書籍出版の依頼が来てからいつの間にか半年以上が経過して、いよいよ本日「ムダの省き方」が発売されることになった。今日まで半信半疑ではあったんだけど本当に発売されて一安心。
当の俺は今後Amazonレビューで書籍の評価がどう転ぶかヒヤヒヤしてるけど、とはいえもう書いてしまったものは仕方ないから最悪印税が貰えればそれでいいやと若干開き直りつつある。
ただ、出版は俺にとっても人生初の貴重な体験だから、出版までの流れとか、書いた感想とかの裏話を宣伝も兼ねてまとめる。買ってくださいお願いします。
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Youtuberは本出しまくり
ところでなんでお前が本を出すんだよそもそも本読まないんじゃなかったのかと言われるとその通りで、俺は本を読まないし書きたいと思ったこともない。
しかもこれは俺に限らずで、娯楽が増えたことで本を読む人は年々減り続けていて、今の出版業界はかなりの右肩下がりで下火。昔は年何冊もあった100万部超えのベストセラーも今は1冊出るか出ないかという状況らしい。
本を出しても出しても売れないから現状は著者の知名度に頼っている状態で、そこでここ最近選ばれているのが話題のYoutuber達なんだ。
Youtuberの本はある程度は売れる
ある程度のチャンネル登録数があるYoutuberなら既にファンがついているから、本を出せば一定の売り上げは見込める。
実際俺に出版依頼をくれたKADOKAWAさんは最近多くのYoutuberに声をかけて本を出版しまくっていて、そんな中ライフハックジャンルで空いていた席に生活改善情報を発信していた俺が選ばれたという流れ。
趣味で始めたブログで本を出すことになるんだから人生何が起こるかわからない。
書籍出版までの流れ
書籍出版の依頼は去年の11月まで遡る。11月にブログのお問い合わせから書籍出版しませんか?という問い合わせがあったのが始まり。全体の流れは下記。
- 11月 書籍出版の問い合わせ
- 12月 書籍叩き台作成
- 1月~5月 原稿執筆
- 5月 カバーデザイン決定
- 5月 契約締結
- 6月 ゲラ確認
- 7月 出版
俺の仕事は原稿執筆がメイン
本を出版するんだから当然ではあるけど俺の仕事は原稿執筆がメイン。12月に書籍の叩き台となる全体の流れを確認してもらって、あとはその叩き台に沿ってひたすら執筆していく。
もちろん執筆以外の仕事は全てKADOKAWAのベテラン社員が対応してくれた。そら俺に出版のノウハウなんてないんだから当たり前っちゃ当たり前ではあるけど、俺の担当者は流石ベテラン社員というだけのことはある細かな気配りと対応力で、大手出版社の出世競争で勝ち上がる人材はやっぱり違うなと思わされた。
原稿チェックはZOOMでやりとり
執筆した原稿は定期的にデータでKADOKAWAに送っていて、内容を確認してもらいつつ月2回程度のZOOMで修正点とか書き方を指摘してもらって微調整していた。
俺も一応ブロガーとして文章を書き続けていたからそれなりに文章に自信はあったんだけど、出版社のプロ目線からの指摘は気付きが多くて勉強になった。
このKADOKAWAとのやり取りは全てオンラインまたは郵送で完結していて、結局KADOKAWA側の担当者とは一度も会ってない。便利な時代ではあるけど少し寂しくもある。
執筆終盤でその他雑務に対応
執筆が終盤に差し掛かる5月にカバーデザインを選んだり契約書をやり取りしたりして雑務は終了。カバーデザインも既に用意され物の中から選ぶ形で非常にスムーズだった。
俺が執筆に集中できるように雑務を5月まで寝かせておいてくれたのも流石ベテランの手腕だった。
紙ベースのゲラ確認2回で仕事は終わり
データでの執筆が5月に完了すると紙に文章が印刷されたゲラが家に送られてきて、以降はそのゲラをベースに赤えんぴつで修整する工程を2回行った。
実際に紙ベースで自分の文章を見直すとこれがなかなか酷いもんで、無駄な文章とか言い回しが多すぎたから削除しまくった。こういうのって書いてるときは無我夢中だし自分に酔うから気付けないのが怖い。やっぱり文章はしばらく寝かしてから見返さないとだめだわ。
ここまでで俺の作業は終了。あとは出版までの一ヶ月間を待つだけとなった。
書籍執筆作業は思っているより地獄
ところで書籍の執筆作業は思っているより遥かに地獄だった。
ツイッターとかで有名インフルエンサーが「本書きます!今日も本を書いてます!」みたいな感じのツイートをちょこちょこ見かけるから、本書いてるなんてすごいなー楽しそうでいいなーと思ってたけど、全然そんなことない。もう一生書きたくないというのが今の正直な気持ち。
