Vivoから4万円で買えるのにスペックが半端ない最強コスパスマホが発売されるという情報を入手したのが4月。
思えば今年はハイエンドスマホは不作の年で、5G対応と同時にハイエンドスマホの値段は高騰していて、2019年のMi 9のようなハイコスパハイエンドスマホの席がぽっかりと空いてままの状態が続いている。
そこに差した希望の光がVivoのiQOO Neo 3なんだ。ということで今回はVivo iQOO Neo 3が果たして2020年のMi 9になれたのかを徹底的にレビューする。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
Vivo iQOO Neo 3の特長
Vivo iQOO Neo 3の特長は下記。
- 6.57インチIPS液晶
- Snapdragon865
- リフレッシュレート144Hz
- 標準、広角、マクロのトリプルカメラ
- 44W急速充電
- 4万円
Vivo iQOO Neo 3の強みは4万円という値段で最強のスペックを手に入れられるところで、ポジションとしては2019年のMi 9と同じ。
有機ELじゃないとか無線充電非対応は値段なりではあるけど、3眼カメラとかリフレッシュレート144Hzの対応は嬉しい。
あと一応5Gにも対応してるけど死ぬほどどうでも良いから無視する。2020年時点で5Gスマホを買う必要がない理由を解説した記事は下記。
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Vivo iQOO Neo 3のスペック
Vivo iQOO Neo 3のスペックは下記。
ディスプレイ | 6.57(144Hz) |
解像度 | 2408x1080 |
CPU | Snapdragon 865 |
メモリ | 6/8/12 |
ストレージ | 128/256 |
バッテリー | 4500 |
セキュリティ | 指紋/顔 |
防水 | × |
デュアルSIM | ○(DSDV) |
重量 | 198 |
サイズ | 75.6x163.7x8.9 |
Snapdragon865・6~12ギガメモリ
iQOONeo3はCPUに2020年6月現在のスマホ市場最強CPUのSnapdragon865を搭載していて、メモリは6ギガから12ギガのモデルを選択できる。
Antutuベンチマーク59万点
俺のiQOO Neo 3は6ギガメモリのモデルなんだけど、それでもAntutuベンチマークスコアは約60万点と圧倒的。GPUスコアも超高いからゲームにも強い。まさに現行最強のスペック。
過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記で最強。
- iQOO Neo 3 595801(Snapdragon865)
- Mi 10 574721(Snapdragon865)
- iPhone11 508410(Apple A13)
- ROG Phone 2 487983(Snapdragon855+)
- Mi 9 431470(Snapdragon855)
- iPhoneSE 430946(Apple A13)
- Mate 20 Pro 355915(Kirin980)
- Mi Note 10 254844(Snapdragon730G)
- Mi 9T 254457(Snapdragon730)
- Redmi Note 9S 253459(Snapdragon720G)
- OPPO Reno A 192793(Snapdragon710)
しかも間髪入れずに2回目を計測したスコアが右側でなんと微増してしまっている。iPhone11とかは熱に弱くて2回目のスコアが大きく下がる瞬間最大風速型のスマホなんだけど、iQOO Neo 3はパワーも持久力も最強。
アメフト選手のような次元を超えた性能を誇る。これで4万円しゅごい…
iQOO Neo 3は16時間43分バッテリー
iQOO Neo 3をバッテリー計測アプリPC Mark for Androidを使って輝度50%、音量50%、ディスプレイリフレッシュレート144Hzでバッテリーが20%になるまでの時間を計測した結果は13時間9分だった。
つまり0%までは16時間43分使える計算になる。ガジェマガの過去の計測結果と比較すると下記。
