2年ぶりに新型のGoProであるGoPro11を購入した。俺が今までメインで使っていたのは9で、10は違いが無さ過ぎたからスルーしていたんだけど、GoPro 11はボディこそ変わらないものの色々変わってるっぽい。
ということで色々検証したからGoPro11はありなのかなしなのか、9から買い替える価値があるのかを判断したい。
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一般人はGoProよりスマホがいい
そもそもこの記事にたどり着いている人は何らかの理由でGoProが必要になっている人だと思うから解説するまでもない気はするんだけど、GoProはあくまでもアクションを撮影するための動画専用ガジェットだから一般人には無用の長物。
日常で使う分にはiPhoneシリーズのカメラなら十分すぎるし、Androidでも余裕。
そんな中でも俺がGoProを使い続ける理由は下記。
- スマホより小型だからヘルメットへの取り付けも可能
- スマホより丈夫で雑に扱える
- スマホと違って通知が来ず、動画撮影に専念できる
- GoProならスマホで調べ物をしながらの撮影も可能
- 圧倒的な画角と手振れ補正
これを見てもわかる通りGoProはアクション寄りの長尺動画を撮る人のためのカメラなんだ。その小さなサイズ感と丈夫さからモトブログとかVlogに向いてる。
iPhoneでも十分すぎるほど綺麗
逆に手振れ補正と画角、画質は最近のiPhoneもGoProほどではないにせよ超絶レベルが高い。
iPhoneでも十分なクオリティの動画が撮れるから軽い動画撮影ならiPhoneでいい。というかiPhoneの画質は必要十分をはるかに超えてる。
ただ、iPhoneだと撮影中はiPhoneを撮影以外で使用できないのがネック。そこで動画撮影用カメラの検討が始まる。その中でアクションに特化したのがアクションカメラであるGoProという流れ。
GoPro 11の進化点
さて話はGoProに戻る。今回のGoProの進化点は主に下記。
- 手振れ補正向上
- バッテリー持ち向上
- 水平維持が360°に対応(リニアのみ)
- 最高画角HyperViewを追加(5.3K30fps、24fps/4K60fpsのみ)
- 8:7動画の撮影に対応
- 背面のタッチ感度向上
GoPro11は10と違ってセンサーを一新し8:7の動画を撮影できるようになったのが最大の特徴らしい。TikTokとかInstagramとかの縦長動画を横持ちのまま撮影できる。
一方ボディのサイズは全く変わらず、外観は刻印以外は完全に一致。
その分外部アクセサリーのMediaModもそのまま活用できるのが嬉しい。
9と比べると背面のタッチ感度は圧倒的で、11はまるでスマホを触っているかのようにぬるぬると操作できるようになった。
9で一端の完成を見たGoProが11でどこまで進化しているのかが注目点。
GoProは16:9、2K、超広角を使う
ところでGoProは今回から8:7の新型センサーを搭載したことで現在GoProで撮影できる画面比率、画角、解像度はこんなにもある。太字がGoPro11の新機能。
比率 | 画角 | 解像度 |
16:9 | HyperView | 5.3K |
3:4 | SuperView | 4K |
8:7 | 広角 | 2.7K |
リニア | 2K |
こんなにあったらもうパニックになっちまうぜ。って言いたい気持ちわかるからシンプルなガイドラインを示す。GoProで最も使われる設定は下記の赤字。
比率 | 画角 | 解像度 |
16:9 | HyperView | 5.3K |
3:4 | SuperView | 4K |
8:7 | 広角 | 2.7K |
リニア | 2K |
なぜならYoutubeが金になるから。主な動画を撮影する目的は思い出か金になる。だから画面比率はYoutubeが推奨する16:9で、解像度は4Kだと4倍のデータ量で扱いにくく、再生デバイスも乏しいから2K。
