現在購入可能な最強のクリエイターノートパソコンを購入した。その名も「Yoga Pro 7i Gen 9」。名前もシンプルで良い。
これは俺が今メインで使ってるノートパソコン「Yoga Slim 770i ProX 14.5」の後継機ではあるんだけど、相変わらずLenovoはスペックに対する価格が圧倒的なんだ。
ということでどれくらい性能が上がったのか、買い替える価値はあったのかを検証していく。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
Yoga Pro 7i Gen 9はぼくが考えた最強のノートPC
何を隠そうYoga Pro 7i Gen 9は俺の待望のノートパソコンなんだ。以前「ぼくがかんがえたさいきょうのノートパソコン」記事で次はこんなパソコンが欲しい。と書いたものがドンピシャで発売された。しかもお値段も22万円と良心的。いや高い。けどこのスペックにしては異様に安いんだ。つまり安い。
「ぼくがかんがえたさいきょうのノートパソコン」記事は下記。
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【令和最新版】今のノートパソコンの不満と欲しいノートパソコンの条件
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というのも現在俺がメインで利用しているノートパソコン「Yoga Slim 770i ProX 14.5」は既にほぼ完ぺきだったりする。
1年半使った今現在も特に不満は無いし買い替える必要性も感じていない。そんな高すぎるハードルをカタログスペックで越えたのが今回購入した「Yoga Pro 7i Gen 9」だという話。
つまり絶対的な勝利が約束されてると信じてる。俺、信じてる。
Yoga Pro 7i Gen 9の詳細なスペック
今回購入したYoga Pro 7i Gen 9と以前まで使っていたYoga Slim770i ProX 14.5のスペックを比較すると下記。
Yoga Pro 7i Gen 9 | Yoga Slim 770i ProX 14.5 | |
液晶サイズ | 14.5 インチ(120Hz有機EL) | 14.5 インチ(120Hz) |
解像度 | 2880x1800 | 3072x1920 |
CPU | Corei Ultra 7 155H | Corei7-12700H |
GPU | RTX4050 | RTX3050 |
メモリ | 32GB | 32GB |
ストレージ(GB) | SSD1TB | SSD1TB |
駆動時間 | 6.6時間 | 18時間 |
重量(kg) | 1.59 kg | 1.45 kg |
SDスロット | 0 | 0 |
USB-A | 1 | 1 |
USB-C | 2 | 2 |
HDMI出力 | 1 | 1 |
充電速度 | 140W | 100W |
価格 | 220,000円 | 250,000円 |
なんとカタログスペックは圧倒的に高いのに価格は安い。Lenovoはどうかしてるぜ!
外部GPUにRTX4050搭載
特に嬉しいのはYoga Pro 7i Gen 9は外部GPUにRTX4050を搭載していることで、描写性能の向上は圧倒的なんだ。ゲーム性能も飛躍的に向上していて持ち歩けるPS5と言ってしまってもいいレベル。
これを実現しているのはCore Ultra 7 155Hという新世代CPUを搭載したことで省電力性能が向上した結果、140W充電内にRTX4050が収まったからに他ならない。技術の進歩に感謝。
ベンチマークテスト比較
ノートパソコンを購入する上でなにより重要なのは仕事効率がどれだけ向上するかだから早速計測した各種ベンチマーク結果を比較すると下記。
Yoga Pro 7i Gen 9 | Yoga Slim 770i ProX | |
CinebenchMulti | 17080 | 12791 |
CinebenchSingle | 1729 | 1709 |
Passmark | 9673 | 5874 |
FF15 | 9633 とても快適 |
6669 快適 |
Lightroom100枚書き出し時間 (長編1920・プロファイル補正のみ) |
1:05 | 1:15 |
VegasPro20 プレゼン動画書き出し(25分36秒動画) |
6:25 | 5:59 |
Core Ultra 7 155Hはマルチコア性能が1.3倍
Yoga Pro 7i Gen 9 | Yoga Slim 770i ProX | |
CinebenchMulti | 17080 | 12791 |
CinebenchSingle | 1729 | 1709 |
Passmark | 9673 | 5874 |
Core Ultra 7 155Hはシングル性能はほぼ同じながら、実際の動作に影響を与えやすいマルチコア性能はCore i7 12700Hと比較して1.3倍にまで向上していた。
これで省電力も実現しているんだからすごい。
3D処理能力も大幅に向上
Yoga Pro 7i Gen 9 | Yoga Slim 770i ProX | |
FF15 | 9633 とても快適 |
6669 快適 |
更に3Dの処理能力も大幅向上で約1.5倍のスコアが出た。PS4のゲームは余裕で動くし、最高設定でなければPS5のゲームだってそれなりに動く。はず。