- Redmi Note 9S 22.8時間(Youtube計測)
- iPhone11 20時間(Youtube計測)
- ZenFone 6 18時間20分
- ROG Phone II 15時間21分
- Mi Note 10 14時間27分以上(Youtube計測)
- Mi 9T 14時間27分
- UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
- iQOO Neo 3 13時間9分
- OPPO Reno A 12時間3分以上(Youtube計測)
- Mi 9 12時間3分
- Mate 20 Pro 11時間21分
- 新型iPhoneSE 10時間(Youtube計測)
- Mi 10 9時間29分
- Alldcube M8 4時間47分
同じSnapdragon865を搭載するMi 10のバッテリー持ちが悪かったから心配してたんだけど、iQOONeo3は大きくスコアを伸ばした。やっぱりMi 10は失敗作だったっぽい。
iQOO Neo 3は4500mAhバッテリー
16時間43分も連続使用できるということはバッテリー容量も大きい。iQOO Neo 3は4500mAhの大容量バッテリーを搭載していて、重量も201グラムとしっかり重い。
200グラムを超えると重量級のように感じるけどカタログ値との差はたったの3グラムだから許容範囲内。印象って怖い。
ちなみに専用のケースを付けると221グラムになる。
重い。
iQOO Neo 3のボディはお値段以上
最近は安いスマホでも質感は抜群だからもう感覚が麻痺してるんだけど、iQOO Neo 3はたった4万円なのに当然のように金属ボディで質感が良い。
グラデーションが特徴的な背面はロゴとカメラが配置されるのみのシンプルな構成で
カメラは標準、広角、マクロのトリプルレンズ仕様。
上面にはノイズキャンセリング用のマイクがあって
右側面にはSIMスロットのみ。
iQOO Neo 3はデュアルSIM対応
SIMスロットはnanoSIMのデュアル仕様だから2番号での運用ができる。
底面は右からイヤホンジャック、マイク、Type-C充電端子、スピーカーを搭載する。
iQOO Neo 3は側面指紋センサー搭載
左側面には指紋センサーを兼ねた電源ボタンと音量ボタンを備える。
指紋センサーは物理だから精度は高いんだけど、画面ロックの解除が1テンポ遅れる。けして悪くは無いけどHuaweiスマホみたいな触れた瞬間のロック解除には遠い。
iQOO Neo 3は6.57インチの大画面
前面は6.57インチの大画面ディスプレイにパンチホールカメラのみで最高にすっきりしてる。
ただ、Mate 20 Proを使えば使うほど赤外線顔認証の便利さを実感するから個人的にはノッチありでも赤外線に対応してほしい。
iQOO Neo 3の6.57インチを6.4インチのMi 9(左)と6.1インチのiPhone11(右)と比較するとこんな感じ。
もちろん画面は大きくても横幅は同じだから6.4インチスマホと同じ感覚での片手操作も可能。大画面は正義。
ただし、視野角は思っている以上に狭くて変色が強い。有機ELのMi 9の発色は相変わらず最強だけど、iQOO Neo 3は同じく液晶のiPhone11と比較しても差は歴然だった。
IPS液晶ってもっと視野角広かったと思うんだけど最近の中華スマホどうした?
iQOONeo3のディスプレイは夢のリフレッシュレート144Hzに対応していて、1秒間に画面が144回書き換わるお陰で操作感は超ヌルヌル。
液晶の品質が良ければ最高だったと思うと惜しい。
iQOO Neo 3はステレオスピーカー搭載
画面上部には受話用兼ステレオ用のスピーカーを備える。
iQOO Neo 3は底面のスピーカーと合わせてステレオ環境でメディアを楽しめる。
iQOO Neo 3はケース、フィルム標準搭載
中華スマホあるあるだけどiQOONeo3は最初から保護フィルムを貼ってあるし、
専用のラバーケースも同封されてるから購入したらそのまま使えてしまう。
この辺りの親切設計は他社も見習ってほしい。
iQOO Neo 3のお値段以上のカメラ
ここからはiQOO Neo 3のカメラ画質を比較検証する。比較相手はいつも通り俺がカメラのためにメインスマホとして使い続けているのMate 20 Proを使う。
