「ガジェマガさんはいつもスマホの商品写真が超綺麗ですね」というコメントは今まで一度も寄せられたことは無いんだけど、俺は自分の商品写真がスマホ界隈ブログで最も綺麗だと自負している。
今回はまだ誰にも聞かれていないガジェマガ流の商品写真の撮り方を聞かれる前に解説する。できる男は予期して動く。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
ブログは写真が超重要
文章が主体のブログはライバルとの差別化が難しい。そんなブログがライバルと差別化できる数少ないポイントが写真なんだ。差別化しにくい文字と違って写真は撮影者の趣向と拘りがそのまま出る。
流し見される文章と違って良い写真には感動があるから読者の手を止める。写真が良ければ読者もストレスなく読み進められるし、写真の傾向が一貫していれば読者にブログを覚えてもらいやすくなる。本気で商品を紹介したいのであれば写真に拘って損はない。
写真撮影の知識は永遠に活きる
また、写真撮影の基礎が身に付けば日常でも撮りたい写真を撮影する方法がわかるから活きる。特にカメラなんて一度購入してしまえば半永久的に使い続けられるものでもあるから、早めにノウハウを身に着けておくのがおすすめ。
ちなみにガジェマガは写真のクオリティに拘るためにカメラをα7Riiに変えてから成功した。カメラの性能が良くなったからというのもあるとは思うけど、それよりも今までとは金額の桁が違うカメラを買うことで商品写真に本気になったことが大きい。
綺麗な商品写真の撮影に必要な道具
俺が商品写真の撮影で使っている機材は下記3点
- 撮影台(FlexiSpot電動昇降デスク)
- カメラ(α7Rii)
- 撮影ライト(Neewer)
撮影台とカメラは必須。俺の場合はFlexiSpotの電動昇降デスクの天板白をそのまま撮影台にしている。
背景が入る場合はレースカーテンをバックにして商品以外の情報をなるべく少なくしている。
撮影ライトは窓際とかの自然光が多い環境ならなくてもOK。それでも夕方とか比較的暗い時間帯に撮影する時にはあると助かる。
綺麗な商品写真を撮影する流れ
商品写真作成の流れは下記。
- ライトの色を調整する
- RAW形式で撮影する
- Lightroomで加工する
ライトの色を調整する
写真を撮影する際はまずライトの色味を調整する。普通に生活していると気づきにくいけど、自然光が全体的に青白いのに対して、家庭用ライトは白黄っぽい傾向にある。この色味を合わせないと2色のライトが混在する気持ち悪い写真に仕上がる。
例えば下の写真は外からの青白い自然光と中からの黄色味の強いライトが混在している状況。上の方が青白く下の方が黄色く写っている。
これを避けるためには室内ライトをオフにするか、室内ライトを調色可能なものにして、外の色と合わせる必要がある。
俺が現在使っているNeewerの撮影ライトは色味を黄色から青まで無段階で調整できるから、最初に外の色に光の色を合わせている。
RAW形式で撮影する
写真の撮影はJPEGではなくRAW(生データ)で保存する。JPEG形式はカメラが明るさとか色合いを自動で調整し終わったデータでそれ以上の調整が効かない。
RAWデータならイチから色合いとか明るさを調整できるから加工の範囲が幅広い。少しでも写真のクオリティを上げたいならRAW形式で撮影しよう。
Lightroomで加工する
撮影したRAW形式の写真はLightroomを使って加工する。LightroomはRAW形式の写真ファイルを加工する超有名アプリ。プロの写真家はみんな使ってる。約一万円だけど一度購入すれば一生使えるから買ったほうがいい。
Lightroomを使った写真の加工例は下記(上が加工前、下が加工後)
加工した項目は
- 明るさ+
- コントラスト-
- ハイライト-
- シャープ+
- ノイズ-
- スポット修正
加工後の方がより明るく見やすくカリっとシャープでガジェット感が強く好印象に見える。更に本体に付着していた細かな埃をスポット修正で全て消すことで清潔な印象になった。細かな違いではあるけど神は細部に宿る。
商品写真を綺麗に撮影するコツ
好印象な商品写真を撮るコツは下記。
- 焦点距離は70ミリ~80ミリ
- カメラの明るさ設定を気持ちよりも3段階上げる
- 撮影ライトは天井に向ける
- F値は8から11を使う
焦点距離は70ミリ~80ミリ
最も簡単に素人写真を脱却できる項目がこれ。スマホの写真に圧倒的素人感を感じるのは焦点距離が27ミリで商品が歪みまくってるからなんだ。27ミリで撮影した写真例がこちら。
それに対して70ミリから80ミリはほぼ歪みのない実物通りの形に近い写真が撮れるから素人感が消える。
俺は普段α7Riiのキットレンズを使っているからスマホの写真は全て最大限の焦点距離である70ミリで撮影している。
カメラの明るさを気持ちよりも3段階上げる
