俺が神戸に引っ越したのは4月末。つまりゴールデンウィークの真っ只中で、3月末ほどではないにせよ忙しいシーズンには違いない。
しかも距離も東京から兵庫県でそれなりにある。これは下手するととんでもない額になるんじゃないのか。
という緊張感をもって挑んだ結果、何とか引っ越し代を10万円に収めることができたからそのやりとりをここに記す。今後引っ越し業者との交渉する際の参考にしてほしい。
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過去の引っ越しから即決価格を検討
交渉事はなんでもそうだけど、交渉前に自分の中で即決価格を決めておくことが何より重要なんだ。
誰だって安ければ嬉しい。それは当然。でも即決価格も提示せずに値切り交渉ばかりする人は業者に嫌われる。結果対応が悪くなって自分も不利益を被るという流れ。
つまり自分の為にもまずこちらからいくらなら即決するという金額を伝えて、同じゴールに向けて歩み寄るのが理想的。そしてその基準額は過去の実績を参考にすると決めやすいんだ。それが俺の場合は下記。
- 2009年10月 大学卒業時 関西圏 ⇒ 奈良県(3万円)
- 2011年3月 公務員就職 奈良県 ⇒ 東京都(7万円)
- 2013年12月 公務員退職 東京都 ⇒ 奈良県(7万円)
- 2014年8月 民間就職 奈良県 ⇒ 東京都(7万円)
- 2019年8月 民泊撤収 東京都 ⇒ 奈良県(7万円)
俺の引っ越し回数は過去5回で、奈良の実家を拠点に行ったり来たりしてる。こう見るといつでも帰れる実家の存在は本当に偉大だと改めて思う。
それはそうと過去の実績を見る限り「東京 ⇔ 奈良」は7万円が最安。時期と物価高騰を考慮すると今回の神戸はそれを上回る可能性が高いけど、ひとまず即決価格としては7万円を提示することにした。
引っ越し一括見積サイトを利用する
自分の中での目標金額が決まればここからが勝負。まずは引っ越し一括見積サイトを使って自身の希望を複数業者に一気に通達する。見積もりサイトはどこでもOK。俺が利用した見積もりサイトでは大手5社への同時見積もりが可能だった。
それが終わればあとは待つだけ。と言ってもそんなに待たない。一括見積りから1時間もしないうちに業者から電話がかかってくる。そこに一件ずつ応対していけばOK。
【電話1件目】アート引越センター
最も早かったのはアート引越センターだった。電話では1件目の見積もりであること、曜日と時間帯は合わせられることを伝えた後に、10分ほどかけて荷物の聞き取り調査をしてもらう。
最後に希望の価格を質問されたからあらかじめ決めていた7万円ならこの電話で即決すると伝えた。
結果7万円はやっぱり難しかったらしく、上司に確認するとかの茶番が入ってから提示された金額は9.9万円だった。
7万円は上回るけど思っていたほど悪くはない。とはいえまだ1件目。ここでで決めきるのは難しい。ということで検討する旨を伝えつつ担当者の名前を聞いて電話を切った。
【電話2件目】サカイ引越センター
次に電話がかかってきたのはサカイ引越センターだった。というかアートと電話している間にいくつか着信が入っていた中で最も早かったのがサカイだった。
電話の基本的な流れはアート引越センターと同じ。既に1件見積もりを9.9万円で出してもらっていることも先に伝える。その後10分ほど荷物の聞き取りをしてもらった後に提示された金額は16万円だった。高い。
担当者も16万では9.9万円には勝ち目がないとわかっているのか押しも弱く特に引き留められることも無く電話は終了。
この段階で俺の方で9.9万円が悪くない値段だということを把握できた。
【電話3件目】引越しのプロロ
次の電話は引越しのプロロ。全く聞いたことが無い。やっぱりCMって大事なんだなと思った次第。
電話の流れは先2件と全く同じ。ここまでで既に約1時間ほど電話していて非常にしんどいけどここが踏ん張りどころだから頑張るしかない。荷物の聞き取りをしてもらって提示された金額は12万円だった。
やっぱりアート引越しの9.9万円には勝てないらしく、ここでも押しは弱め。検討する旨を伝えて電話を終了した。
【電話4件目】ハート引っ越しセンター
ここまで約1時間半。質問に答えるだけでも同じ内容を繰り返すのは疲れる。但し残り弾は二つ。この二つで決断できなければまた振り出しに戻るかアート引越しを選ぶことになる。どうする俺。とりあえず電話する。
ハート引っ越しも電話の流れは全く同じ。見積もり4件目であること、最安は9.9万円であることを伝えてから約10分の聞き取りをしてもらう。
違ったのはここからで、
「いくらなら決めてもらえますか?」
と言うことだった。どうも9.9万円より安くできるっぽい。
ハート引っ越しに賭けるか否かの葛藤
但し俺にはまだ一つ残り弾がある。そっちなら更に安くなるかもしれない。ここで決断してしまうのはリスクでもある。
