最近のスマホはカメラ機能に力を入れているというか、もうカメラ以外やることがなくなってしまったというのが正直なところで、相変わらず2億画素とか100倍望遠とかの数字が独り歩きしている状況だったりする。
そこで浮かぶ疑問が、果たしてスマホカメラは一眼を超えてるのか、ということだと思う。これだけスマホのカメラが高性能化しているのならもう一眼カメラは必要ないんじゃ?という意見が出るのはわかる。
もちろん全く超えてないんだけど、じゃあどう違うのか、一眼はどうスマホより優れているのかを簡単に解説する。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
フルサイズカメラ歴5年
スマホと一眼の違いを解説する前に俺のフルサイズカメラ歴を簡単に解説すると5年で下記。
- 2018年 α7Rii
- 2019年 α7Riii
- 2021年 α7C
- 2023年 α7IV
他メーカーのカメラの覚え方を覚えるのがめんどくさいから俺はSONYのαシリーズを使い続けていて、2018年以降のガジェマガの写真は全てフルサイズ一眼で撮影してる。
2023年現在は遂に動画もα7IVで撮影するようになってSONYのカメラ様様。これがないと仕事ができないし、使用頻度も高いからそれなりに基礎知識もある。はず。
-
【「古いが良い」は老害の始まり】1年半ぶりにカメラを買い替えた理由
最後にカメラを購入したのが2021年8月30日のα7Cで、以降カメラを購入する予定はなかったんだけど、昨日ふと思い立ってα7IVを購入した。 今写真用にα7Riiiと動画用にα7C使ってるけど2台ある ...
続きを見る
【結論】一眼の写真は加工に耐えられる
で、結論からざっくり言ってしまうとフルサイズ一眼とスマホカメラの違いは加工への耐久性なんだ。
フルサイズ一眼でRAW撮影した写真は後でゴリゴリ加工できる。というか加工を前提にした撮影が可能で、作品として写真を作れる。これがフルサイズ一眼の最大の強み。
だから俺も全ての写真をLightroomで後加工してるし、一枚一枚に膨大な時間をかけてる。具体的には下記。
ビフォー
アフター
ビフォー
アフター
これができるのがフルサイズ一眼の強さなんだ。
-
【Lightroomの使い方】写真を加工する方法・手順【実例】
以前別の記事でもLightroomを使った写真の編集方法は解説しているんだけど、この前撮影したバイク写真の出来栄えが思っている以上に良かったから、その写真をベースに改めて加工の工程を解説する。 その写 ...
続きを見る
-
【Lightroomの使い方】写真を加工する方法・手順【実例②】
新年が開けたところで特にめでたいことはないんだけど今現在は実家にいるからカメラがなく写真の撮影ができないんだけど、この前の動画用に撮影したデータはあるし、その写真加工の過程で学びがあったから、最新の動 ...
続きを見る
フルサイズ一眼はカメラ機能に特化している
一応これ以外にもフルサイズ一眼なら機種とレンズによってはボケ味が出せたり驚異的な連写ができたり圧倒的に夜景に強かったりカメラごとに色々な強みがあるんだけどその辺りの機能は一部のプロ向け。
なにより後加工に耐えられる。これがフルサイズ一眼の最大の強み。
フルサイズ一眼はノイズが超少ない
いやスマホカメラの写真もRAWで撮れば後から加工できるっしょって思うかもしれないけどできない。実際にやってみると加工に耐えられなさ過ぎて絶望する。
で、その理由はというとノイズが多すぎるからなんだ。一度スマホで撮影した暗い写真を明るく加工してみてほしい。ノイズだらけでざらざらになるしそもそも色が死んでるしで見れたもんじゃない写真が仕上がる。
これは写真は物理的なセンサーサイズによる色情報の多さが物をいうからで、スマホカメラのセンサーサイズではどうあがいてもフルサイズ一眼に画質では勝てない。
APSCセンサーでもフルサイズと比較すると圧倒的に違うのに、1インチ以下のスマホではフルサイズの相手にもならないんだ。
ノイズ量はセンサーサイズと画素数で決まる
そしてこのノイズ量はシンプルにセンサーサイズと画素数で決まる。
簡単に言うとセンサーサイズは光を取り込める量で、
画素数は光を分配する量だと考えればOK。
