全く使う気はないんだけどあのAppleが最強のA13チップ搭載iPhoneを5万で出すなら買わない理由が無い。ということで完全に金のためだけにiPhoneSEの128ギガモデルを購入したから忖度一切なしでレビューしていく。
もちろんYoutube動画にもする。Appleは金になるから好き。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
新型iPhoneSEの特長
まず最初に新型iPhoneSEの特長は下記。
- 待望の4.7インチ小型iPhone
- 148グラム超軽量
- 指紋センサー搭載
- A13チップ搭載
正直カメラと性能を良くしただけのiPhone8だから目新しさは0。あんまり語ることが無い。
とはいえXS以降の待望の小型iPhoneだからサイズ感がネックで買い替えられなかった人には待望のiPhoneになる。それ以上でも以下でもない。
新型iPhoneSEのスペック
新型iPhoneSEのスペックは下記。一応ベースとなるiPhone8のスペックも横に載せておく。
iPhoneSE | iPhone8 | |
ディスプレイ | 4.7 | 4.7 |
解像度 | 1334×750 | 1334×750 |
CPU | A13 | A11 |
メモリ | 3 | 2 |
ストレージ | 64,128,256 | 32,128,256 |
バッテリー | 1821(18W急速充電) | 1821(18W急速充電) |
おサイフ | 〇 | 〇 |
防水 | IP68 | IP68 |
指紋認証 | 〇 | 〇 |
重量 | 148 | 148 |
サイズ | 67.3x138.4x7.3 | 67.3x138.4x7.3 |
注目したいのはiPhone11シリーズと同じA13チップを搭載していることで、小型ボディがこの高性能を扱いきれるのかということなんだ。
A13/3ギガメモリ搭載
繰り返しになるけど新型iPhoneSEはiPhone11シリーズと同じA13チップとiPhone11シリーズより1ギガ少ない3ギガメモリを搭載する。
最近のAndroidは6ギガメモリ以上が一般的ではあるけど、iPhoneシリーズは最大でも4ギガと少な目。とはいえiOSが軽いのか動作に不満を感じることは無くサクサク。
Antutu43万点
有名ベンチマークアプリAntutuベンチマークで計測した新型iPhoneSEのスコアは1回目が430946点、間髪入れずに計測した2回目が296323点だった。
ガジェマガでの過去の計測結果と比較すると下記。
- Mi 10 574721(Snapdragon865)
- iPhone11 508410(Apple A13)
- ROG Phone 2 487983(Snapdragon855+)
- Mi 9 431470(Snapdragon855)
- iPhoneSE 430946(Apple A13)
- Mate 20 Pro 355915(Kirin980)
- Redmi Note 9S 約280000(Snapdragon720G)
- Mi Note 10 254844(Snapdragon730G)
- Mi 9T 254457(Snapdragon730)
- OPPO Reno A 192793(Snapdragon710)
新型iPhoneSEはスペックこそiPhone11とほぼ同じではあるけどCPUの出力が抑えられてるっぽい。
理由は恐らく熱とバッテリーの対策で、2回目で大きくスコアを落としていることからも新型iPhoneSEは熱に超弱いことが分かる。
これは小型化の弊害で、なんでもそうだけどサイズ感と排熱及びバッテリーのトレードオフは避けられない。
とはいえそれでも新型iPhoneSEの性能はSnapdragon855のMi 9とほぼ同じで、超高性能であることに変わりはない。iPhoneSEは長時間のゲームプレイには向いていない。
新型iPhoneSEは12.5時間バッテリー