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iQOO Neo 3のカメラ構成は下記。
- 27mm標準カメラ
- 16mm広角カメラ
- 4センチまで寄れるマクロカメラ
一応カメラUIには2倍ズームの項目もあるんだけど標準カメラのデジタルズームだから無視する。あとマクロレンズも撮り忘れたけどほぼ使わないから無視する。4センチまで寄れる。
撮影設定はAIアシストオンでカメラを向けてシャッターを押すだけの撮って出し。露出調整とかは一切しない。全てMate 20 Pro → iQOO Neo 3の順番で掲載する。
標準カメラ晴天写真比較
まずは標準カメラの写真を比較する。
Mate 20 Proは全体的に自然な発色なのに対してiQOO Neo 3は駅舎とかの青くなくて良い所まで青くてちょっと不自然な写りになった。
太陽光の元ではiQOONeo3の方が露出が微妙に高くて明るい写真が撮れた。色合いも自然でレベルは高い。
全体的にiQOO Neo 3の方が露出が高くて明るく好印象な写真に仕上がった。逆にMate 20 Proは影がしっかり黒くてメリハリが強い。好みのレベル。
花の写真
iQOO Neo 3の方が色合いは自然。Mate 20 ProはAIアシスト花で赤味と青味を着色しててより映える写真に仕上げた。
これも同じ。iQOO Neo 3は自然だけどMate 20 Proは赤味を着色しすぎて赤が潰れてる。
標準カメラ夜景写真比較
Mate 20 Proは寒色寄り、iQOO Neo 3は暖色寄りだけど両機ともに露出のバランスはほぼ互角。iQOO Neo 3すごい。
露出のバランスはほぼ互角。ただ、全体的にディティールが失われていて通路のレンガ模様が消えかけてる。あとiQOO Neo 3はMate 20 Proと比べて光源の輝きが強すぎて、白飛びを抑えるHDR補正でMate 20 Proに一歩劣る印象だった。
最後に多くのスマホカメラが苦手とする夜空の写真。iQOO Neo 3はMate 20 Proと比べると露出高すぎでノイズ多過ぎではあるけど、これはMate 20 Proが優秀過ぎるだけ。
スマホと比べるとかなり耐えてる印象。iPhone11でもこんな感じだから決して悪くは無い。
というか最強スペックで4万円の割りに頑張ってると思う。
広角カメラ晴天写真比較
ここからは広角カメラの写真を比較する。
この写真はMate 20 ProもiQOO Neo 3も酷い。Mate 20 Proは色薄すぎだしiQOONeo3は落書きみたいな空だし双方発色がむちゃくちゃ。
両方共レベルは低いんだけどMate 20 Proは発色悪すぎ。そろそろ買い替えたい。
iQOO Neo 3の色合いがギンギラギンでヤバイ。広角カメラの晴天時の発色は全体的に微妙。Mate 20 Proも逆光気味で微妙。
広角カメラ夜景写真比較
iQOO Neo 3は空がしっかり暗いし発色も良いんだけどやっぱりディティールが弱い。あと標準カメラと同じく光源が白飛びしまくってるけどこの写真はMate 20 Proもひどい。
更に暗い環境になるとiQOO Neo 3は露出を下げ過ぎる傾向。光源だけやたら明るい古いデジカメのような写りになる。Mate 20 Proもノイズまみれだけど露出のバランスと発色は良い。
夜空の写真はMate 20 Proの圧勝。iQOO Neo 3は露出高すぎ光源飛びすぎノイズ多過ぎ発色悪すぎの酷い写真になった。iQOO Neo 3の広角カメラは安定感が無くて昼も夜も使いにくい。
iQOO Neo 3カメラ総評
iQOO Neo 3の標準カメラの写りはかなり頑張ってる。昼も夜ももお値段以上。晴天時のバランスも発色も良いし、夜景の露出バランスも良い。夜のノイズが多くてディティールが弱いのと光源が白飛びしやすいのが気になるけど、4万円なら文句は無い。
対して、広角カメラは昼も夜も全然安定しない。昼の写真は発色がやばいし夜の写真はノイズがヤバイ。たまにミラクルショットは出るけど、癖が強くてほとんどがハズレになるから安心して使えない。
総合的には4万円の割りには良いけどハズす時は思いっきりハズすから、安定感が無くて扱いにくい印象だった。
iQOO Neo 3はUIの癖が強い
