マジでボイスレコーダーの機能がわかんねぇ。ということで後悔しないために一番高い奴を買ったんだけど、世の中にはボイスレコーダーの基礎知識をまとめているウェブサイトが無い。だから俺が作る。
今回は俺みたいにボイスレコーダーを買うか迷ってるけど、そもそもボイスレコーダーにどんな機能があるのかを知らない人向けに、高めのボイスレコーダーを買った俺がその機能とできることを解説する。
これを読めばもうボイスレコーダーは怖くない。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
ボイスレコーダーは録音機材
ボイスレコーダーは名前の通り録音する機材なんだけど、必ずしも声を録音するためだけに使われる機材ではない。
用途の一例としては下記。
- 声の録音
- 演奏音の録音
- 環境音の録音
- エンジン音の録音
ボイスレコーダーはそもそものマイクの性能が高いし、それ自体に外部マイクを接続することもできるから、あらゆる録音に高度に対応できるのがメリットなんだ。
スマホ録音とボイレコの録音の違い
とはいえ例えばスマホのビデオ撮影だって俺のGoProだって録音はできるし外部マイクも接続できるのに、どうしてわざわざボイスレコーダーを買うのかって話なんだけど、ボイスレコーダーがスマホと違うのは実際の音量に忠実なことなんだ。
例えば一般的なスマホとかGoProだと撮影時の音量を自動でバランス調節してしまうのに対して、ボイスレコーダーの場合は音量も実際の音(ゲイン)に忠実。
小さい音は小さく、大きい音は大きく録音するし、スマホと同じようにバランスを自動調節することもできる。
よりリアルな音を録音できるのがボイスレコーダーの強みなんだ。
購入したのはSONY「PCM-A10」
繰り返しになるけど俺はマジでボイスレコーダーの知識が無いから無難にSONY製の一番高い「PCM-A10」を購入した。選んだ理由は電池式ではなくUSB充電式だったのと、
最上位モデルなのに18,000円とそんなに高くなかったからなんだ。ボイスレコーダーは意外と安い。
ボイスレコーダーの外観
ここからはPCM-A10の外観を簡単に紹介する。
上面には角度調整できるマイクが二つ
下面にイヤホンジャックとUSB端子
右側面には音量ボタン、リハーサルボタン、USB端子スライド
左側面にはマイクジャック、電源/ホールドスライド、MicroSDスロット、スピーカー、ストラップホールを備える。
裏面にはNFCと三脚取り付けネジ
表面には各種操作ボタンが並ぶ。
ボイスレコーダーはタッチ操作ができない分小さい本体にボタンとインターフェースがぎっしりと詰め込まれている。
ボイスレコーダーの基礎機能
「PCM-A10」は値段が高いだけあって思っている以上に機能が豊富で出来ることが多い。ということでここからはボイスレコーダーの中で最も多機能であろう「PCM-A10」をベースに機能を解説していく。
まずは全てのボイスレコーダーが搭載しているであろう基礎機能が下記。
- 録音
- ABリピート
- トラックマーク
- VOR
- ノイズキャンセリング
- リミッター
- 倍速再生
ほぼ説明する必要もない機能ばかりだと思うけど、VOR、ノイズキャンセリング、リミッターだけ解説する。
VOR(音声検知録音)
VOR(音声検知録音)は一定の音量を検知した場合にのみ録音する機能で、無音部分が録音されないからあとで録音データを聞き直す時の負担を軽減できる。
ノイズキャンセリング機能
名前の通りではあるけど録音時のノイズを除去してくれる機能。
とはいえPCM-A10でこの機能を使うと音が篭るから品質はイマイチ。
リミッター
録音時の音割れを防ぐ機能。録音時の大きな音は割れてしまうんだけど、ボイスレコーダー側で録音音量を割れない範囲まで落として音割れを防いでくれる。
この機能は便利だから常にオンにしてていいと思う。
ボイスレコーダーの付加機能
ここからは上位モデルのPCM-A10が搭載しているけど、他のボイスレコーダーでは搭載していないかもしれない機能を解説していく。
液晶バックライト
文字通りの液晶バックライト。発光するから夜でも操作しやすい。ついてて当たり前かと思ったけど安いモデルにはついていないらしい。
リハーサル機能
ボイスレコーダーの録音は音量にも忠実だから、まず最初にどれくらいの音量をベースにするかのゲイン設定を調整する必要がある。これが話し声とか環境音、エンジン音とかで全然違うからその都度調整するのがめんどくさい。
それを解決するためにPCM-A10にはリハーサル機能が付いていて、しばらく音を聞かせることで最適なゲイン設定を自動で調整してくれる。