Yoga Pro 7i Gen 9ならパソコンを持ち歩きつつたまにゲームをしたいという要望にも余裕で応えられる。
クリエイタークリエイターアプリはほぼ変わらず
Yoga Pro 7i Gen 9 | Yoga Slim 770i ProX | |
Lightroom100枚書き出し時間 (長編1920・プロファイル補正のみ) |
1:05 | 1:15 |
VegasPro20 プレゼン動画書き出し(25分36秒動画) |
6:25 | 6:05 |
ベンチマークでは数値が向上してる一方で、クリエイターアプリでの作業時間は残念ながらほぼ変わらなかった。というか動画の書き出し性能は寧ろ落ちてて悲しい。
これは多分3D性能の向上がクリエイターアプリに与える影響が少ないこと、アプリ側でのCore Ultraへの最適化が進んでないことが原因。
今年の10月あたりに発売されるVegasPro22ならもっと感動スコアが出る。と信じたい。
一応今のままでも十分快適だから全く不満はないんだけど、22万円も払って変わらないのはちょっと悲しい。
Yoga Pro 7i Gen 9のボディは旧型とほぼ同じ
Yoga Pro7i Gen 9の外観は俺が使っていたYoga Slim 770i ProX 14.5とほぼ変わらず。大きな変化は色。タイダルティールという名の紺色しか選べなくなった。
これはこれで全然嫌いじゃないからいいけどシルバーと違って紺色は若干指紋が目立つ。
でも指紋とか割とどうでもいいから無視する。
それ以外の差は若干筐体に高さが出たこと、
画面上部の突起が大きくなって片手で開きやすくなったこと
重量が約100g増えて1560gになったこと程度。
この性能でこの価格、この重量ならなにも文句はない。
インターフェースは若干並びが変わっただけで同じ。
前回同様HDMIの代わりにSDスロットが欲しかったけどそれも許す。
そのほかキーボードの作りとかスピーカーの位置とか
背面がデュアルファンなのも全く一緒。
完成度の高い筐体はどれだけ使いまわしてもらってもOK。コストカットを重視してくれるLenovoに感謝したい。
今回からディスプレイに有機ELを採用
一方で今回からディスプレイにはギンギラギンの有機ELを採用。
有機ELは明暗差が大きいからコンテンツ消費には強いけどクリエイターには向かない。特に同じ画面を長時間移すノートパソコンだと焼き付く可能性が高いからメリットが全然ない。できればIPS液晶がよかった。
けどこの値段なら文句はない。許す。
筐体は180°まで開くから多くのシチュエーションでの作業に対応可能。
ディスプレイを高くするほど首にやさしいから日本一周ではかなり助けられた。
Yoga Pro 7i Gen 9も熱に超強い
ところで俺がYoga Pro 7i Gen 9を選ぶ最大の理由は安さもあるけど、なにより熱への耐性に優れるからなんだ。
一般的にノートパソコンはコンパクトなボディに高い処理能力を詰め込む仕様上熱に弱く、長時間の高負荷ではパフォーマンスを落とすのが普通。
つまりゲームとか動画編集をしてると次第に動きが遅くなるのが当たり前なんだ。それがゲーマーがデスクトップパソコンにこだわる理由でもある。んだけど、その熱暴走が無いのがYoga Proシリーズ最大の強み。
Yoga Slim 770i ProX 14.5と同じくデュアルファンを搭載
なんとYoga Proシリーズは負荷をかけてもパフォーマンスが全然落ちない。ノートパソコンなのに(倒置法)。
それは今回も背面に搭載されたデュアルファンによる排気効率のお陰で、長時間のゲームだって動画編集だって余裕でできてしまう。
ノートパソコンでのクリエイティブに欠かせない熱暴走と無縁なのがYoga Pro 7i Gen 9の魅力なんだ。
【欠点】有機ELのギラギラはクリエイティブに不向き
Yoga Pro 7i Gen 9はYoga Slim 770i ProX 14.5と違ってディスプレイにIPS液晶ではなく有機ELを搭載しているんだけど、これが諸刃の剣で悩みどころ。
というのも有機ELはクリエイティブ作業には向かないんだ。なぜなら発色が良すぎるから。自分が作っている写真、動画の色が正しいのかを判断しづらい。結果不安が増える。
更に焼き付きの不安もある。特にノートパソコンだと画面下部は永遠に表示が同じでリスクが高い。
一方でコンテンツの迫力は増すからゲームとか動画鑑賞には有利。とはいえYoga Pro 7i Gen 9はクリエイター向けPCなんだから有機ELは不要。IPS液晶を採用してほしかった。
【欠点】ファンの排気音は確実に不快感が増した
相変わらず排気効率が最高なのは超ありがたいんだけど、Yoga Pro 7i Gen 9は残念ながらファンの音が不快になった。
まず明らかにファンの音がでかい。スマホで計測したところフルパワー時の排気音は50dbから56dbまで向上していて明らかに煩い。
それだけでなく不快感も増した。旧型は「サーッ」という雨音のようなファン音だったんだけど、Yoga Pro 9i Gen 9は若干「キーン」が含まれる。これが耳に触る。
140Wの発熱を抑えるためにファンの回転数を上げているんだけろうけどここは残念。
【欠点】140W充電は純正の充電器に限られる
もう一つ惜しいポイントは140W充電が純正の充電器に限られることなんだ。
Yoga Pro 7i Gen 9はUSB Type-C端子での充電が可能。
だからスマホと充電器を共有できるし、荷物を削減できる。これが今のノートパソコンの主流なんだけど、Yoga Pro 7i Gen 9は少し違う。
