大型バイクは男のロマンというのはもう古いかもしれないけど、俺は大型自動二輪免許を持ってる。とはいえ今まで教習所以外で大型バイクに乗ったことはないんだけど、いつか大型バイクに乗るという夢の途中経過として免許を保有している。
そんな大型自動二輪免許を取得するには教習所に通う方法以外に一発試験というのが用意されていて、合格すればたった一日で、しかも4,500円ほどで大型自動二輪免許を取得できる。今回は俺が一発試験で大型バイクを取得したときに感じた合格のコツと、2度落ちた理由を解説する。
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大型自動二輪一発試験とは
一般的に免許を取るには教習所での長い座学と実技が必要なんだけど、既に中型二輪とか車の免許を取得して座学を終了している人は実技試験のみで大型自動二輪免許を取得できる。この一発試験に合格すればたった一日で免許を発行してもらえる。
試験官は現役警察官
一般的な教習所での免許取得と違って、一発試験を受けられるのは各都道府県の運転免許センターで、試験官は現役の警察官だ。
一発試験の無慈悲な判断基準
運転免許センターでの一発試験は教習所と違って授業料を貰ってる恩赦も無ければ卒業させないといけない定員数もない。試験は現役警察官によって無慈悲に判断されるから合格率は20%ほどと難しい。
一発試験合格までのバイク歴
俺が一発試験に合格したのは2011年3月。3回目の一発試験で合格した。
中型バイクで5万キロ走行
中型バイクの免許を取得したのが19歳で、そこから大学の3年間で4万キロほど走った。大学を卒業してからも西日本を一周するツーリングに行くなどして1万キロは乗っていたから合計5万キロ。
少なくとも初心者の域は脱している俺でも一発試験には2度落ちた。
3回目の一発試験で合格
当時俺が住んでいた奈良県で一発試験を受けられるのはアクセスが悪すぎる立地の奈良県運転免許センターだ。
2回目の一発試験に落ちたのが11日。帰ってすぐに寝て16時に起きてテレビを付けたら津波のニュースで埋め尽くされていたからよく覚えている。
大型自動二輪免許一発試験の受け方
運転免許センターで一発試験が行われているのは多くても週に2回ほどだから、受けたい日に受けるのは難しい。
一発試験は平日の午前中のみ
しかも一発試験は平日の午前中にしか行われていない。受けたい日に受けることができないどころか、多くの社会人は会社を休まないと受けられない。
大型自動二輪一発試験の受験手数料
大型自動二輪一発試験の受験手数料は都道府県によって微妙に違うらしいけど、俺が受験した奈良県では下記。
- 受験手数料 2,600円
- 試験車使用料 1,450円
- 免許交付手数料 2,050円(合格時のみ)
毎回の受験で4,050円必要で、合格した時だけ免許発行手数料として追加で2,050円必要になる。大型自動二輪免許を教習所で取得しようと思うと10万円程度は必要だから時間的にも値段的にもかなりお得だ。
運転免許センターでの事前予約が必要
一発試験は値段的にも時間的にもコスパが良いけど、受験のためにはまず受験会場で適性検査を受けてから試験日を予約しないといけない。
適正検査は倒れたバイクを引き起こせるかとかそんな感じ。俺は体がデカいから問題ないと判断されて事前検査は飛ばされた。あとは試験日を予約して試験当日に備える。
大型自動二輪一発試験で使われる車両
大型自動二輪一発試験では癖が少なくメンテナンス性が高いCB750が使われるのが一般的。
俺は普段からホーネット250に乗っていたんだけど、重さを含めた操作感はほぼ同じだった。
大型自動二輪一発試験の難しい所
大型自動二輪一発試験は減点式で、70点以上で合格、それ以下なら不合格。
もちろんスラロームとか一本橋とか急制動とか最低限の評価基準はあるけど、どれも難しいことはない。ただ、コースが覚えられない。
大型自動二輪のコース発表は当日
大型自動二輪一発試験は事前に準備されているコースを間違いなく走ることが要求されるんだけど、試験中はコースのカンニングができないから覚えるしかない。
その癖コース発表は当日の朝。AとBの2種類用意されている内のどちらのコースなのか、試験会場に到着するまで分からない。
大型自動二輪の二つのコース
奈良運転免許センターの大型自動二輪一発試験のコースはこんな感じ。
大型自動二輪Aコース
大型自動二輪Bコース
全国の試験コースを網羅している便利サイトがあった(バイク免許、一発試験を1回で合格する「一発必勝方法」)
一回間違えると最低でも20点減点で、迷って足をついても減点。合格したければコースを完璧に覚えるしかない。それでなくても覚えにくい似たようなコースなのにランダム要素を入れる必要はあるのかは謎。
大型自動二輪コースの難所
スラローム
大型自動二輪の場合は7秒以内が条件。加速すると車体が起きるからリズムよくアクセルを開く。
急制動
時速40キロまで加速して11メートル以内に止まればOK。前輪強め、後輪弱めでコケない程度にブレーキする。
一本橋
7秒以上で通過すればOK。原則は後輪ブレーキで、倒れそうになったら加速で微調整する。
坂道発進
一度坂道で止まってから逆走しないように再発進する。発進時はアクセルを強めに開きながらクラッチの繋ぎ具合で逆走しないように調整する。
S字
