19歳の時にホーネット250を購入して27歳までで6万キロ乗ったんだけど、俺が東京に来たことですっかり乗らなくなってしまった。
28歳で一度帰省した時にエンジンをかけたことはあったんだけど、それ以降はめっきりで、既に放置して4年が経過していた。
このホーネットは思い出だらけではあるんだけど恐らくもう乗ることは無い。ということでバイク王を呼んで売却することにしたんだけど、その買い取り査定士の癖が強すぎたから交渉体験をまとめたい。
これからバイク王でバイクを売る人の参考にしてほしい。
ホーネット250の状態は最悪
当然だけど27歳から5年間ほぼ乗っていないホーネットの状態は最悪だった。具体的には下記。
- タンク全塗装
- マフラー塗装
- シート破れ多数
- タイヤボロボロ
- バッテリー切れ
- ガソリン腐食による錆びきったタンク
- 後輪ブレーキ液漏れ
俺が把握してるだけでもこの惨劇だからプロが調べれば他にももっと出るはず。
0円での買い取りも覚悟してバイク王に電話
ウェブ上で調べたところホーネット250の平均買取価格は15万円ということだったんだけど、俺のホーネットを走れる状態にするためのパーツ代と人件費は多分10万円を超える。
ということで持って行ってくれるなら最悪タダでも良いつもりでバイク王に電話をしたところ、その翌日に買取査定士が来てくれることになった。さすが最大手。早い。
癖が強すぎるバイク王買い取り査定士
翌日バイク王の買い取り査定士は時間通りに来てくれて、俺はバイクを止めてある家の前で出迎えたんだけど、この買い取り査定士とにかく歩くのが遅い。
明らかに俺が視界に入っているのに全く急ぐ素振りを見せない。この段階で謎の牛歩戦術に違和感を感じつつも俺は「よろしくお願いします」と買取査定士を出迎えた。
バイク王「これですか?いつ頃まで乗られてましたか?」
俺「4年くらい動かしてないんでバッテリーも上がってて動かないです」
バイク王「全塗装もされてますし、この状態だと値段付くかどうかもわからないですね。どれくらいなら売って良いとかあります?」
俺「とりあえず値段出してもらってからですね」
バイク王「名義変更とかの手続きとかも代行する形になるんで多分かなり厳しいですが、値段が付いたらオッケーって感じですか?」
俺「査定額を聞いてから検討します」
バイク王「検討しますって(笑)」
笑ってんじゃねーよと思いながらも俺は完全に出鼻をくじかれた。
果たしてこの買い取り査定士がマジのアホなのか、乗り気にならないアピールをして低い査定額で納得させようとしているのかは不明。
ただこの段階で当初最悪のケースとして想定していた無料でのバイク引き取りは絶対にさせない決意を固めた。
査定自体を渋るバイク王買い取り査定士
引っ越し業者とかもそうなんだけど個人相手の営業はふっかけてなんぼの世界。
それはバイク王も同じで、担当者は最初から1ミリも希望と誠意を見せず、ゴミを引き取ってもらえるだけありがたいでしょ?的な上から目線を醸し出しまくってきた。
幸い俺はNOと言うことにためらいを感じない日本人で、過去4回の引っ越しのたびに最初の見積額を3分の1以下に落とさせてきたんだけど、この時点でバイク王に関しても長い戦いになる予感がした。
バイク王「出張で来てて買い取りできないと上から怒られるの僕なんで売るかわからないって言われるとこっちもキツいんですよ」
俺「まだ一社目なんで何とも言えないです。ここで納得できる価格なら売りますし、ダメなら別で見積り取ってから判断します」
バイク王「ウチが大手だから出張で来てるだけで、他社なら電話の段階で最悪無料での引き取りも可能か確認されるんできついと思いますよ」
俺「それは他社に電話して判断します」
バイク王「他社を呼んでもまたバイクに嫌なこと言われるのを繰り返すことになりますけど良いんですか?」
俺「それも他社の話を聞いてみないと判断できないです」
なんだこの買取査定士。明らかに客を舐めてる。いや、俺を舐めてる。
確かに俺はオタクではあるけどそれは内面の話。
