Galaxyといえば世界で最も売れているスマホシリーズであり、全方位型の数少ない6.1インチコンパクトハイエンドなAndroidでもある。
その貴重なサイズ感を求めて俺はGalaxyシリーズをメインスマホとして利用するようになったんだけど、そのシリーズも遂に15作目となるGalaxy S24が発売されたからレビューする。
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Galaxy S24の特徴
さてまずはGalaxy S24の特徴なんだけどこれが驚くほどGalaxy S23と変わっていない。具体的には下記で、
- 最高性能(Snapdragon8gen3)
- 最高ディスプレイ
- 最高カメラ(超広角、標準、3倍望遠)
- 付加価値もりもり(防水防塵無線充電逆無線充電)
- その他独自機能多数(デュアルオーディオ、DeX)
- 抜群に安定するOS
- 軽量コンパクトなボディ
Galaxy S23からの変更点は唯一CPU性能の世代が更新されて使い道のない処理能力が向上したのみ。これは最近のスマホ全てに言えることだけどもはやネタ切れ。
この感じが続くのはレビュワーとしても苦しいから何とかしてほしい所。
Galaxy S24の詳細なスペック
Galaxy S24の詳細なスペックは下記。参考にライバル機のiPhone 15 Proと比較する。
Galaxy S24 | iPhone 15 Pro | |
ディスプレイ | 6.2(120Hz有機EL) | 6.1(120Hz有機EL) |
解像度 | 2340x1080 | 2556x1179 |
CPU | Snapdragon 8 Gen 3 | A17 Pro |
メモリ | 8 | - |
ストレージ | 256 | 128/256/512/1T |
バッテリー | 4000 | - |
セキュリティ | 指紋/顔 | 顔 |
おサイフ | 〇 | 〇 |
防水 | IP68 | IP68 |
デュアルSIM | 〇(eSIM) | 〇(eSIM) |
重量 | 167 | 187 |
サイズ | 70x147x7.6 | 70x146x8.2 |
価格(税込) | 127400 | 159,800 |
性能はiPhoneに遜色ないのに価格は127,400円と圧倒的に安いのがGalaxy S24の魅力。その分ブランド力は低くリセールも悪い。
とはいえ不満の無い性能と付加価値で、物価高が続く今のスマホ市場の中ではかなり頑張っている価格だと思う。
Antutuベンチマーク172万点
Galaxy S24のAntutu v10のベンチマークスコアは172万点だった。過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- Galaxy S24 1724895(Snapdragon 8 Gen 3)
- iPhone 15 Pro 1599710(A17 Pro)
- iPhone 14 Pro 1434765(A16)
- Galaxy S23 1422544(Snapdragon 8 Gen 2)
- Pixel 7 Pro 880323(Tensor G2)
- Xiaomi 13T 876047(Dimensity 8200-Ultra)
しかも熱にも強く2回計測しても性能は落ちなかった。
Galaxy S24は21時間20分バッテリー
Galaxy S24をPC Mark for Androidでバッテリー計測した結果、100%から20%になるまでかかった時間は17時間4分だった(輝度110ルクス音量50%60Hzの計測結果)。つまり0%までは21時間20分使える計算になる。
過去のガジェマガの計測結果と比較すると下記。
- Galaxy S24 17時間4分(60Hz)
- Zenfone 9 15時間48分(60Hz)
- Nothing Phone 15時間27分
- Xiaomi 13T 15時間7分
- Pixel 7 Pro 15時間(60Hz)
- Pixel 6a 14時間57分
- Pixel 7a 14時間48分
- Galaxy S23 14時間35分(60Hz)
- Zenfone 7 Pro 14時間31分(90Hz)
- Galaxy S24 14時間10分(120Hz)
- AQUOS sense8 14時間10分