最初は俺も毎日ブログ書いてるんだし本も余裕っしょって思ってたんだけどストレスで死んだ。ブログなら1テーマ精々5,000字程度だけど、本は1テーマを8万字だから全然違う。書いてる側も飽きるからテンションを維持し続けるのが大変だし、しかもブログと違って形に残るから気合の入り方がから違う分負担も大きい。
3月4月にブログとYoutubeを休んだのは本の執筆作業が重すぎて潰れたからというのも少なからずある。少なくとも俺にはブログ・Youtubeと並行して本を書くことはできなかった。
だから3月は現実逃避するために沖縄に旅行に行ってホテルで執筆してたし、本を書くときはストレスを減らすために外のカフェを使うことが多かったし、外で作業しやすいようにMacBook Airも購入した。
それでも当初予定していた4月執筆完了予定は一ヶ月ずれ込む結果になった。書籍の執筆はストレスとの戦い。
KADOKAWAさんはかなり自由にやらせてくれた
一方で書籍執筆の方針に関してKADOKAWAさんはかなり自由にやらせてくれたというか、俺の意向を尊重しまくってくれたように思う。というのも「ムダの省き方」は当初はもっとマイルドな書き方の普遍的な本になる予定だった。具体的には下記。
- 一人称は「僕」
- 語尾は「です」「ます」口調
ただ、いつもと違う文体だと俺が非常に書きにくい。
あと本からブログ、ブログから本への移行の双方で読者が違和感を感じることになる。その事態を避けるためにブログの文体で統一したいと伝えた要望は通って、最終的には
- 一人称は「俺」
- 「だ」「なんだ」口調
といういつも通りの表記になった。
その他にも本の表紙のデザインをおすすめされたものと別の物を選んだり、一部過激な表現の内容に関してもクレーム覚悟で通してくれたりした。
この辺りの懐の広さは大手ならではで、出版数が多いが故に、良く言えば余裕があり、悪く言えば一冊の本に執着がないということでもあるんだろうけど、いずれにせよ希望通りの本を出させてくれたKADOKAWAさんには感謝したい。
カバーデザインは個性優先
正直「ムダの省き方」のデザインはかなりキモイと我ながら思う。
自己啓発本というだけで既に怪しいのに仮面男の写真が拍車をかけてる。このデザインは正直迷ったんだけど敢えてキモさを優先することにした。
というのも「ムダの省き方」の出版にあたって紀伊国屋書店を視察したんだけど、自己啓発は激戦区。しかもどれも「頑張れ」って内容だから似たり寄ったりで選ぶ基準が難しい。
いくら内容が良くても手に取ってもらえないんじゃ選んでもらえない。まずはどんな形でも良いから興味を引いて手に取ってもらいたい。ならキモくしよう。という戦略。
だからカラーは派手さ重視で黄色を選んだし、文字はできる限り少なく大きく、どこかマツコ会議を連想させるおどろおどろしいフォントを選びつつ、キモイ仮面の写真でインパクトを上乗せした。
当初KADOKAWAからはおしゃれなカバーデザインをおすすめされていたんだけど、それをはねのけて現在のデザインにしてもらった。これがどう転ぶかは不明だけど個性を失って埋もれるよりは良かったんじゃないかと思う。売り上げリスクを負うのに承諾してくれたKADOKAWAに感謝。
内容は集大成で現状の全力
書籍として出している以上内容について触れることはできないんだけど、書籍執筆までの流れはこんな感じ。
俺は大手のKADOKAWAに声をかけてもらい、担当者に恵まれたこともあって全体の流れはスムーズでサポートも充実していて執筆作業に集中させてもらえた。
少しまとまりのない部分もある気はするけど今の俺の全力は出し切れていて後悔はない。ということで是非買ってほしい。多分1500円の元は取れるはず。と信じてる。
万が一納得できない場合のクレームはAmazonレビューとかTwitterのDMとかお問い合わせに送ってほしい。返信はしない。
あとはどれくらい売れるか、どう評価されるかだけど、もう今の俺にできることは無いから静観。結果はどうあれ前には進む。
書籍出版の印税相場は10%だから、あわよくば100万部売れて印税約1億で人生上がりたいとは思ってるけど多分今の出版業界でそれは無理。
とはいえ俺にとってかけがえのない体験にはなったのは間違いなく、そんな貴重な思い出をくれたKADOKAWAさんとここまで支えてくれた読者、視聴者に感謝したい。
どことなくダイイングメッセージみたいになってるけど普通に今後も変わらず働く予定。ということでら今後もガジェマガをよろしくお願いします。
取材を受けた時の体験談は下記
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