俺は腐っても身長180センチ73キロと体はでかいしどちらかというと強面。その俺に初対面でここまでの態度を取れるこのバイク王の買い取り査定士は間違いなく逸材だった。
感情論抜きなら早めに売った方が良い
既にこの段階でキレて追い返してもよかったんだけど、実家にいる間にまた他社を調べて呼んで査定してを繰り返すのもめんどくさい。
感情抜きに考えるなら今日売った方が確実に俺のためにもなる。
バイク王が渋々査定を開始
当初バイク王側は無料引き取りを視野に入れないと査定もしない態度だったけど、こっちが引かないことで渋々査定に進むことになった。
バイク王「わかりました。そしたら一度査定できるかを上に確認します」
そういって少し離れたところに歩いていって電話を始めたんだけど、この時も歩く速度がとにかく遅い。牛かよ。
その後にブラフでしかない電話を終えてまた死ぬほどゆっくり戻ってきて
バイク王「上に確認したところ大丈夫ということだったんで査定を始めさせていただきます」
といって専用のタブレット端末でバイクの写真を何枚も撮り始めた。今までのやりとりはなんだったんだ。
5分ほどで買取査定士がホーネット250の写真を撮り終わって、本部からの回答待ちになった。
査定額を上げるためのアイスブレイク
本部からの回答までやることも無いので買取査定額を上げるためにアイスブレイク的な会話をすることにした。
俺「個人相手の営業って大変ですよね」
バイク王「色んな人がいますね。営業されたことあるんですか?」
俺「東京で法人相手にソフトウェアの営業やってます」
バイク王「ルートですか?」
俺「新規です。法人営業は相手も会社の看板背負ってる分まともな人しかいないんでまだ楽です。ずっと外回りですか?」
バイク王「そうです」
俺「寒かったり暑かったり外回り大変ですよね。内勤にはならないんですか?」
バイク王「バイクの販売員もいますけど買取担当はずっと買取担当ですね」
俺「じゃエリアマネージャーとかにならない限りは外回りが続くんですね」
バイク王「そうですね」
警戒しているのか回答が全て素っ気ない。顧客からの細かいクレームを恐れてるっぽかった。
査定額確定。交渉開始。
ここからは攻守が逆転した。
バイク王「いくらの査定額が出たら売れますか?」
俺「5万なら文句ないですね。最悪3万」
バイク王「5万はちょっと(笑)」
ここでバイク王の買い取り査定士が苦い顔をした。5万円は厳しいっぽかった。
査定結果の通知電話
このタイミングでバイク王の買い取り査定士に査定結果の電話が入って小走りに俺から離れた。小走りできんじゃん。
電話を終えた買い取り査定士が戻ってきて
バイク王「2万円付きましたよ。よかったですね」
マジでこう言った。
バイク王「もし値段付かなかったらどうしようかなと思ったんですが2万円ついて安心しました」
2万円という値段もさっき俺が3万円って言ったところから逆算したはず。
3万円と口にしたのは明らかに俺のミスだった。
とはいえ最初にバイク王から伝えられる査定額は一番低い金額で、その後ろに譲歩できる金額が隠れているのは間違いない。
俺「2万は無理です。先ほど言ったように5万なら文句なしで、3万が最低ラインです」
バイク王「ここで売らないと4月に税金もかかりますよ。他の業者呼んでももつれると思いますけど」
俺「税金は精々年間5千円程度なんで気にしてないです。既にバイクの状態は最悪なんで急ぐ理由も無いですし、最悪来年に持ち越してもいいです」
バイク王「来年になると更にバイクの価値が落ちますよ」
俺「30年前のバイクが31年前になったところで変わらないでしょ」
バイク王「バイク業界で働いたことはありますか?」
俺「ないです」
バイク王「ないならそれを言うのはおすすめしないですけど」
俺「だからこそ他社でも見てもらってバイク王さんの言ってることが正しいのかを判断したいと思っています」
普通相見積もりは取るもんだと思ってるんだけど、バイク王はなんとしてでも持って帰りたいっぽい。
今日売りたいが俺の本心
