無いから、中型とか大型に拘らずに好きなバイクを選べばいい。
大型バイクは大型二輪免許が曲者
ただ、制度上中型と大型に分かれていることで、大型バイクに乗るには大型二輪免許が大きな壁として立ちはだかる。いつなんどき大型バイクに乗りたくなるかもわからないから、今からの免許取得を考えている人は最初から大型自動二輪免許の取得を検討するのがおすすめ。中型も大型も免許取得の値段はそれほど変わらない。
逆に、既に中型免許を持っている人は俺みたいに運転免許センターでの大型自動二輪免許一発試験の合格を狙うのがおすすめ。
大型自動二輪免許一発試験合格のコツを解説した記事は下記。
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2019年4月にガジェマガで独立して、それを機にバイクで日本半周してきたのでその様子を記事とYoutubeにまとめています。