海外版の発売から3か月ほど経過してようやく日本でもZenFoneシリーズ最新型となるZenFone7が発売されたからレビューをする。
ZenFone7には無印モデルとProモデルの2種類があるんだけど、その違いはストレージ容量と体感できない程度のCPU性能のみ。俺は敢えてProモデルを購入したけどZenFoneに関してはデュアルSIMとは別にMicroSDスロットも用意されてるからProモデルを購入する理由は全くない。購入するなら無印版をお勧めしたい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
ZenFone7/ZenFone7Proの特徴
繰り返しになるけどZenFone7とZenFone7Proの差はほぼないから同じものとして扱う。ZenFone7の特徴は下記。
- 起き上がる3眼フリップカメラ
- 6.67インチ有機ELフルディスプレイ
- リフレッシュレート90Hz対応
- 最強CPUSnapdragon865/865+搭載
- 驚異の5000mAhバッテリー搭載
- デュアルSIM、ツインアプリ対応
- 10万円以下!!(94,375円~)
ZenFoneと言えば6以降では起き上がるフリップカメラで前面フルディスプレイを採用したことが話題になったんだけど、今回のZenFone7はそれ以上に日本のSIMフリースマホ市場に差す希望の光としての意義が大きい。
というのも現在の日本のSIMフリー市場は瀕死状態で、デュアルSIM対応ハイエンドスマホの選択肢はXperia1 IIだけという悲惨な状態だった。Xperiaも悪くはないんだけど、値段が高かったり機能が尖り過ぎていたりで一般受けからは程遠かったところ、今回10万円以下でスペックも無難な比較的誰にでもおすすめしやすいZenFone7が発売してくれたことでギリギリ体裁を保てた。
ありがとうZenFone7。ありがとうASUS。
ZenFone7/ZenFone7Proのスペック
ZenFone7/ZenFone7Proのスペックは下記。
ZenFone7 | ZenFone7Pro | |
ディスプレイ | 6.67(90Hz有機EL) | 6.67(90Hz有機EL) |
解像度 | 2400x1080 | 2400x1080 |
CPU | Snapdragon865 | Snapdragon865+ |
メモリ | 8 | 8 |
ストレージ | 128 | 256 |
バッテリー | 5000 | 5000 |
セキュリティ | 指紋/顔 | 指紋/顔 |
おサイフ | × | × |
防水 | × | × |
デュアルSIM | ○(DSDV) | ○(DSDV) |
重量 | 235 | 235 |
サイズ | 77.2x165x9.6 | 77.2x165x9.6 |
価格 | 95,000円 | 110,000円 |
繰り返しになるけどこの2機種の違いは体感できないCPU性能とストレージ容量のみ。128ギガストレージのMicroSDが1,000円で手に入ることを思うと15,000円上乗せしてProモデルを買う意味がない。あと最近のハイエンドスマホとしては珍しく防水にも無線充電にも対応していない。
ZenFone7ProはAntutu64万点
ZenFone 7 ProでAntutuベンチマークを計測した結果は63万点台後半と過去最高だった。2回連続で計測した結果が右側で、熱による性能への影響もほぼなかった。強い。
過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- ZenFone 7 Pro 637099(Snapdragon865+)
- Galaxy Note20 Ultra 610047(Snapdragon865+)
- iQOO Neo 3 595801(Snapdragon865)
- OnePlus 8 Pro 575059(Snapdragon865)
- Mi 10 574721(Snapdragon865)
- iPhone11 508410(Apple A13)
- ROG Phone 2 487983(Snapdragon855+)
- Mi 9 431470(Snapdragon855)
- iPhoneSE 430946(Apple A13)
- Mate 20 Pro 355915(Kirin980)
- UMIDIGI S5 Pro 291584(Helio G90T)
- Mi Note 10 254844(Snapdragon730G)
- Mi 9T 254457(Snapdragon730)
- Redmi Note 9S 253459(Snapdragon720G)
- OPPO Reno A 192793(Snapdragon710)