新型iPhoneSEの最大の懸念点はバッテリー容量の少なさによるバッテリー持ちではあったんだけど、明るさ50%、音量50%でYoutube動画を1時間流したバッテリー残量が下記。写真左側が新型iPhoneSEで、右側がiPhone11。
iPhone11が4%減に対して新型iPhoneSEは8%も減った。つまり単純計算で新型iPhoneSEのバッテリー持ちはiPhone11の丁度半分ということになる。
ガジェマガの過去の計測結果と比較すると下記(※Androidスマホの計測データは100%から20%までの時間なのでiPhoneのバッテリーを0.8がけ)
- iPhone11 20時間
- ZenFone 6 18時間20分
- ROG Phone II 15時間21分
- Mi Note 10 14時間27分以上
- Mi 9T 14時間27分
- UMIDIGI S3 Pro 13時間45分
- OPPO Reno A 12時間3分以上
- Mi 9 12時間3分
- Mate 20 Pro 11時間21分
- 新型iPhoneSE 10時間
- Mi 10 9時間29分
- Alldcube M8 4時間47分
新型iPhoneSEは丸一日程度であれば問題なく使えるバッテリーだった。
新型iPhoneSEの重量はバッテリー容量が少ない分たったの146グラムと超軽い。
194グラムのiPhone11と比較しても手の負担が全く違う。
新型iPhoneSEの外観
しつこいけど新型iPhoneSEはiPhone8の焼き回しだから外観もほぼ全く同じ。目新しさはない。
唯一の違いはリンゴマークの位置と背面iPhone表記の有無だけ。左が新型iPhoneSEで右側がiPhone8。
デザインは新型iPhoneSEの方がシンプルで良い。文字って邪魔なのね。
背面にはシンプルにカメラがあるのみだけど、新型iPhoneSEはおサイフと無線充電にも対応している。
カメラは今時としては少し寂しいシングル。
カメラの隣には動画撮影用のマイク兼電話中のノイズキャンセリングマイクがある。iPhoneの音への拘りは凄い。
左側面には電源ボタンとSIMスロットがあって
上面には何も無し。
右側面には音量ボタンと物理マナーモードスイッチがある。
この辺の作りもiPhone8以前と全く同じ。
底面には通話用マイクとスピーカーと誰にも望まれていないLightning端子がある。
繰り返しにはなるけど新型iPhoneSEは無線充電に対応するからLightning端子を使わなくて済むのが不幸中の幸い。
前面は極太ベゼルの4.7インチディスプレイを搭載する。ビンテージ感と言えば言葉は良いけど古臭さは否めない。
ディスプレイの上部にはフロントカメラと受話口と密かに2つ目のノイズキャンセリングマイクを搭載する。iPhoneの音に対する拘りは凄い。
新型iPhoneSEはデュアルスピーカー仕様
受話口は二つ目のスピーカーも兼ねるデュアル仕様だから、新型iPhoneSEはコンテンツを高音質で楽しめるのが嬉しい。
ちなみに音は明確にiPhone11の方が綺麗で大音量だった。
ホームボタンはボタンじゃない
ディスプレイの下部には賛否両論ある物理指紋センサー付きのホームボタンを搭載する。
このホームボタンはボタンと言いながら実はボタンではないんだけど、ボタンを押したタイミングで良い感じに振動するTaptic Engineを搭載していて、まるで押したかのような感覚を得られる構造。
押せば押すほどボタンとしか思えないんだけど、電源を切った状態では押せないミラクルが起きる。こういうAppleの神業は素直に凄いと思うけど普通に画面内指紋センサーで良いとも思う。Appleの演出が憎い。
新型iPhoneSEは超コンパクト
新型iPhoneSEは4.7インチとコンパクトなサイズのお陰で片手にすっぽり収まるのが魅力で、
最近の大画面化したスマホと比較するとこんなにも大きさに差がある。
左から新型iPhoneSE(4.7インチ)、iPhone11(6.1インチ)、Mate 20 Pro(6.4インチ)、Mi 10(6.67インチ)。6.67インチが最近の主流になりつつあることを思うと、新型iPhoneSEはかなり小さい。