正直ホーネット250に時間をかけてる暇は俺にはない。早めに売って早く東京に戻って仕事をしたい。
この買い取り査定士は心底ムカつくけど、俺にとって最悪の展開は話が反故になってホーネット250の売却に更に時間を取られることだった。
当初は無料引き取りでも良いつもりだったんだし、もう2万円儲けたと思ってここで引いてもいいんじゃないか。
決着
ただ、2万円を突っぱねてもバイク王は帰る気配が無かった。やっぱりまだ譲歩できる金額があるっぽい。
バイク王「その5万っていう金額はどこから出てきたんですか?」
俺「ホーネットの平均買取が15万で、このバイクを走らせるために必要な金額を10万円と見積もって5万円にしてます」
バイク王「他社も見てからじゃないと答えられないなら一社目のウチが不利じゃないですか?」
俺「営業ってそんなもんですよ」
バイク王「じゃあ営業的に言うなら間とって2.5万円って話になりますけど」
俺「言い分はわかりますけど3万円は譲れないです」
バイク王「3万円なら確実に売ってくれますか?」
俺「いいですよ」
ここまで話してバイク王の買取査定士が再度専用端末をイジるフリをしてから
バイク王「3万でもいけるということなのでそしたら3万円でお願いします」
といって話がまとまった。
交渉を失敗した要因
今回3万円という価格を自ら提示してしまったのは明らかな交渉ミスだった。
交渉は
- 妥当な理由をつけて高めの値段を提示
- お互いの妥協点に向けて距離を詰める
というのが基本。
だから
俺「3万が最低ライン」
と本当の最低ラインを事前に伝えてしまったことに後悔している。
5万は厳しいとしても4万なら多分行けたはず。
とはいえ2万円で提示されたところを、15分の会話で1万円上乗せできたからよしとする、と自分を納得させた。
相見積もりは基本中の基本
バイク王とか引っ越し業者は「断るのは申し訳ない」という個人の良心に付け込むビジネスモデルだ。
その結果企業側がぼろ儲けする価格で契約している人が後を絶たないんだけど、一般的に相見積もり(複数社の見積り)は基本中の基本。
堂々と「他社の話を聞かないと答えられない」と言っていいし、俺が営業時代は毎回言われていた。マジで世の中そんなもん。
今回は時間が無かったからバイク王でホーネット250を手放してしまったけど、時間が許すなら確実に他社でも見積もりを取った。
その上でバイク王が一番高ければ再度バイク王を呼べばいいだけの話。その場で即決する必要は無いし、買い取り査定士は断られるのも仕事だから情けは無用。
バイク王のスピード感は大手ならでは
ここまでの体験談でバイク王に悪いイメージを持つ人も多いとは思うけど、24時間の買取電話対応と翌日の出張見積もりというフットワークの軽さは大手ならでは。
規模の経済を考えてもバイク王ほど高い査定額を出せる会社は他にないだろうから、バイク王での売却は普通におすすめ。ただ、査定されたからと言ってその日に売る必要は全くない。
バイク王が曲者なのは本当
多分今回のバイク王の買い取り査定士は氷山の一角。
バイク王との交渉には忍耐も必要になるけど、そこはタイのタクシーと同じで最初からそんなもんだと捉えてゲーム感覚で交渉を楽しむのがおすすめ。
一般的な買取査定士を期待すると裏切られる。あと乗らないバイクは早めに売った方が良い。
俺は今回の件で日本一周が終わったら即ZZR1400を売却することを決意した。
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バイク王買い取りはクーリングオフ可能
当然っちゃ当然だけど下記二つの条件を満たせばバイク王の買い取りをキャンセルできる。
・自宅や会社(店舗以外)での出張査定、買取の場合。
・買取契約から契約日を含めて8日以内である事。
バイク王の勢いに飲まれて売って後悔しても8日以内なら完全に取り消せるから気にしないで良い。俺はクーリングオフしない。
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