- Xiaomi Pad 5 14時間6分(120Hz)
- Xiaomi 13T 12時間31分(144Hz)
- iPhone 13 Pro 12時間1分(120Hz)
- Nothing Phone 11時間59分(120Hz)
- iPhone 14 Pro 11時間30分(120Hz)
- Mate 20 Pro 11時間21分
- Mi 11 Lite 5G 11時間19分(90Hz)← 1日使えるライン
- Galaxy S20 10時間44分
- Find X3 Pro 10時間31分(120Hz)
- Galaxy Note20 Ultra 9時間35分
- iPhone12 8時間13分
たったの4000mAhで21時間はにわかには信じがたいバッテリー持ち。とはいえ3か月使用した実感として、確かに充電回数が減った気はする。
つまりSnapdragon 8 Gen 2以降の進化は感動的。あとはこの性能を有効活用できるアプリの登場に期待したい。
Galaxy S24は4000mAh/167g
この圧倒的なバッテリー持ちをGalaxy S24はたったの4000mAhのバッテリーで実現している。
このお陰で重量は保護フィルムをつけても169グラムと驚くほどに軽い。というのも同じサイズのiPhone 15 Proはチタニウムモデルでも187gなんだ。Galaxy S24は軽すぎてビビる。
Galaxy S24の完成された外観
今回俺は公式でも一押しされていた黄色を購入した。実際に見ると思っている以上に控え目な黄色で肌色に近い。
そのデザインはGalaxy S23と全く同じ。
地味に縦に1㎜伸びていたりライトの位置が下がっていたりの細かな違いは一応あるにはあるけど同じ。
カメラ性能も同じで数値上の進化が無いのが残念だった。
一方側面は素材をチタンに変更。(訂正)無印モデルはアルミのままでした。
なんとなく高級感が出たような出てないような気はするけど、せっかくチタン素材になったのにGalaxy S23と重量が変わっていないのも萎える。
インターフェースも今まで通りで特筆すべき点は無し。
SIMカードも引き続き物理×1とeSIMのデュアル使用だった。
ディスプレイはスマホ市場最高クラス
正面に広がる6.1インチディスプレイは相変わらずスマホ市場トップクラスの美麗さで不満は無し。
色味はiPhoneが若干黄色っぽいのに対してGalaxyシリーズは青寄り。
俺はGalaxyシリーズの色味が好み。
指紋センサーは抜群の精度
画面内下部には引き続き画面内指紋センサーを搭載。
精度、速度ともに非常によく不満が無い。
スピーカー音質はiPhone 15 Pro並
スピーカーは下部と受話口のデュアル仕様。
音質はiPhone 15 Pro > Galaxy S24 > Galaxy S23と言う感じで、Galaxy S23より音の広がりを感じる一方iPhone 15 Proより低音が薄い。いずれにせよ十分な音質ではあるから気にするほどではない。
無線充電、逆無線充電にも対応
これもシリーズおなじみではあるけどGalaxy S24も引き続き無線充電と逆無線充電に対応する。
イヤホンとかを充電できる逆無線充電も地味にありがたい。
充電速度は最大45W
一方有線での充電は25Wと早くも遅くもない。
一応PPS対応品を充電器を買えば45Wでの給電も可能。充電速度に拘りたい人はPPS対応充電器を選択したい。
Galaxy S24のカメラ画質
Galaxy S24のカメラ構成はGalaxy S23と全く同じで下記。
- 3倍望遠
- 標準
- 超広角
今回は遂に俺のPixel 7 Proが水没でぶっ壊れたからライバル機となるiPhone 15 Proと比較する。比較写真は構えて撮影するだけのjpeg撮って出し。いかに手軽に綺麗な写真が撮影できるかを競う。
標準カメラ晴天写真比較
晴天写真。今回のGalaxyは意外と味付けが控え目で自然な青さ。一方iPhone 15 Proは若干暗くどんよりした空に見える。
明暗差の大きな写真。Galaxy S24はコントラスト高め。iPhone 15 Proの方が影部分が明瞭で見やすい写真に仕上がった。
緑の写真。やっぱりGalaxy S24の方が着色が強い。iPhone 15 Proは謎にコントラストが高く見づらい写真に仕上げた。
標準カメラ夜景写真比較