新型iPhoneSEは情報量が少ない
深刻なのが一画面に表示できる情報量の差で、設定で文字サイズを最小にして比較したものが下記。
同じウェブサイトでもiPhone11の方が7行多く、Mate 20 Proの方が10行多く表示できる。情報量の差はiPhone11で約1.25倍でMate 20 Proなら1.3倍。
これだけ違うとコンテンツの迫力だけでなくスクロールの回数にも大きな差が出る。大画面スマホが人気の理由はこれ。
新型iPhoneSEは画面比率が16:9だからYoutubeの画面を目いっぱいに表示はできるんだけど、結局画面サイズの差には勝てない。
コンパクトなサイズは情報量とのトレードオフだから、どこまで限界を切り詰められるかが課題にはなるんだけど、新型iPhoneSEのサイズはコンパクトさを重視し過ぎてる感がある。そういうスマホだから当たり前っちゃ当たり前。
新型iPhoneSEのカメラはiPhone11よりやや劣る
ここからは新型iPhoneSEのカメラを検証する。カメラユニットはiPhone8より良くなってるとかなってないとか諸説あるんだけど、新型iPhoneSEの購入を検討する人はiPhoneシリーズで迷うと思うからここではiPhone11の作例と比較する。
ちなみにiPhone11も別でレビュー記事を書いていて、そこではMate 20 Proとの比較を行っているからiPhone11の画質が気になる人は参考にしてほしい。
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作例は全てカメラを向けてシャッターボタンを押しただけの撮って出し。iPhone11 → iPhoneSEの順番で掲載する。
新型iPhoneSEの昼の写真の比較
なにも言うことがない。全く同じ。唯一微妙に新型iPhoneSEは画角が狭い。
全く同じ。素晴らしいシンクロ率。
以下同文。新型iPhoneSEの画角の狭さが目立つ。
新型iPhoneSEの昼の写真の総評
さすがに同じ会社が作ってる同じブランドのスマホというだけあってソフトウェアが全く一緒で、色も明るさも完ぺきにシンクロした。
唯一新型iPhoneSEの方が若干画角が狭いという違いはあるんだけど誤差の範囲。昼の写真の写りは文句なし。
夜の写真の比較
夜の写真に関しても基本的にはiPhone11と全く同じ。ただし、新型iPhoneSEはセンサーのサイズが小さいのか全体的にノイズが多め。
左上の「オカダヤ」の看板周辺はかなり潰れて鮮明さを失っている。
更に光が少ない写真での比較。色合い、明るさ共に全く同じ。光源のゴーストが出現するところまで同じ。
傾向としては上の写真と全く同じで、新型iPhoneSEは暗い場所にノイズが多くて潰れてる。
これも同じ。この構図は多くのスマホが露出の調整で撃沈するんだけど新型iPhoneSEはギリギリ耐えた。微妙にゴーストが出現しているけど5万円のスマホにしてはかなり優秀。但し細部の鮮明さは無いのと画角の狭さが目立つ。
ちなみに俺のメインスマホMate 20 Proだとこんな感じ。カメラはHuaweiが強い。
新型iPhoneSEの夜の写真の総評
iPhone11と比べると若干ノイズが多いのが気になるけど、それはiPhone11と比べているからで、例えば4万円で購入できるコスパ最強スマホOPPO Reno Aだとこんな感じで
これと比べるとiPhoneSEは優秀だし性能も圧倒的。確かにノイズが多くて暗い環境には弱い傾向ではあるけど、どんなシーンでも平均点以上の写真を撮影できるソフトウェアは流石の完成度だった。
OPPO Reno Aのレビュー記事は下記。
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新型iPhoneSEの良い所と悪い所
ここからは解説したものもしてないものも含めて新型iPhoneSEの良い所と悪い所をまとめる。
【新型iPhoneSEの良い所】軽く小さく持ちやすい
新型iPhoneSEは146グラムと超軽量かつ超小型。6.4インチのスマホと比べるとポケットに余裕あり過ぎて入ってないのかと思う事態が頻発した。
