果たしてスマホの画質はどこまで一眼レフデジタルカメラに迫っているのか。
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これは永遠の課題だ。今でこそ頭打ちした感はあるが、ここ最近のスマホカメラの進化は著しかった。
条件は、L版
もちろん理論的にはセンサーサイズとレンズサイズに圧倒的な違いがあるので、スマホが一眼レフデジタルカメラに勝てるはずがない。
しかし、撮影した写真を細部まで引き伸ばして確認する需要がどれくらいあるだろうか。一般的には精々L版に印刷する程度だろう。その用途に限った場合、一眼の高精細な描写はオーバースペックとなり、良い写真に見せる絵作りで勝負するスマホカメラが一眼に迫るのではないか。
今回は常に持ち運んでいるスマホの画質が果たして一眼レフと比較して満足できるのかを、実際に同じ写真をスマホと一眼レフで撮影しながら比較したい。
スマホカメラ代表
今回、全スマホを代表して一眼レフと対決するのは、俺が今月に購入したばかりのMate9だ。
2016年12月に最高画質スマホのキャッチフレーズとともに登場したMate9は1200万画素のカラーレンズと2000万画素のモノクロレンズで撮影した画像を合成し、それまでのスマホにはない描写力を実現した。Mate9発売以降スマホカメラの進化は微々たるもので、一年経った今でもスマホ最強「クラス」カメラと言っても過言ではない。
一眼レフ代表
Mate9を迎え撃つのはPentaxが誇るハイコスパエントリー機であるK-5だ。
2010年10月に発売されたK-5は、APS-Cセンサーとして最大のサイズである23.7mm×15.7mmセンサーを搭載し、センサーサイズの割には少なめの1600万画素と、画素数が少ないのが特徴の一眼レフデジタルカメラだ。その余裕のある画素数のお陰で、発売から7年経った今でも、現存する全カメラで12番目のダイナミックレンジを誇り、明所と暗所を同時に描写する能力が高い。
K-5の画質を超える写真はもはやプロ御用達のフルサイズカメラでしか撮れない。エントリー機最強クラスの画質を誇る一眼レフデジタルカメラだ。
無加工、無設定
今回はこの2機種で撮影した画像を加工せず、当サイト掲載サイズである最大900ピクセルにまでリサイズしたもので比較する。Mate9での撮影はなによりも気軽に撮影することを優先するため、明度の調整以外の設定には触れていない。
PROモード
Mate9のPROモードの撮影画面はかなり充実している。真ん中に水準器があるので、傾きを確認しながら撮影できるし、グリッド線の表示もできるので、バランスのいい写真が撮りやすい。今回はすべてAUTOに任せたが、ISO感度(最大3200)やシャッター速度(最大4000分の1秒)、明るさも瞬時に調整できる。
ロケーション
撮影の舞台には眠らない町歌舞伎町を選んだ。同じロケーションの写真をK-5、Mate9の順で並べているので、読み進める中でMate9の画質がどこまで許せるか判断しながら見てもらえると嬉しい。Mate9で撮影した写真には全て左下にMate9のウォーターマークがついている。
撮影開始
撮影は椎名林檎の「歌舞伎町の女王」でおなじみのJR新宿駅東口からスタートした。ここは渋谷でいうところのハチ公前のような場所で、夕方以降は待ち合わせをする人々で溢れている。
新宿駅東口に背を向けると「笑っていいとも!」でおなじみのスタジオアルタが見える。アルタとアイフルの間に風俗キャッチで有名なスカウト通りがある。
新宿スワンの舞台となったスカウト通り。今も多数のキャッチが派手な女性に声をかけている。
スカウト通りを超えるといよいよ歌舞伎町が見えてくる。
ちなみに、Mate9は劣化無しで2倍までのズームができる。同じ立ち位置から2倍ズームを使って撮影したのが下の写真だ。
歌舞伎町一番街の看板が見える位置から振り返るとヤマダ電機LABI新宿東口館が見える。特徴的な巨大スクリーンはニュースでもたびたび見かける。
歌舞伎町のメインストリートに入る。ネオンが眩しい。東宝シネマの上からゴジラが顔を出してる。
メインストリートの右の通路に入る。実は新宿にもソープがある。
