最近10倍スマホ乱立しすぎ。そもそも2019年でスマホ市場が成熟してしまって他にやることが無くなってきているのが原因ではあるんだけど、ハイエンドスマホがことごとく10倍ズームから100倍ズームを搭載していてもはや意味不明。
ということで今回は超望遠ズームを搭載するスマホを簡単にまとめる。
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【注意】超望遠ズームはほぼ使わない
ガジェマガでは繰り返し言っているんだけど、スマホに限らず、超望遠ズームは思っている以上に使わない。
プロのカメラマンでも使う倍率は精々上半身から上を収める2倍ズームと、顔のアップを撮影する3倍ズームが一般的で、それ以上のズームは野鳥もしくは浮気調査向け。
日常生活で5倍以上のズームカメラが必要になるシチュエーションは動物園とかちびっこの撮影もしくは盗撮程度で、想像以上に少ない。
スマホの超望遠カメラは画質が荒い
しかもスマホの超望遠カメラは数値ばかりアピールしていて実際の性能はおもちゃみたいなものばかり。
実際に俺も高額5倍カメラを搭載したMi Note 10でテスト撮影をしてみたんだけど使いもにならなかった。
下記がMi Note 10の標準カメラと5倍ズームカメラの比較。
一応写ってる程度のレベルで実際に使えるかと言われると無理。
現実的なところで2倍3倍に収めるのが画質的にも倍率的にもギリギリ実用の範囲内で、超望遠カメラを求めてスマホを購入するくらいなら普通にちゃんとしたズームカメラを購入した方が遥かにマシ。これは今後の超望遠カメラ競争が激化することで変わるとは思うけど、現状はそんな感じだということを覚えておいてほしい。
望遠カメラ搭載スマホ一覧
ハイブリッド10倍望遠以上のズームカメラを搭載した有名スマホは下記。
P30 Pro | 光学5倍 | ハイブリッド10倍 |
OPPO Reno 10x | 光学5倍 | ハイブリッド10倍 |
Mi Note 10 | 光学5倍 | ハイブリッド10倍 |
Mi 10/Mi 10 Pro | 光学2倍 | ハイブリッド10倍 |
Galaxy S20 Ultra | 光学4倍 | ハイブリッド10倍 |
Mi10/Mi 10 Proが光学2倍、Galaxy S20 Ultra光学4倍ズームではあるけど、ざっくりこんな感じ。特長としてその全てが最上位モデルもしくはプレミアモデルという位置づけで、5倍以上の望遠カメラはもはや金持ちの道楽と化しつつある。
光学/デジタル/ハイブリッドの違い
スマホのズームには下記3種類がある。
- 光学
- デジタル
- ハイブリッド
光学ズーム
光学ズームはその名の通りではあるけど、カメラの配置を変えることで焦点距離を変化させる望遠で、アップになるのに画質の劣化が無いのが特徴。
デジタルズーム
デジタルズームは要は画像切り抜きのこと。画質が劣化しない光学ズームに対して、デジタルズームは単純に大きな写真の切り抜きでしか無いから画質が超絶劣化する。
ハイブリッドズーム
ハイブリッドズームはデジタルズームの画質の劣化を解決するために登場した。
要は光学とデジタルズームを組み合わせてソフトウェアでこねくり回すことで、劣化の無いズームを実現したということなんだけど、光学と比べると明らかに画質は劣化していてやっぱり使いにくい。
P30 Pro
P30 Proのスペック
ディスプレイ | 6.5(有機EL) |
解像度 | 2340x1080 |
CPU | Kirin980 |
メモリ | 6 |
ストレージ | 128 |
バッテリー | 4100 |
セキュリティ | 指紋/顔 |
おサイフ | ○ |
防水 | IPX8 |
DSDS | × |
重量 | 192 |
サイズ | 73x158x8.7 |
超望遠スマホの元祖。発表時は最大50倍のズームが話題になった。
実際のカメラは光学5倍ズームとハイブリッド10倍ズームの構成で、それ以降はデジタルズームになる。
スペックは手堅く当時のHuaweiの最強スペックを詰め込んだKirin980と6ギガメモリを組み合わせたハイエンドスマホで、位置づけとしてはsnapdragons845と855の間だから3Dゲームもサクサクプレイできる。
日本版はドコモからの限定販売で、DSDSが潰されている代わりにおサイフに対応している。
OPPO Reno 10x
Reno 10xのスペック
ディスプレイ | 6.6(有機EL) |
解像度 | 2340x1080 |
CPU | Snapdragon855 |
メモリ | 8 |
ストレージ | 256 |
バッテリー | 4065 |
セキュリティ | 指紋/顔 |
おサイフ | × |
防水 | × |
DSDS | ○ |
重量 | 215 |