ただ、正直50万点を超えてくるともうほぼ差を感じることはない。このスペックなにに使えばいいの?が宙に浮いている状態だから、Snapdragon865+に拘ることなくSnapdragon865のZenFone7を購入してほしい。
ZenFone7はストレージテスト6万点
ZenFone7Proのストレージテストの結果は5万点後半でこれも過去最高。外付けSSDとして積極的に活用できるレベルで読み書き速度が速い。
- ZenFone 7 Pro 57733
- Galaxy Note20 Ultra 50759
- OnePlus 8 Pro 49778
- Mate 20 Pro 25491
- iPhone11 17582
- UMIDIGI S5 Pro 16893
- Mi 9 16323
- iPad Air 2 3015
全体的に買い替えたばかりの俺のメインスマホGalaxy Note20 Ultraがボコボコにされててわらう。スマホの進化は早すぎ。
ZenFone 7 Proは18時間8分バッテリー
PCMark for AndroidでZenFone7のバッテリーを計測した結果は、100%から20%になるまでで14時間31分だった。(明るさ50%、音量50%)
つまり0%までなら18時間8分も使える計算で、余裕の2日持ちバッテリーを実現してしまった。
ガジェマガの過去の計測結果と比較すると下記。
- Redmi Note 9S 22.8時間(Youtube計測)
- iPhone11 20時間(Youtube計測)
- ZenFone 6 18時間20分
- ROG Phone II 15時間21分(120Hz)
- ZenFone 7 Pro 14時間31分(90Hz)
- Mi Note 10 14時間27分以上(Youtube計測)
- Mi 9T 14時間27分
- UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
- iQOO Neo 3 13時間9分(144Hz)
- OPPO Reno A 12時間3分以上(Youtube計測)
- Mi 9 12時間3分
- Mate 20 Pro 11時間21分
- OnePlus 8 Pro 10時間31分(120Hz)
- 新型iPhoneSE 10時間(Youtube計測)
- UMIDIGI S5 Pro 9時間45分
- Galaxy Note20 Ultra 9時間35分
- Mi 10 9時間29分
- Alldcube M8 4時間47分
ASUSスマホがハイエンドスマホの上位を独占しているのが面白い。Snapdragon865搭載スマホとしてはiQOO Neo 3の13時間9分を抜いて過去最長だった。
ZenFone 7 Proは239グラム
バッテリーが持つのはバッテリー容量が大きいんだから当然ともいえる。ZenFone7Proは5000mAhもの大容量バッテリーを搭載したことで長時間バッテリーと引き換えに239グラムもの重量になった。
これはステンレスだと思っていたものが純金だったぐらいの違和感で、持った時にずっしりと重さを感じる。しかもケースを付けたら余裕で250グラムを超える。
重量の許容度は人によりけりだし、慣れるっちゃ慣れるんだけど覚悟は必要。
ZenFone 7 Proのいつもの外観
ZenFone 7 Proの外観はマジでZenFone 6と同じ。ちょっとデカく長く重くなっただけという感じ。
背面はガラス製でエメラルドグリーンっぽいグラデーション加工が施されている。
ZenFone7Proの売りとなるフリップカメラは望遠が追加されて3眼になっていて
フリップするとこんな感じ。裏側にもしっかりと文字が刻印されているのがすごい。
ただ、3眼だから正面から見た時の可愛さはなくなったのが残念。
まぁどうせフロントカメラなんか使わないから問題ない。
上面はフリップカメラとノイズキャンセリングマイクで
右側面にはSIMカードスロットがあるのみ。
SIMカードスロットはデュアルSIM+MicroSDの珍しいトリプル仕様でストレージを拡張しやすい。
底面にはスピーカー、マイク、Type-C充電端子、通知インジゲータが並ぶ。
通知インジゲータはこんな感じで光る。このご時世通知インジゲータがあるのは珍しい。
更に側面は全方位でダイヤモンドカットが施されていて質感も良い。
この辺りはASUSパソコンのZenbookシリーズを彷彿とさせる。ちなみにイヤホンジャックはZenFone7から廃止された。
左側面には電源ボタンと音量ボタンを備える。
電源ボタンは指紋センサーにもなっているんだけど、ロック解除速度はマジで爆速。
正直画面内指紋認証って朝起きたてだと反応しなかったりと精度がイマイチなものばかりだから全てのスマホで側面指紋センサーを採用してほしいと思った。
前面ディスプレイはフロントカメラもなく超すっきりしてるのが嬉しい。