更に先へ進むと外国人観光客に大人気のロボットレストランがある。高くてまだ入ったことはない。これはMate9の写真失敗した。
メインストリートに戻る。ゴジラが近づいてきた。
メインストリートの左側に超うまい牛かつ屋のもと村がある。ここはマジでやばい(語彙力)
ゴジラのほぼ真下まで来た。ここからが一番迫力がある。
TOHOシネマ2階から先ほどまで歩いていた歌舞伎町のメインストリートを眺める。
ゴジラのTOHOシネマを出て右側に進むと、明大クライス集団昏倒事件の現場となった広場がある。今は新宿コマ劇場はもうない。
そのまま進むと殺し屋1で日本一忙しいと描写されていた歌舞伎町交番がある。この時は忙しくなさそうだった。ここをまっすぐ進むと日本一の規模を誇るホストクラブとキャバクラがひしめく通りになる。
早速ホストクラブが顔を見せ始める。
その隣にはホストと風俗嬢が頻繁に利用するラブホテル街が広がる。相場は日本で一番高いらしい。
ホストと風俗嬢が未収(売掛金)の話をしているのをたびたび見かける高級うどん店「つるとんたん」がある。安くはないが、味はよく、ボリュームもあるので外国人観光客にも人気だ。
その反対側には同じくかけの話をよく耳にする高級ぞうすい店の「お通」がある。
更に進むと煌びやかなホスト達の看板が並ぶ。
同伴などの待ち合わせでよく利用される風林会館。歌舞伎町のど真ん中にあり、夏は涼しく、冬は暖かいドラッグストアがありがたい。
風林会館を背にして見える交差点。ここから数十メートルのところに新宿区役所がある。ジジイが思いっきり違反しててわらえる。
更に奥に進むと闇金ウシジマくんや新宿スワンなどで登場するバッティングセンターがある。ここから先へ進むと歌舞伎町を抜けて韓流の本場である大久保になるので、今回の歌舞伎町の旅はここまで。
昼の部
夜の写真だけだと判断しかねるので、明るい時間の代々木VILLAGEにも顔を出してみた。
ワイドアパーチャ機能
最後に、Mate9で話題のワイドアパーチャを試してみたい。これはMate9が撮影時にダブルレンズによって対象物の距離を測定し、距離に応じてボカシを入れることで、一眼レフカメラのような疑似的なボケ味が楽しめる機能だ。使ってみた感じ、ばっちりハマると絵になるけど、ちょっとボケすぎだと思った。
入口標識。標識以外が急激にボケていて違和感を感じる。
カフェ看板。ばっちりハマって看板が浮き上がるけどやっぱり背景がボケ過ぎ。
順に一眼、ワイドアパーチャなし、ワイドアパーチャあり。これはボケの違和感が強い。疑似的なボケなので、刻みに弱く、途中から急激にボケる。ワイドアパーチャ機能は撮影対象と背景に距離がある場合にだけ使いたい。
ワイドアパーチャなしの背景ボケ
こちらはワイドアパーチャ機能を使わない背景ボケ。スマホでもこれくらい手前にピントを合わせると背景がボケる。
あとがき
おそらくこの記事を読んでいる人も同じ感想だと思うけど、Mate9の描写力は想像以上で、多くの人が外出先での撮影はMate9で充分だと感じたんじゃないかと思う。Mate9は時折ダイナミックレンジの狭さを感じることはあったけど、それもK-5と比べると、という程度に留まるし、写真をこのサイズまで落としてしまうと、画像の精密さも一眼と見分けがつかない。
昼も夜もMate9で
かつてのスマホは昼は良くても夜に弱いというのが一般的だったが、その常識は覆された。暗いところでも十分撮影できるし、ノイズも気にならない。しかもそれを手持ちで余裕で実現してしまっていて、完全に実用レベルで使える。
記録撮影
当然細かい描写は一眼レフのほうがいい。けれども、それは一眼レフを持ち運ぶほどの差ではない。俺はプロカメラマンではない。外出先で撮影する写真は商品レビューのためではなく、思い出を記録するためのものだ。それでも今までは一眼レフを選択したい理由があった。今までのスマホは思い出としての記録を任せるのも不安だった。
画質が手軽さを後押しした
しかしMate9は違う。Mate9の画質なら、重くて邪魔になる一眼を持ち運ぶよりも、いつもポケットに入っていて手軽に持ち運べるスマホでいいと、迷いなくそう思える領域まで到達したと思う。