俺はiQOO Neo 3が人生初のVivoスマホだったんだけど、正直ソフトウェアの独自仕様が多くて戸惑った。
iQOO Neo 3はGoogle Playは後入れ
まず最初に驚いたのがGoogle Playストアが標準でインストールされてないことなんだ。中国版を買ったのかと焦ったけどiQOO Neo 3にはグローバル版も中国版もない共通仕様で、GooglePlayストアは後からインストールが可能だった。
これは今のHuaweiスマホのような裏技とかじゃなくて、普通に公式アプリでインストールが出来るんだけど、最初はなにがなんだかわからず超戸惑う。
iQOO Neo 3ツインアプリ機能はLINE非対応
iQOO Neo 3にはクローンアプリという名のツインアプリ機能があるんだけど残念ながらLINEには非対応。中国製の名前が読めないアプリしか複製できない。
せっかくデュアルSIMで2番号の運用ができるならSNSアプリも複製して使い分けたいところだけどiQOO Neo 3だと無理。
iQOO Neo 3は設定へのアクセスが手間
これは超個人的な話になるんだけど、俺は設定画面に行くときは上から通知バーをスライドして設定ボタンを押すタイプなんだけど、iQOO Neo 3の場合は本来設定ボタンがあるはずの場所に謎の地球マークがある。
地球マークをタップすることでVivoの独自アプリにショートカットできるんだけど違うそうじゃない。
俺がアクセスしたい設定ボタンは再度下にスライドすることでやっと現れる仕様。
切実にボタン配置を入れ替えてほしいけど入れ替える項目が見つからなかった。
逆にAndroidの左右からスライドする「戻る」ジェスチャーで指をホールドすることで任意のショートカットアプリが5つ表示されるのは超便利なんだけど、
ホーム画面から「戻る」ジェスチャーは使えないから慣れが必要。
消して悪くは無いんだけど今までのスマホとUIの違いが多くて色々と戸惑う。
iQOO Neo 3を買うべき人
改めてiQOONeo3の良いところと悪いところをまとめると下記。
iQOO Neo 3の良い所
- 6.57インチ大画面
- 最強過ぎる処理能力
- 16時間越えの長時間バッテリー
- リフレッシュレート144Hz
- ステレオスピーカー
- イヤホンジャック搭載
- まぁまぁのカメラ
- 44W急速充電
- ケース・保護シート付属
iQOO Neo 3の悪い所
- ツインアプリがLINEに非対応
- 狭い視野角
- 画質が安定しないカメラ
- 癖の強いUI
- 防水非対応
- 技適無し
iQOO Neo 3は対性能コスパが最強なのは間違いないんだけど、手放しでおすすめできるスマホでもないというのが正直なところ。
大画面144Hzとステレオスピーカー搭載でメディアに強いのかと思いきや視野角が狭くて青味が強いディスプレイがひっかかるし、カメラは多いけど画質は不安定で扱いにくいし、UIの癖が強い上にLINEのツインアプリにも非対応と来た。
確かに磨けば光るものは感じるけど全体的に粗削り。本当に値段に対する性能が高いだけのスマホという印象で、安いのに欠点がない2019年最強スマホMi 9の衝撃再びというわけにはいかなかった。
性能に対して安すぎるのは間違いない
とはいえ今のスマホ市場を見渡すと、Snapdragon865を搭載スマホはどれも値段が高いのが実情で、特に日本市場ではその傾向が顕著。
そんな中、最も安くSnapdragon865搭載スマホを入手する選択肢としてiQOO Neo 3は十分あり。この性能で4万円が安すぎるのは間違いない。
Snapdragon855スマホでもいいかも
ということでどうしても最強性能に拘りたいというならiQOO Neo 3を買えばいい。値段分の性能はあるから後悔はしない。
ただ、Snapdragon865のために無理をしてiQOO Neo 3を買うくらいなら価格がこなれていて完成度も高いSnapdragon855搭載スマホを選んだ方が幸せになれる。
というか俺ならそうする。Snapdragon855も十分性能高いし。
技適未取得は申請で対応可能
ちなみにiQOO Neo 3は技適非対応だから合法的に使うためには総務省への申請が必要。ウェブ上で簡単に出来る。⇒ 申請ページ
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