光は多く取り込めるほど良いし、光の分配は少ないほど良い。
例えば高感度カメラであるα7Siiiはフルサイズセンサーで圧倒的な量の光を取り込み、たったの1200万画素に分配する。
だから夜景に超強い。
画素数は低いほどノイズ少ない
一方最近のスマホ最強カメラは1インチセンサーを売りにしているけど、同じ1インチでも1億画素より1200万画素の方がノイズは少ないことになる。
実際今現在俺が使ってるα7IVはフルサイズセンサーでありながら画素数はたったの3300万画素。だからノイズが少なく後加工に耐えられるという話。
スマホの1億画素はかなり無駄
ここで疑問が生じる。フルサイズでも3300万画素なスマホセンサーで1億画素って超無駄なんじゃ?と。
これはその通りで、基本的にスマホに限らず1億画素は無駄だと思っていい。大きめのポスターに印刷するとしてもこんな解像度は全く持って不要。
シンプルに数字が大きいと凄そう。と勘違いする消費者を騙してるだけで、何のための画素数なのかは誰にも答えられない。
但し、条件が良ければ1億画素が奇跡的に真価を発揮するケースもなくはない。
最高の条件なら1億画素を活かせる
それが昼間の晴天時の撮影なんだ。センサーが小さいとそもそもの取り込める光の量が少ないんだけど、溢れんばかりの光で満たされる昼間の晴天時なら話は別。
小さいセンサーでも惜しみなく光を取り込むことができるから1億画素目いっぱいに光を分配できる。つまり1億画素が奇跡的に役に立つ。だからスマホの1億画素は極一部の、非常に条件が良い環境では良い写真が撮れたりする。
ほとんどの環境で1億画素は役に立たない
但しそれ以外は話が別。そもそも日常生活の中で条件が良い環境は稀なんだ。ほとんどの写真は最高ではない条件下での撮影が求められる。
それが昼間の晴天時でも日陰とか、日が傾いた夕方、室内、夜とかで、光が少ない環境では十分な光を取り込めず、その癖1億もの画素に光を分配しないといけないから不必要にノイズを増やしてしまうことになる。
スマホの1億画素は極端に環境を選ぶスナイパーライフルのような物で、多くのシチュエーションではハンドガンの方がマシな戦いができる。つまりスマホはセンサーサイズを弁えてもっと画素数を小さくするべき。
iPhone14Proはいまだに1200万画素
iPhoneが14まで1200万画素を維持したのはこれが理由だし、iPhone14ProでもプロモードでRAW撮影を行わない限りは今も1200万画素のまま。それは小さいセンサーサイズで画素数を増やしてもメリットが少ないからなんだ。
フルサイズ一眼は手間だし難しい
なら多くの人はフルサイズ一眼を買うべきかと問われるとこれまたそういうわけでもないのが難しい所。というのも最初にも言った通りフルサイズ一眼はどう転んでも作品向けなんだ。
誰も撮影前にF値、シャッター速度、ISO感度、ホワイトバランスの調整なんかしたくない。そもそもそんな大それた物も撮影しないし、もちろん後加工もやるはずがない。
更に一眼レフカメラはポケットにも入らないから持ち運びも困難で全てが手間。
スマホカメラの本質は手軽さ
というのも多くの人が写真を撮影するようになったのはたまたまスマホにカメラがついていたからで、写真を撮るためにスマホを買ったわけではないし、スマホが普及する前はカメラを持っている人は少数派だった。つまり多くの人にとって写真とはその程度の物で、スマホカメラの本質は手軽さ。
思い出として、記録としてその瞬間を残したい。画質は完璧じゃなくていい。たまに見返して思い出に浸れればOK。だからみんなスマホの登場によって初めて写真を撮影するようになったんだ。
スマホは写真のAI処理が驚異的
そしてスマホはその思い出写真、記録写真として要望に全力で応じた結果、その手軽さに対する完成度という一点ではフルサイズ一眼を超えてる。
というのもスマホカメラはAI学習によるオート撮影の精度がすさまじいんだ。F値もシャッター速度もISO感度もホワイトバランスも何も考えなくてOK。ただポケットから取り出して構えて撮影すればそれなりの写真が撮れてしまうし、この写真の完成度がやばい。
一眼よりスマホの方が綺麗に撮れがち
