今年も9月。Pixel 9 Proが発売されてGoPro 13が発売されてiPhone 16シリーズも順当に発表された。
なぜ大型に大型をぶつけるのか。iPhoneほどのビッグネームが来るなら9月は避ければいいのに。とは思うけど何年もこんな感じ。
というわけで今検証したいガジェットが溜まっているんだけど、まずはiPhone 16がどんな物なのか発売前に記事を書きつつ予習する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
iPhone 16はProと無印の4機種展開
まずiPhone 16シリーズはiPhone 15シリーズと同じく、無印、無印Plus、Pro、Pro Maxの4機種展開となる。
より高機能なのがProモデルで、機能を絞られてるのが無印モデル。それぞれに大小2種類のサイズが用意されている。
小さい | 大きい | |
下位モデル | iPhone 16 | iPhone 16 Plus |
上位モデル | iPhone 16 Pro | iPhone 16 Pro Max |
だからまずは自分に必要な機能を吟味して、次にサイズを検討すれば買うべきモデルを洗い出せるという流れ。毎年結構ややこしいのやめてほしい。
iPhone 16シリーズの詳細なスペック
iPhone16シリーズ | iPhone16 Proシリーズ | |
ディスプレイ | 6.1/6.7(有機EL) | 6.3/6.9(120Hz有機EL) |
解像度 | 2556x1179(無印) 2796x1290(Plus) |
2622x1206(Pro) 2868x1320(Max) |
CPU | A18 | A18 |
メモリ | - | - |
ストレージ | 128/256/512 | 128/256/512/1T |
バッテリー | - | - |
セキュリティ | 顔 | 顔 |
おサイフ | 〇 | 〇 |
防水 | IP68 | IP68 |
デュアルSIM | 〇(eSIM) | 〇(eSIM) |
重量 | 170/199 | 199/227 |
サイズ | 71.x147.6x7.8(無印) 77.8x160.9x7.8(Plus) |
71.5x149.6x8.25(Pro) 776x163x8.25(Max) |
価格(税込) | 124,800~(無印) Plus 139,800~(Plus) |
159,800~(Pro) 189,800~(Max) |
Proシリーズの画面サイズが少し大きくなった
わかりやすい変化はiPhone 16 Proシリーズが大型化したことぐらい。Proが従来の6.1インチから6.3インチに、ProMaxが従来の6.7インチから6.9インチになった。
6.1インチは理想的なサイズではあるけど確かに少し小さめ。最近はGalaxy S24も6.2インチ、Pixel 9 Proも6.3インチとコンパクトモデルの微細な巨大化が進行していて、iPhoneもその流れに乗る形になった。6.3インチなら片手で持てる許容範囲内で、丁度いいサイズだと思う。
逆に小さい画面が良い人は無印のiPhone 16も用意されていて、これなら従来通りの6.1インチを使えるし軽い。奥様も安心。
CPUがA18に順当に進化
あとはCPUがA18で高性能化したけど、A17の段階で不満を言ってる人は居なかったからメリットは不明。省電力性能が上がってると嬉しい。
iPhone 15シリーズ以降全てType-C端子を搭載
ところで廉価モデルはやっぱりまだ呪われたLightning端子なの?って俺みたいに置いて行かれてる人は思ってるかもしれないけど、実はiPhoneは15以降でType-C端子に完全移行していたりするから安心してほしい。
とはいえ無印モデルは転送速度がUSB2.0と同じで微妙に遅かったりの制限は一応あるにはあるんだけど、どうせほとんどの人は動画を転送することもないだろうから割とどうでもいい。
iPhoneをYoutube用のカメラとして活用したい人とかは転送速度の速いProモデルがおすすめ。
全てのiPhoneは画面出力に対応する
