Surfaceシリーズの中で最安となるSurface Goが発表されてiPadキラーになるかもしれない存在として話題になっている。俺がウルトラブックの購入を検討したときもSurfaceは候補にあったんだけど、早々に検討対象から外してしまった。今日は俺がSurfaceに思うことを書きたい。
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実際Windowsタブレットってどうなの?
WindowsタブレットといえばSurfaceのイメージ強いけど、実はサーフェイス以外にも多数のWindowsタブレットが世の中に存在する。Windows8以降で正式にタブレットモードをOSがサポートしていて、タブレットとしても使えますよっていうのが今のWindowsOSの魅力で、それに便乗して多数のWindowsタブレット、2in1、コンバーチブルパソコンが発売された。それぞれタイプは異なるけどキーボードなしの形状をサポートするのが特徴だ。実は俺が所有するZenBook Flip(UX360UA)もキーボードをディスプレイの裏まで折りたたんでしまうことでタブレットとして利用できる代物だ。
始めは珍しさに何度か使ってたんだけどあまりにも使いにくいから、今はソファーでブラウジングするときはiPad Air 2を使っている。
Windowsタブレットの悪いところ
俺がWindowsタブレットが使いにくいと感じる理由は3つある。
ボタンが細かすぎる
iPadやAndroidタブレットが指での利用を想定しているのに対して、Windowsタブレットはマウスでの利用を想定している。今パソコンを使っている人は画面を眺めてほしい。ブラウザの戻るボタンの位置と大きさはどうだろうか、アプリとアプリの間のスペースが狭すぎやしないか。そう、ウィンドウズのボタンは指だと誤タッチを連発してしまう狭さなんだ。Windowsタブレットを指で操作するととてもストレスを感じる。
UIが悪い
Windowsのブラウザは機能が充実していて素晴らしいんだけど、ブラウザのタブの切り替えとかタブの削除が超めんどくさい。これもマウスを想定しているからなんだけど、Windowsタブレットでは今見ているタブを削除するために、指を画面の上部まで持っていって、これまた繊細な「×」ボタンを慎重にタッチしないといけない。もうわかってると思うけど、ここでも誤操作を連発する。iPadとかAndroidタブレットは敢えてボタンを大きくして操作しやすくしているし、タブの切り替え、削除はアクセスしやすい位置に配置されている。
ジェスチャー機能がない
これはiPadを使っている人ならわかってくれると思うんだけど、iPadのジェスチャーってすごいのね。
なにかボタンをタップするんじゃなくて、画面上を指でなぞるだけで「進む」「戻る」「ホーム」「起動中アプリ一覧」の操作ができる。特にホームと起動中アプリ一覧は頻繁に使うんだけど、Windowsタブレットには起動中アプリ一覧のジェスチャーしかない。デスクトップを表示したいときは画面横にあるWindows物理ボタンを押すか、画面右下のデスクトップボタンを慎重にタッチするか、キーボードでWindows+Dを同時押ししないといけない。デスクトップに戻る動作って死ぬほど使うのに快適にできない。しかも「進む」と「戻る」がないからブラウジングでもいちいち細かい矢印を慎重にタップしないといけない。Chromeを使えば一応ジェスチャーでの「進む」「戻る」は使えるんだけど動作がもっさりしている。
Windowsタブレットは完成度が低い
これらの問題はマイクロソフトが真剣にタブレットモードの改善に取り組めば解決することなんだけど、現状は使いにくくて、敢えてタブレット利用のためにWindowsタブレットを購入するメリットがない。タブレットをつかいたいならiPadかAndroidタブレットを買ったほうが良い。Windowsのタブレット機能はオマケ程度の出来だ。
とはいえSurfaceはタブレットとして「も」使えるノートパソコンなだけで、タブレット機能が気に入らないなら普通にノートパソコンとして使えばいいじゃない(マリーアントワネット)という指摘もあると思うんだけど、サーフェイスシリーズはノートパソコンとして見ると高いのね。スペックに対して5万円から10万円ほど高い。タブレット機能に魅力を感じないし、しかも値段も高いから今までSurfaceを敬遠していた。
で、Serface Goって高いの?