スマホなら、まるでプロがフルサイズ一眼で撮影して加工したかのような写真がなんの知識もなく撮れてしまう。だから下手に一眼カメラを買って知識も無いまま撮影するくらいならスマホ写真の方が綺麗というパターンが頻発する。
もちろん本気で撮影して本気で加工したフルサイズ一眼には到底敵わないんだけど、フルサイズ一眼のオートとスマホのオートで比較するとスマホが勝利してしまうことが多い。
フルサイズ一眼は一般人には無用の長物
ということで俺なら間違いなくフルサイズ一眼より高画質カメラのスマホをお勧めする。
というのもフルサイズ一眼は仕事で使わない限りは無用の長物なんだ。本体とレンズで安くても20万円はするのに写真しか撮れない。こんな物が一般人に必要なはずがない。俺もブロガーYoutuberじゃなければ絶対買ってない。
APSCと1インチは立ち位置が絶妙に微妙
ならAPSCのエントリー一眼はというとこれも立ち位置が中途半端で微妙。スマホよりは綺麗だけどフルサイズよりは圧倒的に劣る。そして1インチセンサーはもっと微妙というのが俺の意見。
スマホはセンサーサイズが物を言わないカメラ
そもそもセンサーサイズの差はノイズ量の差による後加工への耐久性の差というのは上でも書いた通り。そして後加工をしないスマホカメラはセンサーサイズを大きくする意味に乏しい。
ぱっと見綺麗に見えればいい。それがスマホカメラの役割。
1/1.3センサーが1インチセンサーになったところで、ほんの少しダイナミックレンジが広がって、ほんの少し背景がボケるようになる程度の違いしかない。ノイズも減るんだけど後加工をしない限り影響は少ない。
もちろんセンサーサイズは大きいに越したことはない。ただ、1インチと1/1.3インチの違いは微々たるものだし、スマホの場合はセンサーサイズ以上にAI学習による加工技術の方が重要。
価格との入手性、バランスとの兼ね合いが重要
もちろん拘りたい人は1インチセンサーのスマホを選べばいいけど、入手難易度とか高い価格、薄い保証に見合った画質の違いを感じられるかは疑問。それ以上にこなれた価格と高い入手性、保証とシェアによるトータルでの使いやすさを重視した1/1.3インチセンサー搭載スマホの方が多くの人は幸せになれるはず。
その意味で無理のない1/1.3センサーと無理のない解像度でぱっと見映える写真が撮れるiPhone、Pixel 7 Proを選ぶ方が無難。
スマホなら手軽に80点の写真が撮れる
当たり前ではあるけど写真しか撮れないのに20万もするフルサイズ一眼が写真の質でスマホに負けるはずはないという話。
とはいえフルサイズ一眼は使いこなす難易度が非常に高い。100点の写真を撮影するために理解するべき撮影設定が多いし、後加工も絶対必要。だからオートで撮影するなら一眼なんて使わない方がマシだし、フルサイズ一眼のオートより優秀なAI学習を搭載するスマホのオートの方が遥かに見栄えの良い写真が撮れる。
更にフルサイズ一眼は持ち運びも超手間。ということで多くの人には気軽に持ち出せるスマホの方が圧倒的に優れているし、写真しか撮れないフルサイズ一眼なんてのは無用の長物。
仕事で使わない限りフルサイズ一眼はいらないし、記録写真としてはスマホで十分すぎる。だからそのままスマホを使っておけばいいし、日本市場では最新のiPhoneか最新のPixelを使うのが最も無難な選択になる。
-
【Lightroomの使い方】写真を加工する方法・手順【実例】
以前別の記事でもLightroomを使った写真の編集方法は解説しているんだけど、この前撮影したバイク写真の出来栄えが思っている以上に良かったから、その写真をベースに改めて加工の工程を解説する。 その写 ...
続きを見る
-
【Lightroomの使い方】写真を加工する方法・手順【実例②】
新年が開けたところで特にめでたいことはないんだけど今現在は実家にいるからカメラがなく写真の撮影ができないんだけど、この前の動画用に撮影したデータはあるし、その写真加工の過程で学びがあったから、最新の動 ...
続きを見る
-
【「古いが良い」は老害の始まり】1年半ぶりにカメラを買い替えた理由
最後にカメラを購入したのが2021年8月30日のα7Cで、以降カメラを購入する予定はなかったんだけど、昨日ふと思い立ってα7IVを購入した。 今写真用にα7Riiiと動画用にα7C使ってるけど2台ある ...
続きを見る