性懲りもなくVegasPro22を買った。なんでもVegasProは22からサブスクモデルのみになるらしい。ならもう買うことはないなと思ってたらソースネクストから買い切りモデルが発売された。
なら買うか。と買ったからVegasPro21と比較したレンダリング速度の違いを検証する。
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VegasProは超マイナーアプリ
色々なところで書いてるけど実はVegasProは日本では俺しか使ってない。それくらいにマイナー。VegasProユーザーがVegasProユーザーに出会うのは東京で奈良県民が奈良県民に出会うくらいレアなんだ。
VegasProは普通に使えるし安い
とはいえマイナーだから使えないということはなくて、普通に使える。というかVegasProは機能的にはPremiere Pro等のプロが現場で使う動画編集アプリと遜色ないくらいの機能を備えてるどころか、カット作業に関しては最も効率的にできてしまったりする。だからカット編集命の俺はVegasProを使い続けているという話。
極めつけはVegasProは安いんだ。VegasProは年額3万円のPremiere Proと変わらないくらいの機能がありながら約1万円のしかも買い切り。庶民の味方。
VegasProはもうフリーズしない
ところでVegasProといえば16から18辺りを使っていた人からするとフリーズが多すぎて使い物にならないというイメージがあるかもしれないけど、なんだかんだ毎年ナンバリングの更新とともにバグも修正されていて、今俺が使っているVegasPro21はほぼ全くと言っていいほどフリーズしなくなった。
もちろん操作性も毎年改善されてる。つまり完成度も上がり続けている。
ということでVegasPro20以前を使っている人、昔は使ってたけど乗り換えてしまった人は帰還を検討するのもありかもしれない。今はそれくらい使いやすいし、なんてったって一万円の買い切り。お財布に優しすぎる。
動画編集を仕事にするならPremierePro
ただし動画編集を仕事にしたいと考えているならVegasProはお勧めしない。なぜなら死ぬほどマイナーだから。
というのも映画業界でもテレビ業界でもYoutube業界でもMVの作成現場でも結局使われているのはシェアナンバーワンのPremiereProなんだ。だからVegasProで上達しても潰しが効かない。
就職したらPremiereProが待ってるし、個人事業主でも取引先が指定するのはPremierePro。動画編集を仕事にする限りPremiereProの呪縛からは逃れられないのが現実。だからこれから動画編集を学ぶ初心者は年間3万円払ってPremiereProを使うべき。
VegasProは孤独なYoutuberか趣味人にお勧め
VegasProを使っていいのは俺みたいに誰とも関わらない孤独なYoutuberか、趣味程度に動画編集をしている人の二択。つまり買う理由はほぼない。
でもまぁ1万円だし適当な無料アプリで使い勝手の悪さに苦労して時間を浪費するくらいならVegasPro買っとけば?って製品。ここがVegasProの価値。
VegasProは物自体は良いんだけどシェアには勝てない。市場原理は残酷。
【結論】VegasPro22は全く進化していない
さて話が脱線したけど折角VegasPro22を購入したから俺のパソコンでのレンダリング時間の変化を検証した。俺のパソコンのスペックは下記で
- Core Ultra 7 155H
- RTX4050
- 32ギガメモリ
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エンコードはすべてIntel QSVを使用。なぜならVegasProはなぜかNVENCだと超遅いから。で、結果は下記。(5分動画の書き出し時間と書き出し平均速度。動画は1080P30fps、1080P60fps、4K60fps)
1080P30fps | 1080P60fps | 4K60fps | |
VegasPro21 GPU無効 |
59秒 150fps/秒 |
2分26秒 122fps/秒 |
7分41秒 39fps/秒 |
VegasPro21 GPU有効 |
1分10秒 128fps/秒 |
2分14秒 133fps/秒 |
4分53秒 61fps/秒 |
VegasPro22 GPU無効 |
1分 149fps/秒 |
2分38秒 113fps/秒 |
7分40秒 39fps/秒 |
VegasPro22 GPU有効 |
1分8秒 130fps/秒 |
2分14秒 133fps/秒 |
5分 60fps/秒 |
一番早かったのが黒字。とはいえ誤差の範囲。
【結論】VegasPro21と全く同じ
まず結論としてはVegasPro22とVegasPro21は全く変わらなかった。しかもアプリの使用感も全く同じ。改善点もいつ使うのかわからないAIばかりで意味不明。つまり俺は1万円を払って「何も変わらない」を得た。
30fpsはGPUが無いほうが早い
ここからはVegasProの不思議なところで、1080P30fpsの動画はなぜかデバイスマネージャーからGPUを無効化した方がレンダリング速度が伸びる。CPU+GPUよりもCPU単体の方が早い。解せない。
どうやらこれはVegasProの古すぎるレンダリングエンジンによる影響らしくて、要はGPUに最適化できていない。だからIntelQSVよりNVENCの方が遅いんだと思う。VegasPro22になって最適化できていることを期待したけど徒労に終わった。
60fps以上はGPUがある方が早い
逆に1080P60fps以上はGPUを有効化した方が早い結果になった。CPUだけでは処理しきれない部分をGPUが手助けしてくれているんだと思う。
とはいえその差はGPUを無効化した場合と比べても微々たるもので、いかにVegasProがGPUに最適化できていないかが改めて浮き彫りになった。
なんだかんだVegasProで満足してる
VegasPro21からVegasPro22に買い替えて何も変わらなかったのは悲しいっちゃ悲しいんだけど、とはいえVegasPro21にも全く不満はなかった。既に動作は安定しているし、GPUが役立っていないとしても不満を感じるほどレンダリング速度が遅いわけでもない。既に十分快適で満足。
それでもVegasPro22に買い替えたのはもしかしたらGPU使用の効率が上がっているかもしれないという一抹の希望と、随分お世話になっているVegasProに対するお布施の意味合いが強い。
というのも俺は今までVegasProに総額5万円程度しか払っていないんだ。この金額で約600本ある全てのYoutube動画を作成している。いくら何でも安すぎ。だから少しでも開発費の足しにしてほしいという寄付のつもりで購入した。全く後悔はしていない。
VegasProはセール時1万円なら超お勧め
上でも書いた通りVegasProはマイナーすぎるから将来性を考えるとなんともおすすめし辛いんだけど、逆に趣味程度で動画編集してみたいとか、試しにYoutubeやってみたいけどPremiereProもダビンチリゾルブも高い。かといって無料だと使いにくくて困ってるという人には超お勧め。
なんてったってセール時なら買い切り1.3万円程度。お試しには最適な価格なのに、これで機能的に過不足のない動画編集アプリが手に入ってしまう。実際俺もVegasPro22は乗り換え割の1.3万円で購入していたりする。
ということでVegasProのセールは定期的に行われているから気になる人はちょこちょこチェックしてみてほしい。
VegasProの音編集設定解説
現在の俺のVegasProの音編集設定を紹介している記事はこちら。音について最低限の知識は学べると思う。
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