時の流れというのは残酷なもので、昔は3歳の幼女だった俺の親も今や77歳?の立派な後期高齢者になっていて、このまま行くと来年は78歳になるし再来年は79歳になるうえに、30年以内には死ぬ予定。
悲しいかなこれが現実で人類はまだ老化には抗えない。遅かれ早かれ俺は親を見送ることになるし、俺もいつか子に見送られることになる。まぁ人生って感じ。
ただ実は死ぬ前にボケるか否かという問題もあって、万が一親がボケた場合、誰かが親の保護者にならないといけない。これを事前に決めておく制度を任意後見制度といい、それをそろそろ進めたいと思っているという話をする。
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後見人は保護者みたいなもの

そもそも任意後見契約とか聞いたことねーって気持ちは非常によくわかる。大丈夫。みんな同じ。俺も最初は知らなかった。
この辺りは広く浅く法律を学ぶ公務員試験の賜物。
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という意味で人生の糧になる素晴らしい試験だったなと思っているんだけど、要は後見人は保護者みたいなものだと思えばOK。
後見人はジジイババアの保護者
現在18歳未満の少年少女に意思決定の権利が認められていないのは彼ら彼女らが保護される立場だからであり、この時の保護者である親が後見人みたいなものだと思ってほしい。言葉がムズイけどざっくりそんなイメージ。
18歳未満の未成年は法的な判断能力がないからスマホ契約も賃貸借契約も親の同意が居るんだけど、未成年以外も保護した方が良い人はいるよね?じゃジジイババアも保護しましょう。ジジイババアの保護者は後見人と呼びましょう。って感じ。
厳密には色々な違いはあるけど後見人 = 保護者みたいなものだと思えばOK。
任意後見はボケる前の契約が必須

じゃあ今の俺の親に保護者が必要かと問われると全然要らない。まだ意識ははっきりしてるし判断能力もある。全然一人で生きていける。だからまだ俺の親に保護者は必要ないんだけど、じゃあ万が一ボケたらどうすんの?って話が次に出てくる。
ボケた親の判断は認められない
その時に俺が親の任意後見人になりますって宣言したところでそれはもう受け付けてもらえないんだ。なぜなら既に親はボケているから。もう親に判断能力は無いから。

つまりそれが本当に親の意思か否かを裁判所は判断できないという話。
もし俺が悪人なら親の任意後見人になって親の財産を搾取することだってできてしまう。悪人じゃないという保証が無いから、ボケてからの任意後見の受付は不可。
ボケれば法定後見人が割り当てられる
だから万が一ボケた場合、親の保護者たる後見人には多くの場合、裁判所が選任した弁護士または司法書士が割り当てられることになる。これを"法定"後見人という。
裁判所が保護者を決めるから"法定"後見人で、親の意思で保護者を決める場合は"任意"後見人になる。
法定後見人は月額5万円程度

で、まぁ中立の立場である弁護士か司法書士が法定後見人になってくれるのは心強いしありがたいんだけど、当然そこには費用が発生することになる。
これが相場だと月2万円から7万円だと言われていて、法定後見人が管理する親の資産額とかにもよるんだけど、うちの場合は親の資産額は実家込みで1000万以下だから3万円程度になる見込み。
つまり任意後見人を指名していなかったばかりに、ボケた親を守るための費用が毎月3万円も発生してしまうんだ。年間にすると36万円にもなる。全然馬鹿にできない。
信頼できる息子は後から後見人になれない
とはいえ親の生活は守らないといけないし、既にボケてしまっている親に任意後見人を指名してもらうのも無理。
信頼できる息子がいるにも関わらず、任意後見手続きをしていなかったばかりに俺は親の後見人にはなれず、毎月のムダ金まで発生してしまうかもしれないという話。
これを防ぎたいというのが今回俺が任意後見手続きを進めようとしている理由だったりする。
任意後見人と法定後見人の違い

ボケる前に親が指名するのが"任意"後見人。裁判所に決められるのが"法定"後見人というのは上で書いた通りだけど、じゃあ任意後見人って何ができるの?ってのがChatGPTに聞いた感じだと下記。
ポイント
- 銀行の入出金・振込などの財産管理
- 家賃・公共料金支払い
- 介護サービスの契約
- 自宅の修繕・管理
- 病院の支払い、入院手続き
- 日常生活費の管理
要は親に代わって緩く日常の管理ができるってこと。
但し下記の重めの手続きとかは
注意ポイント
- 銀行口座の凍結
- 契約の取り消し
- 相続財産の管理
法定後見人にしかできない点に注意。要は任意後見人からの搾取を防ぐ目的がある。
任意後見はボケて初めて有効になる