夜空の写真。iPhone 15 Proのレベルが高くてビビる。Galaxy S24は相変わらず明るすぎのメリハリ無さすぎ。
繁華街の写真。Galaxy S24はアンダー寄り。iPhone 15 Proは露出のバランスもちょうどいい。
超低照度のナイトモード撮影。色味が違う程度。
超広角カメラ晴天写真比較
Galaxy S24の青の着色が気持ちいい。iPhone 15 Proも超広角は自然な明るさ、発色で悪くない。但しGalaxy S24はiPhoneより画角が狭いのに歪みが大きい。
明暗差の大きい写真。やっぱりGalaxy S24は暗部の描写に弱い。
緑の写真。これはGalaxyの勝利。iPhone 15 Proは気がやたら暗い。緑に元気がない。
超広角カメラ夜景写真比較
夜空の写真。iPhone 15 Proはぎりぎり耐えた。というか明確にカメラが進化してる感じがする。Galaxy S24は全然ダメ。
繁華街の写真。Galaxy S24が若干アンダー寄りだけどどっちもあり。
超低照度撮影のナイトモード。Galaxy S24は明瞭度が低い。iPhone 15 Proは細部まで描写した。
望遠カメラ比較
iPhone 15 Proの方が明らかに解像感が高い。
Galaxy S24の夜景望遠はゴミ。
露出のバランスは良いけど一目でわかるほど解像感が違う。
【カメラ総評】フラッグシップの割に微妙
Galaxy S24のカメラは悪くはないけどよくもないという感じ。後発なのにライバル機のiPhone 15 Proに完敗しているのは悲しいしもっと頑張ってほしい。
もちろん昼間の写真は悪くない。明るい環境だけなら何の不満も無い。
但しガジェマガでは何度も言っているけど条件が良い環境での撮影は稀なんだ。多くの写真は室内だったり夕方だったり夜だったりの悪条件を強いられる。
そこが信用できないのはデジカメ代わりに使いたいスマホとしては物足りないという感じ。
とはいえこれはiPhone 15 Proと比較した場合であって、スマホ全体で見れば70点程度の出来で一応合格。けして悪くはない。ただAndroidのフラッグシップだと思ってカメラに期待するとがっかりする仕上がりでもある。
Galaxy S25ではカメラの大幅な改善に期待したい。
Galaxy S24の動画は思っているより良い
写真が惜しい一方で動画性能は思っている以上に良い。手振れ補正もiPhone 15 Proに肉薄しているし画質も鮮明。
但し後半の繁華街シーンはやっぱり暗すぎた。iPhone 15 Proは見やすい画作りへの拘りが凄い。
Galaxy S24はAI対応が売り
Galaxy S24はAIに対応したことをアピールポイントとして打ち出してはいるんだけど別になんてことはない。今までの機能にAIと名付けた程度の物でしかない。
できる事は大きく下記。
- 写真の加工
- 電話の翻訳
- 囲って検索
- ボイスレコーダーの文字起こし
全てどこかで見たような機能だし、それほど使う機会もない。
しいて言うならボイスレコーダーの自動文字起こしを要約してくれる機能はスムーズでたまに使うとありがたい。かも。という程度。
Galaxy S24を使わずともChatGPTを使えば普通に実現できると思う。しかもこのAI機能はGalaxy S23もアップデートで対応する。
Galaxy S24は付加価値ももりもりに搭載
さてGalaxy S24が時代の先端を走りその時々の最高の技術で作られているというのはGalaxy S23と同じ。つまりその時々のスマホに搭載できる付加価値ももりもりに詰まれていてそれが下記。
- IP68防水防塵
- オサイフ
- 無線充電/逆無線充電
- デュアルアプリ
- デュアルオーディオ
- DeX
デュアルアプリ機能はおなじみのLINEアカウントを複製できる機能で、Galaxy、Xiaomi、OPPO、Zenfone等多くのスマホが対応している上に
非対応のPixelとかAQUOS senseでも「Island」アプリをインストールすれば対応可能。詳細はデュアルアプリ記事を参考にしてほしい。
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デュアルオーディオで音を同時出力できる
更にGalaxy S24は2つのイヤホンに同時に音を出力できるデュアルオーディオ機能や、
DeXは面白いけど使い道は無い