そして画角は最も広いSuperViewまたは新たに追加されたHyperViewのいずれか。なぜならアクションカメラだから。GoProの画質はお世辞にも綺麗とは言えない。それでもこれだけ使われるのは画角が圧倒的に広いからなんだ。だからクソ画質で狭い広角とかリニアは用なし。
つまり繰り返しになるけど16:9、2K、超広角以外の設定に用はない。世の中はシンプルに考えればOK。安心してGoProデビューを果たしてほしい。
GoPro11の9からの映像進化点
茶番は終わり。GoProは動画を撮影するガジェットだから動画撮影以外の機能なんてどうでもいい。それよりもどれだけ美しく、どれだけ手振れしない映像を撮影できるかが命でありGoProの存在意義。
ということで禍々しいマウントを自作して9と11の撮影テストをしまくってきたから、その動画を見ながら進化点を解説していく。
GoPro11は手振れ補正が大幅強化
GoProは9の段階で既に圧倒的な手振れ補正を実現していて「まるでジンバル」というキャッチフレーズで売っていたんだけど、11は得意の手振れ補正を更に強化していて明確に違う。
各所で走ってる際の手振れが全然違うし、
階段を下りているときの手振れ補正も滑らか。
9でも十分すごすぎるんだけど11はそれを上回った。揺れが激しいアクションを撮影する人はこれだけで11を買う価値はある。 逆に徒歩かモトブログでしか使わない人は違いを感じられない。
GoPro 11は360°水平維持に対応(リニアのみ)
上でも書いた通りだけどGoPro11は単独での360°水平維持に対応した。とはいえ使える画角は最も狭いリニアのみ。GoProのクソ画質でリニアを使う人はこの世に一人もいない(例外はない)。だからこんな機能は何の意味もない。
GoPro11は4K60fpsに対応
GoProは10から4K60FPSでの撮影に対応する。一方9は4K30FPSのみ。60FPSで撮影できるに越したことはないからこの機能は嬉しい。が、4Kはデータ量が重すぎ。明確に画質が良くなるとかのメリットがない限りはできる限り使いたくない解像度でもある。
GoPro11はHyperView画角に対応
GoPro11は新たな超広角画角であるHyperViewに対応した。画角は12ミリ相当で、10までのSuperViewの16ミリ相当よりも更に広い。
ここまで広くする必要があるのかは使ってみないとなんとも言えないけど、広いに越したことはないと信じてる。ただ、HyperViewは5.3Kまたは4Kにしか対応しておらずデータ量が膨大。
できれば4K撮影は使いたくない。悩む。
GoPro 11はわずかに画質が向上
GoPro11はセンサーを一新したこともあって一応わずかに画質が向上してはいるんだけど、それを実際に確認するのは難しい。
そもそも画角が広いから細部が気にならないのと、本当にほんの少ししか変わってない。ぱっと見の印象は同じ。
あと色と明度の調整も若干違うんだけど、本当にちょっと。
見比べないと気づけない変化しかない。同じと言ってしまっていいレベル。
GoPro11は夜間の手振れ補正向上、にじみが減少
GoProは夜間の手振れ補正が苦手で、残像が出たり光源がにじんだりしてしまうんだけど、GoPro11は全体的な夜間撮影の画質が向上。
明らかににじみと残像が減っていて低照度環境でもしっかり見れる映像に仕上げてくれるようになった。夜間撮影や暗い環境での撮影が多い人はGoPro11に買い替える価値はあるほどの違いだった。
特に4KHyperView使用時は圧倒的に滑らか。ただ、4K撮影はデータ量が半端ないからマジで勘弁してほしい。
一方GoPro9の4K夜間撮影は見てられないほどボロボロ。この辺りは世代による処理能力の差が出ている気がする。
GoPro11はノイズが若干減少?