それ以上に全てのiPhoneがDP(DisplayPort Alternate Mode)という画面出力に対応しているのが偉い。これはiPhone 16シリーズに限らず、iPhone6くらいから始まっていたはず。
地味にこれがiPhoneシリーズがビジネスシーンに強い理由だったりする。俺も会社員時代はiPhoneの画面共有を何度も見せられた記憶がある。
この辺り同じ値段のPixelシリーズが未だに対応していないのはやばすぎ。全然わかってない。Pixel 9 Proは対応してました。指摘感謝。
逆にGalaxyとかXperia、AQUOSは上位モデルであれば対応していたりする。ただまちまちなのが不安で使いにくい。つまり仕様を統一してるiPhoneはとてもえらい。
iPhone 16無印モデルの進化は2つの物理ボタン
ならiPhone16では何が進化したのか。発表会では毎度おなじみの嘘か本当かもわからない数値が羅列されまくってて視聴者を煙に巻いてたんだけど、主な進化点はたった一つ。それが物理ボタンなんだ。
今回iPhone 16の無印モデルにはiPhone 15 Proからマナースイッチの代わりに搭載されたアクションボタンと、更にカメラ操作に特化したカメラコントロールボタンの2つの物理ボタンが追加された。
このボタンはスライドと感圧にも対応。横にスライドで設定できるし、将来的にはタッチでピント、強く押してにも対応予定。
寧ろ物理ボタン廃止みたいな噂まであったのに、シンプルを追求し続けたiPhoneの方向性としては意外。ただ称賛できる進化でもある。
物理ボタンはやっぱり偉大
というのもやっぱりスマホみたいな画面内ボタンを使うほど物理ボタンの偉大さを実感するんだ。
今現在俺がこの文章を書いているキーボードをノールックで打てているのは物理ボタンのお陰だし、スマブラで上位1%の魔境卒業クラスまで来たのも画面に集中できる物理コントローラーのお陰。更に言うなら俺が小さいカメラのα7C2ではなく大きいα7IVを使い続けている理由も物理ボタンの多さにある。
つまりなにが言いたいかというと物理ボタンは偉大だということ(2回目)
確かに物理ボタンは故障の原因にもなる。水没のリスクも高まる。ないに越したことはない。が、減らしすぎは不便でもある。それをまさに感じていたのがスマホのカメラ操作で、そこに専用ボタンを取り付けたiPhone 16の進化は非常に着眼点が良いと思う。
iPhone 16 Proシリーズの進化はカメラとカメラ
iPhone 16 Proシリーズは無印モデルで搭載されたカメラコントロールボタンの他にカメラとカメラが進化した。それが下記。
今までのiPhone | iPhone 16 Pro | |
超広角 | 夜に弱い(1200万画素) | 良い(4800万画素) |
メイン | 良い(4800万画素) | 良い(4800万画素) |
望遠 | 3倍のゴミ | 5倍 |
超広角カメラは新型センサーに進化
メインカメラはそのままに、動画撮影で活躍する超広角カメラが48万画素の新型センサーに強化された。伴って夜景での動画撮影がしやすくなる。と嬉しい。詳細は不明。
というのもメインカメラでの動画撮影だとどうしても画角が狭いんだ。だから超広角カメラを使いたい。けど夜に弱い。結果ノイズを我慢して使っていたんだけど、その我慢がなくなる。かも。
推測の域は出ないけどもしそうなら現場を理解した良い進化だと思う。
望遠カメラは実用性の高い5倍望遠に進化
更に今まではついてるだけでおなじみだったゴミ3倍望遠カメラが5倍に強化。明らかにPixel 9 ProとGalaxy S24 Ultraの5倍望遠カメラを意識した構成に変更された。
これもとてもいい。3倍望遠はメインカメラをクロップした2倍望遠と変化がなさすぎ。使う意義がなかった。でも5倍望遠は違う。2倍と比較しても十分なインパクトがある。更に画質も上がっていれば文句なし。その辺りは実際に検証して確かめたい。
iPhone 16 Proの進化は手堅い
カメラの進化は非常に良い。的を射ている。Xiaomi 14 Ultraみたいな誰も求めていない1インチセンサーではなく、Galaxy S23 Ultraのような盗撮にしか使えない10倍望遠でもない。