それにハートに値段を出させてからアートに持ち帰れば更なる値下げだって狙える。やっぱりここで決断してしまうのはリスク。
疲れていたし相場は掴めていた
一方でこの段階で既に非常に疲れていたのも事実。同じ電話を繰り返す作業にうんざりしていたし、ここまでで大体の相場観は掴めていた。俺の当初の理想額は7万円だったけど多分無理。恐らく9万円前後に着地するであろうことも見えていた。
となるとここから縮められても1万円が限界。その為にまた電話で30分1時間電話したとして、果たしてそれは勝ちと言えるのかも疑問だった。それよりも早くこの業者選定タスクから解放されたい。
ならこのチャンスを最大限生かす方向で賭けてみた方が良いんじゃないのか。と判断した。
「9万円なら即決」の切り札を使う
だから俺は
「9万円を切るならこの電話で決めます」
と高らかに宣言した。俺がこの日最も輝いた瞬間だった。
というのも今の最安は9.9万円。5件目の電話でこれを下回る確率は低い。なら5件目の電話を捨ててでもこのチャンスに全ツッパして最安値を模索すべきだと判断した。
結果上司確認の茶番を挟んで8.5万円を提示してくれた。思っている以上に頑張ってくれたっぽい。こうして俺の引っ越し業者選定タスクは幕を閉じた。
とはいえ洗濯機取り付けオプションもつけたから最終9.7万円になった。世の中そんなもん。
相場観の把握が勝利に繋がった
今回の交渉は以前のバイク王との交渉と違ってWin-Winの関係になれたといっていいと思う。前3件の電話で相場を掴んだことで4件目のチャンスを最大限生かせた。
こちらが決断したことで相手も動きやすくなり、想定以上の値下げを実現してくれたという流れ。
もちろんもっとごねればもう少し下がったかもしれないけど、下手にごねてサービスの質を落とされるより、お互いにメリットのある適正価格を維持した方が世の為人の為。時間の節約にもなるから回り回って己が為でもある。
バイク王と交渉して敗北した話は下記。
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相見積もりは社会の常識
もう俺クラスの人間になると当たり前ではあるんだけど、複数社に見積もりをとる相見積もりは社会の常識だから全く気にしなくていい。
たまに相見積に謎の罪悪感を感じる人がいるけど、他社でも見積もりを取っている事とその価格は堂々と伝えてしまった方が話が早いんだ。なぜならそれが常識だから。
俺が営業やってた時も「他社の話を聞いてから検討する」と毎回言われていた。それが普通。
ということで今後いかなる営業を受けた際も即決はしないで欲しい。即決を求めるのは99%悪徳業者だと思っていい。
手間と時間を優先するのもあり
但し自分が納得できるならそこで決めてしまってもOK。
今回も4件電話したことで大体の相場観と未来が見えた。例え5件目に電話して更に安くなるとしても、今決めてしまった方がメリットが大きいと自分の中で納得できたから決めた。この辺りはケースバイケース。
条件付きの即決宣言は最後の切り札
そして条件付きの即決宣言は見積業者にとっても大きなモチベーションになるんだ。今回「9万円を下回るなら決める」と言ったのがそれ。だからここぞという場所で切るのが重要。
なぜなら値下げばかりを要求する優柔不断な客を業者は客として扱ってくれないから。どうせ決めてくれなさそうなら頑張る意味もない。だから塩対応になるのが人の性。
決断を迫れば決断してくれる
一方で、「9万円を下回るなら決める」と明確な条件で歩み寄れば相手の歩み寄りも引き出しやすい。無理なら無理で話が早いし、出来るならちょっと頑張っちゃおうかなという感じ。
今回俺の9万円以下の条件に8.5万円を提示してくれたのは俺の心象が良かったからに他ならないんだ。もし俺がごねまくる客なら8.9万円を提示されたはず。世の中そんなもん。
だからこそ相場観の見極めが重要。切り札は適切なタイミングで適切な場所に刺すのが理想。それが今回は4件目のハート引っ越しだったという流れ。
引っ越しの現場作業員はマジですごい
引っ越し業者と言えば暴利を貪るオペレーターの提示価格が目立つ傾向であまりいいイメージは無いんだけど、一方で現場に来るスタッフはマジでプロ意識が凄くて毎回圧倒される。
いかに効率的に荷物を運ぶかにプライドを持ってるしスピード感も凄い。手を抜かず真摯に取り組む職人気質は日本人の良さだなと引っ越しを依頼するたびに思う。
現場作業員もたまに失敗する
とはいえ人間は失敗する生き物で、今回初めて盛大に55インチテレビを破壊された。
結果6万円が補填されたから6万円を足して新型テレビを購入できた。感謝。
9.6万円の引っ越し代に対して6万円の補填は可哀想すぎる気もするけど、業者も保険には加入してるだろうから気にしない。
以上。引越し業者選定の参考にしてほしい。
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