サイズ | 77.2x162x9.3 |
P30 Proで話題になった10倍ズームを追従した超望遠ズームスマホ。
光学5倍、ハイブリッド10倍のズームに対応する。とはいえ残念ながらカメラ画質の評判は良くない。
こちらもスペックは最強で、当時の最強CPUであるSnapdragon855と8ギガメモリで3Dゲームもサクサクプレイできる。
シムフリースマホとして発売されたけど10万円という価格が悪かったのか存在が薄い。
Reno Aと同じようにおサイフに対応してたら化けたと思うけど、イマイチ推しが無い。
Mi Note 10
Mi Note 10のスペック
ディスプレイ | 6.47(有機EL) |
解像度 | 2340x1080 |
CPU | Snapdragon730G |
メモリ | 6 |
ストレージ | 128 |
バッテリー | 5260 |
セキュリティ | 指紋/顔 |
おサイフ | × |
防水 | × |
DSDS | ○ |
重量 | 208 |
サイズ | 74.2 x 157.8 x 9.7 |
Xiaomiが日本進出第一弾として発売したカメラ特化型スマホ。光学5倍、ハイブリッド10倍に対応する。
超望遠カメラスマホとしては珍しいミドルハイエンドスマホで、Snapdragon730Gと6ギガメモリのスペックは低くは無いけど高くもない。
カメラが売りの割りに値段が微妙に高くて、そのくせスペックも微妙な掴みどころがないスマホ。価格設定が惜しい。
Mi 10/Mi 10 Pro
Mi 10/Mi 10 Proのスペック
Mi 10 | Mi 10 Pro | |
ディスプレイ | 6.5(有機EL90Hz) | 6.5(有機EL90Hz) |
解像度 | 2340×1080 | 2340×1080 |
CPU | Snapdragon865 | Snapdragon865 |
メモリ | 8/12 | 8/12 |
ストレージ | 128/256 | 128/256/512 |
バッテリー | 4500 | 4500 |
セキュリティ | 指紋/顔 | 指紋/顔 |
おサイフ | × | × |
防水 | × | × |
DSDS | ○ | ○ |
重量 | 208 | 208 |
サイズ | 74.8x162.6x9.0 | 74.8x162.6x9.0 |
Xiaomiが満を持して発売する2020年のフラッグシップスマホ。
光学2倍ズームとハイブリッド10倍ズームに対応する。光学の倍率の割りにハイブリッドの倍率が高い。
Youtubeのレビュー動画をあさりまくったけど、望遠カメラをレビューしている動画を見つけられなかったから画質は不明。
スペックは最新CPUのSnapdragon865と最低8ギガメモリを搭載したことでスマホ業界最高レベルになった。
グローバル版がまだ発売されていないからグーグルプレイストアを使えるMi 10/Mi 10 Proがまだ存在しない。
Galaxy S20 Ultra
Galaxy S20 Ultraのスペック
ディスプレイ | 6.9(有機EL) |
解像度 | 3200×1440 |
CPU | Snapdragon 865 |
メモリ | 12/16 |
ストレージ | 128/256/512 |
バッテリー | 5000 |
セキュリティ | 指紋/顔 |
おサイフ | × |
防水 | IP68 |
DSDS | ○ |
重量 | 220 |
サイズ | 76x166.9x8.8 |
サムスンGalaxyのフラッグシップであるGalaxy S20シリーズの最上位モデル。
光学4倍、ハイブリッド10倍に対応する上、スマホ業界最高のデジタル100倍ズームに対応する。
デジタル100倍はP30 Proの50倍を遥かに上回るズームで、もちろん使えた画質ではないけど、できないよりはできる方が嬉しい。
スペックはMi 10と同じくSnapdragon865と最低12ギガメモリを搭載していて最強。
日本版はまだ発売されていないけど、恐らくキャリアの専売でDSDSが廃止されておサイフ携帯に対応する。
超望遠ズームはアピール材料
今回超望遠カメラ搭載スマホを色々調べてみたけど、発表の度に話題になる割には意外と数が少ない印象だった。
残念ながら超望遠ズームは今のところ撮影しても使い物にならない画質のカメラばかりなのが実情で、多分メーカーも実用性というよりは、やることがなくなったスマホ市場の発表会で少しでもインパクトを追加するために搭載しているんだと思う。
実際Youtubeレビュー動画でも超望遠カメラに触れている人はごく少数で、語るほどの画質も需要ないとみなされてるっぽい。
スマホの超望遠カメラをアピールされればされるほど、他にアピールできるものが無いメーカー側の息詰まりが伝わってきて、誰も得しない結果になっているように感じた。