毎回ゲインを調整するのはめんどくさいからこの機能はかなり便利だし絶対あった方が良い。
マイクの角度調整
PCM-A10には二つの指向性マイクが付いていて、そのマイクの確度を3段階に調整することができる。
内側に向ければピンポイントの音を録音するし、
外側に向ければ広がりのある音を録音できる。
リアルタイム録音確認
PCM-A10は録音している音をリアルタイムで出力できるから、ヘッドホンを接続することで実際の音を確認しながらの録音が可能。設置場所とかゲインの調整がやりやすい。
もちろんPCM-A10に外部マイクを接続すれば外部マイクでの録音をリアルタイムで確認できる。便利。
外部マイク化
上と同じ機能ではあるんだけど、PCM-A10は録音している音を同時に出力できるから、イヤホンジャックに外部デバイスを接続することで外部マイクとしても利用できる。
GoProのマイクは音質が良いとは言えないんだけど、PCM-A10を使えば高音質で録音可能。音はPCM-A10にも同時に録音されているから音声データのみの抽出もできる。
三脚ネジ付
PCM-A10には三脚ネジが付いているから三脚とかカメラへの取り付けが可能。本体はプラスチック製だけど三脚ネジ部分は金属製で
ネジが馬鹿になる心配もないのが嬉しい。
Bluetooth出力対応
PCM-A10はBluetooth出力に対応しているからBluetoothスピーカーとかBluetoothイヤホンとの接続が可能。
録音した音をその場で聞けるし、ストレージに音楽を入れておけばDAPとしても活用可能。とはいえスマホがあるからDAPとして使うことは無い。
注意点として、録音時のリアルタイム出力は有線イヤホン限定で、Bluetoothイヤホンではリアルタイムな録音の確認はできない。
スマホ連携
PCM-A10はBluetoothでスマホとの連携が可能。PCM-A10をホールド状態にしていてもスマホで録音操作ができる。
例えばバイクのエンジン音の録音とか、ボイスレコーダーを手元に置けない録音時に重宝する。この機能はかなり便利。
ボイスレコーダーのデメリット
PCM-A10は俺が想像していた以上に多機能で、概ね満足はしているんだけど、ここからはPCM-A10を使って分かった不満点を解説したい。
操作性が悪い
これはPCM-A10が悪いわけではないんだけど、スマホ全盛時代でスマホの直感的な操作になれてしまうと多数の物理ボタンが煩わしく感じる。
幸いPCM-A10はスマホ連携に対応しているから、俺はほとんどの録音をスマホから操作している。
再生の操作性も悪い
物理ボタン操作と微妙なUIのお陰で録音したファイルの再生がとにかくやりにくい。聞きたいところまで飛ばそうにも早送りも遅い。
とっととパソコンにデータを移さないとまともに録音データを確認する気にもならない。
やっぱりスマホの操作に慣れてしまうとこういうデバイスでの操作はきつい。
スピーカー音質がクソ
PCM-A10は録音音質は綺麗なのにスピーカーはとんでもないゴミ。全然音質を確認できない。おまけだと思った方が良い。
ゲインの調整がめんどくさい
これはボイスレコーダーを買うまで全然知らなかったんだけど、ボイスレコーダーの録音ではどれくらいの音量を基準にするかのゲイン調整が超重要なんだ。
ゲインが大きすぎると音割れしてしまうし、ゲインが小さすぎると音質が悪くなる。
これは実際の音に忠実に録音できるボイスレコーダーの宿命ではあるんだけど、毎回丁度いいゲインに調整するのはリハーサル機能があるとはいえめんどくさい。
自動調整機能は微妙
上で毎回ゲインを調整するのが手間と書いたんだけど、PCM-A10には一応ゲインの自動調整機能もついている。
ただ、ゲインの調整に限らず、ノイズキャンセリングとかリミッターも含めて、全体的にクオリティは微妙。
自動調整に関してはスマホとかGoProの性能が上がり過ぎていて単純に撮って出しするのであればスマホとかGoProの方が断然クオリティが高い。
PCM-A10はマニュアルで微調整しないと真価を発揮できないデバイスだ。
PCM-A10はデビューにおすすめ
一口に録音と言っても必要な機能、設定が多いし、録音を補助する機能が付いているかどうかで使い勝手は大きく変わるんだけど、PCM-A10の良い所は、最上位モデルなのにたったの18,000円で購入できるところなんだ。
もちろん安い物なら3,000円くらいで手に入るんだけど、ボイスレコーダーなんてどうせ一度買えばずっと使えるし、多機能な方がいざと言う時に役に立つんだから、たったの15,000円差なら惜しんだ方が損な気がする価格差だった。
ということで今ボイスレコーダーの購入を検討している人はPCM-A10か、他社の最上位モデルを購入すればいいと思う。