普通に曲がる。
クランク
アウトインアウトを意識する。
踏切
白線の手前で絶対に止まる。走行中はエンストしない。
波状路
大型自動二輪のみで存在する項目。立ち姿勢で通過しないと減点。
足をついていいのは3か所のみ
大型自動二輪一発試験で足をつくことが認められているのは坂道発進時と急制動時、踏切発進時の3か所のみ。それ以外で足を付くと減点される。スラロームとか波状路に入るときも一時停止はせずにスムーズに進入する。
試験官の指示はスタートのみ
試験開始から終了まで、試験官はコース真ん中の監視塔にいる。
試験官が無線でくれる指示は最初の「スタート」のみ。スタートと言われたらバイクに乗るところからコースの移動、一時停止からの再発進まで全て自分の判断で動かないといけない。途中終了を宣告されないことを祈りながら最後まで慎重に走り切る。
大型自動二輪一発試験減点項目多すぎ
試験の内容自体は簡単だけど減点項目は超多い。しかも間違えないようにゆっくり走るとそれはそれで加速不足を取られて減点になる。
減点項目は全体的に曖昧で判断基準は試験官に依存するから、試験官に好印象を与えることも大切。
5点減点
- エンジンブレーキの未使用
- エンスト1回ごと
- 降車時のエンジンの切り忘れ
- ウィンカーの切り忘れ
- サイドスタンドの直し忘れ
- ミラー合わせ
10点減点
- 乗車姿勢の悪さ
- 乗車、進路変更、交差点、踏切等での安全確認ミス
- 加速不足(遅すぎる運転)
- 坂道発進での逆行
- 急制動での速度不足、ブレーキタイミング
- ホーム慣らし(禁止)
- 急ハンドル
20点減点
- 大きくふらつく
- パイロン等に近すぎ
- パイロンに接触・縁石乗り上げ
- スピード出し過ぎ・徐行違反
- 交差点での停止/横断歩道での停止
即試験終了
- 転倒
- パイロン等への接触
- スラローム失敗
- 一本橋落下
- 急制動オーバー
- 一時不停止
カーブでの減点例
大型自動二輪免許一発試験ではカーブ一つでも適当に走ると最大で25点も減点される。
- ウィンカーオン忘れ(5点)
- 後方確認忘れ(5点)
- 幅寄せ忘れ(5点)
- 後方確認忘れ(5点)
- ウィンカーオフ忘れ(5点)
合格基準は70点だから些細な6回のミスで終わる。つまりコースを考えながら走る余裕は全くない。
コースミスで大幅減点
カーブを適当に走るだけじゃなくて、曲がるべきポイントを曲がらなかっただけでもこれだけ減点される。
- ウィンカーオン忘れ(5点)
- 後方確認忘れ(5点)
- 幅寄せ忘れ(5点)
- 後方確認忘れ(5点)
大型二輪一発試験は乗車技術よりもコースミスが命取りだ。
大型自動二輪免許一発試験合格のコツ
2回目まで不合格が続いていた俺は焦った。一回4,000円だから金銭的な負担は少ないけど、平日の午前中を潰される時間的負担と、免許センターまで片道一時間の道のりがつらい。なにがなんでも3回目で合格したかった。でもコースが覚えきれない。
コースBに賭ける
AコースとBコースを覚えようとしてもごっちゃになってややこしい。というわけで俺はBコースに賭けることにしてBコースのことだけを考えた。
もし当日Aコースだと判明したらそこから頭をAコースに切り替える作戦だ。
そして迎えた当日の朝、試験会場に掲示されていたのはBコースの表示だった。俺は賭けに勝った
頭の中で映像が流れる程イメトレを繰り返す
そこから試験までの1時間は、両手を前に突き出して見えないハンドルを握りながら、ひたすらコースを走っている自分をイメージした。
アメリカのバウンティーハンターは自分の生存率を高めるために犯人逮捕の前にあらゆる犯人の行動を想定してイメージトレーニングしておくという記事をよんだことがあるんだけど、試験合格の秘訣はまさにこれだった。
試験までの一時間で繰り返しコースを走る自分をイメージすることで、実際の走行では頭の中で流れる映像をなぞるだけで済んだから、減点項目に集中できた。
大型自動二輪一発試験合格
一回目の試験は途中終了、2回目の試験は点数不足で不合格だったけど、その原因は全てコースを記憶しきれていないことだった。
3回目の試験の点数は75点。どこで25点も減点されたのか思い当たる節はなかったけど、合格ならどうでもいいから何も聞かなかった。
既にバイクに乗っている人にとっては、コースを完璧に記憶するというポイントを抑えれば大型自動二輪一発試験は難しくない。
その後に晴れて免許交付手数料の2,050円を払って写真撮影後、30分ほど待って「大自二」の文字が刻印された免許証を交付された。
ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキ
世界4大バイクメーカーが全て日本にありながら、日本でのバイク人口は減り続けている。過去に憧れて取得した「中自二」の刻印が入った免許を持っている人は、大型にアップグレードして再度夢を追いかけてみてもいいかもしれない。一発免許はコースさえ覚えれば簡単だ。
【動画で解説】大型自動二輪免許を一発試験で取得・合格するコツ
バイク日本一周まとめ
2019年4月にガジェマガで独立して、それを機にバイクで日本半周してきたのでその様子を記事とYoutubeにまとめています。
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