必要十分かつ最大公約数的な、最も多くの人を喜ばせられる弱点を消す素晴らしい進化だと思う。まさに痒いところに手が届いていて賢い。今回のアップルはやたら冴えてる。
159,800円が安く見えるiPhone 15 proの功績
それにしても今回のiPhoneはカメラコントロールボタンといい、カメラセンサーといい、今までの微妙な不満が解消されてしっかり進化してるのになんとお値段据え置き。iPhone 15 Proの発表であんなに高かったはずの159,800円がiPhone 16 proでは安く見える。
あれ?お値段据え置きでこんなに進化してていいの?って思った。iPhone 15 Proが高すぎるだけなのに(倒置法)。飼いならされすぎてて怖い。
日本は世界で3番目にiPhoneが安い国
とはいえ日本でiPhoneの価格が頑張っているのは事実で、実は日本はアメリカ、中国に次いでiPhoneが安く買える国だったりする。
なぜなら価格が高すぎるiPhoneは先進国でしかまともに売れないから。特にiPhone Proモデルに限ればメイン市場はアメリカ、中国、日本、ヨーロッパ辺りが限界。しかもヨーロッパは個別に見ると人口が少なかったり経済ががたがただったりの雑魚ばかりで扱いづらい。
つまりアメリカ日本中国でいかに数を売るかがアップルの生命線だったりする。ということでなんとか売りたいし高いイメージを払拭したい。そのためにiPhone 15 Proの159,800円でバッファを取った。結果iPhone 16 Proが安く見える。実際に安くしてくれたらもっと嬉しかった。
AIの進化は何とも言えなさすぎ
あと最後に今回Apple Inteligenceみたいなやつも売りにはしてるけどかなり微妙。そもそも発表されただけでまだ実装されてないし、なにがどう便利になるかも不明。年内英語対応予定だと日本語は少なくとも来年。だから考えるには時期尚早すぎる。
AIでiPhoneは化けるかもしれないし、化けないかもしれないんだけど、いずれにせよまともに使えるようになるのはiPhone 17が発売される頃だと思う。つまりiPhone 16の段階でAIは考慮しなくてOK。
買うならiPhone 16 Pro。またはiPhone14
で、結局iPhone 16シリーズはどれを買うべきか、そもそも買わないべきかというのが消費者の悩みになるんだけど、俺ならiPhone 16 ProまたはiPhone 14を買う。
スマホをカメラとして使う人はiPhone 16 Pro
というのもiPhone 16無印版に新たに搭載されるカメラコントロールボタンは確かに欲しい。んだけど、それは俺みたいにカメラに拘りがある人、スマホをデジカメの代わりに使いたい人向けの機能なんだ。
そして本当にスマホをカメラの代わりに使いたいというのであれば、カメラとカメラが進化したiPhone 16 Proを買うべき。
新型センサーの超広角カメラと実用的な5倍望遠レンズでめくるめくスマホライフが実現するはず。
もうバッテリーが持たない人はiPhone 14
逆にカメラはそんなに使わない、今iPhoneを使っているからiPhoneに乗り換えたいだけという自称ライトユーザーの人にはカメラコントロールボタンも無駄な高性能も必要ない。だから価格が10万円を下回ったiPhone 14無印を購入すれば良い。
iPhone 14ならバッテリーも持つ。Lightning端子だってライトユーザーにはなんのその。寧ろType-Cってなに?って人も多いはず。だからType-Cじゃなくても問題ないんだ。
無理して買う必要は全くない
あと大前提別に買い替える必要はない。iPhone 12でも十分使えるし、iPhone 13でも不満はないはず。それくらいスマホの進化は頭打ちしてるんだ。
今のスマホが古い。部品がぽろぽろ落ちる。バッテリーが持たないという人以外は無理して買い替えなくてもOK。
一つ確かなことがあるとすれば、iPhone 16 Proに買い替えたところで多くの人の生活は何も変わらないってこと。