商品写真として掲載するのであれば明るすぎるほど明るい方が良い。カメラの明るさ設定は肉眼で見た印象に近いように作られているんだけど商品写真としては暗すぎる。
RAW形式なら後からLightroomで明るさを上げられるからある程度暗くてもなんとかなるんだけど画質に影響する。できる限り高画質で明るい写真を撮影するために最初からカメラの明るさ設定を上げておこう。
目安としては自分の感覚よりも3段階上げる、明るすぎるぐらいに目いっぱい明るさを上げて撮影するとうまくいきやすい。
撮影ライトは天井に向ける
明るい撮影ライトは商品に直接あてると対角線上に影が落ちて印象が悪い。例えばこの写真は上方向から光を当てているから下方向に影ができてしまっている。
これを防ぐために、撮影ライトは商品ではなく天井にあてる。
天井にあてれば光が全体に拡散して商品に影が落ちない。
F値は8から11を常用。最大でも16で抑える
レンズの絞り値であるF値はレンズの特性上を最も画質が良いF8からF11を使う。背景ボケを減らしたい場合も16を最大として、それ以上のF値は使わない。低いF値は意図的に背景をぼかしたい時にだけ使う。F値がわからない人はカメラを勉強する。
フルサイズ一眼レフカメラが優れる理由
フルサイズ一眼レフカメラは暗所に強い
俺がα7Riiを選択した理由はISO3200を常用できるからなんだ。
カメラに疎い人には意味不明だと思うけど、カメラはレンズから光を取り込んで写真を作る。取り込める光が少ないと当然暗い写真に仕上がるんだけど、カメラ内で光を増幅することで肉眼で見るより明るい写真の撮影を実現している。カメラ内での光の増幅の調整をISO感度という。
ISO感度は100を基準として、200、400、800、1600、3200、6400・・・と調整できるんだけど、光を増幅すればするほど明るく撮影できる代わりにノイズが増える。
実際にAPSC一眼のK-5でISO6400で撮影した写真がこちら。
全体がノイズだらけでざらついている。
次にフルサイズ一眼のα7Riiで全く同じ設定で撮影した写真がこちら。
ノイズ以前の問題な気もするけど、フルサイズ一眼はISO6400でもノイズが少なくクリアな印象で撮影できる。
フルサイズ一眼なら更に明るく撮影できる
フルサイズ一眼レフカメラは値段が高いだけあってISO感度のキャパが高い。フルサイズ一眼ならAPSC一眼よりも暗い環境をより鮮明に少ないノイズで撮影できる。
フルサイズ一眼は手振れしにくい
APSC一眼のISO感度は1600が限界だと感じているんだけど、フルサイズ一眼ならISO6400まで耐えられると感じていて、これはつまり同じ明るさの写真を撮影するにもシャッター速度を4倍まで高められるということになる。
手振れとの戦いになる手持ち撮影においてシャッター速度4倍の差は大きすぎる。
フルサイズ一眼なら楽に綺麗な写真が撮れる
繰り返しになるけどガジェマガはフルサイズ一眼に切り替えてから成功した。良い写真にはそれなりの説得力が生まれる。
良い写真を撮りたいなら高いけど頑張ってフルサイズ一眼レフカメラを買った方が良い。頑張ればAPSCのエントリー一眼とか最悪スマホでも綺麗な写真が撮れなくも無いけど、それだと同じ写真を撮るための難易度は跳ね上がる。
本気で商品写真を撮影したいのであればフルサイズ一眼レフカメラを購入した方が早い。
商品写真を綺麗に撮影する方法まとめ
改めて商品写真を綺麗に撮影する方法をまとめると下記。
必要な道具
- 撮影台(FlexiSpot電動昇降デスク)
- カメラ(α7Rii)
- 撮影ライト(Neewer)
撮影の流れ
- ライトの色を調整する
- RAW形式で撮影する
- Lightroomで加工する
綺麗に撮影するコツ
- 焦点距離は70ミリ~80ミリ
- カメラの明るさ設定を気持ちよりも3段階上げる
- 撮影ライトは天井に向ける
- F値は8から11を使う
フルサイズ一眼レフを買うべき理由
カメラ関係の機材は高いものが多くて躊躇する気持ちは凄くわかるんだけど、安い機材であれこれ工夫するよりも、頑張って高い機材を一度買った方が圧倒的に得られるクオリティは高いし早い。
しかもカメラ系の機材はその全てが資産になる。レンズもカメラも一度購入してしまえばメンテナンスフリーで半永久的に使えるし、いらなくなれば売却すればいいだけ。
エントリー一眼もフルサイズ一眼も実質同額
5万円のエントリー一眼を売却しても二束三文だけど、俺のα7Riiはいまだに14万円で売却できる。購入価格が約20万円だったことを思えば、エントリー一眼を買ってもフルサイズ一眼を買っても損失額は大きく変わらない。
同じ損失額なら20万円のフルサイズ一眼を買った方が撮影できる写真のクオリティは高い。大変なのは最初だけ。俺はもっと早くα7Riiを購入しておけばよかったと後悔している。
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