マイクロソフトから折りたたみスマホ「Surface Duo」と折りたたみのパソコン「Surface Neo」が発表された。マイクロソフトがスマホ分野に再参入というのも衝撃だけど、折りたたみスマホで勝負を挑んできたというのも衝撃。
とはいえ俺は以前から折りたたみデバイスには否定的で、今回も詳細を見てやっぱりいらないというのが正直な感想。今回は俺が折りたたみデバイスに実用性が無いと思う理由を改めてまとめる。
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新しく発表されたSurfaceシリーズ
今回新しく発表されたSurfaceシリーズは下記5製品。
- Surface Duo:デュアルディスプレイ型の折りたたみスマホ
- Surface Neo:デュアルディスプレイ型の折りたたみPC
- Surface Pro X:13インチでLTE接続可能なタブレットPC
- Surface Pro 7:タブレット型PCとキーボード型カバーのSuface Proシリーズ後継機
- Surface Laptop 3:タブレット型PCと機能拡張キーボードのSurface最上位モデル
世間を驚かせたのは上の2製品。
Surface Duoは折りたたみスマホ
折りたたみスマホのSurface Duoは逆に折りたたむことで通常は5.6インチディスプレイのAndroidスマホとして利用可能。
開けば8.3インチのデュアルディスプレイスマホとして活用できる挑戦的な商品。
構造としては2月に発表された折りたたみスマホのMate Xに似ているけど、折りたたみ部分をヒンジにしたことで構造的な不安が無く、両画面共にガラス製で強度も高いのが嬉しい。
Surface Neoは折りたたみPC
そもそもPCはそのほとんどが折りたたみなんだけどSurface Neoはキーボードを廃して開いた両方をディスプレイにした挑戦的な商品。片側で9インチ、両側で13インチの大画面ディスプレイになる斬新な構造。
外付けのキーボードを上に設置することでサブディスプレイをタッチパッドとして使ったり
下に設置することでミニサブディスプレイとして活用できる。
個人的にWindowsはあくまでパソコンで、タブレット端末としては使いにくい印象なんだけど、今回はWindows10Xという2画面用OSを搭載しているらしく、今までのWindows10とどれくらい変わるのか注目したい。
折りたたみスマホといえばGalaxy Fold/Mate X
さて折りたたみスマホといえば2019年の2月に発表されて業界を沸かせたGalaxy FoldとHuaweiのMate Xが先駆者となる。
両方とも海外では既に販売されているようでツイッターでは入手報告がちょこちょこ上がっているんだけど、あまりの値段の高さと実用性が見えないチャレンジすぎる性質でイマイチ盛り上がっていない。
折りたたみスマホが売れないと思う理由
俺はそもそも折りたたみスマホという分野に未来はないと思ってる。
一日に何度もロックを解除するスマホにとって最も重要なのはどれだけ手軽にホーム画面に到達できるかということなんだ。
折りたたみスマホはホーム画面が遠のく
これは多くの人にとって盲点かもしれないけど、スマホの命は軽快さなんだ。
一度でも手帳型のスマホケースを使ったことがあれば、手帳を開く動作のあまりのめんどくささを痛感していると思う。スピード感が命のスマホにとってホーム画面に到達するまでの行程が増えるのは超わずらわしい。
顔認証 > 指紋認証 > パスロック
スマホの利便性だけを考えれば、理想はポケットから取り出した瞬間に即ホーム画面になるセキュリティロックもない状態だけど、落とした時のことを考えると最低限セキュリティロックは避けられない。
ということでスマホのロック解除は使用者の手間を減らすべく着実に進化を重ねてきた。パスロックよりも指紋認証の方が楽だし、指紋認証よりも顔認証の方が楽。
スマホは一日に何回もロックを解除するからこそ些細なロック解除の手間は馬鹿にならない。パスロックが指紋認証になってロック解除の容易さに感動した人も多いはず。
折りたたみスマホは時代に逆行する
ところが折りたたみスマホはロック解除以前に、まずスマホを開く手間が増える。これが理に叶ってない。
もちろん折りたたみスマホだから、開けば大画面が使えるのはメリットになる。画面サイズは大きいほど視認性と作業性が上がるのは間違いない。
スマホは画面が大きくなっても便利にならない