ところで任意後見契約は締結してすぐに効力が発生するかというとそういうものでもなく。だからボケる側の人は契約を締結したところで権利も生活も何も変わらないから安心してほしい。
じゃあいつ有効になるのかというとボケてから。つまり医師にボケたと診断されたことを裁判所に伝えて初めて任意後見契約が有効になるということ。
だから任意後見契約を締結したけど生涯ボケずに死にましたも全然あり。ボケなければ後見されることもない。生涯自分の権利は自分の物。
あくまでも万が一ボケた場合に備える保険が任意後見契約の意義だから、もっとフランクに結んでしまっていいという話。備えあれば嬉しいし安心。
任意後見契約を結ぶ全体の流れ

じゃあどうやって任意後見契約を締結するかはChatGPTに聞きつつ役所に電話するのが一番確実なんだけど全体の流れは下記。
- 後見契約内容の検討
- 公証役場への電話予約
- 必要な持ち物の準備
- 公証役場で公正証書化(約13,000円)
- ボケ待ち
まず何を任せるかの内容をざっくりと検討する。この辺のひな形はウェブ上に溢れてるし、ChatGPTに作成を任せてもOK。
契約書ができれば公証役場に電話予約をして、当日必要な持ち物と一緒に訪問し、そのまま契約書を公正証書化する。これで契約書が法的効力を持つから、あとは親がボケたら医師の診断書を家庭裁判所に持ち込んで任意後見契約を有効にすればOK。
実子が法定後見人になることもある

ちなみに上で法定後見人になれるのは弁護士か司法書士って書いてるけど、実は実子がなることも全然ある。
親との関係が良好で、親の財産が少なく、子に金銭的な問題とか前科とかもなければ子が法定後見人に指名される例も少なくないんだとか。つまり俺のケースであれば俺が法定後見人になる可能性が高い。
が、万が一の可能性も考慮して念のため任意後見契約を締結しておいた方がより安心できるという話。
それでも詐欺被害の対策は難しい現実

ここまで色々手を尽くせばもう安心。法定後見人に払う月5万円も節約できるし、不当な契約もあとから取り消せる。完璧。
ということには残念ながらならないのが現実。特に詐欺みたいな契約は悪意があるから、金を取られたら基本的には回収できない。契約の取り消しどうこうが通用するのはまともな企業が相手の場合だけなんだ。
実際うちの親も現金資産はほぼないんだけど、実家というそれなりに価値のある不動産はある。じゃあこれを任意後見人なら確実に守れるかと問われると結構微妙なところだったりする。
自分が実家の抵当権者になれば最強

つまり騙されたら終わり。お手上げ。って話なんだけど、最強の対策方法があるとすれば、俺が実家の抵当権者になることだったりする。要は俺に実家を差し押さえる権利があれば詐欺師も実家を諦めるという話。
具体的には300万円を親に無利子無期限で貸す金銭消費貸借契約を親と結んで、実家を担保に取る。そしてこれを登記する。実家の不動産登記簿に俺の抵当権が記載されていれば詐欺師も諦める。というライフハックがある、らしい。
但しこのやり方は実家の価値にそれなりに見合った金額を貸しつけるという重めのタスクが必要。1万円で実家を担保に取るとかは相続時に税務署に指摘されるから注意。我が家の場合は多分300万円は親に貸し付けないと厳しいと思う。
まぁそこまでするかは人それぞれだけど心配性な人はやってもいいかもしれない。やらなくてもいいかもしれない。
終活のきっかけに任意後見はお勧め

いずれにせよ俺の親は77歳なのは間違いなくて、既に健康寿命は超過済み。いつ倒れてもおかしくないし、寝たきりになればいつボケてもおかしくない。少しでも歯車が狂い始めたら死まで一直線という状況にある。
ということで終活といってしまうと大げさだけど、任意後見手続きとかを進めることで、間接的に親に終活を促してしまうのはあり。
そうすれば親も死を意識せざるを得なくなり、相続とか、資産整理とかが自然に進む。かも。まぁなんともいえない。
こういう話ってできるようでなかなかできないから、一つのきっかけとしてチャレンジしてみようと思う。あと一緒に公正証書役場に行くのなら帰りに近所にあるであろう裁判所に寄って傍聴を楽しむのもお勧め。
久々に裁判の傍聴行ったけどやっぱ揺さぶられるな。人生かかってるからドラマ以上のドラマだし危うく貰い泣きするとこだった。究極の社会見学って感じでいつか我が子とも行きたいと思ったけど、ちょっと表現が直接的過ぎるな。特に不同意性交事件とか我が子とは無理すぎ。よくてデート辺りが限界だわ
— トーマス@ガジェマガ (@gadgetKaeru) November 26, 2025
なんてったって無料。親孝行の一環として共に時間を過ごすことを検討してほしい。