ディスプレイサイズは6.67インチと最近の流行に乗った縦長で、iPhone12、Galaxy Note20 Ultraと比較すると下記。
もはや6.1インチがホビットに見えるから恐ろしい。ただ、横幅はiPhone12と同じだから手に持った間隔はほぼ同じ。重いだけ。
もちろん90Hzの有機ELディスプレイだから視野角も最強。
というか3台とも有機ELディスプレイだから違いがない。最近のスマホすごい。
ZenFone7Proは前面上部に2つ目のスピーカーを搭載するデュアルスピーカー仕様だから音質も上々。
バッテリーは持つし音も良いし性能も良いしディスプレイも良い。ZenFone 7 Proはメディアもゲームも最高に楽しめるスマホに仕上がっている。
ZenFone 7の必要最低限なカメラ画質
ここからはZenFone 7 Proのカメラ画質を検証していく。ZenFone 7/ZenFone 7 Proのカメラ構成は全く同じで下記。
- 16ミリ(0.6倍)広角カメラ
- 27ミリ(1倍)標準カメラ
- 70ミリ(3倍)望遠カメラ
写真は全て俺がカメラ最強スマホだと思っているメインスマホのGalaxy Note20 Ultraと比較する。
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写真は夜景モードとかは一切使用せず、全てAIアシストオンのJpeg撮って出しで、Galaxy Note20 Ultra ⇒ ZenFone 7 Proの順番で掲載する。
標準カメラ晴天写真比較
まずは標準カメラの晴天写真を比較していく。
Galaxy Note20 UltraよりもZenFone 7の方がコントラスト低め、彩度低めの傾向だけど互角。Galaxyは空の青さが気持ち良い好印象な写真に見える。
この写真ははっきりとダイナミックレンジの差が出た。Galaxy Note20 Ultraの方が空は青いし左の植物は明るく好印象。ZenFone7は空が白飛びしてしまっているし植物が暗い。センサーサイズの大きさは正義。
青空の写真は互角。Galaxy Note20 Ultraの方がちょっと青い。
広角カメラ晴天写真比較
ここからは広角カメラの晴天写真を比較する。広角カメラはGalaxy Note20 Ultraが14ミリ、ZenFone 7 Proが16ミリとGalaxyの方が広く撮影できる。
傾向はメインレンズと同じ。Galaxy Note20 Ultraの方が空が青い。ZenFone 7 Pro右側の通路も含めて全体が明るい。
Galaxy Note20 Ultraの方が空が青い気がするけどほぼ互角。広角カメラはZenFone 7 Proもかなり頑張ってる。
この写真もほぼ互角。明るい写真は差が出ない。
望遠カメラ晴天写真比較
ここからは望遠カメラの晴天写真を比較する。Galaxy Note20 Ultraは5倍望遠、ZenFone 7 Proは3倍望遠だから写せる範囲が違う。
ZenFone 7 Proは望遠カメラになって一気に解像感が落ちた感がある。特に背景の青いビルなんかはかなり潰れてしまってる。
Galaxy Note20 Ultraの5倍望遠はちょっと望遠しすぎで使いにくい。ZenFone 7 Proの3倍望遠の方がまだ活用の幅は広い気がする。
標準カメラ夜景写真比較
ここからは標準カメラの夜景写真を比較する。
Galaxyはちょっと明るすぎる感はあるけどノイズが少ないのに対して、ZenFone 7 Proは全体的にノイズ多めで解像感を失っていて、特に右側通路のレンガ模様は完全になくなってる。
これも同じ。ZenFone 7 Proはノイズが多く解像感が低めでレンガ模様が消えてる。全体的な明るさも暗い。ZenFone 7 Proは夜景に弱い。
暗い空の写真はどちらも少し明るすぎる感はあるけどギリギリ耐えた。ただ、ZenFone 7 Proは全体的にのっぺりしてる。
広角カメラ夜景写真比較
ここからは広角カメラの夜景写真を比較する。
広角カメラの違いは圧倒的。Galaxy Note20 Ultraすげぇなって思った。ZenFone 7 Proは標準カメラ以上に色合いがおかしいしのっぺりしてしまった。
こう見比べるとGalaxy Note20 Ultraの解像感が圧倒的。Galaxy Note20 Ultraの広角カメラすごい…
夜空の写真の傾向は全く同じ。ちょっと明るすぎる。ZenFone 7 Proはメインカメラ、広角カメラともに夜景には弱い。
望遠カメラ夜景写真比較
ここからは望遠カメラの夜景写真を比較する。
両方ともノイズが多くてのっぺりしてる。あとZenFone 7 Proは緑色が強い。
Galaxy Note20 Ultraは露出を抑えたのに対して、ZenFone 7 Proは白飛びした。
ZenFone 7 Proカメラ総評