ディスプレイに接続すればChromebookのように使用できるDex機能を搭載する。
このDeXは思っている以上によくできていて2画面分割でのマルチタスクも可能。
とはいえディスプレイだけが都合よく置かれているシチュエーションなんてこの世にはなく、Dexの為にモバイルディスプレイを持ち運ぶくらいならタブレットかノートパソコンを持ち運んだ方が100倍マシ。ということで使いどころが全く見当たらない。
しいていうならテレビにつないでNetflixを1.5倍速で再生できる程度だけどそれもパソコンをつないだ方が早いしやっぱり謎。
夢はあるけど夢しかないのが現状。
Galaxy S24は薄くて軽くて持ちやすい
さてカメラ画質に関しては全面的にiPhone 15 Proに敗北したGalaxy S24だけど、その最大の理由はGalaxy S23からカメラユニットが全く進化していないことで、逆に言うとその分Galaxy S24はカメラ部が超薄かったりもする。実際にiPhone 15 Proと比較するとこんな感じ。
本体が薄いだけでなくカメラ部もしっかり薄い。お陰でGalaxy S24はポケットの中で全然引っかからなかったりする。しかもiPhone 15 Proより20gも軽いときた。
些細な事のように思えるけど一日に何度もポケットから取り出すスマホの取り回しとしては結構重要。使うほどに使いやすさを実感するからこれでカメラ画質が良ければどんなによかったことかと悔やまれる。
Galaxy S24は市場の停滞を象徴するスマホ
Galaxy S24はカメラ以外は完璧だしカメラもけして悪くはない。しかもコンパクトで付加価値全部入り。それで12万円。コスパも良い。総合的に見て最もおすすめできる最高ランクのAndroidスマホではある。
とはいえGalaxy S23から買い替えて便利になりますか?と問われるとなにも変わらないのが正直なところ。一応処理能力とかバッテリー持ちは向上はするけど、体感できるか、便利になるかといえば微妙。そのために12万払うくらいなら他に金使った方がマシ。それぐらい変わり映えしない。
スマホは高性能のジレンマに陥った
という感じでGalaxy S24に限らず今のスマホは高性能のジレンマに陥ってる。
性能は高い。人類の英知の結晶。無茶苦茶良いデバイスなのは間違いない。但し生活はなにも変わらない。
この性能を活かせるアプリが無い。このバッテリー持ちを活かせるシチュエーションが無い。でもメーカーは新作を出さざるを得ない。でもユーザーには買い替える理由がない。
この傾向が2024年になって顕著になった。もはや喜んでるのはスマホレビュアーだけ。一般人にとっては何も進化していないといってもいい。
そして俺はGalaxy S23からGalaxy S24に買い替えた結果、何も変わらなかった。
Snapdragon 8 Gen 1以前からの買い替えはお勧め
もちろんこの性能で12万円はかなり頑張ってる。Galaxy S24のコスパは間違いなく良い。
だからハイエンドにデビューしたい人、Snapdragon 8 Gen 1以下のスマホを使っている人なら買い替えはあり。明確にバッテリー持ちが改善してストレスが消える。生活が変わる。
Snapdragon 8 Gen 2ユーザーは待機
一方Snapdragon 8 Gen 2搭載スマホを使っている人は明確な理由がない限り買い替えは不要。もしかしたら2025年以降も買い替えなくていいかもしれない。
遂にスマホは暗黒期に入った。Galaxy S24はそれを象徴するスマホになった。
【10月追記】Galaxy S24をメインスマホ化
その後Galaxy S24を一ヵ月使用して
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Pixel 9 Proに乗り換えたあとにまたGalaxy S24に戻したから参考にしてほしい。
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12月8日追記:現在ドコモで5万円引きセール中
12月からドコモが2年返却なら5万円引きで実質負担額43,967になるセール中です。更に他社から乗り換えであれば22,000円引きも入ります。
来年1月のGalaxy S25発表前の処分価格かと思いますが、この価格でGalaxy S24が手に入るのは非常にお買い得なのでお勧めです。