というのもYoga Pro 7i Gen 9に対応した140W充電器が市場に存在しないんだ。
つまりYoga Pro 9i Gen 9を140Wで充電したいなら、この純正クソ重充電器の使用は必須になるというわけ。
市販品の140W充電器を購入しても100Wでしか充電できないから注意。
Yoga Pro 7i Gen 9は28V入力の社外充電器は使用不可
その理由はYoga Pro 7i Gen 9が20Vの入力にまでしか対応せず、USB PD規格の5A制限だと100Wでしか給電できないからなんだ。一覧にすると下記。
・Yoga Pro 7i Gen 9最大入力 20V7A=140W
・Yoga Pro 7i Gen 9専用充電器 20V7A=140W
・社外品140W充電器(USB PDは5A制限)
28V5A=140W(←28V非対応のため無理)
20V5A=100W(20V入力だと100Wが限界)
・MacBook最大入力 28V5A=140W(←社外品利用可能)
つまり20V入力までしか対応しないYoga Pro 7i Gen 9にいくら社外品の140W充電器を繋いでも100Wでしか充電できない。ゴミ。俺が購入した140W充電器のレビュー記事は下記。
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【UGREEN Nexode 140W レビュー】超でかい。辛い
結局俺は企業の策略に乗せられて充電器を何個も何個も購入した。充電器に何万円もお金をかけるなんてあほすぎる。俺を罵ってほしい。 でも俺には発表の場がある。それが唯一の救い。今回新しいパソコンを購入した流 ...
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というか28Vにまで対応するMacBookが偉すぎる。なにやってんだLenovo。
140W入力と100W入力でパフォーマンスは変化なし
ただ検証の結果140W入力でも100W入力でもYoga Pro 7i Gen 9のパフォーマンスは変わらなかった。それだけが救い。
検証の結果140W充電と100W充電で処理能力は変わらなかったから報告。つまり100W充電だと徐々に電池が減る。高負荷が一時的なクリエイティブ系アプリなら問題なし。一方常に高負荷を要求するゲームだと電池切れ問題が起こりそう。ゲーマーは443gの純正充電器を使った方が良さげ。140Wは扱いが難しい。 https://t.co/5AQd8OBQGF pic.twitter.com/rXNz8QHt2Q
— トーマス@ガジェマガ (@gadgetKaeru) July 27, 2024
100W充電器で常にフルパワー稼働だと徐々にバッテリーは減っていくだろうけど、それでも2時間程度は余裕で持つ。対応する社外品140W充電器はないけど、俺の運用なら100W充電器でも問題なさそうだった。
Lenovo純正小型充電器なら140W充電可能?
他方ツイートのコメントでLenovo純正の充電器なら20V7Aの140Wに対応できるという情報をもらった。実際商品ページにも20V7Aの表記がある。たぶん行けそう。気になる人は購入してもいいかもしれない。
俺はしばらくMATECHの100W充電器で運用しようと思う。
コスパは最高。でも140Wが課題
相変わらずLenovoPCのコスパが圧倒的なのは間違いない。Core Ultra 7 155HとRTX4050、32ギガメモリで22万円はやばすぎ。Lenovoじゃなければ30万円は余裕で越えてくる。この円安のご時世にこれだけの価格を実現してくれたことには感謝しかない。
しかもこれだけのスペックがあれば多くの人にとって十分メインマシンになるんだ。寧ろオーバースペックすぎる。もはや10年先まで余裕で使える段階にまで来てる。
これ以上の性能を要求するのは4K動画クリエイターかヘビーなゲーマーまたはAI系に特化してる人ぐらいだと思う。フルHDの動画編集、画像編集とイラスト系ならこれで十分すぎる。それくらいに最強。
140W入力と排気音がネック
但し140Wという高出力を扱いきれてない感があるのも事実。140W入力に対応させるなら絶対に28V5Aにも対応するべきだった。せっかく140W入力に対応してるのに社外品の140W充電器が使えないようでは本末転倒。
更に140W高出力に対応したことで明らかにファンの回転数が上がって煩くなった。もちろん熱暴走するよりはマシだからそれはそれでいいんだけど、どうしても140Wを扱いきれてない印象は拭えない。
140W規格への対応が今後の伸びしろ
色々言ってきたけど結論としてはYoga Pro 7i Gen 9は最高。それは間違いない。
多少ファンが煩くとも社外品140W充電器が使えなくともこのスペックで22万というコスパが全てを黙らせるし、ハイスペックノートの選択肢として両手放しでお勧めできる。
と同時に140W出力という新たな課題を突き付けてくれたノートパソコンでもある。高出力は高発熱だし規格も複雑。2024年7月ではここが限界。
でも今後ノートパソコンは確実にまた進化する。処理能力と省電力性能は更に効率化されるはず。つまりYoga Pro 7i Gen 9は圧倒的なコスパと同時に伸びしろまで感じさせてくれる、2重に楽しいノートパソコンだった。
とりあえず俺はメイン機決定で。また多分先2年以内に買い替えると思う。