ZenFone 7は全体的に明るい写真の仕上がりは素晴らしくて、標準カメラ、広角カメラ、望遠カメラともに常用できるレベルだった。
ただ、全てのレンズが夜景に弱い。全体的な露出の調整は悪くないんだけど、思っている以上にノイズが多くて解像感が落ちてしまうのが残念だった。
10万円という値段を思うともう少し頑張ってほしかったというのが正直なところ。リアカメラをフロントカメラにもできるフリップカメラは確かに面白いんだけど、そもそもZenFone 7 Proを買う人は自撮りしない人ばかりだろうから、フリップカメラはフロントカメラを強化するというよりは、フロントカメラを廃止するための選択肢として搭載されている気がした。
ZenFone 7 Proはカメラ画質が酷いというわけではなく必要最低限ではあるんだけど、少なくともカメラに期待して購入するべきスマホではない。
わが道を行くZenFone 7の付加価値
ZenFone 7 Proに搭載されている付加価値はイヤホンジャックが廃止された以外はZenFone 6と同じ。
デュアルSIMとMicroSDに対応したトリプルスロットはありがたいし、
ツインアプリにも対応するから一つのスマホで2つの番号、2つのSNSアプリの管理が可能。
ただ、無線充電と防水には引き続き対応しない。フリップカメラがあるから防水に対応するのが難しいのは分かるけど、せめて無線充電には対応してほしかった。
逆に通知インジゲータは全然なくても良い。
もちろんおサイフには対応しない。ZenFone 7 Proの付加価値の基準は謎。
【ZenFone 7の欠点】90Hzはほぼ体感できない
ZenFone 7 Proはシリーズ初となるリフレッシュレート90Hzに対応していて、一般的な60Hzのスマホと比較して1.5倍ディスプレイがなめらかに書き換わる。
実際俺がGalaxy Note20 Ultraを選んだ理由の一つもリフレッシュレート120Hzに対応していることで、どれくらい滑らかに操作できのか期待していたんだけど、驚くほど体感できない。
60Hzよりちょっとなめらか、なの?という感じ。Galaxy Note20 Ultraの120Hzはすげぇぬるぬるなのに90Hzはかなり微妙。こんなに違うのかと肩透かしを食らった。
今回ASUSはバッテリー持ちとの兼ね合いで敢えて90Hzを選んだんだとは思うけど、これなら普通に60Hzで使っても良いレベルだった。
【ZenFone 7の欠点】カメラをフリップしない
そりゃZenFone 7 Pro買う人が自撮りなんかするかよって話。フリップカメラはマジでフリップしない。
更にフリップカメラは途中でフリップを止めて自由な角度で撮影することもできるんだけど、マジで使わない。
フリップカメラでなにか新しい体験ができるのかなと期待すると裏切られる。
逆にフリップカメラがあるお陰でフロントカメラを完全に廃して前面フルディスプレイを実現できているわけだから
その恩恵は十分あるんだけど予想通りフリップの使い道はないわなって感じだった。
ZenFone7はSIMフリースマホ市場の希望
ここまでZenFone 7について良い点悪い点を色々と解説してきたんだけど、総評としては人によってはあり。確かにカメラは弱いしすげぇ重いという弱点はあるんだけど10万円で買えるなら安いと思える。
10万円でこの性能は安い
Snapdragon865搭載で処理能力は業界最高レベルだし、ディスプレイは有機ELで綺麗。重量は重いけどバッテリーは驚くほど持つ上に、デュアルSIMとMicroSDのトリプルスロットは刺さる人には刺さる。更にボディの品質と音質も素晴らしい。
全体的に唯一無二の強みと弱点がはっきりしているスマホオタク向けのスマホ。その意味ではiPhoneとかGalaxyと競合しにくいのもメリットになる。
Xperia1 IIよりもZenFone 7がおすすめ
そもそもSIMフリー、ハイエンド、デュアルSIMに対応した日本で発売されているスマホはほぼないんだけど、その条件を満たすスマホが欲しいならZenFone 7 が正解になると言ってしまっていい。
注意点として、15,000円高いProモデルにはマジでメリットがないから、購入する時は無印モデルを選択してMicroSDでストレージを追加するのがおすすめ。
ZenFone 7 Pro動画レビュー
OCNモバイルONEで発売記念セール中
現在OCNモバイルONEでZenFone 7 Proの発売記念セールが行われている。
かくいう俺もOCNモバイルONEのセールでZenFone 7 Proを購入したんだけど、価格ドットコムだと95,000円もするZenFone 7が
OCNモバイルONEだと71,600円(税別)で購入できてしまう。
乗り換え+オプション加入なら更に6,000円も値引きされて、合計30,000円も安くなるから、検討している人はぜひこのセール中に購入してほしい。