Serface Goは今までのサーフェイスと比べるとかなり安い。アメリカで発表された399ドルという価格は衝撃的だったし、オフィスを搭載して値上げした日本版Serface Goもオフィスを搭載していることを思うと妥当な値上げだ。
スペック
まずはスペックを見ていきたい。
液晶サイズ | 10インチ |
解像度 | 1800×1200ドット,光沢 |
CPU | Pentium Gold 4415Y |
ストレージ | 64GB eMMC または 128GB SSD(PCIe) |
メモリ | 4 / 8GB |
駆動時間 | 9時間 |
重量 | 522g |
フルサイズUSB | 0 |
その他 | |
USB Type-C×1 | Bluetooth |
Surface Connect | USB3.1 Type-C |
microSD | 指紋認証 |
CPUにcoreM相当のPentium Gold 4415Yを積んでいて、メモリは4ギガと8ギガ、ストレージは64ギガeMMcまたは128ギガSSDだった。ところで6万円のSurfaceは下位モデルで4ギガなのね。俺はWindowsパソコンを購入するときは最低8ギガメモリを基準にしているんだけど、Windows本家のマイクロソフトが快適に動作しない4ギガメモリのモデルを推すのは感心しない。
価格
4ギガメモリと64ギガeMMcの下位モデルと、8ギガメモリ128ギガSSDの上位モデルの価格差はこうだ。
国内税込価格 | |
下位モデル | 6万9984円 |
上位モデル | 8万9424円 |
税込みになるとなおのこと高い。
アクセサリー
ところで上で紹介した価格は本体のみで、キーボードカバーすらついてない。まともに使うためにはキーボードカバーの購入は必須だ。
キーボードカバーも含めたアクセサリーの値段は下記だ。
製品名 | 国内税込価格 |
Surface Go Signatureタイプカバー | 1万6632円 |
Surface Go タイプカバー | 1万2744円 |
Surface モバイルマウス | 4104円 |
Surfaceペン | 1万2744円 |
別売りのキーボードカバーを購入すると下位モデルで8万超え。た、たかい…しかもこれ4ギガモデルだった。8ギガモデルだとカバー込みで10万円超え。あほかよ。10万円超えともなると、既にに数多あるウルトラブックがライバルになってしまう価格帯だった。
どうしてYOGA 720を選ばないのか
Surface Goの購入を検討している人は一度自分に問いかけてほしい。俺はなぜLenovo YOGA 720を選ばないのか、と。Lenovo YOGA 720はイルミネートキーボードも始めからついていて7世代corei5、8ギガメモリ、256ギガSSDと12.5インチディスプレイで1.18キロだ。
YOGA 720 スペック
目安価格 | 9万円 |
液晶サイズ | 12.5 インチ |
解像度 | フルHD (1920x1080) |
CPU | Core i5 7200U 2.5GHz/2コア |
ストレージ | SSD:256GB |
メモリ | 8GB |
駆動時間 | 8.4 時間 |
重量 | 1.18 kg |
フルサイズUSB | 1 |
その他 | |
USB3.1 Type-C | Bluetooth |
指紋認証 |
スペックでSerface Goの上位モデルを上回りながら、価格はSerface Go上位モデルを下回る。キーボードバックライトも搭載しているから光物が好きな人も安心だ。おまけに指紋センサーまで搭載した。キーボードは取り外せないけど、コンバーチブルだから画面の裏側まで折りたたんでタブレットとしても使える。これでいいじゃない!だってCPUが7世代Core i5だよ。これならLightroomだって使えるよ!
Surface Goの悪いところ
Serface Goの悪いところはスペックに対して値段が高いところだけじゃない。タブレットを基調とした独特の形状はあらゆる面で通常のノートパソコンに劣る。
キーボードで画面を固定できない
サーフェイスの後付けキーボードにsurface本体を支える力はない。サーフェイス本体は背面からつっかえ棒を引き出せるような構造になっていて、これで本体を支えるんだけど、これが無駄にスペースをとる。
狭いカフェで使おうにもSurface本体の背面に少しスペースが必要だから使いにくいし、不安定な電車の中で座って使おうもんなら最悪だ。キーボードを押さえても画面が立たないから画面をなんとかして立たせる必要があるんだけどもう手が足りない。
10インチは小さすぎる
軽量高性能を売りにするウルトラブック市場を見ても10インチの製品はほとんどない。ほとんどは12インチから14インチだ。それくらい10インチの画面っていうのは小さい。iPadが9.7インチだからいいじゃん、って思うかもしれないけど、iPadはタイピングを想定していないから目からの距離が近い。タイピングするために机に置いて、間にキーボードも置くWindowsノートで10インチは視力検査かと思うほど視認性が悪い。
なにもかも中途半端なSurface Go
今更安くもない小型軽量モデルを出されても反応に困る。どうせ購入するキーボードカバーには選択肢がほとんどないのに別売りにしてる販売方法もおかしい。そもそもタブレットとして推したい割にタブレットモードがクソすぎるし、キーボードを取り外せる意味をどこにも感じない。それならSurface Bookのようにコンバーチブルタイプにしておいてくれたほうが理解できるし、Macbookほど質感が高いわけでもないのに値段が高すぎるのも気になる。
Serface Goはどういうターゲットを狙って、どのウルトラブックに勝負をかけたのかがわからない。
ほんとに2018年の製品?
Serface Goは10万円でi5と8ギガメモリを積んだウルトラブックがゴロゴロある時代に発表されたとはとても思えない低性能高価格パソコンだった。発売が2年早ければ手放しで歓迎できた。今これを買うくらいならZenBook買ったほうが良いし、Lenovo YOGA 720買ったほうが良いし、MatebookX買ったほうが良い。だってMatebookXは10万で、YOGA 720は9万円で買えるんだもの。