ところで、そもそもスマホはこれ以上大画面になったところでそれほど便利にならない。
大画面のデメリット > 大画面のメリット
普段持ち歩いているカバンにすっぽり入るのに、これだけ街で7インチや10インチのタブレットを見ないのは画面が7インチや10インチになったところで大きなメリットが無いからなんだ。
折りたたみスマホのメリットはマルチウィンドウ
多くの折りたたみスマホはマルチタスクをそのメリットとして推している。大画面を利用して左右で別のアプリを起動すればいつも以上に便利に使えますようという寸法だ。
とはいえ実はマルチタスクのためのマルチウィンドウは既に今のAndroidスマホでもできる。
ただ、どれだけの人がこの機能を使っているのかは疑問。
俺も極たまにYoutubeを見ながらのLINEとかTwitterでマルチウィンドウ機能を使うことがあるけど、それほど便利だとは思わないし使いたいとも思わない。
AndroidOSとiOSはコンテンツ消費用デバイス
マルチウィンドウを使いたいと思わない理由は単純で、AndroidもiOSもコンテンツ消費を前提として作られているからなんだ。
マルチウィンドウが役立つのは一方でコンテンツを作りながら他方でコンテンツを参照するようなシチュエーションなんだけど、AndroidOSとiOSはコンテンツの消費が主な用途だから、マルチウィンドウになったところで一方でコンテンツを消費して他方でもコンテンツを消費することになる。
つまり折りたたみスマホのマルチウィンドウはユーザーにもマルチタスクを求める。けれども多くの人はそんなに器用じゃない。だからマルチウィンドウが役に立たず、折りたたみスマホを開いたところで利便性が大きく向上しない。
大画面は楽しいけど手間が上回る
折りたたむことによってポケットで大画面を持ち運べるのは楽しい。Youtubeもゲームも大画面の方が迫力があるのは間違いない。
7インチ以上の持ち運びはデメリットが大きい
ただ、繰り返しになるけど大画面の方が楽しいなら外でタブレットを使っている人をもっと見かけていい。それなのに多くの人がタブレットを外に持ち出さないのは、7インチ以上の大画面の外での利用はデメリットが上回るからなんだ。
7インチ以上のスマホは両手を拘束するんだけど、家と違って外で両手が自由に使えるシチュエーションは思っている以上に少ない。
折りたたみスマホは片手では開くこともできない
もしメイン端末を折りたたみスマホにしてしまうと、歩いてるときとか電車の中とかの片手しか使えないシチュエーションだとそもそも開くことすらできない。
折りたたみスマホを片手で使う救済措置
とはいえ片手で開くことができないのはメーカーも理解していて、折りたたみスマホを片手で使う救済措置をしっかり用意している。
Galaxy Foldは閉じている状態でも小さな画面で使えるし、MateXは外開きだから閉じている状態でも画面の半分を普通のスマホとして使える。
良かった!これなら片手でも何とかなる!
ところでどれだけのシチュエーションでわざわざ開いてまで大画面を使いたいかと問われると悩む。多くはLINEとかTwitterのチェック、ちょっとした調べもの程度で、両手を拘束してまで大画面を使うほどのメリットが無い。
メインマシンは片手専用で良い
折りたたんだ状態で使えるなら折りたたんだ状態で使えばいいし、そもそも折りたたみスマホじゃなくてもいい。それならメインマシンは片手専用で良いという結論に至る。
大画面が使いたいならiPadで良い
俺なら外で大画面が使いたければ4万円で購入できるiPadをカバンに収納して持ち歩く。
開けば大画面になる折りたたみスマホは重量、価格の両面でメインマシンとしての選定から外れるし、4万円で購入できるiPadと比較される限り苦しい戦いは避けられない。
Surface Neoに期待
発売前から否定する元も子もない内容になったけど、メーカーとしても今の行き詰っているスマホ市場に限界を感じていて、新たな技術革新で市場を活性化すべく必死なはず。
Surface Duo、Surface Neo共に発売は2020年。個人的に折りたたみスマホは違うなとは思いながらも、アリだと思える使い道が見つかる事を心待ちにしている。
スマホでの折りたたみはかなり厳しいとは思いながらも、よりコンパクトにノートパソコンを持ち運べるSurface Neoには期待している。
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