GoProは9以降10、11と画質はほぼ変わらないものの暗所でのノイズ量が減っているという話を聞いていたんだけど、目視はほぼ不可能というか誤差。
寧ろGoPro11はアンダー気味でGoPro9より夜間の動画が見難い。もう少し明るく調整してほしい。
GoPro 11は起動速度が1秒高速化
GoPro11は9と比べて約1秒撮影開始までの速度が上がっていた。2秒も3秒も変わんないっしょって思うかもしれないけどシャッターチャンスは待ってくれないから早いに越したことはない。
これはいい進化。
GoPro11は38分で熱暴走
GoProは熱に弱く、撮影中に熱暴走で止まることでも有名なんだけど、GoPro11がオーバーヒートするまでの時間は38分57秒だった。これはマジでうんこ。しかも1080P60FPSなのにも関わらず。
一方GoPro9は50分経っても止まることはなく、俺も今まで使っていてGoPro9が熱暴走した記憶がない。
これはGoProお得意の発売初期バグで、発売直後のGoProはとにかく不安定でバグが多いことが有名。GoPro11は圧倒的に熱暴走が早いバグを引っ提げてきた。
で、しばらくするとアプデで修正されるのも恒例。ユーザーをテスターにするGoProのクソ戦略は11も健在だった。
GoPro11はHyperViewが最大の魅力
GoPro 11は一応それなりの進化はしていた。特に4K60FPSHyperView夜間撮影での圧倒的な画角と手振れ補正は素晴らしい。できればこの機能使いたいと思った。
ただ、4Kでしか撮影できない制限が重くのしかかる。データ量が重すぎる。そこまでしてHyperViewで撮影する価値があるのかは不明。
基本的な使用感は9と同じ
逆に基本的な使用感はほぼ9と同じだった。16:9、1080P、SuperViewで撮影する限りは色合い、明るさ調整、手振れ補正は9と11でほぼ同じ。
確かに11の手振れ補正はよくなってはいるんだけど、その手振れ補正の恩恵を受けられるほどのアクションを撮影する人は少数派。歩き撮影する限り手振れ精度の違いはほぼ感じられない。
熱暴走は修正待ち
あとは恒例だけどGoPro11は熱暴走がゴミすぎ。1080Pですら40分だと4Kなんて使い物にならない。どうせこの熱問題はいずれ修正されるんだろうけど、現状はオーバーヒートが早いしバッテリー消費も大きい。
毎回こんな状態で発売して消費者の信頼を裏切るGoProの神経を疑う。
9でいい。11はプロ向け
総括としてGoPro11は確かに魅力的な進化はしてる。HyperViewも4K60FPSも手振れ補正も使いたい。ただ、4Kというデータ量が痛すぎて悩む。
GoPro 11はクリエイター向け
ということで買い替える価値はあるんだけどプロ向け。微細なクオリティアップのためならデータ量は問わない。拘りの映像を俺は撮る。という海賊王のような映像クリエイターなら買うのはあり。
GoPro9はライト向け
ただ、単純に記録撮影として使いたいとか、手持ちでブレずポケットにも入る手軽さに魅力を感じている人は9でいい。記録撮影として使う限りは映像も手振れ補正もほぼ同じ。
9は8からは大幅に画質が上がってるし熱にも強いしフロントディスプレイもあるしでアクションカメラとしては完成形。8以下を買うより9だし、11と比べても9はあり。
Osmo Action 3でいいかも
ただ、今現在はGoPro11が新品62000円、GoPro9も中古価格5万円と相場が全然落ちてないどころか上がってて超高い。GoPro9でいいかもってレベルじゃない。全部高すぎ。
ということでアクションカメラを買うなら発売したてのOsmo Action 3でいいかも。新品47,300円と安いし(⇒ Osmo Action 3)
Osmo Action 3は画質が微妙
ただ、Youtubeで見る限りOsmo Action 3は色合いが悪く繊細さでも劣っていて微妙。GoProはバグが多くて高いけど出てくる映像は素晴らしくて、そこだけは信頼できるのが悔しい。
ということで個人的には映像が綺麗で安定するGoProをおすすめしたい。
GoProは相場が上がりすぎ
ただ、繰り返しになるけどGoPro9は生産終了で中古価格が5万円、GoPro10は新品55,000円でがんじがらめ。55,000円も出すなら62,000円でGoPro11を買った方がマシな気もする。でもGoPro11は熱暴走がクソ。Osmo Action 3は映像が微妙。
ということで解無し。俺はGoPro11の熱暴走が修正されるのを待ってGoPro9を手放す予定。アクションカメラ業界はまだまだガバガバ。iPhoneで動画を極めてるAppleに参入してもらってアクションカメラ市場を荒らしてほしい。