手が小さい人とか親指が短い人にこのサイズ感はありがたい。
【新型iPhoneSEの良い所】処理能力が高い
新型iPhonSEのAntutuスコアは43万点と超高くて、日本で発売されているスマホとしては性能対価格のコスパは最高クラス。
熱に弱いしバッテリーも持たないけど、そんなことは新型iPhoneSEを買うライトユーザーには関係ない。
【新型iPhoneSEの良い所】写真も動画も綺麗
新型iPhoneSEのカメラは昼間の写真なら文句なしだし、夜の写真も平均以上で安定してる。動画のクオリティもiPhone11並で、Youtubeのレビューで載せる予定だけど手振れが無い超滑らかな映像が撮れる。
今どきとしては少し寂しいシングルカメラだから撮影できる写真のバリエーションが少ないのは残念ではあるけど、そんなことは新型iPhoneSEを買うライトユーザーには関係ない。
【新型iPhoneSEの悪い所】バッテリーが持たない
新型iPhoneSEのバッテリー持ちは12.5時間と今のスマホにしては少な目だけど、そんなことは新型iPhoneSEを買うライトユーザーには関係ない。
【新型iPhoneSEの悪い所】は画面の情報量が少ない
新型iPhoneSEは画面サイズが小さいこともあって画面の情報量が少ないのが欠点だけど、そんなことは新型iPhoneSEを買うライトユーザーには関係ない。
【新型iPhoneSEの悪い所】Lightning端子がうんこ
新型iPhoneSEは充電がLightning端子だから俺みたいにスマホを何台も保有してるキチガイにとっては頭の痛い存在になるけど、そんなことは新型iPhoneSEを買うライトユーザーには関係ない。
しかも無線充電にも対応しているからセーフ。
【新型iPhoneSEの悪い所】外部ストレージ化不可能
新型iPhoneSEというよりはiOSの問題ではあるけど、Androidと違ってパソコンに繋いでも外部ストレージ化できない。
とはいえスマホにデータを入れて持ち運ぶなんて普通の人はしないから、そんなことは新型iPhoneSEを買うライトユーザーには関係ない。
新型iPhoneSEはライトユーザーを見分ける踏み絵
俺なら絶対に新型iPhoneSEは買わない。3万円高いiPhone11を選ぶ。なぜならそれは俺がスマホを長時間使うヘビーユーザーだから。
ヘビーユーザーにとっての新型iPhoneSEの致命点
スマホヘビーユーザーにとってのiPhoneSEの致命的な欠点は下記。
- バッテリーが持たない
- シングルカメラ
- 画面の情報量が少ない
- 熱に弱い
俺ならこの中の一つにでもひっかかった瞬間に候補から外すけど、それは俺がスマホヘビーユーザーだから。新型iPhoneSEも俺みたいなヘビーユーザーをターゲットにしていないから逆相思相愛でAppleの思惑通り。
新型iPhoneSEが刈り取りたいのはiPhone11を敢えて買わない残党ライトユーザー達で、iPhone11と真逆の作りにすることによって棲み分けるAppleの市場戦略を見事に形にしたスマホだった。
ライトユーザーにとっての新型iPhoneSEの魅力
スマホをハードに使わないライト層にはシンプルな作りのiPhoneが5万円で手に入るだけで魅力的だし、どうせそんなに使わないからiPhoneSEの致命点も気にならない。つまり瞬間最大風速に強いA13チップのメリットだけが活きる。
もちろんAntutuのスコアなんて誰も気にしないから性能を落としても全く問題が無い。
自覚があるならマストバイ
俺みたいなヘビーユーザーが新型iPhoneSEに魅力を感じないのは当然で、逆に言うならライトユーザーには手放しで勧められるスマホに仕上がっているのも間違いない。少なくと旧型iPhoneSEとかiPhone6、7辺りを敢えて使っている人にとって新型iPhoneSEは間違いのない選択肢になる。
ということで俺は今後ライトユーザーにおすすめのスマホを聞かれたらiPhoneSEを勧めることにする。食い気味に。
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