高いパソコンほど高性能GPU搭載!グラフィックボード搭載!みたいな売り方をされていることがあるけど、結局GPUってなんなの?あった方が良いの無かった方が良いの?そもそもどういうときに役立つの?というのは人によって違うとしか言えないからはっきりした答えが無い。
とは言えそれだと何の参考にもならないから、今回は人生で初めてGPUに拘ったノートパソコンを購入した俺の経験談から、GPUが活躍するケースとその必要性について解説したい。
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CPUとGPUの違い
CPUというとパソコンの頭脳と表現されることが多いんだけど、実はGPUも同じで、パソコンの頭脳の一つ。つまりCPUとGPUを搭載しているパソコンは頭脳が二つある。すごい。
外部GPUは画像処理専門の頭脳
CPUとGPUの違いはGPUが映像処理に特化しているということ。これに対してCPUはパソコン全体を統括する何でも屋さん的な立ち位置だ。
つまり、CPUでも映像処理はできるんだけど、GPUさんがいるなら映像処理はGPUさんに任せた方が早い、という感じ。
映像処理はCPU内蔵GPUが一般的
外部GPUを搭載していなくてもパソコンを使う限り映像処理は必要になる。
多くのパソコンは外部GPUを搭載していないから、CPUに内蔵された内蔵GPUで映像処理を行う。
Intel UHD Graphicsとか書かれているものがそれ。
これは何でも屋さんのCPUの機能の一部で、映像処理専門の外部GPUと比べると機能は貧弱だけど、一般的な用途であれば問題なく使える。
パソコンでの映像処理とは
GPUが映像処理に強いのはわかったけど、そもそもパソコンでいう映像処理ってなに?っていう話なんだけど、基本的にはほぼすべての動作で映像処理が絡む。
画面を表示することだってブラウジングだってマウスカーソルを動かすことだって映像処理。つまりパソコンのあらゆる動作は映像処理だ。
外部GPUでの映像処理はアプリ側での対応が必要
知らない人には衝撃の事実なんだけど、実は外部GPUを使うためにはそれぞれのアプリが個別に外部GPUに対応している必要がある。俺は知らなかった。
ほとんどのアプリは外部GPUでの映像処理に非対応
アプリが外部GPUで映像処理を行うためにはアプリ側が外部GPUに対応している必要があるんだけど、実は一般的なユーザー(非クリエイティブ)が使うほとんどのアプリはGPU処理に対応していない。うんこ。
例えば下記がChromeブラウザで100タブ開いている時の俺のパソコンのパフォーマンスなんだけど、
CPU使用率がぶっちぎりの100%なのに対してGPU使用率はなんと0%。何にもしていない。内蔵GPUが少し使われている程度。つまり外部GPUは一般的な用途では全く役に立たない無用の長物だ。
外部GPUが役立つのはクリエイティブとゲーム
外部GPUは一般的にクリエイティブな用途で使われるアプリとゲームアプリで役立つ。
具体的には下記。
- イラスト作成
- モデル作成
- 動画編集
- 画像編集
- ゲーム
これらの作業はそれぞれに専門的なアプリが存在していて、そのアプリが個別に外部GPUでの映像処理に対応していることが多い。
画像編集アプリLightroomで外部GPUを使うケース
例えば俺が頻繁に使う画像編集ソフトLightroomでは現像モジュール(画像編集画面)が外部GPUでの処理に対応している。つまり外部GPUを搭載しているパソコンであれば激重だった画像編集画面がヌルヌルになる。外部GPU万歳。
実際にLightroomを使って画像編集の設定をいじると随時GPUが使われていることが確認できる。
残念ながら書き出しは外部GPUには対応していない。Lightroomでの書き出し時間はCPUの性能に依存する。とは言え最も時間がかかるのは画像編集だから、Lightroomを頻繁に使うのであれば外部GPUに拘るのはあり。
動画編集アプリVegas Proで外部GPUを使うケース
動画編集の際に俺が使っているのがVegas Proなんだけど、このアプリも外部GPUでの映像処理に対応している。実際に編集とか書き出しを行うとGPUが使われていることが確認できる。
ただ、Vegas Proに関しては外部GPUの支援をオンにすると頻繁にクラッシュするバグがあるからオフにするのがおすすめ。詳細は下記。
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今後のアップデートでの修正に期待したい。
外部GPUを有効活用できる人は限られる
実際に外部GPU搭載のSpectre X360 15を購入してみて、外部GPUは無駄ではないけど思ったほど役立ってもいないというのが正直な感想。
GPUはゲーマーやクリエイターが使うもの
GPUはゲーマーとかクリエイターであれば役立つけど、クリエイターで合ったとしても自分が使うアプリがGPUに対応しているのかということを確認しておく必要がある。
俺の場合はVegas Proで外部GPU支援をオフにしているから、なんと現状Lightroomの現像モジュールでしかGPUを活用できていない。バカすぎる。
【結論】パソコン購入はGPUよりもCPUに拘るべき
実は俺は2か月前に今後動画編集の機会が増えることを見越して新しく外部GPU搭載のプレミアムノートSpectre X360 15を購入している。
購入当初は外部GPUがなんなのかをよく理解していなかったんだけど、とりあえず動画編集といえば外部GPUという単純な考えだった。
そこで最後まで候補に残ったのは下記の2機種だった。
- GPUで優れるSurfacebook 2
- CPUで優れるSpectre X360 15
最終的にはCPUの方が汎用性が高いと判断してSpectre X360 15を選んだんだけど、多分この判断は正しかった。
Spectre X360 15のレビュー記事は下記。
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まずCPU、余裕があればGPU
使いどころの難しい外部GPUに対して、CPUはあらゆる環境で活躍する。外部GPUはCPUを補う程度の存在でしかない。
つまり優先すべきはCPU性能で、さらに自分が外部GPUを必要とする映像処理を頻繁に行うのであればGPUも視野に入れれば良い。とはいえ優先すべきはGPUよりもCPUなのは間違いない。